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環−18
篠津中央地区における代かき排水の水質保全について
札幌開発建設部
農業開発第2課
○森
直文
北口
宣伴
谷江
大輔
1.はじめに
石狩川下流の地域では、漁業関係者からサケの稚魚の降海期である5月に石狩川の
濁度が上昇することから、農業関係者にこの時期に行われる代かき作業によると思わ
れる濁水流下の防止に協力を求められている。
石狩川中下流域では、複雑な系統の農業用用排水が数多く存在するが、代かき時の
濁水調査を行うには、篠津運河を基幹用排水路とする篠津中央地区が最適であると考
え、代かき作業期における圃場から篠津運河への排水流出と、篠津運河と石狩川の関
連性を調査することとした。
本 調 査 は 平 成 15年 か ら 実 施 し 、 平 成 17年 は 最 終 年 で あ り 、 代 か き 作 業 に よ る 濁 水 発
生を調査し、その対策について考察した結果を報告するものである。
2.濁水流下実態調査
2- 1
濁水発生時期
代かき作業は、一般的に苗の移植と活着を促進させるため、春先に圃場の作土を湛
水状態でかき混ぜて砕土、均平し、その後、移植まで湛水を保ち圃場を落ち着かせて
から落水する。この作業過程で高濃度の濁水が発生することになる。
代かき作業による濁水の発生状況を調査するに当り、地区内における平年の代かき
作業期間や用水管理状況を把握するため、用水を管理している篠津中央土地改良区か
ら聞取りを行なった。
本地区の用水は、篠津運河から5箇所の揚水機場で取水している。揚水機場の運転
開始は例年5月8日頃で、地区内配水後すぐに圃場への入水が始まる。代かきは5月
10日 ~ 15日 の 期 間 に 行 わ れ 、 用 水 路 上 流 側 か ら 下 流 に 向 っ て 順 次 実 施 し て い る 傾 向 で
、 濁 水 流 下 防 止 対 策 と し て 、 代 か き 後 5 日 間 程 度 湛 水 し て か ら 5 月 15~ 20日 に 落 水 し
ている状況である。
2- 2
調査方法
平 成 15年 の 調 査 で は 、 代 か き 開 始 か ら 落 水 ま で の 5 月 10日 ~ 20日 の 期 間 に お い て 、
透過光方式による濁度計で測定を行った。また、落水以降の濁度と比較するため、5
月 30と 6 月 12日 に も 測 定 を 行 っ た 。
調査箇所は、大きな区分として、①「圃場~排水路」、②「篠津運河の上流~下流
」、③「石狩合流地点」を設定した。(図-1)
Naofumi
Mori, Yositomo
Kitaguti, Daisuke
- 1 -
Tanie
①「圃場~排水路」の
流出を把握するため、篠
津運河上流域の『月形揚
水機場~月形幹線排水路
石狩川頭首工樋門直下
気象庁月形観測所
市町村境界
篠津中央地区
国営幹線用水路
国営排水路
濁度測定箇所
気象庁観測所
月形揚水機場
末端(月形ブロック)』
と、下流域の『美原揚水
月形幹線排水路末端
機場~美原幹線排水路末
端(美原ブロック)』の
2ブロックを設定し、流
篠
入地点と排水路末端地点
津
について測定を行った。
運
気象庁新篠津観測所
河
②篠津運河では、最上
美原揚水機場
流地点(流域内の圃場か
らの排水の流入が無い石
狩川頭首工樋門直下)と
美原幹線排水路末端
、最下流地点(全ての排
水が流入するの篠津運河
水門)の2箇所で測定し
篠津運河水門
石狩川合流地点下流
た。
石狩川合流地点上流
③石狩川では、篠津運
河が合流する上下流地点
で測定した。
濁度測定箇所及び気象庁観測位置
濁度調査結果
『美原ブロック』
濁度
1000
降水量㎜
0
900
5
平 成 15年 の 調 査 で は 、
800
降水量(月形)
代かき作業開始前の5月
700
降水量(新篠津)
月形揚水機場
落水時期
15
月形幹線排水路末端
400
20
