想定外の事態に対する信頼性アプローチ

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信頼性フォーラム
想定外の事態に対する信頼性アプローチ
企
会
日
趣
画 信頼性工学部門委員会
場 富山大学五福キャンパス
時 平成 28 年 5 月 29 日(日)9:00~11:50
旨
近年構造物が大規模化し,また多様かつ複雑化する人
的要素を含む社会システムが増加する中において,シス
テムを確率的に表現し機能維持することが困難な状況に
なっています.また,仮に確率的モデルが作成できたと
しても,想定を超える事態に対して如何に対処するかが
課題になります.
このような状況への対処方法として,レジリエンスエ
ンジニアリングという新しい安全性の考え方が注目され
ています.そこで本フォーラムでは,レジリエンスエン
ジニアリングに関する基調講演とシミュレーションによ
る信頼性確保のアプローチに関する一般講演を企画致し
ました.講演いただく講師の方々とご参加いただく皆様
方と一緒に,不確定事象を含む想定外の事態に対する信
頼性アプローチの在り方を再考したいと考えています.
プログラム
オーガナイザー 白木渡,井面仁志,三好哲也
挨拶・趣旨説明 (9:00〜9: 05) 白木渡(香川大学)
<基調講演> (9:05〜10:05)
社会・技術システムの安全とレジリエンスエンジニア
リングの役割
(株)テムス研究所・東北大学名誉教授
北村 正晴 氏
鉄道、航空、化学工業、電力、情報通信、医療など,
現代社会が機能を維持するための基盤をなすシステムは,
社会・技術システム(socio-technical system)と総称される.
当然ながら社会・技術システムの機能障害は、社会活動
の成立基盤を揺るがす.それゆえ社会・技術システムを
対象とした安全マネジメントや事故調査の役割は極めて
大きい.これらのタスクを遂行するにあたって,システ
ムが比較的単純であった時代に導入された安全マネジメ
ントや事故調査の手法はそのままでは適用できない場合
が多いが,この問題点はしばしば見落とされている.こ
の事実に着目して開発されつつある安全実現方法論がレ
ジリエンスエンジニアリングである.本講義では,上記
の背景事情を具体的事例を参照しつつ解説する.次いで
レジリエンスエンジニアリングの概要と理論的基盤,具
体的応用の指針などを述べるとともに,若干の応用例を
紹介したい.
一般講演(1) (10:05-10:45)
信頼性解析における確率分布裾野の特殊挙動について
関西大学
兼清 泰明 氏
材料強度や疲労寿命などの確率密度関数の裾野部分の
ゼロへの収束が非常に遅い場合,稀ではあるが無視し得
ない確率で発生する事象が,構造システム全体の信頼性
を大きく左右してしまうことがある.平均付近のフィッ
ティングを基に行う推定では,こういった事象の生起確
率を過小に評価してしまい,本来想定内としなければな
らない事象を,想定外と誤って位置付けてしまう恐れも
ある.本講演では,このような裾野部分の特殊な挙動の
実例を挙げて,その特性が信頼性評価に与える影響や,
そういった特性に対応するための解析手法などについて,
研究の現状を紹介することとしたい.
< 休 憩 >
(10:45-11:00)
一般講演(2) (11:00-11:30)
避難シミュレーションにおける信頼性の確保
阪南大学
○三好哲也 氏
災害時の被害を低減するためには,構造物の災害耐性
を強化するだけなく,事後の対応が迅速に進むように多
面的な災害対策が求められている.特に,災害直後の避
難対策の重要性が認識されているが,人間を含む避難状
況を解析的に推定することは難しく,従来の信頼性の枠
組みでは表現が困難である.そのため,避難シミュレー
ションによる避難状況の推定がなされている.本講演で
は避難シミュレーションの現状を報告するとともに,そ
の信頼性向上方策ついて紹介したい.
<総合討論> (11:30-11:45)
閉会挨拶 (11:45〜11: 50)
井面仁志(香川大学)
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