日本で成功するLCCの研究 西田 梨花 LCCとは・・・ LCCとは、ローコストキャリア(Low Cost Carrier)の略で、格安航空会社 を指す。基本的に単一機材を使い、過密ダイヤで運行している。また、座 席間隔を狭くして座席数を増やし、さらに機内食を有料にするなどしてお り、新たな収益モデルを確立している。同時にブランケットやイヤホンな どを備え付けていなかったりと、あらゆる面でコストカットを図り、それ らを運賃に反映させ、低価格の航空券を販売している。近年、日本にも海 外のLCCが多く就航し、その破格の価格設定が話題となっている。日本では、 ピーチ・アビエーションやジェットスター・ジャパン、エアバニラなどが これにあたる。 LCCの対義語としてFSCが挙げられる。FSCとは、フルサービスキャリア (Full Service Carrier)の略で、基本的に機内食やヘッドホン、アメニティ等 を無料で提供するなど、フルサービスを行う航空会社を指す。日本では、 大手航空会社であるANAやJALがこれにあたる。 LCCの問題点(1) LCCの一番の問題として、遅延や欠航が多いという点が挙げられるだ ろう。遅延の原因としては、LCCの経費節約のために行われている、一 つの飛行機を効率よく運行させるために、駐機時間を大幅に短縮して いることが関係している。このダイヤ設定はLCCの最大のコストカット の核でもあるため、遅延・欠航については今後もしばらくは解決され ない課題となっていくことが予想される。 LCCの問題点(2) ●ピーチアビエーション 関西 6:40 発 長崎 関西 札幌 関西 鹿児島 関西 福岡 関西 7:55 着 9:35 着 12:00 着 14:40 着 17:40 着 19:20 着 20:55 着 22:30 着 8:25 発 10:05 発 12:30 発 16:10 発 18:10 発 19:50 発 21:25 発 ●JAL 成田 9:35 発 福岡 成田 新千歳 成田 那覇 11:20 着 14:00 着 16:30 着 18:45 着 22:10 着 12:10 発 14:45 発 17:10 発 19:25 発 体験 ●目的 実際にLCCのサービスをより知るために、実際に搭乗体験を行った。 乗り心地や値段の他に、サービス面や接客、チェックインや手荷物など搭 乗にかかる手間について重点的に見ていった。 ●内容 ピーチ・アビエーション2回 ジェットスター・ジャパン2回 ●時期 2013年9月~10月 アンケート調査 ●目的 LCCの認知度や、サービス面、安全面でのイメージを調査する。また、 消費者にとって、安さがどの程度魅力的に映っているのか、安さがサー ビス面、安全面のイメージを損なっていないかを調査する。 ●対象・性別 大学生(18才~23才)・男女、合計41人 ●実施時期 2013年10月中旬 アンケート結果(1) ●LCCに乗ったことがありますか いいえ (乗らなかった理由) 「LCCに乗るタイミングが今まで になかった」 「安全性に疑問がある」 76.9 はい 23.1 0 50 100 (乗った理由) 「ツアーよりも個別で手配した方 が安かったから」 「交通費を安く済ませたかったか ら」 ※実際に乗った人の平均搭乗金 額 7071円 アンケート結果(2) ●飛行機に乗るのに、安すぎて不安 (乗りたくない)と思う金額はいくら ですか? 平均 円 2622 ●飛行機に乗るのに、安い(乗ってみたい)と 思う金額はいくらですか? 平均 436 結論 (1)機内食の充実 (2)FSCと一線を画する接客のスタイル (3) PR活動、安全性のアピール →安さをアピールしていくのではなく、FSCとは違う魅力で勝負していく ことが必要とされるのではないか。 まとめ 日本で長期的にLCCを運営していくには、安さを追い求めるよりも 顧客満足度の向上に努める必要がある。そして顧客満足度を挙げるた めには、日本人特有のきめ細やかな接客や、本来LCCでは削られるべ き機内サービスの充実などが今後、求められていくであろう。また、 LCC最大の特徴である安さが仇となり、安全性のイメージを損なって いるということも明らかとなったので、今度は、「LCCは安全安心」 というPRもより行っていく必要があるとされる。
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