美原揚水機場
300
美原幹線排水路末端
25
200
5/31
5/30
5/29
5/28
5/27
5/26
5/25
5/24
5/23
5/22
5/21
5/20
5/19
5/18
5/17
5/16
5/15
5/14
た。(図-2)
5/13
35
5/12
0
5/11
響が翌日中には無くなっ
30
5/9
100
5/10
は下降し、降雨による影
5/8
度 が 上 昇 し た が 、 10日 に
代掻時期
500
5/7
て9日に排水路末端で濁
600
5/6
7日、8日の降雨によっ
10
6/1
①『月形ブロック』
6/12
2- 3
図-1
図-2 平成15年 月形・美原ブロック濁度データ
代 か き 作 業 期 間 の 濁 度 変 化 は 、 代 か き が 開 始 さ れ た 10日 か ら 濁 度 が 上 昇 し 、 12日 に
一度ピークを迎える。
美 原 ブ ロ ッ ク で は 、 美 原 揚 水 機 場 取 水 時 の 濁 度 は 128度 で あ っ た が 、 排 水 路 末 端 で
は 474度 と 約 4 倍 の 上 昇 が あ っ た 。
そ の 後 、 落 水 が 開 始 さ れ る 15日 か ら 再 び 濁 度 が 上 昇 し 、 代 か き 作 業 が 終 了 し た 以 降
の 23日 に は 調 査 開 始 初 期 値 の 約 50度 ま で 下 降 し 、 5 月 30日 、 6 月 12日 は 約 15度 と 初 期
- 2 -
値よりも下がった。
な お 、 美 原 ブ ロ ッ ク で は 、 落 水 時 期 に 濁 度 1,000程 度 の 大 き な ピ ー ク が 2 回 発 生 し
ている。その要因として土地改良区からの聞き取りによれば、月形ブロックでは、約
7割の農家がマット苗を利用していたことから移植が集中し、落水も集中したものと
考えられる。
一方、美原ブロックでは、マット苗とポット苗の割合がほぼ同じで、ポット苗はマ
ット苗より成長させてから移植が行われるので、落水も遅れる傾向にあり、落水ピー
クが分散したものと考えられる。
②篠津運河
篠津運河においては、
濁度
平 成 15年 5 月 8 日 降 雨 の
350
影響は翌日中になくなっ
300
250
200
10日 か ら 5 月 20日 は 濁 度
10
15
20
25
100
30
落水時期
6/1
6/12
5/31
5/30
5/29
5/28
5/25
5/24
5/23
5/22
5/21
5/20
5/19
5/18
5/17
5/16
5/15
5/14
5/12
月 30日 に は 代 か き 以 前 の
5/13
35
5/11
0
5/9
の終了とともに低下し5
代掻時期
5/10
50
5/6
後の濁度は、代かき作業
5/8
流ほど濁度は高い。その
150
5/7
が高い傾向が見られ、下
5
降水量(月形)
降水量(新篠津)
石狩川頭首工水門直下
月形揚水機場
美原揚水機場
篠津運河水門
石狩川合流点上流
石狩川合流点下流
5/27
代かき作業開始の5月
0
5/26
ている。
降水量㎜
図-3 平成15年 篠津運河、石狩川合流部濁度データ
状態となった。(図-3)
このことから、『圃場~排水路』に流出する濁度と同様に変化している。
③石狩川
篠 津 運 河 が 合 流 す る 石 狩 川 の 上 流 地 点 、 下 流 地 点 の 濁 度 を 比 較 す る と 、 平 成 15年 の
調査では、合流地点の上流と下流の濁度が逆転する現象や、篠津運河水門の濁度が突
出 し て 高 い 16日 に 合 流 地 点 下 流 の 濁 度 が 大 き く 低 下 し て お り 、 篠 津 運 河 と 石 狩 川 の 関
連性が見られない。(図-3)
この結果から、石狩川頭首工水門直下、篠津運河水門、石狩川合流地点上流、下流
の 4 地 点 に つ い て は 、 平 成 16年 ~ 17年 も 継 続 し て 測 定 を 行 っ た 。
