PDF/ 546KB - 三菱電線工業

三菱電線工業時報
第 108 号
2011 年 10 月
品質工学を用いたハロゲンフリー被覆材料の開発
Development of Halogen-free Wire Covering Materials by Quality Engineering
三菱マテリアル株式会社
生産技術企画室
山際 和男
■ K. Yamagiwa
三菱マテリアル株式会社
生産技術企画室
品質管理室
百々 精二
■ S. Dodo
三菱マテリアル株式会社
生産技術企画室
品質管理室
宮本 忠博
■ T. Miyamoto
ケーブル事業本部
開発部
中島 佑子
■ Y. Nakashima
ケーブル事業本部
開発部
ケーブル事業本部
開発部
本城 宏昌
■ H. Honjo
上田 吉昭
■ Y. Ueda
技術開発本部
企画管理部
丸本 光弘
■ M. Marumoto
近年,環境問題意識の高まりから,環境に悪影響を与える可能性のある材料について,使用の見直しが進んでおり,ポ
リ塩化ビニル(PVC)の代替品としてハロゲンフリー材料への置換えが進められている。また,省エネルギー・省電力
の観点から,機器や自動車をはじめとする多くの用途で小型・軽量化が図られ,電線・ケーブルにおいても細径化・軽
量化の要求が高まっている。しかしながら,一般的にハロゲンフリー材料には,無機系難燃剤が多量に添加されることか
ら,耐外傷性・白化などの材料面での問題が懸念される。そのため,ハロゲンフリー電線・ケーブルの細径化を実現する
ためには,各特性のバランスを考慮し,用いる材料の種類や添加量に加え,材料の組合せを最適化する必要がある。本報
では,細径化に適した電線・ケーブル用ハロゲンフリー被覆材料の開発に関し,品質工学的手法を取り入れて実施した。
機能の代わりとして,耐摩耗性,難燃性,および機械特性(伸び)の3種の品質特性を取り上げて検討を実施し,3つの
品質特性の結果を総合して調節することにより最適条件を選定した。
同最適条件による確認実験にて効果の再現性や向上が確認されたこと,および実製品形状での評価にて品質特性の向
上が確認されたことから,品質工学を用いた本検討が有効であることが示された。また,本検討より,細径化電線・ケー
ブルの被覆材料に好適な,新たなハロゲンフリー被覆材料を開発した。
〔キーワード〕ハロゲンフリー,耐摩耗性,難燃性,品質工学,細径化
電線・ケーブル
Recently, because public concern about environmental issues is growing, halogen-free wire covering materials are used as substitute
for polyvinyl chloride (PVC). Additionally, in the light of energy saving and electric power saving, we try to a device downsizing and
weight saving on several field, so we have to develop small diameter electric wire and cable. However, halogen-free wire covering
materials include a lot of flame retardant. Therefore, these materials have problems about less abrasion resistance. Hence, we need to
find out optimization match-up for materials. Thus, we developed new halogen-free wire covering materials by Quality Engineering.
We found that the materials developed by Quality Engineering are useful. As a result, we developed new halogen-free wire covering
materials for small diameter electric wire and cable.
