社会福祉援助技術現場実習指導Ⅰ

社会福祉援助技術現場実習指導Ⅰ
専門教育科目/4 単位/TS 授業
担当教員
山﨑きよ子
井上孝徳
川崎順子
西田美香
※添削とスクーリング部分については、複数の教員により行う。
■使用テキスト
岡田まり・柏女霊峰・深谷美枝・藤林慶子(編)
『社会福祉基礎シリーズ 17 ソーシャルワーク実習』有斐閣双書
・坂本洋子著『ぶどうの木
10 人の“わが子”とすごした、里親 18 年の記録』幻冬舎
・クリスティーン・ボーデン著
桧垣洋子訳『私は誰になっていくの?アルツハイマー病者
からみた世界』クリエイツかもがわ
・田村裕著『ホームレス中学生』ワニブックス
◆参考テキスト
・ビルガー・ゼリーン著
平野卿子訳:『もう闇のなかにはいたくない
自閉症と闘う少年
の日記』草思社
・井上美智代著『生きてます、15 歳。500gで生まれた娘へ』ポプラ社
・山内文代著『うちの母ちゃん、手が無っちゃが!』ジーオー企画出版
・乙武洋匡著『五体不満足』講談社
・正村公宏著『ダウン症の子を持って』新潮社版
講義概要・一般目標
社会福祉士援助技術現場実習指導の目標は、①社会福祉援助技術現場実習(以下、現場実習)の意義につい
て理解する②現場実習に係る個人指導並びに集団指導を通して、相談援助に係る知識と技術について具体的か
つ実際的に理解し、実践的な技術等を体得する③社会福祉士として求められる資質、技術、倫理、自己に求め
られる課題把握等、総合的に対応できる能力を習得する④具体的な体験や援助活動を、専門的援助技術として
概念化し理論化し体系だてていくことができる能力を涵養するとなります。
社会福祉援助技術現場実習指導Ⅰでは、現場学習の意義について理解を深めるとともに、社会福祉士に求め
られる資質、技術、倫理、自己に求められる課題把握等、総合的に対応できる能力の習得を目指します。
まず、現場実習の前段階としてクライエントをどう捉えるかという視点が必要となります。福祉サービスを
利用する当事者への共感的理解を支援の出発点と位置づけ、共感的理解の方法のひとつとして、当事者やその
家族が執筆した書籍を読み、当事者や家族の考え方や感情を理解することとします。
次に、現場実習の意義についてテキストを活用し理解を深めます。そして援助者の価値・知識・技術につい
て、現場実習を通してどのように習得するかについて検討していきます。
スクーリングでは、まず実習教育の流れを理解します。次に、実習先選定に必要となる各分野における実践
現場の状況を学び、そのうえで各自の実習希望分野を検討していきます。
到達目標
1) 社会福祉援助技術現場実習の意義について説明できる。
2) 実習を行う実習分野の役割・機能が説明できる。
3) 実習分野の選定動機が説明できる。
4) 実習に向けての事前学習・事前準備ができる。
5) 実習先の法的根拠や業務内容が説明できる。
6) 実習に必要とされる基本的態度を示すことができる。
7) 実習体験を行い、具体的な実習課題を明確に説明できる。
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評価方法
T部分:科目単位認定試験(レポート)により評価。
S部分:出席状況(遅刻・欠席は不可)、受講態度、科目単位認定試験(スクーリング最終日に実施)
。
学習指導
1.当事者の理解を深める
現場実習では、実際に当事者とその家族への支援について体験を通して学びます。当事者やその家族
は日常生活のなかで何に喜びを感じ、どのような生活のしづらさを抱えているのでしょう。ここでは、
様々な当事者やその家族が執筆した書籍を熟読し、その気持ちや生活環境に発生する出来事や課題、そ
して当事者の持つ力について学びます。ソーシャルワーカーが当事者と向き合う時、その人の置か れて
いる環境や想いに寄り添うことが信頼関係形成に必要となってきます。現場実習への準備として当事者
理解を深めてみましょう。(書籍は参考テキスト参照)
2.社会福祉援助技術現場実習とは
充実した現場実習を実践するために、実習前段階の準備が必要となってきます。テキストをもとに現場実習
の位置づけを理解するとともに、実習内容や実習施設、実習形態について学びます。さらに、将来自分がどの
ような施設で何を学ぶのか、現場実習に向けての動機付けを行います。
3.ソーシャルワーク実習の前提となる価値・知識・技術
ソーシャルワーク実習の重要な要素である価値・知識・技術について学びます。価値は、ソーシャルワーク
実践の本質に関わるものです。また、人々に対する態度や自分自身の行動自体に影響するものと考えられます。
ソーシャルワークの知識は、クライエントと環境をアセスメントし、クライエントのニーズについてクライ
エントとともに検討する際に必要となります。また、クライエントに必要なサービスシステムの開発や社会政
策の変革等に必要になります。
技術は、ソーシャルワークの価値と知識に基づいて導き出された方法を用いて、具体的なサービスを提供し、
結果を導き出す際に必要になります。これらの価値・知識・技術が現場でどのように位置づけられているのか、
また、現場実習でこれらを意識しながら実践と結びつけていくために、価値・知識・技術とは何を示している
のかを改めて考えましょう。
4.スクーリング指導内容
スクーリングでは、実習事前学習としてソーシャルワークにおける価値・知識・技術についての理解を深めま
す。また、実習教育(実習指導Ⅰ・Ⅱ・実習・Ⅲ)の流れを確認し、各実習分野の情報を得たうえで希望する実
習施設の選定について指導していきます。
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