平 成 16年 で は 、 平 成 15
年と同様に石狩川合流地
濁度
350
降水量㎜
0
降水量(月形)
降水量(新篠津)
石狩川頭首工水門直下
篠津運河水門
石狩川合流点上流
石狩川合流点下流
点上流、下流の濁度の逆
300
転現象が発生しており、
250
篠津運河と石狩川の関連
200
性が見られない。
150
20
(図-4)
100
25
図-4 平成16年 篠津運河、石狩川合流部度濁度データ
- 3 -
6/1
5/31
5/30
5/29
5/28
5/27
5/26
5/25
5/24
5/23
5/22
5/17
5/16
5/15
5/14
5/13
5/12
5/11
5/10
が遅れたため例年よりも
35
5/21
0
15
落水時期
5/20
期の低温により落水時期
10
30
代掻時期
5/19
50
5/18
平 成 17年 で は 、 代 か き
5
遅 い 20日 ~ 27日 に 篠 津 運
河から高濁度の流出があ
濁度
350
降水量㎜
0
降水量(月形)
り、篠津運河合流の下流
300
地点の値が上流地点の値
250
に比べ高くなる傾向とな
200
った。また、合流の下流
150
20
地点の濁度は、篠津運河
100
25
水門の濁度低下と連動し
50
て低下していることから
0
降水量(新篠津)
石狩川頭首工水門直下
5
10
篠津運河水門
30
代掻時期
落水時期
6/1
5/31
5/30
5/29
5/28
5/27
5/26
5/25
5/24
5/23
5/22
5/21
5/20
5/19
5/18
5/17
5/16
5/15
5/14
5/13
5/12
5/11
35
5/10
、篠津運河の排水が石狩
15
石狩川合流点上流
石狩川合流点下流
図-5 平成17年 篠津運河、石狩川合流部度濁データ
川下流の濁度に影響を与えていると判断される結果となった。(図-5)
3.風の影響による濁度実態調査
3- 1
現状における課題
本地区の排水路や篠津運河では、代かき落水に追随して濁度が上昇することが確認
され、代かき作業が濁度上昇の原因となっていることは明らかである。
現在、ほとんどの農家で代掻き後3日間~5日間程度の一定期間は田面に湛水する
ことで、水中の土粒子の沈降を促し、濁度を低下させてから落水するという営農上の
対応をしているにもかかわらず、代かき期に濁
度が上昇していることから、湛水による効果が
発揮されていない状態と考えられる。
この原因として、代かき期には南風が強く、
湛水中の田面が風の巻き上げにより波立つ現象
が見られることから、濁度軽減効果が強風によ
って十分に得られていない可能性があると考え
た。
3- 2
写真-1
強風により波立つ圃場
風速
本地区に隣接する気象観測所の新篠津の風速データから、地域の風速状況を見た。
代かき期の5月は平均風速が大きいことから、代かき後の湛水田面で風の巻き上げ
により波立つ現象が発生すると想定される。(図-6、観測箇所は図-1)
また、5月の最大風速の風向は南南西が最も多くなっている。(図-7)
N
m/s
4
NNW
NNE
30%
NW
3.5
40%
NE
20%
WNW
ENE
平成15年
E
平成16年
ESE
平成17年
10%
W
3
平均風速(H15)
平均風速(H16)
平均風速(H17)
2.5
0%
WSW
SW
SE
SSW
2
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
図-6 気象庁新篠津観測 年間平均風速
12月
SSE
S
図-7 5月の最大風速の風向分布
- 4 -
3- 3
調査方法
調査圃場の設定にあた
風向風速計B-Ⅱ
っては、防風林帯の減風
C7(24)
効果も合わせて検討する
C5
こととし、林帯の南側と
210m
北側に調査ブロックを設
定した。(図-8)
風向風速計B-Ⅰ
風影響による濁度調査位置
C3
54m
C1
調査期間は、対象圃場
