東ティモールに対する 日本政府の援助

東ティモールに対する
日本政府の援助
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タームペーパー
の目標
東ティモールの地域紛争が、住民の生
活レベルを急激にさげた事を読み取る
その東ティモールに対し、日本政府が
今後どのように援助していくのか、今
後の課題を考える
流れ
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複雑な歴史を持つ東ティモールとイン
ドネシアの関係(東ティモールの歴史。
インドネシア政府の本音)
今回の日本政府の自衛隊派遣問題。な
ぜ自衛隊という援助手段を選んだのか。
今後の東ティモールに対し日本政府は
どのように援助していくのか。今後援
助するにあたり、3つの課題
東ティモールの歴史
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1702年 ポルトガル領
1904年 ティモール島の西部をがオランダ領、東部
がポルトガル領
第2時大戦後、西部のオランダ領はインドネシア独立
と同時に併合
1974年 ポルトガルで政変がおきたのをきっかけに、
東ティモールで独立運動が開花
1976年 第27番目の州としてインドネシアに併合
1999年8月 独立か、併合かを問う住民投票
1999年9月 独立決定
インドネシア併合
の背景
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世界は冷戦下 「共産主義の手に一つの国が
落ちれば、次々に共産主義化する」というド
ミノ理論が盛ん
当時のスハルト政権下は反共産主義。スハル
ト政権発足後4年間で共産主義100万人を虐殺
「東ティモール独立革命戦線は左翼的であり、
インドネシアの裏側に共産主義を打ち立てよ
うとしている」の見解の基に一方的併合
国際社会も騒がないであろうという打算(イ
ンドのゴア併合の例)
国際社会は黙って
見ていたのか?
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インドネシアとアメリカの利害が一致
当時のアメリカの政治戦略、安全保障戦略で
はインドネシアの地域、海域はインド洋と太
平洋を結ぶ大変重要な地理学的なポイント
両国ともに、左翼的だとか、共産的だといわ
れる存在が邪魔であり、危険な存在
日本やオーストラリアも、インドネシアの豊
富な天然資源や石油が非常に魅力的であり、
インドネシアとは仲良くしておきたい。強く
批判し、インドネシアを刺激したくない。
併合後の東ティモール
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併合後、東ティモールの3分の1の住民がイ
ンドネシア国軍により虐殺
91年のサンタクルスの国軍による虐殺事件が
国際メディアにより報道。今までの東ティモ
ールで何が起こっているのかわからないとい
う謎のベールがはがれる。
独立運動家ラモスホルタ、ベロ司教、ノーベ
ル賞授与。東ティモールは一躍国際世界の一
面に躍り出る。
国際社会からのインドネシア批判強まる
インドネシア政府の本音
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もうお手上げ!お荷物だ!
東ティモールは国際批判の的。
アメリカを始め各国は経済制裁を示唆
「東ティモール問題は、インドネシアにとっ
て靴の中の小石である」国際社会の中でまっ
すぐ歩けない原因 (アタラス外相の発言)
しかし、東ティモール独立を認めてしまうと
他の独立運動へも飛び火しそうであり、影響
が不安(アチェ特別州、イリアンジャヤ州
東ティモールへの多額の出資金
今回のPKO派遣問題
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なぜ多国籍軍にPKOを参加させず独自に自衛
隊を派遣する方針をとったのか。
どうしよーーー。どの選択肢にしよう?
1多国籍軍に資金協力および人的協力もする
2多国籍軍には、資金協力だけ。、避難民の流
れ込む西ティモールにPKO協力法の「人道的な
国際救援活動」に基づき自衛隊を派遣する。
3多国籍軍に資金協力も人的協力もしない。自
衛隊もどこにも派遣しない。
予想しうる結果
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1を選択した場合のメリット
人的協力の分、資金を削減できる
国際社会に高く評価。「金も出すし人も出す」。日
本の悲願である常任理事国入りが近くなる。
1を選択した場合のデメリット
憲法第9条、PKO5原則との整合性。意見調節、
時間もコストもかかる。
世論、およびアジア諸国の大きな反発
予想しうる結果
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3を選択した場合
国際社会、国連社会を落胆、憤慨
湾岸戦争にひきつづき、今回はアジアの
危機にも協力しない
常任理事国入りも遠のく
黙ってみとくわけにも
いかないなあ。。。。。
選択結果
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選択肢2の採用
無理して人的協力をし、もしカンボジアに引き続
き犠牲者が出た場合、世論の反対意見硬化。
常任理事国入りへの可能性を残す。多国籍軍で
はないが、自衛隊を派遣することで面子も保てる。
最も安全な選択
今後日本政府はどのように援助
していくのか。
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一連の行動から読み取れる日本政府の本音
1 市場としての潜在力が高く、石油や天然
ガスの資源、中東から原油を運ぶ海運ルート
であるインドネシア政府は極力刺激したくな
い。
2 しかし、国際的な注目を浴びるようにな
った東ティモールにもいい顔がしたい。
3 一連の東ティモール問題に対する日本の
支援でアジアに存在感を示したい
あたりさわりの無い選択。ビジョンの欠如
第1のポイント
地域紛争が住民の生活レベル
を急激に下げた
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20万の避難民
食糧不足、赤痢などの病気
5歳以下の子供の4分の1が栄養不良
山中に逃げ込んだ人々の中には餓死者
一時、都市の7割が破壊
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地域紛争により貧困が発生
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お金だけもらっても。。。
第2のポイント
日本政府3つ
の援助課題
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現在のインドネシアびいき改善
今まで行っていなかった経済、技術の供与
(Basic Human Needsおよび国全体の能力
強化の面からのアプローチ)
緊急的には、難民状況の根本からの改善を、
長期的には東ティモール人の観点からの援助
を求める申し入れをインドネシア政府に行う
(自国の明確なビジョン、姿勢を他国に示す
という日本外交全体につながる課題)
東ティモールの
先に見えるものは。。。
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コソボのように避難民生活は長期化する
のか。泥沼の貧困状態に陥ってしまうのか。
日本政府は3つの課題を実行できるのか。
生か死か。それが問題だ