二重課題による作業記憶の増減 - Adaptive system

二重課題による
ワーキングメモリの増減
情報システム工学科3年 038 田中 祐史
ワーキングメモリ (作業記憶)と
は
・情報を一時的に保ちながら操作するための構
造や過程に関する
理論的な枠組み。
・ワーキングメモリには個人差がある。
↓
それを調べるテストとして
リーディングスパンテスト(以後RST)がある。
ワーキング・メモリの構造
3つの部分から
構成
 音声ループ
 視空間ス
ケッチパッ
ド
 中央実行部
例

文を読むとき前の部分と関連付け
ている
桜が
関連づけ
咲いている
覚える
覚える
RSTについて

言語能力と相関が高い (2005:長
縄)
↓
日本語の歌詞のある音楽が
あるとどうなる?
実験方法

被験者は金沢大学の学生14人

RSTをA、Bの2セット用意し、Aを
行い、その後Bを負荷課題である
音楽を与えて行う

結果の比較は分散分析を用いる
RSTのやり方

複数の文を被験者に提示しそれを
下線部の単語を暗記しながら順に
音読してもらう。その後、文を隠し
覚えた単語を書き出してもらう。こ
れを2文、3文、4文、5文条件と順
に提示しそれを3回繰り返すことで
1セットとする。
• 昨日、映画を見た。
• ここは日本である。
• 橋の上に人がいる。
• 映画
• 日本
•橋
• 共通なものがある。
• 最大の幸福を感じる 。
• 何か短い棒のようなもの。
• 常に忙しい想いをする 。
• 仕事にとりかかる。
• 共通
• 最大
• 短い
• 忙しい
• 仕事
予想

負荷を与えると正解数は激減する
のではないか

特に文が多いほどその傾向が強
い?
結果

負荷課題の有無の主効果は有意では
なかった(F[1,13]=0.426, n.s.)
平均正答数
3
2.5
2
1.5
1
0.5
0
音楽なし
音楽あり

刺激文数の主効果は有意であった
(F[3,39]=61.559, p.<.001).
平均正答数
3
2.5
2
1.5
1
0.5
0
2文
3文
4文
5文

負荷課題×刺激文数の交互作用は有
意ではなかった(F[3,39]=1.967, n.s.)
平均正答数
3
2.5
2
音楽なし
音楽あり
1.5
1
0.5
0
2文
3文
4文
5文
考察

負荷課題の有無とRSTのスコアに関連
は見られなかった
歌詞は言語的な性質よりも
音楽の一部として処理されて
いる可能性

また、平均正答数と刺激文数に関係が
みられたことからワーキングメモリの容
量の限界を確認できた
今後の課題として


ワーキングメモリを高める負荷課
題はないか
ワーキングメモリに干渉を及ぼす
課題はどのようなものか,さらに検
討