の代かき直後から落水ま
で の 平 成 17年 5 月 11日 ~
23日 と し た 。
防
カラマツ H=約12m
40m
B1
A1
風向、風速の観測は、
地 面 か ら 約 1.5m に 設 置
帯幅 90m
林
風
風向風速計A-Ⅰ
220m
し た 自 動 観 測 機 で 10分 毎
B3
A3
調査対象圃場
A5(24)
の連続測定を行い、南・
北の各ブロックに2箇所
凡 例
B4(24)
風向風速計A-Ⅱ
A7
24h連続調査圃場
風向風速計
づつ設置した。
無風領域コンポスト
濁度は、圃場の代かき
防風林
後から落水までの湛水中
に1日1回測定し、圃場
(24)
B7
図-8
圃場の濁度、風向、風速測定箇所
形状が東西方向に長いことを考慮して、各圃
場の東西1箇所づつの計2箇所とし、その測
定平均値を採用することとした。
な お 、 調 査 の 12圃 場 の う ち A 、 B 、 C 、 各
列から一箇所づつ選定した3圃場では、2時
間 毎 の 連 続 計 24時 間 の 濁 度 測 定 を 1 日 間 行 っ
た。
また、無風状態との比較を行うため、圃場
内にコンポスト容器を設置し、その容器内に
写真-2
コンポストによる無風状態
おける濁度を代かき直後から落水まで測定し
た。(写真-2)
3- 4
風向、風速、防風林の減風効果
調査期間中の風向はほとんど南方向あり(図-9)、
防風林北側で防風林に近い風速計B-Ⅰの風速データは
、日平均風速、日最大瞬間風速ともに他の計測データよ
り 小 さ く 防 風 林 に よ る 減 風 効 果 が 見 ら れ る 。 ( 図 - 10)
最多風向が南方向であることから、防風林の効果を受
けない南側の風速計A-Ⅱを基準点として、A-Ⅱの日
最 大 瞬 間 風 速 が 発 生 し た と き の 10分 間 平 均 風 速 に つ い て
- 5 -
NNW 25%
20%
NW
15%
WNW
10%
5%
W
0%
N
NNE
NE
ENE
E
WSW
ESE
SW
SE
SSW
SSE
S
図-9 調査期間中
(5/11~23)の風向分布図
、防風林北側のB-Ⅰ、B
日平均風速(m/s)
20.0
- Ⅱ の 同 時 刻 の 10分 間 平 均
日最大瞬間風(m/s)
0
風速と比較し、減風率を算
17.5
5
出した。(表-1)
15.0
10
最 大 A-Ⅰ
最 大 A-Ⅱ
日 最 大 瞬 間 風 速 が 10 m/s
12.5
程 度 に な っ た 5 月 14日 、 17
10.0
20
日を見ると、防風林北側の
7.5
25
平 均 A-Ⅱ
B - Ⅰ の 減 風 率 は 71% 、 76
5.0
30
平 均 B-Ⅰ
%で、防風林から離れたB
2.5
35
- Ⅱ の 減 風 率 は 21% 、 29%
0.0
40
日平均風速
月日
かった。
5/11
5/12
5/13
5/14
5/15
5/16
5/17
5/18
5/19
5/20
5/21
5/22
5/23
なお、日最大瞬間風
速 20.2 m/sの 5 月 19日
は、西風であったため
B-Ⅰ、B-Ⅱとも減
風 率 は 10% 、 4 % と 防
風林による減風効果は
ほとんどなかった。
3- 5
最 大 B-Ⅰ
最 大 B-Ⅱ
5/23
5/22
5/21
5/20
5/19
5/18
5/17
5/16
5/15
5/14
5/13
5/12
5/11
平 均 B-Ⅱ
図-10 日平均風速・日最大瞬間風速データ
林 北 側 で は 200m 程 度 ま で
得られていることが分
15
平 均 A-Ⅰ
であったことからも、防風
の範囲では減風効果が
日最大瞬間風速
表-1 基準点(A-Ⅱ)に対する防風林の減風率
基準点(A-Ⅱ)
B-Ⅰ
B-Ⅱ B-Ⅰ B-Ⅱ
日最大瞬間 最大時 10分平均
10分
10分平均 10分平均 基準点に対する
減風率
風速(m/s) 風向 風速(m/s) 最多風向 風速(m/s) 風速(m/s)