〔Key words〕 Halogen-free, Resistance to Abrasion, Flame Resistance, Quality Engineering, Downsizing
電力の観点から機器や自動車をはじめとする多くの用途
1 まえがき
で小型・軽量化が図られ,電線・ケーブルにおいても細
近年,環境問題意識の高まりから環境に悪影響を与え
径化・軽量化の要求が高まっている。
る可能性のある材料について使用の見直しが進んでお
電線・ケーブル用ハロゲンフリー被覆材料として,ポ
り,電線・ケーブルにおいても絶縁体やシース材料を中
リオレフィン類をベース材料とし,無機系難燃剤を多量
心に見直しが進められている。特に,同用途で広く使用
添加する配合が従来から広く検討されている。しかし,
されているポリ塩化ビニル(PVC)化合物においては,
同配合では無機系難燃剤の多量添加の影響を受け,耐外
化合物中の安定剤・可塑剤の見直しが進められている一
傷性・白化などの材料面での問題が懸念される。そのた
方で,以前より PVC 材の火災や焼却処理などの燃焼時に
め,ハロゲンフリー電線・ケーブルの細径化を実現する
発生する有害ガスへの対策として , ハロゲンフリー材料
ためには,難燃性,機械特性ならびに耐摩耗性のバラン
への置換えが進められている。また,省エネルギー・省
スを考慮し,用いる材料の種類や添加量に加え,材料の
− 17 −
ハロゲンフリー,耐摩耗性,難燃性,品質工学,細径化
Halogen-free, resistance to abrasion, flame resistance, Quality Engineering, downsizing
品質工学を用いたハロゲンフリー被覆材料の開発
組合せを最適化する必要がある。
より影響を受け,相反する関係にある。これを加味して
本報では,細径化に適した電線・ケーブル用ハロゲン
3 つの品質特性の最適結果の調節を行なった。
フリー被覆材料の開発に関し,品質工学的手法を取り入
2 .2 .2 評価特性と評価・解析モード
れて実施した結果について紹介する。
『耐摩耗性』は,JASO D 618 に基づくスクレープ摩耗
試験を行い,摩耗に至る回数を材料の削れ難さの尺度と
2 品質工学の適用
し『望大特性』による解析を行なった。また,
『難燃性』は,
2 .1 品質工学とは
JASO D 618 に基づく難燃性試験を行い,燃焼時間の短
品質工学とは,多くの品質特性を一つ一つ評価するの
さを尺度とし『望小特性』による解析を実施した。
『機械
ではなく,製品やシステム本来のはたらき(機能)を評
特性(伸び)』については,JASO D 618 に基づく引張試
価し,効率的に開発・改善を進める開発ツールとして注
験を行い,伸びの大きさを尺度とし『望大特性』として
目を集めている。製品やシステムの機能がその使用条件
解析処理を行なった。
や環境条件の影響によりもたらされる“ばらつき”を SN
比として表現し,SN 比を高めることで機能のばらつき
2 .2 .3 制御因子および水準
を低減する。次いで目標とする性能に調整していく 2 段
本検討は材料開発における品質工学の適用という観点
階設計が特徴であり,その検討の中でその他の品質特性
から,L18 直交表を用い,多種におよぶ樹脂や各種添加
の改善が図られ,製品・システムのロバスト化を目指す
剤を制御因子に割り付けることで,無数の組み合わせに
手法である。
およぶ配合実験の効率化を図った。
制御因子 8 個に対し樹脂および各種添加剤の割り付け
品質工学は,複数あるパラメーターを直交表に割り付
け,同表に基づく実験を行う。同実験で得られた製品サ
を行い,各制御因子の水準として,一部の材料について
ンプルの機能について,使用環境や経時変化の要素を因
は材料種類を水準として振り,それ以外は添加量を水準
子に取り入れた評価方法で精度よく評価することによ
に割り付けた。割り付け結果を表 1 に示す。
り,結果として①開発効率の向上と,開発期間の短縮,
②評価技術の向上と,新製品開発への評価技術の適用,
表1
③使用条件,環境条件の変化に強い製品の開発,につな
制御因子と水準
Control factors and levels
