Caché 2010 Caché 2010.2 for Linux for Linux for Linux インスト

Caché 2010.2
2010.2 for Linux インストレーション方法補足
この度は、Caché 評価版をダウンロードいただきましてありがとうございます。本ドキュメントで、評
価版のインストール方法について補足させていただきます。
※ 評価版から製品版へのアップグレードインストールはサポートしておりません。製品版を使用
される際には、先に評価版をアンインストールしてから製品版をインストールしていただくよう
にお願い致します。
キットには、rpm 形式と tar.gz 形式の 2 種類があります。以下ではそれぞれについて手順を説明し
ます。
1.
rpm 形式
[準備]
① システムロケールが日本語かどうか確認します。
rpm インストールではシステムのロケールに従って Caché のロケールの設定を行います。
システムロケールが英語の場合は Caché ロケールも英語になりますのでご注意下さい
(インストール後に変更は可能です;補足 3)。
② カーネルパラメータ shmmax および shmall の値を確認します
shmmax, shmall の値が小さい場合はインストールが途中で失敗します。あらかじめ十
分な shmmax/shmall の値を設定するようにします(補足 1)。
[コンソール上(X)での操作]
① root ユーザでコンソールにログインします
② rpm ファイルをダブルクリックしてインストーラを起動します
③ 強制インストール を行います。
④ インストールを開始します
⑤ インストールが完了したら OK で終了します
⑥ システム → 管理 → サーバ設定 → サービス でサービスの設定を開き、サービス
cache を選択して 開始 を行います。初回サービス起動時にはインストール後の初期
化処理などを行いますのである程度の時間がかかります。
⑦ サービスの起動が完了すると Caché の使用準備が整います。
⑧ アプリケーション → システムツール に Caché System Management (システム管理ポ
ータル)と Caché ターミナル(キャラクタベースのログイン)が追加されます。
(初期状態の Caché のロケールでは端末の文字コードが EUC に設定されているため、
ターミナルを開いた際のバナー表示の一部が文字化けしています。端末の文字コード
を手動で EUC に変更することで、このターミナル上で日本語を正常に入出力することが
できるようになります。また、補足 4 の方法で Caché の設定を UTF-8 に変更することも
できます)。
以上でサーバ側のインストールは完了です。開発用のクライアント(Caché スタジオ)を
Windows マシンにインストールするには 3 Windows クライアントのインストール、に進ん
で下さい。
[キャラクタターミナルでの操作]
① システムロケールが日本語になっていることを確認します。
# grep LANG /etc/sysconfig/i18n <Enter>
LANG="ja_JP.UTF-8"
#
② rpm コマンドでインストールを行います(ファイル名はダウンロードしたファイルに置き換
えてください)。
# rpm -ivh cachecache-serverserver-2010.2.0.454.0su
2010.2.0.454.0su4.0su-1.rh5.x86_64.rpm <Enter>
準備中...
1:cache-server
#
########################################### [100%]
########################################### [100%]
③ cache サービスを起動します。初回のサービス起動時にはシステムの初期化処理が実
行され、処理状況を示すログが表示されます。
# service cache start <Enter>
Starting up Cache...
Automatically configuring buffers
(略)
Cache initialization complete
cache を起動中:
[ OK ]
#
④ サービスの起動が完了したら Caché サーバを使用する準備が完了します。システム管
理ポータルにアクセスするには、ウェブブラウザが使用できる環境から URL を http://<
サーバの IP アドレスまたはホスト名>:57772/csp/sys/UtilHome.csp と指定してアクセス
できます(または、後述の Windows クライアントのインストールで Caché キューブからシス
テム管理ポータルを開くことができます。
実行環境にログインするには、シェルから csession コマンドを使用します。この環境を
終了してシェルに戻るには halt コマンドを入力します。
# csession cache <Enter>
??????: localhost.localdomain ?????????????: CACHE
USER> halt <Enter>
#
Caché のロケールでは端末の文字コードが EUC に設定されているため、ログインした
際のバナー表示の一部が文字化けしています。現在のセッションのロケールを EUC に
変更する(export LANG=ja_JP.eucJP 等)ことで、このターミナル上で日本語を正常に入
出力することができるようになります。また、補足 4 の方法で Caché の設定を UTF-8 に
変更することもできます)。
以上でサーバ側のインストールは完了です。開発用のクライアント(Caché スタジオ)を
Windows マシンにインストールするには 3 Windows クライアントのインストール、に進ん
で下さい。
2.