8.8
WNW
5.8
WNW
5.1
4.8
12%
17%
7.7
S
5.6
S
1.5
4.3
73%
23%
9.0
S
6.4
S
1.9
5.2
70%
19%
12.2
SSE
7.5
S
2.2
5.9
71%
21%
7.6
S
6.0
S
1.1
3.8
82%
37%
9.7
S
7.0
S
1.7
4.9
76%
30%
9.9
S
6.6
S
1.6
4.7
76%
29%
6.5
S
4.1
S
0.5
2.7
88%
34%
20.2
W
13.2
W
11.9
12.7
10%
4%
9.1
W
5.0
W
5.3
5.3
-6%
-6%
9.3
S
6.2
S
1.5
4.9
76%
21%
5.4
ENE
3.5
E
3.2
2.4
9%
31%
3.5
ESE
2.5
ESE
1.6
1.6
36%
36%
風の影響による濁度変化
調査圃場毎に、代かき日、落水日が異なることから、測定データを圃場A~C列毎
に 定 時 測 定 と 連 続 測 定 を 比 較 し た 。 ( 1 日 1 回 測 定 : 図 - 11~ 13、 24時 間 測 定 : 図 -
14~ 16)
無風状態のコンポスト容器内の濁度は毎日低下している。代掻き後の3~5日の湛
水 に よ っ て 、 濁 度 約 3,000度 の 初 期 値 か ら 100度 以 下 に 低 下 し ( 図 - 11~ 13) 、 湛 水
することにより濁度を低下させる効果が十分にあることを示している。
し か し 、 風 の 影 響 を 受 け る 圃 場 A ・ B で は 、 14日 、 17日 、 19日 の 日 最 大 風 速 10 m/s
以上の強風時に濁度の上昇や下降幅が小さくなる傾向が見られた。
濁 度 が 上 昇 す る 最 大 瞬 間 風 速 に つ い て 24時 間 調 査 か ら 見 て み る と 、 B 4 圃 場 ( 図 -
14) で は 17時 の 7.7m/s、 C 7 圃 場 ( 図 - 15) で は 12時 の 9.3m/s、 A 5 圃 場 ( 図 - 16)
は 、 前 日 の 20.2 m/sの 西 風 に よ り 生 じ た 圃 場 内 の 東 西 の 濁 度 差 が 無 く な る 10時 以 降 か
ら 見 る と 、 12時 の 9.1m/sの と き に 東 側 濁 度 の 大 幅 な 上 昇 が 見 ら れ た 。
こ の こ と か ら 最 大 瞬 間 風 速 が 8 ~ 9 m/s以 上 の と き 濁 度 は 上 昇 す る と 思 わ れ る 。
ま た 、 14日 、 17日 で は 、 防 風 林 南 側 で 濁 度 が 大 き く 上 昇 し て い る の に 対 し ( 図 - 11
・ 13) 、 防 風 林 北 側 で は 防 風 林 の 減 風 効 果 に よ り 風 速 が 抑 え ら れ 、 濁 度 の 上 昇 幅 が 小
さ く な っ て い る ( 図 - 12) 。
- 6 -
な お 、 19日 ~ 20日 の 濁 度 か ら 、 風 の 影 響 に よ り 濁 度 は 一 時 的 に 上 昇 を す る が 、 翌 日
には影響を受ける前まで濁度が低下していることが分かる。これは強風後、1日程度
の湛水を行うことにより、濁度を下げる効果があることを意味している。
《1日1回の定時測定のグラフ》
日最大瞬間風速A-Ⅰ
B-1平均濁度
B-4平均濁度
B-1コンポスト濁度
《 2 時 間 毎 24時 間 連 続 測 定 の グ ラ フ 》
日最大瞬間風速A-Ⅱ
B-3平均濁度
B-7平均濁度
最大瞬間風速A-Ⅱ
東側濁度
西側濁度
東西平均濁度
最大風速m/s
濁度
濁度
6,000
最大風速m/s
0
4,000
0
2,000
20
1,500
10
1,000
12
1,000
25
500
14
0
30
5/11
5/12
5/13
5/14
5/15
5/16
