【様式4】1ページ目 地域の指導者と連携した授業 により、武道授業において、 生徒の意欲を高めた実践例 学校名 田村市立大越中学校(福島県)1学年 全校生徒数 143名(男子68名 種目等 武道(剣道) 女子75名) (本事例に係る問合せ先) 電話番号 0247(79)3211 電子メールアドレス [email protected] 1 研究のねらい (1)学習指導要領の改訂に伴い武道が必修となったため、専門的な技能を有する地域スポーツ人 材を武道の授業に招聘し、保健体育科の教員と連携のもと授業の充実を図る。 (2)武道の指導経験が浅い教員が、豊富な指導経験を有する外部スポーツ人材と連携して、授業 を進めることで、武道の指導力を高める。 2 研究の取組体制 (1)武道等指導推進委員会を設置し、人材リストに基づき外部スポーツ人材を派遣するとともに、 学校と連携した授業の在り方について事業成果の検証等を行う。 (2)外部スポーツ人材と学校関係者との連絡協議会を設置し、派遣開始前に生徒の実態及び授業 構想について、密な情報交換をするとともに、授業の実施前後で体育担当者と打合せを行うな ど、授業の充実と安全確保に努める。 3 研究の概要 (1)地域の指導者の協力を得た学習指導の推進 ①剣道の基本(防具着装や礼儀作法)の習得に重きを置いて、楽しさを味わわせるようにする。 ②近隣校から防具を借用して全員分用意し、少ない時数でも効率的な授業になるようにする。 ③授業の主体は体育教師とし、地域指導者には専門的な部分のサポートをお願いする。 (2)具体的な取組内容・方法、取組を進める上での工夫点など ①授業の時期が 11 月という寒い時期の実施となるので、最初に5分間走を取り入れるなどして、 体を十分に温めてから授業に入らせた。また、必要に応じて暖房も取り入れた。 ②地域指導者主体のオリエンテーションを実施し、専門用語の解説も含めながら剣道について の理解が深まる授業を最初に設定した。 (3)生徒の安全を確保するために配慮・工夫した点など ①体育館フロアの確認 裸足での授業になるため、床板の割れ等がないかの確認を行う。 ②竹刀の確認 授業の始まりに各自が自分の竹刀にささくれがないかなどの確認を行う。 ○事業成果と今後の課題 成果:地域指導者のサポートにより、教師だけでは指導できなかった剣道独特の礼儀作法の持つ意味 や、技の習得のコツなどをわかりやすく指導していただくことで、生徒に剣道の持つ魅力を伝 えることができた。 課題:地域指導者が農業に従事しており、農閑期である11月に剣道授業を実施した。そのため、体 育館の床の冷たさから授業に前向きに取り組めない生徒もいたため、実施時期について検討す る必要がある。 【様式4】2ページ目 ○研究内容 【防具の付け方】 【オリエンテーション】 初めての防具着装の様子 地域指導者によるオリエンテーションと礼法指導 【竹刀の安全確認】 【竹刀の振り方の指導】 授業前に剣先やささくれ等の安全を毎回確認 新聞紙を竹刀で切ることで正しく振れているかを確認 【武道授業後の成果分析】 授業後の生徒アンケート結果と成果についての考察 生徒アンケート結果 ○授業前と授業後で、剣道に対する意欲が高まったか。(45名回答) ・そう思う・・32人 ・そう思わない・・1人 ・どちらとも言えない・・12人 ○剣道の授業で楽しかったこと。 ・防具を着けたこと ・面打ちをしたこと ・竹刀で打ち合ったこと ・新聞を竹刀で切ったこと ・大きな声を出して試合をしたこと ○剣道の授業で学んだこと。 ・礼儀作法 ・防具の付け方 ・あしさばき ・剣道の伝統 ・声を出すこと 成果分析 ・導入を重視し、協力して防具を着けたり、新聞を竹刀で切る体験などを通して、剣道の魅力を理解させることができた。 ・近隣の学校から不足分の防具を借りて、全員に防具が行きわたるようにしたので、効率よく授業を行うことができ、多く の生徒に剣道の楽しさを味わわせることができた。 【成果分析及び今後の取り組みの方向性について】 ・武道についてどの体育教師も専門的な知識や技術を持つわけではない。本事業で、授業のサポートに地域の専門知識や技能 を持つ指導者を招聘できたことにより、武道学習のねらいである「技ができる楽しさや喜び」を生徒達が味わうことができ、 武道の持つ魅力に触れさせることにつながった。来年度も事業が継続する場合はぜひ活用したい。
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