特定健診の受診率向上 汎用性の高い行動変容プログラム (平成26年度更新版) 【プログラムで提案した取り組みの実態把握】 【目的】 特定健診を円滑かつ効果的に実施し,受診率を向上させる。 2.行動変容推進事業でのこれまでの取り組み 全国市町村国保 45.0% 大阪府市町村国保 40.0% 35.0% ・ 特定健診の受診率向上に向けた取り組みを集約するため に,23年度に市町村ヒアリング,22~24年度にデータ分析 結果に基づいて受診率向上に取り組んだ市町村の事業評価 を実施した。 受診率の推移 50.0% 32.7 33.7 32.0 30.8 31.4 全国平均 との差は -5.4~-6.0 ポイント 25.0% 20.0% 25.1 25.5 26.6 21 22 24 年度 23 市町村間の差 27.7ポイント 50.0% 大阪府市町村国保 平均27.9% 30.0% 高槻市 吹豊池河高河島千柏羽和寝箕守富熊能太貝大泉藤大門泉泉枚摂田阪豊茨交八堺岸松忠東高岬四大 田能田南槻内本早原曳泉屋面口田取勢子塚阪佐井東真大南方津尻南中木野尾市和原岡大石町條阪 市町市町市長町赤市野市川市市林町町町市狭野寺市市津市市市町市市市市市 田市町阪市 畷市 野 阪 市 市 市 山市市 市 市 市 市 市 村 市 【開発したプログラム】 汎用性の高い行動変容プログラム 特定健診の受診率向上 受診勧奨 最 低 限 標 準 充 実 対 象 者 へ の 案 内 広 報 ・ 周 知 未受診者対策 未 受 診 者 へ の 対 応 未 受 診 理 由 の 把 握 実施形態 実 施 体 制 の 工 夫 受診促進 健 診 項 目 の 充 実 シイ スン テセ ムン のテ 構ィ ブ 築・ ・ 市町村のこれまでの取り組みに加え, マンパワーや財源等に合った選択が可能 となるように,汎用性の高い行動変容プロ グラムとして,3つのメニューを作成した。 ・ 受診率向上のために,優先度が高く, 8割以上の市町村ですでに実施している 未受診者対策を最低限の取り組みとして 位置づけた。 ・ 受診率上位の市町村でみられた関係 機関との協力・連携はいずれの取り組みに おいても基盤となる取り組みとした。 ・ ・ ・ ・ ・ 単年度の受診率だけでなく,推移,累積,継続受診の状況をモニタリングし,評価・分析する。 ・ 継続的に取り組みの実態把握を行い,プログラムの普及を図るとともに,集約された好事例や課題について 研修会等で情報共有する。 ・ 取り組みの効果検証を行うために,取り組みの量的な評価だけでなく,質的な評価を行っていく必要がある。 また,評価指標として,受診率だけでなく,本来の目的である生活習慣病等の有所見率,医療費の推移を評価し ていく予定である。 ・ 府内市町村の実態と分析結果をもとにプログラムの更新や発展に努める。 33.8 25.0% 20.0% 25.1 20 25.5 26.6 27.3 27.7 27.9 21 22 23 24 25 年度 広報誌の構成のポイント ★ 見出しを拾い読みする だけで重要な情報がわかる ★ 情報に過不足なく,メリハ リがある ★ 「ワンコイン」「まとめて健 診」などの魅力的なキーワー ドが目に飛び込む その他事例 個別:集団 豊中市 90:10 羽曳野市 100:0 島本町 58:42 対象者数 受診率 66,349人 29.1% (府内5位) (府内31位) 22,411人 36.1% (府内17位) (府内10位) 5,235人 37.3% (府内35位) (府内7位) 事 例 の ポ イ ン ト <未受診者勧奨の委託仕様書を工夫>コールセンターを委託す るにあたり,未受診理由別の勧奨スクリプトを作成した。集団健診を即時 に予約できる体制を整備した。委託先のスキルアップ研修も実施した。 <関係機関との連携やデータ分析に基づく受診勧奨>広報誌 で特定健診に関する情報提供を年5回実施した。医師会等からも寄稿し てもらった。医療費分析結果を活用し,階層別の勧奨通知を実施した。 <地域特性にあった地域施設を活用した出張健診>国道を渡 らないと診療所がなく,比較的若い年齢層が多い地区にある府営住宅集 会所で日曜日に実施した。身体の不自由な人の受診機会にもなった。 