がるとして,さまざまな分野で取り入れられている。
制御因子
今回,製品開発の上流側にあたる材料開発,とりわけ,
被覆用樹脂組成物の配合検討に関し,数々の配合薬品類
を主な実験パラメーターとして,品質工学の適用を試み
た。
2 .2 配合検討における品質工学の適用
2 .2 .1 本開発における“機能”の設定
品質工学を用いた製品開発では,製品の“機能”を評
価することが基本であり,電線・ケーブル製品の開発に
第一水準
第二水準
第三水準
A
ベース樹脂
a
b
―
B
添加樹脂 1
少ない
普通
多い
C
添加樹脂 2
少ない
普通
多い
D
添加樹脂 3
少ない
普通
多い
E
難燃助剤
少ない
普通
多い
F
加工助剤
少ない
普通
多い
G
難燃剤
少ない
普通
多い
H
難燃剤・種類
c
d
e
おいても同手法を適用する限りにおいては,その“機能”
をとりあげ評価をすることが前提となる。本報での開発
対象は絶縁材料であることから,製品の“機能”は電気
2 .2 .4 実験,評価
絶縁性と考えられる。しかし,配合検討に使用する材料
表 2 に L18 直交表を示す。L18 直交表に従った組合
はいずれも十分な電気絶縁性を有しており,これらの混
せ配合に関して,ロール混練にて 18 種類のコンパウン
合物の電気絶縁性も十分であり,各配合での明確な差異
ディングを行い,φ 30 mm 押出機を用いて所定サイズの
が確認できない。そこで,
“機能”の代わりとして『耐摩
模擬電線試料を作製し,
『耐摩耗性』
『
,難燃性』
,
および『機
耗性』
,
『難燃性』
,および『機械特性(伸び)
』の3種の“品
械特性(伸び)
』の各特性評価用の試験サンプルとした。
質特性”を取り上げて検討を行なった。一般にポリオレ
フィン系樹脂に無機系難燃剤を添加した難燃樹脂コンパ
ウンドの場合,上記 3 つの品質特性は難燃剤の添加量に
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第 108 号
三菱電線工業時報
表2
2011 年 10 月
L18 直交表
63.02
L18 orthogonal array
実験番号
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
A
B
C
制御因子
D
E
1
1
1
1
1
1
1
1
1
2
2
2
2
2
2
2
2
2
1
1
1
2
2
2
3
3
3
1
1
1
2
2
2
3
3
3
1
2
3
1
2
3
1
2
3
1
2
3
1
2
3
1
2
3
1
2
3
1
2
3
2
3
1
3
1
2
2
3
1
3
1
2
1
2
3
2
3
1
1
2
3
3
1
2
3
1
2
2
3
1
60.52
F
G
H
1
2
3
2
3
1
3
1
2
2
3
1
1
2
3
3
1
2
1
2
3
3
1
2
2
3
1
2
3
1
3
1
2
1
2
3
1
2
3
3
1
2
3
1
2
1
2
3
2
3
1
2
3
1
58.01
55.51
53.00
図1
1 2 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3
A
B
C
D
E
F
G
H
耐摩耗性に関する要因効果図
Graphs of factorial effects
3 .2 難燃性に関する解析結果
難燃性に関する望小特性モードによる解析結果として
要因効果図を図 2 に示す。図 2 より,難燃性に関しては
予想どおり,難燃剤の添加量(G)が大きく影響している
ことがわかる。その他の制御因子においては,水準間の
SN 比の差が僅かであり,影響は小さいことがわかる。難
燃性に関する SN 比優先の最適条件は A/1 ,B/3 ,C/1 ,
D/1 ,E/3 ,F/2 ,G/3 ,H/2 である。
3 結果
特性毎に規定の条件で評価試験を行い,得られた結果
について望大特性[式 ]および望小特性[式 ]の各
モードに基づいた解析を行ない,水準別 SN 比を算出し
要因効果図を求めた。品質工学では,SN 比の大きい水
準が“機能”のばらつきを小さくする効果があると見な
−15.52
−18.26
−21.01
