評価フロー 文献調査 爆発・発火危険性評価 計算による危険性予測 スクリーニング試験 標準試験 実規模試験 評価フロー 文献調査 計算による危険性予測 スクリーニング試験 標準試験 実規模試験 文献調査 対象とする物質について、その安全性に関す る調査を行う 新物質であれば、当然データは無いので、類 似物質に関する調査を行い類推する(この 際、化学的知識が生きる) 計算による危険性予測 実験的な手法では、発火・爆発危険性と して、感度と威力の評価を行う 計算では、威力に関する情報は得られる が、感度に関する情報を直接得ること は、(今のところ)できない 計算による危険性予測 米国材料試験協会(ASTM)では、化学 物質の、燃焼熱、最大分解熱、および酸 素バランスから、発火・爆発危険性評価 を行うプログラムを公表している :CHETAH CHETAHによる危険性評価 1.化学物質の燃焼(-ΔHc)、最大分解熱 (-ΔHmax)、酸素バランスを算出する 2.最大分解熱と燃焼熱の差の絶対値を計算する 3.最大分解熱、2で求めたパラメータ、酸素バ ランスの3つのパラメータで危険性を評価する 燃焼熱:-ΔHc 物質が完全燃焼する際に発生する熱量 (重量あたり) CHNO化合物であれば、生成物は、 H2O, CO2, N2、および余れば、O2とな ることを仮定 燃焼熱:-ΔHc m-ジニトロベンゼン( C6H4N2O4 ), m w=168 C6H4N2O4 + 5O2→2H2O + 6CO2 + N2 ΔHf(H2O)=-57.8kcal/mole ΔHf(CO2)=-94.1kcal/mole ΔHf(m-DNB)=10.82kcal/mole -ΔHc = ΔHf(m-DNB)-2x ΔHf(H2O)-6x ΔHf(CO2) = 10.82-2x(-57.8)-6x(-94.1) = 691.02 kcal/mole = 4.11 kcal/g 最大分解熱:-ΔHmax • 物質が分解する際の最大反応熱 • CHNO化合物の場合、H2O,CO2,COの優先 順位での生成を仮定 ΔH f(H2O) : -57.8 kcal/mole,-3.21 kcal/g ΔH f(CO2) : -94.1 kcal/mole,-2.14 kcal/g 最大分解熱:-ΔHmax m-ジニトロベンゼン( C6H4N2O4 ), mw=168 C6H4N2O4 →2H2O + CO2 + N2 + 5C -ΔHmax = ΔHf(m-DNB)-2x ΔHf(H2O)- ΔHf(CO2) = 10.82-2x(-57.8)- (-94.1) = 220.52kcal/mole = 1.31 kcal/g ¦ΔHc-ΔHmax¦ • 燃焼熱と最大分解熱の差の絶対値をパラメータとする m-ジニトロベンゼン( C6H4N2O4 ), mw=168 ¦ΔHc-ΔHmax¦= ¦4.11-1.31¦=2.80 評価基準 評価フロー 危険性:小 文献調査 |ΔHc - ΔHmax| 5 危険性:中 計算による危険性予測 3 危険性:大 * スクリーニング試験 標準試験 0 -0.7 ΔHmax -0.3 ΔHmax� = -1.31 kcal/g 実規模試験 |ΔHc - ΔHmax| = 2.80kcal/g 酸素バランスによる評価 スクリーニング評価 被評価物質の標準生成エンタルピ(ΔHof)が必要 標準成性エンタルピの推算法 • 加生成則(S.W. Benson)を用いた推算法 • 分子軌道法による推算法 標準生成エンタルピを必要としない推算法 酸素バランス(Oxygen balance)の計算 • 物質100gの完全燃焼に必要な酸素量(グラム数)に負の 符号を付ける スクリーン=篩(ふるい) スクリーニング=篩分 小規模(小試料量)、簡易試験 試験自体の安全性、経済性 CxHyNuOz OB=-1600(2x+y/2-z)/分子量 酸素バランスによる評価 m-ジニトロベンゼン( C6H4N2O4 ), mw=168 C6H4N2O4 + 5O2 → 6CO2 + 2H2O + N2 OB = -1600 x (2 x 6 + 4/2 ‒4)/168 = -95.2 小 -240 中 -120 * 危険性大 0 120 酸素バランス 中 小 240 評価項目 可能性(爆轟/爆発) SC-DSC 感度(起こり易さ) 着火、打撃、摩擦、熱感度 威力(大きさ,激しさ) SC-DSC SC-DSC 着火感度 • セリウムー鉄火花着火試験 Sealed Cell Differential Scanning Calorimetry 試料セルを密封することにより、蒸発等による 試料の散逸を防ぎ、定量性を向上させた熱分析 装置 