柔道整復学 骨格系

柔道整復学 骨格系
2015 年度版
♪監修:オガワル♪
2 【骨格系】
骨格系
総論
*人体の骨格は約 200 個の骨が連結*
《骨の役割》*教科書 p21
1.支持
:身体の支柱
2.運動
:関節運動
3.保護
:内臓諸器官の保護
4.造血機能
:骨髄で血球の産生
5.電解質の貯蔵
:カルシウム,リンなどの貯蔵
《骨の形状による分類》
1.長骨
:細長い棒状の骨.中央(骨幹
骨幹の内部は空洞(髄腔
)は細く,両端(骨端
)は太い
)となり,骨髄をいれる
ex)上腕骨,橈骨,尺骨,中手骨,大腿骨,脛骨,腓骨,中足骨など
2.短骨
:短く塊状の骨.一般には数個が集まる
ex)手根骨,足根骨,椎骨など
3.扁平骨
:板状の骨.一般にはやや弯曲する
ex)頭頂骨,前頭骨,後頭骨,肩甲骨,肋骨
4.含気骨
:骨の内部に外界と交通する空洞(含気洞)を有する
ex)上顎骨,前頭骨,篩骨,蝶形骨,側頭骨(乳突蜂巣)
*クイズ:下図の骨①~④は、どの形状による分類でしょう?
①
②
③
④
【骨格系】 3
♪
①から⑭の名称をなんというでしょう?
教科書 22 ページの図を参考に,骨の位置を確認しながら名称を書き込んでみやぁ
①胸骨
,②鎖骨
,③肩甲骨
⑥尺骨
,⑦脊柱
,⑧寛骨
⑪大腿骨
,⑫膝蓋骨
,⑬脛骨
,④上腕骨
,⑨仙骨
,⑤橈骨
,⑩尾骨
,⑭腓骨
,
,
4 【骨格系】
『骨の基本的構造』
*教科書 p23
①関節軟骨
②海綿質
③髄腔
④緻密質
⑤骨膜
⑥介在層板
⑦外基礎層板
⑧内基礎層板
⑨骨層板(ハバース層板)
⑩ハバース管
⑪フォルクマン管
⑫シャーピー線維
【骨格系】 5
♪
《骨の構造》
1.骨組織:a)骨細胞
と b)骨基質
(緻密質と海綿質)からなる
a)骨細胞:骨小腔の中に存在し,多数の細長い突起を出す
b)骨基質:「主な成分」…リン酸カルシウム・コラーゲン・水分など
b-1)緻密質
:骨の表層部を占める,緻密な層板構造
・ハバース層板
:ハバース管を中心に同心円状に層板が重なり合う
*ハバース管=ハバース層板(骨層板)の中心を縦に走る管
で,血管が通る
・介在層板:ハバース層板の相互間を満たす
・外・内基礎(環状)層板:緻密質の最外層と最内層
・フォルクマン管
b-2)海綿質
:骨層板を横切る管
で,血管が通る
:骨の内部にみられる,骨梁構造
・骨小柱が網目状を呈し,小腔は骨髄
で満たされる
2.骨膜:骨の表面を包む結合組織
・関節面にはない
・血管,神経が豊富
*シャーピー線維
3.骨髄
:骨膜から骨質へ侵入する線維で,骨膜と骨を強固に結合
:長骨の髄腔と海綿質の小腔を満たす細網組織
①赤色
骨髄:造血作用
をもつ
*成人の長骨の骨端,短骨,扁平骨
*胎児や乳幼児はすべて赤色骨髄
②黄色
骨髄:造血作用をもたない脂肪組織
*成人の長骨の髄腔
4.軟骨質:軟骨組織(硝子軟骨
)からなり,関節軟骨と骨端軟骨がある
①関節軟骨
:関節面を覆い,関節部の緩衝帯となる
②骨端軟骨
:成長期の骨幹と骨端との境
成人では骨化し,骨端線
に存在
として残る
*骨の長さの成長に関与
5.栄養孔と栄養管
・栄養孔:骨の表面に開口する孔で血管の出入り口となる
・栄養管:栄養孔と髄腔を連絡する管
6 【骨格系】
《骨の構造
その 2》
①骨端:二次骨化点.骨端核
②骨端軟骨(成長期):骨の長さ
の成長が行われる
レントゲンに写らない.軟骨性骨化
②’骨端線(成人):骨端と骨幹が接合した痕跡
③骨幹端:多くの血管が進入
④骨幹:長骨の幹.一次性骨化点
#骨膜:骨の表面を包む結合組織.関節面にはない.血管,神経に富む
骨の太さ
の成長が行われる.膜性骨化
【骨格系】 7
♪
《骨の発生》
1.結合組織性骨化(膜内骨化
)
間葉細胞が骨芽細胞となる(付加骨
)
ex)頭蓋底を除く頭蓋骨,鎖骨(外側半分)
2.軟骨性骨化(軟骨内骨化
)
間葉細胞が軟骨細胞となり,その後骨化する(置換骨
)
ex)膜内骨化以外の骨
《骨の成長》
1.長さの成長:骨端軟骨による
*成人では骨端線となる
2.太さの成長:骨膜による
「長管骨の成長」
1.一次骨化点(一次骨化中心)
・胎生期における長管骨軟骨原基の骨幹部
の骨化
2.二次骨化点(二次骨化中心)
・生後における長管骨の骨端部
の軟骨細胞の骨化
「骨に関わる 3 種の細胞」
1.骨芽細胞
2.骨細胞
3.破骨細胞
:類骨の合成
と石灰化の促進
:石灰化の調節,骨基質と血液の間の物質交換を調節
:骨組織の破壊と吸収
8 【骨格系】
骨表面の形状についての用語(解剖学 p24~25)
突出部に関する用語
①結節:周囲から比較的はっきり区別される肥厚部
②隆起:やや円味をもった小さい突出部
③粗面:多少隆起したザラザラした面で,筋の付着部
④突起:表面から長さをもって突き出す部
⑤棘:尖端の比較的とがった突起
⑥顆:骨端部の肥厚する突起
⑦稜:長くつらなった隆起部
陥凹部に関する用語
①窩:表面から陥凹する部
②切痕:骨の辺縁における切れ込み状の部
③裂:裂け目状の狭い間隙
④孔:いわゆる“あな”の部
⑤溝:細長い陥凹
⑥管:孔の長くなったもの
《骨の連結》
1.線維性
①縫合
の連結
:a.鋸状縫合…冠状縫合(前頭骨と頭頂骨間),矢状縫合(左右の頭頂骨間),
ラムダ縫合(頭頂骨と後頭骨間)
b.鱗状縫合…側頭骨と頭頂骨間
c.直線縫合…両側の鼻骨間
②釘植
:歯根と歯槽との結合
③靱帯結合
2.軟骨性
:脛腓靱帯,黄色靭帯による椎弓間の連結
の連結
①軟骨結合:骨端軟骨結合,幼児の頭蓋底の蝶後頭軟骨結合
②線維軟骨結合:恥骨結合
3.滑膜性
,椎間円板(椎体間の結合)
の連結(狭義の関節)
・相対する骨端は関節軟骨
・関節包内には関節腔
で覆われ、関節包
とよばれる空隙が存在する
により包まれる