グループワーク 事例:Aさん 29歳の女性(無職)父と二人暮らし。 ・元来まじめで、完璧主義。 ・本人の母親は、幼少時に自殺しており、それが原因で父との関係が悪 化している。 ・大学卒業後、就職した職場は、連日深夜までの激務が続く、人間関係 も悪い職場であった。ある時、仕事で失敗したことに責任を感じて 退職。やむなく実家に戻った。 ・退職後は、求職活動をするも上手くいかず、さらに、就職を口実に資 格取得教材のための多額のローンを契約させられていた。 ・2ヶ月位前から、元気がなく、自宅に閉じこもりがちになり、身なり もかまわない様子であった。 「頭が痛い」「疲れる」「眠れない」 「食欲がない」「仕事も結婚もしていない自分はダメな人間」など を友人にメールで打ち明けていた。 ・娘の様子を心配した父が、説得して精神科受診。「うつ病」との診断 を受けた。診断服薬開始し、症状が改善し、父との関係も改善した かのように思われていた。 ・その後、自殺。 グループで話し合いましょう。① ・ Aさんに関して、気になる情報をあげてみま しょう。(自殺のサイン) ・自殺を考える原因、きっかけ、状態などについ てあげてみましょう。 グループワーク 事例:Aさん 29歳の女性(無職)父と二人暮らし。 ・元来まじめで、完璧主義。 ・本人の母親は、幼少時に自殺しており、それが原因で父との関係が悪 化している。 ・大学卒業後、就職した職場は、連日深夜までの激務が続く、人間関係 も悪い職場であった。ある時、仕事で失敗したことに責任を感じて 退職。やむなく実家に戻った。 ・退職後は、求職活動をするも上手くいかず、さらに、就職を口実に資 格取得教材のための多額のローンを契約させられていた。 ・2ヶ月位前から、元気がなく、自宅に閉じこもりがちになり、身なり もかまわない様子であった。 「頭が痛い」「疲れる」「眠れない」 「食欲がない」「仕事も結婚もしていない自分はダメな人間」など を友人にメールで打ち明けていた。 ・娘の様子を心配した父が、説得して精神科受診。「うつ病」との診断 を受けた。診断服薬開始し、症状が改善し、父との関係も改善した かのように思われていた。 ・その後、自殺。 声をかける演習 <設定> あなたは、ゲートキーパーです。最近、Aさんの 今までと違う様子がとても気になっています。 ・ あなたは、まずどんな声かけをしますか? 具体的な声かけの言葉を考えてみましょう。 ・いろいろな言い方でロールプレイをやってみま しょう。 声かけの例 元気がないよう に思えるんだけ ど・・・何か変 わったことがあ りましたか? 何かお困りの ようですけど、 どうされまし たか? 最近、疲れて いるみたいだ けど、お体の 調子はいか がですか? 声かけは「はい、いいえ」で答えられない 「オープンクエスチョン」を活用する グループで話し合いましょう。 • ロールプレイをやってみて、良かった点、 悪かった点を話し合ってみましょう。 「心配している」 というメッセージは伝わりましたか? 自殺のサインをキャッチしよう 1 うつ病の症状に気をつけよう – (気分が沈む、自分を責める、仕事の能率が落ちる、決断できない、不 眠が続く) 2 原因不明の身体の不調が長引く ※うつ病の身体症状 – (頭痛、頭重感、筋肉痛、関節痛、食欲低下、体重低下、声が出なくなる など) 3 酒量が増す ※酩酊状態で行動をコントロールできない ⇒自殺 4 安全や健康が保てない ※ささいな事故やけがが頻回に起きる ・事故予防措置がとれない ・自己管理を放棄する(糖尿病の治療や人工透析などを自ら中止する) ・わざと危険な行為に及ぶ突然失踪する など 5 仕事の負担が急に増える、大きな失敗をする、職を失う 6 職場や家庭でサポートが得られない 7 本人にとって価値のあるもの(職、地位、家族、財産)を失う 8 重症の身体の病気にかかる 9 自殺を口にする 10 自殺未遂に及ぶ 具体的に自殺を計画し、準備している場合は 自殺の可能性が高い・・・ 「相手の話を聴く」ための演習 <進め方> ①三人一組になって聴き手、話し手、観察役の順番を決め、 それぞれを体験します。 ②話し手の役割 「最近、心を痛めたこと」「最近、気になっていること」など について△分づつ話します。 ③聴き手の役割 1回目はできるだけ、聴いていない素振りをして聴いて下さい。 2回目は一生懸命相手の話を聴いて下さい。 ③観察役の役割 聴き手、話し手の様子を客観的に見てください。 話し合ってみましょう。 • 「話し手」をやってみて・・・「聴き手」は、どの ように聴いてくれましたか? • 「一生懸命聴いてくれた」と感じる態度はどの ようなものがありましたか? • 「聴いていない態度」には、どういう態度があ りましたか? 悩みを打ち明けられたら・・・ ・ゲートキーパーのあなたは、勇気を出してAさんに 「最近、元気がないように思えるんだけど・・・何か変 わったことがありましたか?」と声をかけました。すると、 Aさんは、ボソボソと話しをしてくれました。 「話を聴く」ときには、注意することはなんでしょう。 まわりの人と話し合ってみましょう。 相手の話を聴くときの姿勢 ・相手の話をじっくりと聴く。 そうでしたか・・・それは 大変でしたね。 そういう風に考えてしまう のですね。それは辛いで しょうね。 ・相手の考えが受入れられない状況 でも、諭したり、とがめたりしない。 →肯定する ・相手の気持ちを思いやり、共感する。 ・相手のペースにあわせる。 ・「沈黙」は静かにまつ。 ・キーワードは繰り返す そんな状況では、どうし たらいいかわからなくな りますね。 それでは追いつめられた 気持ちになってしまうで しょうね。 