CEセミナーOB会のご案内

日本自家歯牙移植・外傷歯学研究会および
CE セミナーOB 会合同研修会のご案内
日本自家歯牙移植・外傷歯学研究会では年 1 回夏季研修会を行っておりますが、今年は CE セミ
ナーOB 会と合同での開催を企画いたしました。
今年 1 月に開催されました CE セミナーOB 会(Dr. Domenico Ricucci 講演会)は衝撃的でした。
その講演内容の一つに、いったん死んだ象牙芽細胞は 2 度と再生しないというものがありました。
一方、歯髄再生の世界的権威である中島美砂子先生は,近年一般臨床での歯髄再生療法(抜髄後に
歯髄組織が再生される)に成功し、術式を確立しつつあります。そこで、研究会および OB 会では、
いち早く中島先生から歯髄再生治療の方法やそのメカニズムに対する正しい情報を学ぶことにい
たしました(午前の講演)。また午後の部では、伊藤中先生を招聘し、齲蝕や歯周病に対する正しい
取り組みついてお話を聞く機会を得ました。奮ってご参加ください。
演題:中島美砂子先生「ここまで来た歯髄再生治療」
伊藤 中先生 「う蝕、歯周病への臨床対応~理論的根拠と実際~」
略歴、抄録は、別紙を参照ください
開催日時:平成 27 年 6 月 28 日(日) 10:00~16:30
開催場所:名古屋駅前・トヨタビル・ミッドランドスクエアー3階
野村證券セミナー室
参加費 : 日本自家歯牙移植・外傷歯学研究会会員および CE セミナーOB 会会員は 5,000 円,
その他は 10,000 円/1人 (昼食代を含む)、
定員
:150 名
申込方法:下記の用紙に必要事項を記入の上,平成 27 年 6 月 15 日までにファックスまたは郵送
で月星歯科クリニック内 CE セミナー事務局までお送り下さい.なお参加費のお振込み
は別途案内いたします。
申込用紙
医院住所
〒
TEL
医院名
FAX
(フリガナ)
参加者名
E-mail address :
・移植研究会会員
・CE セミナーOB 会会員
・非会員
申込先:〒497-0050 愛知県海部郡蟹江町学戸6-8
TEL & FAX 0567-95-6666
(医)月星歯科クリニック内 CE セミナー事務局
ここまで来た歯髄再生治療
国立長寿医療研究センター
中島 美砂子
歯科口腔先進医療開発センター
再生歯科医療研究部
私どもは、抜髄しても歯髄の機能を回復させる「自家歯髄幹細胞および遊走因子を用いた歯髄再生治療法」の臨
床研究を行ってきた。まず、ヒト歯髄幹細胞を細胞加工施設内で分取し、安全性および品質を確認した。次に、
自家歯髄幹細胞をイヌ抜髄後の根管内に移植して安全性および有効性を確認した。その後、臨床研究を5例行い
安全性を確認した。また、4例において、移植数週間後から電気診による歯髄生活反応が陽性となり、6ヶ月後
のMRIでは正常歯髄に近い信号強度が確認され、歯科用CTにて第二象牙質の添加がみられたことから、歯髄再生
治療法の有効性が示唆された。今後さらに症例数を増やし、歯髄再生療法の有効性を明らかにする予定である。
一方、イヌ感染根管においても、根管内無菌化後、歯髄および根尖部歯周組織の再生に成功している。将来的に
は、歯髄再生治療法は破折や抜歯を予防し、高齢者の口腔機能維持による健康長寿に貢献できると期待できる。
演者略歴
1984年 九州大学歯学部歯学科卒業
1988年 九州大学大学院歯学研究科修了(歯学博士)
九州大学歯学部歯科保存学第二講座 助手
1991年 文部省若手在外研究員(米国国立衛生研究所(NIH, NIDR)留学)
1995年 文部省国際共同研究(ジョンスホプキンス大学留学)
1997年 文部省国際共同研究(ニューヨーク大学留学)
1999年 九州大学大学院歯学研究院口腔機能修復学講座助手
2005年 国立長寿医療センター研究所口腔疾患研究部室長
2009年 愛知学院大学歯学部客員教授
2011年 国立長寿医療研究センター歯科口腔先進医療開発センター再生歯科医療研究部部長
2011年 カリフォルニア大学デイビス校医学部組織再生修復センター客員教授
学会等活動
日本歯科保存学会(専門医・指導医・評議員), 日本再生医療学会評議員, 国際歯科研究学会, 日本歯内療
法学会, 日本口腔科学会評議員, 日本組織移植学会評議員, 日本分子生物学会
う蝕、歯周病への臨床対応~理論的根拠と実際~
伊藤 中
う蝕も歯周病も日常臨床の中で頻繁に遭遇している疾患であり、病因や予防法についてはよく知っていると言われるか
もしれない。確かに、両疾患については、細菌感染症であること、好ましくない生活習慣や全身疾患などのリスク要因や、
患者自身の持つ防御
因子(罹病性)により病態が影響を受けることが知られている。しかし、こういった疾患の全体像を理解するためのピースの
解釈を間違えてしまうと、構築する疾患像も不適切なものとなり、結果として疾患への対応も「ツボ」を外したものとなってし
まう可能性
がある。
また、メインテナンスの重要性が強調され、これに取り組む診療室も増加しているようである。しかし、メインテナンスは決
して簡単なものではない。メインテナンス中の疾患のモニタリングについては細心の注意が必要であるし、介入の判断も
難しい場面がある。さらに、患者のコンプライアンスや、人生の中の様々なイベントの影響を受けうる。
今回の発表では、う蝕、歯周病の疾患像を正しく解釈することを試み、それを根拠として求められる臨床スタイルを提示
したい。また、臨床疫学データから、生涯にわたって患者に寄り添っていく上で気をつけるべきポイントについてまとめて
みたい。
経歴
1990 年
1993 年
2010 年
2011 年~
大阪大学歯学部卒業
大阪府茨木市にて開業
大阪大学大学院歯学研究科終了 博士(歯学)取得
大阪大学大学院歯学研究科 臨床准教授
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