−23.76
−26.50
され,特に,望大特性や望小特性の解析モードでは,SN
比の大きさが“機能”の良さに繋がっていると解される。
図2
1 2 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3
A
B
C
D
E
F
G
H
難燃性に関する要因効果図
Graphs of factorial effects
2
1
2
2
2
n
} … SN比 =−10×log{1 /n(1 /y +1 /y +…+ 1 /y )
2
1
2
2
3 .3 機械特性(伸び)に関する解析結果
2
n
SN比 =−10×log{(y + y +…+ y )/n} ………… ※ y は特性値(測定結果)
機械特性(伸び)に関する望大特性モードによる解析
結果として要因効果図を図 3 に示す。図 3 より,伸びに
関しては,難燃剤の種類(H)が大きく影響していること
がわかる。その他の制御因子においては,水準間の SN
3 .1 耐摩耗性に関する解析結果
比の差が僅かであり,影響は小さいことが伺われる。伸
耐摩耗性に関する望大特性モードによる解析結果とし
て要因効果図を図 1 に示す。図 1 より,
制御因子 B ,
E,
G,
びに関する SN 比優先の最適条件は A/2 ,B/2 ,C/1 ,
D/3 ,E/2 ,F/2 ,G/1 ,H/1 である。
H に関して水準間の SN 比の差が見られ,特に難燃助剤
の添加量(E)と難燃剤の添加量(G)および難燃剤の種
類(H)が影響していることがわかる。耐摩耗性から見
た SN 比優先の最適条件(水準の組合せ)は A/2 ,B/2 ,
C/3 ,D/2 ,E/2 ,F/3 ,G/1 ,H/3(制御因子/水準)と
なる。
54.45
42.67
30.88
19.10
7.31
図3
1 2 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3
A
B
C
D
E
F
G
H
機械特性(伸び)に関する要因効果図
Graphs of factorial effects
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品質工学を用いたハロゲンフリー被覆材料の開発
3 .4 最適条件の選定と調整
HF-1 ∼ HF-3 は,いずれも難燃性に関する推定 SN 比
品質工学の通常適用を図る場合,製品としての『機能』
が現行配合の同値よりも高く,難燃性の向上が期待され
を中心に評価検討する。機能が優れていれば,必然的に
た。一方で,伸びに対してはいずれも現行配合の SN 比
複数の品質特性も改善されるため,品質特性一つ一つを
よりも低く同特性の低下が懸念された。ただし,HF-3
評価しない。これに対し,本検討においては,特定の品
においては,伸びの若干低下は見られるが,目的とする
質特性を中心とし,トレード・オフの関係にある品質特
耐摩耗性の SN 比は現行配合より向上しており,特性向
性同士のバランス調整を試み,各品質特性から得られた
上が期待されることから HF-3 を最適配合に選定した。
結果の俯瞰的,かつ総合的な調和による『最適条件』の
選定を行なった。
4 確認実験
3 .1 ∼ 3 .3 項の各結果から求めた SN 比優先の仮の最
適条件を表 3 にまとめる。
品質工学では,最適条件として選んだ水準の組合せに
て確認実験を行い,確認実験より求めた SN 比から選定
表3
した条件に関する再現確認や,実験自体の妥当性につい
選定水準
Optimum level of control factors
耐摩耗性優先
難燃性優先
伸び優先
現行配合
A
2
1
2
1
B
2
3
2
2
C
3
1
1
2
D
2
1
3
1
E
2
3
2
1
F
3
2
2
2
G
1
3
1
1
て検証が図られる。本検討においても,現行配合,なら
H
3
2
1
1
びに選定配合 HF-3 の 2 種類について,電線サンプルの
試作,およびスクレープ摩耗試験,難燃性試験,引張試験,
の各試験を実施した。試験結果より,それぞれの SN 比
を求め,
基準条件(現行配合)との差である利得(改善代)
制御因子 A ,B ,C ,D ,F については,いずれの特性
