スライド 1

地域力が子供を救う!
安全・安心をキーワードに、モノ作り企業集団が自治体と商品開発
-近隣セキュリティシステムの開発ー
「地域振興講座」第5回講座
(ものづくり企業の連携で地域の課題解決を図れ)
2008年10月16日
特定非営利活動法人ものづくり品川宿
里見泰啓
近隣セキュリティシステムの仕組み
携帯電話通信網
データ+音声
GPS衛星
GPSデータ
携帯電話基地局
データ+音声
データ+音声
保護者等
緊急発信スイッチ
発信ボタン2
データ+音声
発信ボタン1
センターシステム
留守録ボタン
電波停止ボタン
まもるっち
特定通話サービス
所在地確認サービス
保護者
学 校
生活安全パトロール
協力者
近隣セキュリティシステム開発の背景
◆品 川 区
◆ものづくり品川宿
中小企業経営者、技術者、士業、
学識経験者等により、産業支援型
NPOを設立
コミュニティを再生・活用した見守り
システムを構想
システムの開発・供給・維持
産業支援策の一環として、品川発の
技術・製品開発を支援
防犯ブザーを全員に配布する等、児
童の安全・安心に注力
連携
区内の協力体制の構築
近隣セキュリティシステムの開発・導入の経過
ーVer.1の開発①ー
2003.6 一人暮らしの娘さんが、空き巣と出くわして身動きができなくなった経
験を基に、太田理事(タマチ工業社長)がコミュニティを活かした見守り
システムを発想。
小松理事(当時、ソニー木原研究所社長)が技術的可能性を示唆。
2003.8 LAN用通信ディバイスを用いて品川区内に通信網を構築し、階層的
に緊急発報を配信する方式での検討を開始。
2004.1 センターシステムの開発を開始。
2004.2 品川前区長にプレゼンテーション。防犯ブザー機能も持たせるのを要
請される。
近隣セキュリティシステムの開発・導入の経過
ーVer.1の開発②ー
2004.2 通信ディバイスが数万/ロットでは、通常価格での供給ができないこと
が明らかに。LAN方式を断念。
2004.4 YOZAN(東京アステル)の協力を得て、PHS通信網を用いたシステ
ム構築の検討を開始。
2004.5 協力者による駆け付けが警備業法に抵触する可能性を警察庁が示
唆。警視庁は、品川区が生活安全条例に基づき区の責務により運営するならば
警備業法の適用外とする。
品川区による運営が決まる。
2004.6 PHS方式での開発を品川区内諾。
近隣セキュリティシステムの開発・導入の経過
ーVer.1の開発②ー
2004.8 ブザー付きPHS端末、中継機の構想を開始。料金体系等の検討を
開始。
2004.10 これまでの開発構想に基づきNTTドコモ、DDIP(現ウィルコム)、YO
ZANのPHS通信業者による企画コンペを開催。YOZANを採用。
端末機、中継機の設計開始。料金体系、課金方式、有料サービ
ス等方法の詳細検討を開始。
2004.12 端末機用機構部品の供給についての公開説明会。見積合せ、工
場監査により区内企業を選定。
NHK及び民放全社で報道。反響を呼ぶ。
近隣セキュリティシステムの開発・導入の経過
ーVer.1の開発③ー
2005.1 端末機金型製作開始。
2005.3 品川全区長に試作機によるプレゼンテーション。
品川区小学校PTA連合会へのプレゼンテーションと協力の呼びかけ。
システムの管理、運営支援、所在地確認サービス提供、各地への展
開を目的に㈱近隣システム研究所をNPO有志で設立
2005.5 端末機量産開始。試作機による運用テスト。
2005.6 協力者の募集と協力体制の構築。
中継機の設置開始。
近隣セキュリティシステムの開発・導入の経過
ーVer.1の導入ー
2005.7 品川区立小学校3校でテスト導入。
2005.8 テスト導入を踏まえた端末機、中継機、センターシステムの技術的改
善。
2005.9 区立小学校に順次導入開始(12月まで)。
携帯電話網を使ったGPS端末機、センターシステムの開発開始。これはYOZAN
がWiMAXへの進出に伴いPHSを2006.7までに停波することによる(開発・生
産・入換え費用はYOZN負担)。
近隣セキュリティシステムの開発・導入の経過
ーVer.2への入替ー
2006.5 Ver.2用端末量産開始。
2006.7 Ver.2に入換え。
近隣セキュリティシステムの導入がなぜ成功したか
品川区前区長の導入に対する英断
新しい事業の導入に対して、品川区、YOZAN、ミヨシ電子(YOZANより端末
機の生産を受託したメーカー)が、前例等に拘らずに事業が成り立つよう努力した
こと。
この姿勢が重なって、事業が頓挫しかねない事態を回避する偶然を呼んだのでは
ないか。
全体を通して、柔軟に動ける調整役・プロデューサのような動きをとれる機関があっ
たこと。
若干の留意点
行政の論理と民間の論理の違いをお互いの立場を理解し、譲れるところは譲れる
か。
特に近隣セキュリティのような前例のない新しいもの、様々な主体が関係するもの
は短期間に完成形ができるものではない。実際に使ってみて改善して完成形にし
ていく必要もある。
試行錯誤する間、無責任なクレーマーや議会に対応する腹があるか。
最後に
ー地域産業の振興のためにー
一握りのベンチャー企業や成長企業ではなく、地域産業を構成する様々な企業
の企業者行動(企業家精神)の在りようによって地域産業の活力はきまる。
日本の製造業は、多層・多段階に細分した分業体制があり、分業を支える多く
の企業の漸進的な技術進歩が中間財市場で結びつき・集積して発展してきた。
生産体制が世界規模で拡がっているが、地域の製造業集積の活力や自律性は、
時代環境に適応して進歩・発展に挑む企業・経営者の存在に左右される。
地域産業の振興には、地味だが、ものづくりの気概を持って漸進的でも能動的に
創意工夫して進歩する企業の企業者行動を育むのが肝要ではないだろうか。