話の聴き方のポイント① ①具体的に、相手の状況や考えを聞きたい時 (心身の健康状態や経済面、住まいの問題、家族 の問題など) →オープンクエスチョン「はい」「いいえ」 で答えられない質問をする。 生活する上で お困りのことは ありませんか? どんなことで困っ ているのですか? 話の聴き方のポイント② ②相手が話すことをためらっている場合には、 無理に聞き出そうとしない。 ③問題になっていること、解決したいと思ってい ることはなんなのか、話を整理しながら聴く。 →わかりやすく、書き出して、相談者に確認 するのもよい ④問題が複数ある場合には、問題解決のため の段取りを確認する。 「死にたい」と言われたら・・・ 打ち明け先として、あなたは選ばれたのです。 ・相手のペースに合わせて 「死にたいほどの辛さ」を 時間をかけて丁寧に聞きましょう。 ・辛い気持を十分に語ってもらい、 生きていてほしいと伝えましょう。 辛かったですね。 本当によく耐えてきま したね。 そんな大変なことをよく 打ち明けてくれましたね。 私はあなたに死んでほ しくないと思っています。 ・キーパーソンとなる人との連携をしましょう(一人にさせない 工夫) ・速やかに精神科受診を 状況によっては・・・ 「死にたい」という言葉が出てこなくても・・・ 「自殺未遂をした」「自分なんて生きていてもしょうがない」 など自殺を思わせる言葉がでてきた場合 「自殺」を考えているのか、聞いてみる。 ひょっとして、 「死んじゃいたい」なんて思ったり、 していませんか? 「死にたい」と打ち明けられた時の 好ましくない対応の例 • 話をそらす ・・・怖がらないで! どうして?? • 話しすぎる • 質問責めにする • 批判的な態度を取る • 安易に励ましをする ・命を粗末にしちゃいけな いよ。 ・世の中には、生きたくても 生きられない人もいる。 ・そんなこと言わないで、 なんとかなるよ。 (課題の)整理 ・自殺の危機にある人は、 支援者や相談機関で支えることが必要。 ・多問題を抱えている場合は、 解決に向けた優先順位を一緒に考える 「仕事ができなくなり、 借金のことで困って いるのですね」 本人の持っている課題を整理し、 必要な支援者や相談機関に「つなぐ」こと 「つなぐ」時の流れ① ①相談機関を利用した経験の有無を確認する。 相談している場合は、上手く相談ができているかを 確認する。必要に応じ、相談者の了解をとった上で相 談担当者と連絡する。 ②相談機関の利用経験がない場合、相談者の 了解をとった上で、相談担当者と連絡調整を 行う。 相談の受け方、必要書類、 相談の趣旨、 状況を伝える 相談料、日時、窓口、担当 者名を確認する。 (必要時、予約をとる) 「つなぐ」時の流れ② ③紹介する相談機関でのおおまかな方向性を相 談者と確認しておく。 ここでは、Aさんに○○のこ とについて、相談にのっても らいましょう。 ④紹介する相談機関で相談した結果について、相 談者から事後報告をもらうように依頼する。 相談が終わったら、どうたっ たか、教えて下さいね。 確実に「つなぐ」ためのチェックリスト 今まで利用したことのある相談機関の有無を聞いた。 相談者の了解を得た上で、必要な相談機関に連絡した。 相談機関に相談の趣旨と状況を伝えた。 相談の受け方、必要な書類、相談料などを聞いた。 相談機関の対応できる日時、窓口、担当者名を確認した。 同行案内が必要かどうかを判断し、相談者の状況に応じた対応をした。 紹介した機関での相談状況について、事後報告をもらうように依頼した。 つないだ後も、関係者と連絡をとりあい、協動した。 防波堤を探そう 自殺のブレーキをかける「防波堤」と なるものがないかを一緒に考えましょう 例えば・・・ ・こころの支えとなるもの(宗教) ・大切な存在(家族、親友、ペット) ・これからの人生での計画、楽しみ (結婚、孫の誕生、旅行等) 安全確保① ~自殺の可能性が高いと判断された時~ ・電話相談の場合は、可能なら直接会って話を する ・信頼できる身近な支援者や友人等、駆けつけ てくれる人の存在を聞く。 ・24時間そばにいて長期に見守ることができる 身近な支援者につなげる。(了解を得て、連 絡する) みんなで一緒に支えていきたいので、 あなたの思いを知ってもらい、 一緒に考えたい。 安全確保② ~自殺の可能性が高いと判断された時~ ・抱えている問題に対して、解決方法を共に考えて くれる相談機関を紹介し、一緒に相談に行くこと を提案し、同行する。必要な機関につながるまで 同行して付き添う。 ・「こころの病」が考えられる場合は、早急に精神 科医療機関の受診を勧める。 あなたの○○の悩みの相談にのってくれる △△をご紹介します。 心配なので、△△までご一緒しますね。 フォローアップのための約束① ・相手に許可をとってから、提案する 私から提案しても いいですか? ・自殺しないと約束を求める。 自殺しないと約束し て欲しい。 どうしても自殺したくなって しまったら、必ず連絡して欲しい。 フォローアップのための約束② ・相談後の結果を確認する。(フォローアップ) →いつ、どのような方法で確認するか約束しておき、 連絡する。 明日の○時に電話 を下さい。 連絡がなかった場合、 ご家族に連絡させて いただきたい。 ・ 問題が深刻で自殺のリスクが高い場合は連絡をとり、 実際に支援者につながったかどうかを確認する。 対応の流れ 気づき、声をかける 受け止める(傾聴) 整理 つなぐ 防波堤を探す フォローアップ 安全確保
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