を求めた結果を表 5 に示す。
においても水準間の SN 比の差が小さいため,どの水準
表5
を選択しても特に大きな影響はないと考えられる。制御
推定利得,および利得
Calculation of estimation gain and gain
因子 E(難燃助剤の量)は,伸びへの影響は小さいこと
SN 比,利得*[dB]
耐摩耗性
難燃性
伸び
現行配合(予測)
55 .66
− 29 .28
55 .14
SN 比優先
HF-3(予測)
60 .94
− 16 .48
51 .04
推定利得
5 .28
12 .80
− 4 .10
現行配合(実測)
55 .56
− 32 .86
55 .37
確認実験
HF-3(実測)
67 .14
− 19 .82
55 .97
確認試作品の利得
11 .57
13 .04
0 .60
*利得:
(HF-3 の SN 比)−(現行の SN 比)
から,耐摩耗性,難燃性の結果を重視し,水準 2 ,または
水準 3 を選択することにした。制御因子 G(難燃剤添加
量)は,耐摩耗性と難燃性の結果が相反する結果となっ
た。ただし,耐摩耗性の結果における第 1 水準と第 2 水
準との差は,難燃性における水準の差に比べ小さいこと
から,難燃性の確保,ならびに全体バランスを配慮し第
2水準を選択することとした。制御因子 H(難燃助剤の
表 5 より,各品質特性に対し,推定利得と利得の差から
種類)は,機械特性(伸び)に対する影響が大きいと見ら
再現性の評価を行なった。難燃性に関しては,良好な一致
れることから,水準 1 を選択することとした。
が見られ,伸び,ならびに耐摩耗性に関しては,現行配合
と比べ当初の予想より 5 dB程度高く,改善効果が見られる
以上の結果から,制御因子 E ,G ,H を固定しながら
結果となった。
他の制御因子(A ,B ,C ,D ,F)を適宜選択し,基準配
合に対する改善効果の予想をシミュレーションした。推
定 SN 比が基準配合の各特性に対して高くなる水準の組
合せを選定した結果(HF-1 ∼ HF-3)を表 4 に示す。
表4
選定水準,および推定 SN 比
Optimum level and estimation SN ratio
A
耐摩耗性優先
難燃性優先
伸び優先
現行配合
上記結論
HF-1
HF-2
HF-3
B
C
D
2
2
3
2
1
3
1
1
2
2
1
3
1
2
2
1
1 ∼ 3 の水準差あまり無い
1
1
1
2
1
3
3
1
1
3
3
1
E
F
G
H
2
3
2
1
2 ,3
3
3
2
3
2
2
2
1
1
1
1
1
3
1
1
2
2
2
2
3
2
1
1
1
1
1
1
− 20 −
耐摩耗性
80 .49
―
―
55 .66
―
45 .09
53 .64
60 .94
推定 SN 比
難燃性
―
− 6 .08
―
− 29 .28
―
− 17 .99
− 13 .68
− 16 .48
伸び
―
―
82 .79
55 .14
―
43 .13
43 .97
51 .04
第 108 号
三菱電線工業時報
2011 年 10 月
5 実製品での検証
HF-3 に 関 し て 実 製 品 レ ベ ル で の 確 認 試 作 を 行 い,
HF-3 に関する実力値の検証を行なった。結果を表 6 に
示す。機械特性(伸び)
,耐摩耗性,ならびに難燃性は,
確認実験結果にほぼ沿う形で,品質特性の向上が認めら
れた。
表6
試作電線の特性
Character of preproduction sample
現行配合
HF-3
引張強さ
伸び
摩耗サイクル数
燃焼時間
[MPa]
26 .1
22 .8
[%]
418
436
[回]
66
117
[秒]
30 以上
6 .4
6 むすび
品質工学を適用して,細径化電線・ケーブルの被覆材
料に用いるハロゲンフリー被覆材料を開発した。このハ
ロゲンフリー被覆材料を用いることで,電線・ケーブル
において細径化と優れた耐摩耗性の両立を実現すること
ができた。
品質工学では,製品本来の機能で評価することが望ま
しいが,本製品に必要な品質特性を選択し評価,検討を
行うことも有効であることを確認した。
− 21 −