tar.gz 形式
tar.gz 形式のキットは端末からコマンドでインストールします。アーカイブ展開後にインストー
ルスクリプト cinstall を起動してください。なお、インストールを実行するには root ユーザ
でログインしている必要があります。
(お使いの環境によっては、デバイスファイル名やマウントポイントが異なる場合があります。
環境に合わせて適宜変更してください)
また、カーネルパラメータ shmall と shmmax の値が不足する場合があります。設定変更例
を後述しておりますので、インストール前に適切な値となるように調整を行ってください。
① 現在の LANG 環境変数を確認して、日本語になっていなければ日本語に設定します。
# locale <Enter>
LANG=ja_JP.UTF-8
....(以下省略)
② ファイルを展開します(ファイル名はダウンロードしたファイルに置き換えてください)。
# tar xfz 2010.2.0.454.0su_lnxrh5x64.tar.gz <Enter>
③ cinstall インストールスクリプトを起動します。
# ./cinstall <Enter>
④ 最初にインスタンス名(instance name)を設定します。
Your system type is 'Red Hat Enterprise Linux 5 (x64)'.
Enter instance name <CACHE>: <Enter>
デフォルトで CACHE というインスタンス名が設定されていますので、このままで問題な
ければそのままリターンキーを、変更する場合は英数字で任意の構成名を入力してリタ
ーンキーを押します(インスタンス名に大文字小文字の区別はありません)。
⑤ 次にインストールディレクトリを指定します。
Enter a destination directory for the new instance.
Directory: /usr/cachesys
/usr/cachesys <Enter>
インストールディレクトリにはデフォルト値がありませんので、任意のディレクトリを指定し
ます。上記では /usr/cachesys にインストールしています。
※ 既存のシステムディレクトリ(/usr/bin 等) にはインストールしないように
ご注意下さい。
⑥ システムに存在しないディレクトリを指定した場合、新規に作成するかどうかの確認メッ
セージが表示されます。
Directory '/usr/cachesys' does not exist.
Do you want to create it <Yes>? <Enter>
作成して問題がなければ そのまま Enter キーを押して先に進みます(No を入力した場
合、インストールディレクトリの指定に戻ります)。
⑦ インストールタイプを選択します。
Select installation type.
1) Development - Install Cache server and all language bindings
2) Server only - Install Cache server
3) Custom
Setup type <1>? <Enter>
通常は、1 の Development を選択します(全コンポーネントがインストールされます)。
⑧ ディスクの空き容量のチェックが行われた後で、Unicode インストールの選択オプション
が表示されます。
Do you want to install Cache Unicode support <No>? yes <Enter>
ここでは、必ず yes を入力して Unicode 版をインストールしてください。デフォルトの No
のままリターンキーを入力されますと、8 ビット版(日本語非対応)がインストールされ、日
本語を正常に使用することができなくなります。
⑨ 初期セキュリティレベルを指定します。
How restrictive do you want the initial Security settings to be?
"Minimal" is the least restrictive, "Locked Down" is the most secure.
1) Minimal
2) Normal
3) Locked Down
Initial Security settings <1>? <Enter>
通常はリターンキーのみを入力してデフォルト値を使用します。
⑩ Caché データベースサーバを起動・停止できるグループを指定します。
What group should be allowed to start and stop
this instance? root <Enter>
上記例のように設定すると、 root グループのみが Caché を起動・停止できるように設
定されます。特定のグループに開始・停止を許可するにはここでそのグループ名を入力
してください。
⑪ ライセンスキーを入力するプロンプトが表示されますが、評価版をお使いの場合はライ
センスキー登録できませんので、そのままリターンキーを押してライセンス入力をスキッ
プします。
Cache did not detect a license key
in directory /usr/cachesys/mgr.
Do you want to enter a license key <No>? <Enter>
⑫ 次に 日本語ドキュメントをインストールするかどうかを指定します。
Do you want to install Japanese translated documentation <No>? Yes <Enter>
日本語オンラインドキュメント1をインストールするかどうかを指定します。No を選択した
場合、英語ドキュメントがインストールされます。
1
日本語ドキュメントをインストールした場合も、一部ドキュメント(クラスリファレンスなど)は英語と
なります。また、このバージョン(2010.2)では、リリースノート、アップデートチェックリスト、サポート
プラットフォームのみ 2010.2 ベースの翻訳となり、それ以外は従来のバージョン(2010.1)に付属し
た英語ドキュメントの日本語訳となります。最新版のドキュメント(英語)をインストールする場合は
このオプションで No を入力して下さい。
⑬ 最後に指定したインストールオプションが表示されます。内容に問題がなければそのま
ま Enter を入力してインストールを開始します。
Please review the installation options:
-----------------------------------------------------------------Instance name: CACHE
Destination directory: /usr/cachesys
Cache version to install: 2010.2.0.454.0
Installation type: Development
Unicode support: Y
Initial Security settings: Minimal
User who owns instance: root
Group allowed to start and stop instance: root
Effective group for Cache processes: cacheusr
Effective user for Cache SuperServer: cacheusr
SuperServer port: 1972
WebServer port: 57772
JDBC Gateway port: 62972
CSP Gateway: using built-in web server
Client components: all
-----------------------------------------------------------------Do you want to proceed with the installation <Yes>? <Enter>
⑭ プロンプトまで戻れば、インストールは完了です。
You can point your browser to http://localhost:57772/csp/sys/UtilHome.csp
to access the system management portal.
