研究現場における化学物質の 安全な取り扱いについて 工学研究科技術部 山岡信夫 (副工学技術長) 土居倫志 (技術職員) 化学薬品をとりまく法規制 取扱者への注意喚起であり、その規制を守ることが自分を守る 環境基本法 大気汚染防止法 毒物及 び劇物 取締法 特定化学物質排出把 握管理促進法 PRTR制度 労働安全衛生法・ ・ 購入 (保管) 消防法 ・ 揮散 僕の私の薬品 使用 MSDS制度 処理 (回収・廃棄) 作業環境測定法 健康診断 排出 水質汚濁防止法 廃棄物処理法 OCCS ・毒物および劇物取締法 毒物:経口で半数致死量が50mg/kg以下 劇物:経口で半数致死量が50mg/kgを超え300mg/kg以のもの 半数致死量(LD50): 化学物質をラット、モルモットなどの実験動物に投与した場合に、 その実験動物の半数が試験期間内に死亡する用量。 社会に流出すると大きな影響を与える 毒・劇物の適正な管理 → 漏洩、紛失、盗難の防止 試薬管理について :購入の届出 :施錠可能な専用保管庫での保管 :鍵の管理 :管理台帳の整備(OCCSで代用可能) 医 薬 用 外 毒 物 医 薬 用 外 劇 物 ・労働安全衛生法 有機溶剤中毒予防規則 特定化学物質等障害予防規則 鉛中毒予防規則 酸素欠乏症等防止規則 電離放射線障害防止規則 など ・消防法上の危険物とは ・法別表の品名欄に掲げる物品で、 ・同表に定める区分に応じ ・同表の性質欄に掲げる性状を有するもの (消防法第2条第7項) 固体・液体の引火性、可燃性、反応性物質など 第1類~第6類に分類され、指定数量で管理される ・危険物規制 貯蔵又は取り扱い (1)指定数量以上 ⇒ 消防法第3章による 貯蔵所以外の場所での貯蔵を禁止 製造所、貯蔵所及び取扱所以外の場所での取扱禁止 製造所等の設置には市町村長の許可が必要 (2)指定数量未満 ⇒ 市町村の火災予防条例 少量危険物の貯蔵・取扱いとして規制 1/5以上は、届出の義務 適用されるかどうかは、 (各品目の量 / その品目の指定数量)の総計が1以上 ・危険物の種類 1類 2類 3類 4類 5類 6類 酸化性固体. 可燃性固体. 自然発火性物質及び禁水性物質. 引火性液体. 自己反応性物質. 酸化性液体. ・第1類(酸化性固体) そのもの自体は燃焼しないが、他の物質 を強く酸化させる性質を有する固体であり 、可燃物と混合したとき、熱、衝撃、摩擦 によって分解し、極めて激しい燃焼を起こ させる危険性を有する固体 塩素酸塩類、過塩素酸塩類、無機化酸化 物、硝酸塩類、過マンガン酸塩類 など ・第2類(可燃性固体) 火炎によって着火しやすい固体又は比較 的低温(40℃未満)で引火しやすい固体で あり、出火しやすく、かつ、燃焼が速く消火 することが困難である 硫化りん、赤りん、硫黄、金属粉、マグネシ ウム、引火性固体 など ・第3類(自然発火性及び 禁水性物質) 空気にさらされることにより自然に発火す る危険性を有し、又は、水と接触して発火 し若しくは可燃性ガスを発生するもの カリウム、ナトリウム、アルキルアルミ、ア ルキルリチウム、黄りん、リチウム など ・第4類(引火性液体) 液体であって引火性を有する 特殊引火物 ジエチルエーテル、二硫化炭素 第一石油類 アセトン、ガソリン アルコール類 Cが1~3の飽和一価アルコール 変性アルコール メタノール、エタノール 第二石油類、第三石油類、第四石油類、 動植物油類 など ・第5類(自己反応性物質) 固体又は液体であって、加熱分解などに より、比較的低い温度で多量の熱を発生 し、又は爆発的に反応が進行するもの 有機化酸化物、硝酸エステル、ニトロ化合 物、ニトロソ化合物、アゾ化合物、ジアゾ 化合物、ヒドラジン誘電体、ヒドラキシルア ミン など ・第6類(酸化性液体) そのもの自体は燃焼しない液体であるが 、混在する他の可燃性の燃焼を促進する 性質を有するもの 過塩素酸、過酸化水素、硝酸、 三フッ化臭素、五フッ化臭素など
© Copyright 2024 ExpyDoc