太陽電池パネル制御のための太陽追尾センサーシステム 開発 Title Author(s) 村田, 和範 富山大学地域連携推進機構産学連携部門ベンチャー・ビ ジネス・ラボラトリー年報 = University of Toyama, Org anization for Promotion Regional Collaboration, Co llabpration Division, Venture Business Laboratory VBL annual report, 22: 85-86 Citation Issue Date 2010 Type Article Text version URL publisher http://hdl.handle.net/10110/13901 Rights http://utomir.lib.u-toyama.ac.jp/dspace/ 太陽電池パネル制御のための太陽追尾センサーシステム開発 ポスドク 村田 和範 研究成果 我々の研究目的は、 太陽エネルギーを無駄なく電力に変換することである。 シリコン系太 陽電池パネノレを用いた発電では太陽光エネノレギー波長の主に可視光領域を利用している。 残 りの赤外領域の波長エネノレギーは熱エネノレギーであり、 使われていなし\。 熱エネノレギーを電 力に変換する固体素子に熱電素子がある。平成2 2 e 系 年 度において、 KELK社のご好意によってBi T の熱電モジューノレを入手することが出来た。 このモ ジューノレは5 c[ m]角の大きさで、 2 8 0 [℃](高温 側) - 3 0 [℃](低温側)の温度差で最大電力約2 4 [W]の出力が得られる。 また、 このとき熱から電力 への変換効率は約7 .2 [%]となっている。 最終的に は太陽光の波長エネルギーを無駄なく電力に変換 するために、光電熱電ハイブリットシス テムを構築 することである。 これの実現に向けて近々の目的と しては、 光センサーを用いて太陽光を追尾させ、 熱 電モジューノレによる熱電発電シス テムを作り上げ ることである。 ここでは太陽熱電発電シス テムの構 築について報告する。 我々が、 本プロジェクトにおいて製作した(平成 2 2 年 度) 熱電発電シス テムの全体像(高さ:94 [cm] 幅:7 0 [cm] 奥:50 c[ m])を図1に示す。 | 図1太陽熱電発電シス テム この装置は、 平成2 0年 度に開発した太陽 E 光追尾山の5PD光センサー (特許出 願)、熱電発電ユニット、太陽光集光用フレ 成されている。 熱電ユニットはフレネルレ 自 血 合 同 一 ノ 対 電 動… ネノレレンズ、 計測器、 水冷装置と雲台で構 i l 鋼板(耐熱黒体塗料塗布) ンズの中心線上に配置されており、 常にフ u-_:&J.fll レネノレレンズによって集光された太陽光が ��J,t,,.. がマ‘ 英ガラス 熱電発電モジュール 水冷ヒートシンク(銅製) 4.2cm 断熱材 {セラミックファイパーボード) 熱電モジュールの高温面に当たるようにな っている。 また、 この雲台には方位角 (東 12cm 西南北)、 仰角(太陽高 度) を調整するため のス テッピングモーターが2 個取り付けて 図2 熱電発電ユニット断 面図 ある。 図2 に発電部の熱電ユニットの断 面 図を示す。 熱電発電モジュールは高温面と低温面聞に温度差をつけることによって発電する 85 ため 、 高温側に太陽光から得た熱エネルギーを伝えるための銅板 、 低温 倶ljは銅製の水冷ヒー トシンクで挟んだ三層構造になっている。 また銅板表面には太陽光の表面反射を抑え 、 吸収 効率を上げるために黒体塗料を塗布しである。 そして 、 太陽光から得た熱を逃がさないよう に周りは断熱材で覆つである。 熱電発電モジューノレの高温 、 低温 両面の温度モニター用に熱 電対が取り付けてある。 熱電発電モジューノレから効率よく電力を取り出すにはモジューノレの発電状態(空模様によ って温度が変動するため) にあった適切な負荷制御が適時必要である。 そこで熱電発電モジ ューノレの発電電力制御用の計測器を作製した。 この計測器は負荷制御部とデーターロガーで 構成されている。 負荷素子には MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect田Transistor)を 用いた。 このMOSFETのゲート電圧をコントロール(PICマイコンで制御) することによっ て熱電発電モジューノレに対する負荷を変化させる。 例えば、 ゲート電圧を連続的に変化させ れば、 負荷(可変抵抗) がOから無限大へ連続的に変わるので電流電圧特性を測定できる。 測定結果の一例を示す(図 3 参照)。 青色のデータは電流電圧特性 、 赤色のデータは電力電圧 特性を示している。この実験結果より開放電l 圧の半分のとき最大電力を得られることが 確認できた。この結果から最大出力を得るた めに熱電発電モジュールの開放電圧の半分 の電圧値になるように負荷制御(ゲート電圧 調整)するプログラムを組んだ。 この制御の 大まかな流れを説明すると熱電発電モジュ 1 邑0.8 細0.6 s 0.4 堤 場面 0.2 -R ーノレの負荷として接続したMOSFET をOFF 2 1 0.5 にして回路に電流が流れない状態にしてモ モジュール電圧[VJ ジューノレ端子聞の開放電圧を測定し制御す 図3 る電圧値(開放電圧値の半分) を求める。 次 (高温面:8 0°C,低温面:2 2 °C) に熱電発電モジュール端子聞の電圧を読み ト電圧を調整する。 制御するゲート電 この操作を一定間隔で繰り返す。 図4 に太陽追尾を行し、ながら熱電発電モジ の測定結果の一例を示す。 電力電圧特 性から温度差6 0から7 0℃ぐらいで 最大電力点は0. 5W [ ]前後なので今回 -R 紺 > 出 制 ハU ュールの最大電力制御を実行したとき � 00 今後 、 屋外での実証試験を重ね、 シス . . 2・ . . . 企 . . .. .. 200 4’ 覆 - • 400 4’ 濁 . 80 . 。 - - .. .. 600 。 。 経過時間[s] 作製した制御系で最大電力制御出来て いる事がわかる。 • { υ。 ] Mm弼 華 麗 匝 圧が見つかったらその電圧を保持する。 2 1.6 1.2 0. ハU nU 唱’A 取りながら制御電圧になるようにゲー 電流電圧,電力電圧特性 図4 太 陽 追 尾時の最 大電 力制 御 (低温 側2 1 ± 3 °C) テムの改善やソフトウェアの改良を進め プロット点(温度(繰) 、 開放電圧 ていく。 (�登) 、 制御電圧(青) 、 電力(赤)) 86
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