日本農芸化学会関東支部 2012 年度大会講演要旨集 日時:2012 年 10 月 27 日-28 日 会場:新潟薬科大学 発表:一般講演(ポスター) P-65 フリッパーゼの基質となるドリコール結合 7 糖の合成研究 ○宇津井隆志 1、岩本将吾 2、松尾一郎 1,2 (1 群馬大・工、2 群馬大院・工) 【序論】N-結合型糖鎖の生合成は、酵素によって N-アセチルグルコサミンがドリコール にピロリン酸を介して付加されることから始まる。ER 膜の細胞質側で Man5GlcNAc2 まで 糖鎖が伸長すると細胞質側から ER 内腔側に輸送、その際、フリッパーゼが関与してい ると考えられている。その後、ER 内腔側で順次糖が伸長され 14 糖 Glc3Man9GlcNAc2 へと 導かれる。本研究では、糖鎖がフリップ・フロップする現象を分子レベルで明らかにす ることを目的として 7 糖(Man5GlcNAc2)-PP-Dol の合成を検討した。 【方法・結果】目的の化合物を合成するにあたり糖鎖部分とドリコール部分の二つに分 けて合成することとした。ドリコールは銀杏の葉より調製した。銀杏の葉 800g をヘキ サンにて抽出、アルカリ処理後 5g のドリコール混合物を得た。不斉還元によりヒト型 ドリコールへと誘導する予定である。一方、7糖部分の合成は、分岐部分で分割しβ− マンノシド結合を有する3糖:コア3糖、マンノトリオース部分:M3、およびマンノー ス誘導体:M の 3 つのユニットをデザインした。M3 はチオフェニルマンノシド糖受容体 に対しマンノース供与体を順次カップリングすることで合成した。コア3糖に対して位 置選択的に M3、M を導入することで効率的な分岐型 7 糖の構築を実践する。 。
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