Installation completed successfully
#
最後のメッセージに表示されているように、ブラウザで
http://<ホスト名>:<表示されたポート番号>/csp/sys/UtilHome.csp
でシステム管理ページにアクセスすることができます。
補足 1: RedHat Linux でのカーネルパラメータ shmall と shmmax の設定方法
共有メモリサイズを 128MB に設定する場合は次のようにします。
1) 起動時のみ設定を行う場合(再起動後はリセットされる)
$ echo 134217728 >/proc/sys/kernel/shmall
$ echo 134217728 >/proc/sys/kernel/shmmax
この場合、再起動は必要ありません
2) 永続的に値を変更する場合(推奨)
/etc/sysctl.conf ファイルに以下のエントリを追加します。
kernel.shmall = 134217728
kernel.shmmax = 134217728
この場合、設定を反映させるためには別途 1 を実行するか、システムを再起動しま
す。
補足2:
補足2
SELINUX が有効になっている場合、CSP など一部のコンポーネントが動作しない場合があります。
その場合は、SELINUX を無効に設定してください。
http://www.intersystems.co.jp/support/faq/csp/index.html#ID100
補足 3: Caché システムロケールの変更
Caché のシステムロケールの設定は、インストール時に Linux のシステムロケールで決定されます
が、インストール後に手動で変更することができます。その場合は、Caché システム管理ポータル
にて次の設定変更を行います。
1.
現在の Caché ロケールを確認します。
システム管理ポータルトップの 概要 リンクをクリックします。
(英語 ENUW が設定されている例)
2.
ホーム に戻り、構成 → 国際化言語サポート設定 → ロケール定義 と進みます
↓
↓
3.
ロケールの選択ドロップダウンリストを開き、
jpuw Japanese for Unix and VMS, Japan, Unicode
を選択します。
4.
インストール ボタンを押して選択したロケールをインストールします。
5.
確認が表示されるので、「はい - 今インストールします」をクリックします。
6.
次の表示が出るとロケールのインストールが完了します。
7.
再度、概要ページで現在のロケールを確認します。
上でインストールした日本語ロケール JPUW が表示されていることが分かります。
補足 4: 端末文字コードの変更
デフォルトの日本語ロケール JPUW では、端末の文字コードが EUC に設定されています。この
ため、Linux システムのデフォルトロケール UTF-8 で端末にアクセスすると日本語が正常に表示
できません。端末側(Gnome ターミナルや Windows から接続するターミナルエミュレータ)で文字コ
ードを変更する以外に、Caché のロケールを変更して端末文字コードを UTF-8 にすることもできま
す。以下はその手順です。
1.
システム管理ポータル ホーム から 構成 → NLS 設定 → ロケール定義 と進みます。
↓
↓
2.
現在のロケール(日本語ロケール)を確認して、プロパティボタンを押します。
3.
ページ中程にある、入力/出力デフォルト の 編集 ボタンを押します。
4.
その他のターミナル を EUC から UTF8 (ハイフンを含めない)に変更して、保存ボタンを押
します。
5.
元の画面に戻り、「変更が保存されました」と表示されます。
6.
変更を有効にするために cache サービスを再起動します
tar.gz キットからインストールした場合は、ccontrol stop CACHE restart コマンドで再起動
を行います。
# ccontrol stop cache quietly restart <Enter>
Starting CACHE
(略)
Any other use is a violation of your license agreement
#
7.