SC-DTA、高圧DSC、高圧DTAで代替可 • 導火線試験 – セリウムー鉄火花または、導火線から発生する火花を5mmの距 離から吹き付け、着火を確認 • 小ガス炎試験 – ガスバーナー等の炎(長さ20mm,幅5mm)を最大10秒間試料 にあて、着火を確認 • 赤熱鉄棒試験 – 直径5mmの鉄棒を800℃に赤熱し、試料に10秒以内接触させ て、着火・爆発を確認 SC-DSC 参照セル 試料セル 着火感度の評価 • 易着火性 Tdsc 発 – セリウムー鉄火花試験または導火線試験で直ちに着火し、小ガス 炎試験で1秒以内に着火する 熱 炉 Qdsc 吸 温度(℃) 熱 熱電対 • 着火性 – 小ガス炎試験で1秒以上たって着火、または赤熱鉄棒試験で着火 する • 難着火性 – 着火性試験では、着火しない log Qdsc SC-DSC (爆発伝播性) 5kg落槌感度試験 X B X 打撃感度試験 A log (Tdsc-25) A:BPO(過酸化ベンゾイル), Qdsc: x 0.8 B:2,4-DNT(2,4-ジニトロベンゼン), Qdsc x 0.7 一般に、評価値は、1/6爆点 (6回中1回爆発する)落高 (cm)で表される 5kg 鉄槌 鋼製コロ (10mmφ x 10mm) Sample (40mm3) 摩擦感度試験 評価フロー BAM摩擦感度試験 文献調査 計算による危険性予測 一般に、評価値は、1/6爆点(6回 中1回爆発する)押付け力(N)で 表される F(N) 磁製杵 10mmφ x 25mm 約5cm/s、1cmの 往復運動 スクリーニング試験 Sample (10mm3) 標準試験 磁製板 25 x 25 x 5mm 実規模試験 感度に関する注意 標準試験 高精度 100 爆発確率 高信頼性 比較的大試料量←危険性大、低経済性 0 E50 入射エネルギー 感度に関する注意 要特殊(試験)装置、設備 評価項目 爆轟伝播性 DDT(爆燃から爆轟への転移) 100 爆発確率 衝撃起爆感度 0 熱分解の激しさ(圧力容器) E50 E50 入射エネルギー 静的爆発威力 動的爆発威力 爆轟伝播性 BAM50/60鋼管試験 電気雷管 伝爆薬 – 内径50mm、外径60mm、全長 充填し、50g伝爆薬(RDX: 95%, Wax:5%)+8号雷管で起 爆し、鋼管の裂け方で、完爆、 半爆、不爆を判定する 50mmf 鋳鉄製蓋 Sample 500mm 500mmで底板を溶接した継目 無鋼管(内容量910ml)試料を 熱分解の激しさ 50mmφ 鋼管 破裂版 圧力容器試験 2 6kgf/cm オリフィス板を備えた、容量 200mlの圧力容器に、試料5g を入れて加熱し、破裂板の作 オリフィス板 1mmφ 動状況から、熱分解の激しさ を評価する。 ヒーター 60mmφ DDT試験 静的爆発威力 • Deflagration to Detonation Transition 188mm 鋼管 450mm 点火具 鋼管 ジットロケット推進薬を点火薬と して点火し、鋼管の裂け方から、 DDTの成否を評価する。 衝撃起爆感度 • カードギャップ試験 – 伝爆薬と試料の間にプラスチック 板(カード)を挟み、伝爆薬か ら発生する衝撃波を所定の大き さにして、試料に入射し、その際 の感度を評価する。 弾動臼砲 トラウズル(鉛とう拡大)試験 • 水中爆力試験 弾動臼砲 電気雷管 ペントライト プラスチック板 (ギャップ) Sample 鉄製証拠版 • 振子に吊り下げられた臼砲に試 料10gと鋼鉄製の弾をセット し、雷管で起爆する。弾を発射 した反動で、反対方向に揺れる 振子の揺れ幅で、爆発威力を評 価する。 3,000mm – 内径74.7mm、肉厚7.62mm、全 長450mmのねじ蓋付鋼管内に試料 を充填し、試料中央部においた、 過塩素酸アンモニウム系コンポ 点火用脚線 弾丸(17kg) 臼砲(450kg) トラウズル試験 爆速測定 抵抗線法 雷管 Sample • 内径25mm、深さ125mmの孔が 穿ってある、直径20cm、高さ 20cmの円柱状の鉛の隗に、10g の試料を充填して、雷管で起爆 抵抗線 V 電圧 し、孔の拡大値(ml)で、爆発威 力を評価する。 定電流電源 時間 動的爆発威力 爆発速度(爆速)測定 プローブ法 抵抗線法 流しカメラ法 水中爆力試験 爆速測定 プローブ法 雷管 プローブ ローブを、サンプルの2点間に挿入 し、反応がプローブを通過したときの 時間を測定 2点間距離と時間差から速度を算出 例えば100mm 光ファイバー、イオンギャップ等のプ Sample 計測装置
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