✎教育・研究方針 生活習慣病や老化に伴う身体的・精神的・社会的な諸問題を克服するた め、これらの健康問題の成因を解明し、予防対策を示すこと。 科学的根拠に基づく医療(EBM)や公衆衛生活動を推進するため、臨床 医師・研究者や行政関係者と連携して、医療や行政の科学性と公益性を 高めること。 ✎特色 教授 助教 助教 辻 一郎 遠又 靖丈 菅原 由美 次世代を担う疫学・公衆衛生学の人材(研究者・行政官・予防マインドの ある臨床職種など)を育成すること。 豊富な研究データ:10万人規模のコホートと精度の高い地域がん登録データにより、がん疫学研究を推進。循環器疾患、老化、医療費、 栄養などの多様なテーマに関して研究を展開。 多彩な人材:教室員は、医師6名、管理栄養士2名、臨床工学士1名と多様な構成。 エビデンスに基づく政策提言:がん検診や介護予防・生活習慣病対策のあり方について、研究データに基づいた提言を行い、国・自治体 事業に反映。 食事パターンと大腸がん罹患リスク 大崎コホート研究 ◇大崎国保コホート◇ 対 象:1994年9~12月に宮城県大崎保健所管内1市13町に居住する 40~79歳の国民健康保険加入者 (51,253人) ベースライン調査: ○ 生活習慣:疾患既往歴、家族歴、健康状態、体格、運動習慣、喫煙・ 飲酒習慣、食事習慣、職業、婚姻状況、教育歴、検診受 診 状 況 、 生 殖 歴 ( 女 性 の み ) 、 身 体 機 能 ( Medical Outcome Study尺度)、人生観 ○ 血清疫学調査(1市6町、16,518人) 追 跡:全死亡、死因別死亡、がん罹患、医療費 DFAパターン DFAパターン(高乳製品・高野 菜果物・低飲酒)を摂る割合 の高い群では、大腸がん罹患 リスクが有意に低下した。 Cancer Causes Control, 2014;25(6):727-36. 一日歩行時間の変化と要介護認定リスク ◇大崎市民コホート2006◇ 対 象:2006年12月に宮城県大崎市に居住する 40歳以上の住民 (49,603人) ベースライン調査: ○ 生活習慣:疾患既往歴、家族歴、健康状態、体格、運動習慣、 喫煙・ 飲酒習慣、食事習慣、職業、婚姻状況、教育歴、検診受 診状況、健康保険加入状況、生殖歴(女性のみ) ○ ソーシャル・キャピタル関連:地域活動、ソーシャルサポート、Kessler 6-item psychological distress scale (K6) 、 基本チェック リスト(65歳以上のみ) 追 跡:全死亡、死因別死亡、がん罹患、介護保険認定 宮城県コホート研究 対 象:1990年6~8月に宮城県内14町村に居住する 40~64歳の住民 (47,650人) ベースライン調査: ○ 生活習慣:疾患既往歴、家族歴、健康状態、体格、運動習慣、喫煙・ 飲酒習慣、食事習慣、職業、婚姻状況、教育歴、検診受 診状況、健康保険加入状況、生殖歴(女性のみ) ○ パーソナリティ:Eysenck Personality Questionnaire-Revised(EPQ-R) 1994年と2006年の調査で、一 日歩行時間が常に30分以下 だった高齢者と比較して、常 に30分以上の高齢者では、要 介護認定リスクが有意に低下 した。 Preventive Medicine, 2014;59:68-72. パーソナリティと自殺死亡リスク 1997年から1998年の経済危 機による自殺リスクへの影響 を分析した結果、神経症傾向 が高い者で、経済危機を境に 自殺リスクが増加した。 追 跡:全死亡、死因別死亡、がん罹患 Psychological Medicine, 2014;18:1-15. 東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学分野 http://www.pbhealth.med.tohoku.ac.jp/ 東北大学大学院 医学系研究科 地域保健支援センター ✎ 地域保健支援セ ンターの目的 ・ 意義 東日本大震災で被災した地域住民に対し、健康面のサポートを行う。 被災地における保健衛生システムの復興に向けた支援を行う。 ✎業務内容 住民や地域の保健ニーズ(生活環境・衛生状態、心身の健康など)に関する調査の実施 調査結果に基づき、地域保健衛生システムの復興に向けた提言の作成 保健サービス(保健指導・健康教育、精神保健、運動・栄養指導など)の提供 保健衛生行政全般に対する助言 被災者健康調査 被災県沿岸部は他の地域よりも震災後1年間の 要介護認定率が顕著に増加 対 象: 石巻市(雄勝・牡鹿・網地島地区)・七ヶ浜町に在住の者 仙台市若林区仮設住宅入居者 計 7,969人(未成年を含む) ベースライン調査: ○ アンケート調査:疾病罹患、健康状態、喫煙・飲酒習慣、食事習慣、アテネ不眠 尺度、心理的苦痛(K6)、震災の記憶、職業の状況、周囲への信頼感、地域の つながり、活動状況、基本チェックリスト(65歳以上) ○ 健診:血液検査(貧血、高脂血症、血糖値など)、歯科健診、呼吸・循環機能(肺 活量、血圧、心拍数)、身体測定(身長・体重・胸囲、握力測定) 追 跡:年2回のアンケート調査 全死亡、死因別死亡、医療費、健診情報、介護保険認定、がん罹患 石巻市2地区(左)と仙台市若林区(右)の心理的苦痛(K6)の推移 平成23年2月 (震災前) 平成24年2月 (震災後) Journal of Epidemiology & Community Health, 2014;68(6):530-3. 震災後に転居した群は、転居しなかった群よりも アテネ不眠尺度が高い ■4点以下 ■5~9点 ■10点以上 ■未回答 2014年 石巻 運動教室 2014年 網地島 結果説明会 第24回日本疫学会学術総会にてポスター発表 東北大学地域保健支援センター http://www.ch-center.med.tohoku.ac.jp/ 2015年 東北大学大学院 医学系研究科 修士課程(定員10名) 4月開設 公 衆 衛 生 学 専 攻 Start on Apr.2015 Tohoku University Graduate School of Medicine, School of Public Health
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