5/17
5/18
5/19
図-14 圃場B4濁度(24h)12~13日、
最大瞬間風速(2h)
図-11 圃場B列濁度、日最大瞬間風速
日最大瞬間風速B-Ⅰ
C-1平均濁度
C-5平均濁度
C-1コンポスト濁度
9: 00
8
日最大瞬間風速B-Ⅱ
C-3平均濁度
C-7平均濁度
最大瞬間風速B-Ⅱ
東側濁度
西側濁度
東西平均濁度
最大風速m/s
濁度
濁度
6,000
11 :00
2,000
7: 00
15
5: 00
3,000
3: 00
6
1: 00
2,500
23 :00
10
21 :00
4,000
19 :00
4
17 :00
3,000
15 :00
2
5
13 :00
3,500
5,000
最大風速m/s
0
650
0
600
2
550
4
400
10
350
12
1,000
25
300
14
0
30
5/12
5/13
5/14
5/15
5/16
5/17
5/18
5/19
5/20
図-15 圃場C7濁度(24h)17~18日、
最大瞬間風速(2h)
図-12 圃場C列濁度、日最大瞬間風速
日最大瞬間風速A-Ⅰ
A-1平均濁度
A-5平均濁度
A-1コンポスト濁度
日最大瞬間風速A-Ⅱ
A-3平均濁度
A-7平均濁度
最大瞬間風速A-Ⅱ
東側濁度
西側濁度
東西平均濁度
最大風速m/s
濁度
濁度
6,000
8: 00
20
6: 00
2,000
4: 00
8
2: 00
450
0: 00
15
22 :00
3,000
20 :00
6
18 :00
500
16 :00
10
14 :00
4,000
12 :00
5
10 :00
5,000
最大風速m/s
0
5,000
0
2,000
20
2,500
10
2,000
12
1,000
25
1,500
14
0
30
5/15
5/16
5/17
5/18
5/19
5/20
5/21
5/22
5/23
図-16 圃場A5濁度(24h)20~21日、
最大瞬間風速(2h)
図-13 圃場A列濁度、日最大瞬間風速
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4: 00
8
2: 00
3,000
0: 00
15
22 :00
3,000
20 :00
6
18 :00
3,500
16 :00
10
14 :00
4,000
12 :00
4
10 :00
4,000
8: 00
2
5
6: 00
4,500
5,000
以上のことから、代かき後の田面湛水は、無風状態であれば濁度を低く抑えられる
が 、 約 9 m/s以 上 の 強 風 が 発 生 し た と き に は 、 落 水 日 を 調 整 す る こ と が 有 効 な 対 策 で
あると考える。
6)総合考察
平 成 15年 ~ 17年 の 調 査 結 果 か ら 、 代 か き 作 業 が 始 ま る 5 月 10日 頃 か ら 濁 度 が 上 昇 し
、 そ の 後 圃 場 で 落 水 す る 5 月 15~ 20日 頃 に ピ ー ク を 迎 え て 低 下 し て い く が 、 落 水 が 終
わっても5日間程度は濁度が高い傾向が続く。当然、この傾向は石狩川にもおよぶ。
現在、濁水防止対策として農家へ、代かき後5日間ほど湛水してから落水すること
を呼びかけているが、無風状態であれば3~5日で濁度を低下させることが分かった
ものの、強風時には湛水中の田面水の濁度が上昇する結果となった。
このことから、強風が予想される時や強風直後には、落水を遅らせることが有効と
考えられ、今後はこのことを考慮した営農を行うよう啓蒙・普及を行う必要があると
考えられる。
なお、今般の環境への配慮が高まる状況においては、農業者の理解を得て、より一
層の協力を得ることが重要であり、また防風林帯の整備も有効な手段と考えられる。
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