コンパス薬局横浜西スキルアップ勉強会 2015.3.26 野口第 93 回『リクシアナ錠』第一三共丸山健さん参加者：川村先生松下、作佐部、野口、野田、近藤、小西、吉岡、鈴木抗凝固薬は血栓をできにくくする薬である。2011 年に「下肢整形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制」の適応で発売されていたリクシアナ錠に 2014 年「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」「静脈血栓症の治療および再発の抑制」この 2 つの適応が追加となった。【効能・効果】 A: 非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制（15/30/60mg） B：静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制（15/30/60mg） C:下記の下肢整形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制（15mg~30mg）膝関節全置換術、股関節全置換術、股関節骨折手術【用法用量】 A･B：通常、成人は、エドキサバンとして以下の用量を 1 日 1 回経口服用する。 ※体重 60kg 以下：30mg。 ※体重 60kg 超：60mg。なお、腎機能、併用薬に応じて 1 日 1 回 30mg に減量する。 C: 通常、成人は、エドキサバンとして 30mg を 1 日 1 回経口服用する。【特徴】 FXa（活性化血液凝固第Ⅹ因子）を選択的、可逆的かつ直接的に阻害する国内初の経口抗凝固剤で 3 つの適応症を有する唯一の国産経口 FXa 阻害剤である。効果発現がすみやかで、食物との相互作用もほとんどなく、より安定した効果が得られる。リクシアナは 1 日 1 回だが、多くの他の薬剤では 1 日 2 回となっている。【副作用】重大なもの (1)出血(頭蓋内出血，脳出血，出血性卒中，関節内出血，眼出血，網膜出血，直腸出血，胃腸出血，上部消化管出血，メレナ(黒色便)，下部消化管出血，出血性胃潰瘍，コンパートメント症候群を伴う筋肉内出血など)，および出血に伴う合併症症状(ショック，腎不全，呼吸困難，浮腫，頭痛，浮動性めまい，蒼白，脱力感)。 (2)肝機能障害・黄疸。【考察】以前は抗血栓薬としてワーファリンを主に使用していましたが、ビタミン K(納豆など) の摂取に気を使う必要があるため患者の QOL 低下してしまうことや、タンパク結合率だったり CYP だったりと様々な要因により効果に影響を受けるため常に PT-INR の測定を行い注意が必要でした。しかし、リクシアナにおいては、ビタミン K の摂取や PT-INR の変化を気にする必要がありません。このような利点は患者様の身体的な問題の解決につながると考えられます。ただし、ワーファリンと比べると薬価が高く経済的な負担が大きくなってしまうので、薬剤師は患者様が十分にお薬のことを納得された上で服用していただけるよう服薬指導時に気を付けなければならないと思います。【質疑応答】Ｑ：内視鏡における生検の場合は中止すべきか？Ａ：中止しなくてよい。(主治医な判断による) 体内から薬剤は 12 時間で消失するため服薬をやめることで生じる可能性のある血栓の方がリスクになると考えられる。