端末を開き、日本語が正常に表示されることを確認します。
Windows クライアントツールのインストール
Caché の主要な管理操作は任意のマシンのウェブブラウザ上から行うことができますが、開発を
行うための Caché スタジオ等は、Windows 上に Caché クライアントをインストールしてそこから
Linux サーバ上の Caché に接続して実行します。Caché クライアントを Windows マシンにインスト
ールするには以下の手順を実行してください。
ダウンロードいただいた CacheClient_x86.exe (環境によっては、CacheClient_x86 のみ表示されて
いる場合があります; 64bit OS 用は CacheClient_x64.exe になります)は自己解凍型の圧縮ファイ
ルとなっております。
これをダブルクリックして実行します。
次にライセンス使用許諾のダイアログが表示されますので、内容をご一読後、「使用許諾契約の
条項に同意します」を選択後、次(N) を押して先に進みます。
次にインストール先の選択画面が表示されます。
空き容量が 60MB 以上ある任意のフォルダ2を選択して 次 ボタンを押します。
最後にインストールの確認画面が表示されます
問題がないかを確認して インストール を押すとインストールが開始されます。
2
インストールディレクトリには、非 ASCII 文字(日本語等)を含まないディレクトリを指定してくださ
い。
インストールが完了すると次のウインドウが表示されます。
完了 を押してインストーラを終了します。
次に Linux システムへの接続設定を行います。
インストール完了後、タスクバーに Caché ランチャーというキューブの形をしたアイコン(灰色)が追
加されています。このランチャーをクリックして、優先接続サーバ → 追加/編集 を選択します。
すると、Cache サーバマネージャのウインドウが表示されます。
ウインドウ下部にある 追加 ボタンをクリックして接続先の Caché サーバを登録します。
接続を追加 ダイアログで、接続先のリモートシステムを登録します。
ここで、各項目の意味は次のようになっています。
サーバ名:
接続先 Caché サーバの名前
IP アドレス:
接続先 Caché サーバの IP アドレス
ポート:
Caché の接続ポート番号(デフォルト状態ならば 1972)
Telnet ポート:
接続先が Linux で Telnet 接続が許可されている場合に指定
すれば、Caché ターミナルを使って Telnet 接続できます
ウェブサーバポート:
システム管理ポータルやサンプル、ドキュメントのアクセスに
使用するプライベートウェブサーバのポート番号
サーバインストールの最後に表示された、
http://localhost:57772/csp/sys/UtilHome.csp
のポート番号部分(ここでは 57772)を指定します。
ウェブサーバ IP アドレス:
Caché サーバと CSP ゲートウェイを設定したウェブサーバが
異なるマシンの場合にここにウェブサーバのアドレスを指定
します。通常は指定する必要はありません。
CSP サーバインスタンス:
CSP ゲートウェイ上に複数の接続先インスタンスが指定されて
いる場合に指定します。通常は指定する必要はありません。
コメント: 任意のコメントを入力できます。
認証方法:
サーバ側で利用可能な認証方法を選択します。
通常は パスワード を使用します。
ポートとウェブサーバポートは、システム管理ポータルの概要ページ
または、ccontrol list コマンドで確認できます。
# ccontrol list <Enter>
Configuration 'CACHE'
directory: /usr/cachesys
versionid: 2009.1.0.446.0
conf file: cache.cpf (SuperServer port = 1972, WebServer = 57772)
status:
running, since Tue Jul 28 11:14:19 2009
#
必要な項目を設定し、OK ボタンを押すと元のウインドウに戻りますので、ここでも OK を押してサ
ーバマネージャを終了します。
次に、Caché ランチャー → 優先接続サーバ → 上で追加したサーバ名 を選択することでデフォ
ルトの接続先を変更します。
以上で設定は完了です。ランチャーから各種ツール(スタジオやシステム管理ポータル)を選択す
ると、リモートシステムに接続することができるようになります。
補足 5
Windows 7 をお使いで、通知領域にランチャー(キューブ)が表示されていない場合、通知領域の
カスタマイズ(△アイコンをクリック→カスタマイズ)を選択し、
通知領域アイコン(タスクバーに表示するアイコンと通知の選択)で、Cache’ cube を「アイコンと通
知を表示」に変更します。
これにより、通知領域(タスクバー)に常にランチャー(キューブ)が表示されるようになります。
補足6
補足6
Caché スタジオを最初に起動した場合、次のようにユーザ名とパスワードを入力するダイアログボ
ックスが表示されます。
上記インストールオプションでインストールされた場合は、何も入力せずに OK ボタンを押すこと
でログインすることができます。
注意:
注意:
Windows2000 にインストールを行われた場合、このログインダイアログボックスのラベル文字が次
のように適切に表示されません。
これは、上から順に 「ユーザ名」 「パスワード」
「パスワードを保存」となっております(右側ボタ
ンは「キャンセル」です)。初期状態であれば、この状態で何も入力せずに OK ボタンを押すことで、
スタジオを使用することができ、次回以降はこのダイアログは表示されません。