分子動力学による次世代火力プラント高温材料設計

分子動力学による次世代火力プラント高温材料
設計
増加する火力発電の重要性

高効率火力発電



コンバインドサイクル発電
石炭発電
(ガスタービン)
火力発電所の発電効率の推移 (東京電力)

合金(Ni基超合金、ステンレ
ス等)の高温下での熱物性
の制御が不可欠
タービン,ロー
ター,ケーシング …
発電用蒸気タービン(東芝)
熱膨張の発生

2体ポテンシャルとの古典的関係式

𝑈 𝑥 = 𝑐𝑥 2 − 𝑔𝑥 3 − 𝑓𝑥 4


𝑥 =
3𝑔
4𝑐 2
𝑘𝐵 𝑇
3階微分の項が重要
高温での非調和性
力が大きい
[キッテル固体物理学入門]
熱膨張を再現するポテンシャル開発(Ni)
Coefficient of thermal expansion
[1/K]
2.5E-05

Exp.
GEAM (2001)
Fitted Potential
2.0E-05
1.5E-05
1.0E-05
5.0E-06
高温(600K~)で実験値とよい精度で一致
0.0E+00
0
200
400
600
Temperature [K]
800
1000
1200
中田達也 卒業論文2014より
※畠山賞、工学部長賞ダブル受賞!
マクロ物性値との対応
分子動力学シミュレーション
空間スケール nm~μm
時間スケール fs ~ ns
Image-based modeling of the response of
experimental
3D microstructures to mechanical loading
A.C. Lewis* and A.B. Geltmacher
結晶組織シミュレーション有限要素法
目標:結晶組織を考慮したマクロな熱膨張率
の予測手法
Lateral Buckling Analysis of
Microscopic Patterned Structure
During Dry Etching
~ドライエッチング中に発生する半導体素子
パターンの座屈評価

東京大学大学院工学系研究科
田中展、泉聡志
H. Tanaka, T. Hidaka, S. Izumi and S. Sakai, “Onset of Wiggling in a
Microscopic Patterned Structure Induced by Intrinsic Stress During the Dry
Etching Process”, J. Appl. Mech. 81(9), 091009 (Jul 10, 2014).
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研究の背景
半導体プロセス(前工程)
2層薄膜
うねり座
屈
圧縮の真性応力
マスク層エッチング
誘電体層エッチング
マスク層に作用する残留応力(真性応力)が起因
M. Darnon et al., Appl. Phys. Lett.
6
分子動力学による真性応力の予測
分子動力学法による酸化膜の真性応力評価
2000個入射
3000個入射
4000個入射
・エッチング過程におけるマスク層の
酸化膜生成による真性応力の変化を
分子動力学法によって予測する。
Oイオンの入射角度
には分布がある
上面と壁面に
酸化膜形成
深さ方向に対する真性応力
1500個入射時の原子数の比較
200
1
1500個
O原子数
100
0
50
70
90
110
深さ方向 z [Å]
130
150
3000個
応力 [GPa]
原子数
Si原子数
0
-1
-2
50
100
深さ方向 z [Å]
150