1) 最低限の取り組みでは,関係機関との協力・連携,受診勧奨,未受診者対策を実施する。 【今後の課題と方向性】 40.1 40.0 (府内5位) 医師会: 医療機関での受診勧奨の強化,健診受診率アップのための検討など JA: 医療機関が少ない場所での受診場所の提供など 自治会: 自治回覧や健診の受診勧奨など 大学: 共同で未受診者調査を実施 希望の多かったがん検診とのセット健診の回数を22年度の8回から23年度の14回に増やした 関 係 機 関 と の 協 力 ・ 連 携 2) 標準的な取り組みでは,最低限の取り組みに加えて,実施体制の工夫を追加する。 3) 充実した取り組みでは,標準的な取り組みに加えて,健診項目の充実等の受診促進となる取り組みを追加する。 39.5 39.1 ・ 昨年度未受診者への個別電話勧奨(25年度は25,367人に実施) 3,967人が受診(受診率の6.2%に相当) ・ 年度内未受診者に9月,1月の2回圧着ハガキを送付(1回につき約30,000人に送付) ・ 集団健診の会場付近在住の未受診者に対して,健診実施1週間前に受診勧奨ハガキを送付(1回約500人に送付) ポイント <たくさんの関係機関との連携> (平成25年度) 37.8 15.0% ポイント <徹底した未受診者勧奨> ・ 市バスのラッピングによる広報 ・ 受診勧奨うちわの作成 ・ 集団健診の啓発のために自治回覧,健診前日および 当日の街宣車の巡回 ・ 広報誌やケーブルテレビでの案内 10.0% 大阪府全体 40.0% 30.0% 特定健診対象者数(25年度) 64,419人(府内6位) 個別健診 : 集団健診 75:25 (通年・委託) (限定・委託) ポイント <さまざまなシーンでの広報・啓発> 20.0% 0.0% 高槻市 45.0% 35.0% 平成25年度 大阪府市町村国保の受診率 60.0% 40.0% ⅱ.6年間の受診率の推移が上昇傾向である ⅲ.特徴的な取り組みを実施している ⅳ.未受診者対策で効果を認めている ⅰ~ⅳを勘案して 事例を選出 ・ 25年度の受診率は,府内市町村国保平均27.9%で 市町村間の差は27.7ポイントであった。 ・ 6年間の受診率推移(差分)は,+2.8ポイントであった。 15.0% 20 受診率の推移 50.0% 3.平成25年度の状況 27.7 27.3 【好事例の収集と分析】 (平成25-26年度) 1.事例紹介 ⅰ.平成25年度の受診率が上位である ・ 府内市町村の取り組みの実施状況ならびに全国的な 受診率向上策に関する報告に基づいて,汎用性の高い行動 変容プログラムを作成し,府内43市町村へ提示した。 30.0% (平成25-26年度) ・ 25年度に未受診者勧奨を実施している市町村は95.3%で,22年度に比して+6.9ポイントの上昇をみとめた。 ・ 関係機関(医師会)との協力・連携に取り組んでいる市町村は,特定健診に関する定期的な打ち合わせ27.9%, 受診勧奨時の連携(リーフレットの配布やポスターの掲示,通院者への受診勧奨)88.4%であった。 【現況】 1.市町村国保の参酌標準65%との著しい開き 大阪がん循環器病予防センター (26年度報告書本文では,上記に加えて,吹田市,門真市の事例も紹介) 2.取り組みの効果検証 ・ 未受診者勧奨を20年度以降に開始した市町村とその他の 市町村(20年度以前から継続実施,あるいは,未実施)の 受診率の推移(平均値,差分)を比較した。 未受診者勧奨と受診率推移 受 4.0 診 率 2.0 推 0.0 移 ( -2.0 % ) -4.0 +2.9 +2.5 -0.7 対策を開始 +1.0 継続実施 -1.6 X-1 X -1.8 X+1 未実施 (年) ・ 対策を開始した年に+2.5ポイントの受診率上昇をみとめ た。その他の市町村では,受診率の上昇はみられず,未受診 者勧奨の取り組みは,受診率向上に一定の効果があると考え られた。 ・ 受診率の上昇は,開始年で大きく,対策の効果は短期的で ある可能性が考えられた。 (注) 対策を開始した年をXとし,グラフ線上には●マーカーで示した。
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