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生徒指導
ゆとりをもってよりよい学校生活を送る生徒の育成を目指す一試み
− ストレスマネジメント教育の技法を取り入れた指導計画の作成を通して −
角田市立角田中学校
概
鴫原
薫
要
思春期にある中学生は,心身が急激に成長し心と体のバランスがうまくとれない時期
である。そういう時期にある生徒に,自分の心にゆとりをもつための意図的,計画的な
ストレスマネジメント教育を取り入れることは大変意義のあることと考える。本研究は,
ストレスマネジメント教育の技法を取り入れた第1学年の指導計画の作成を通して,ゆ
とりをもってよりよい学校生活を送る生徒の育成を目指す生徒指導の一試みである。
1
主題設定の理由
社会情勢の急激な変化によって,大人はもちろんのこと,子供にも様々なストレスが増えている。
中学生も学業,部活動,友人関係,親子関係に十分満足して生活しているとは言い難く,これらのも
のに少なからずストレスを感じている。学校生活を見ると ,「キレる」に表現されるような反社会的
な行動や,不登校のような非社会的な行動が頻発し,教師はこれらの問題への対症療法的な生徒指導
に追われているという現状にある。これらの行動は,ストレスが一つの要因と考えられる。
学習指導要領総則にある教育課程編成の一般方針に「生きる力をはぐくむことを目指し,創意工夫
を生かし特色ある教育活動を展開する中で,自ら学び自ら考える力の育成を図るとともに,基礎的・
基本的な内容の確実な定着を図り,個性を生かす教育の充実に努めなければならない」とある。学校
教育における生徒指導では生きる力をはぐくむ生徒指導の在り方が問われている。
これまでの生徒指導を振り返ると次のような問題を感じている。
(1)中学生の時期はみずみずしい感受性をもっている反面,他者の目に敏感になり過ぎ,周囲の者
からの受容感をもてずに,自己嫌悪に陥り,自信を失ってしまう時期であり,生徒はストレスを
感じ,心にゆとりをもてなくなっている。
(2)生徒の発達段階やストレス等によりイライラする気持ちの原因について生徒自身に気付かせ,
その有効な対処法についての生徒指導が必要である。
現状では,生徒の発達課題を乗り越えさせるための指導・援助のための生徒指導ではなく,問題行
動そのものへの対応になりがちで,生徒自身に発達課題を十分に認識させたり,課題に対しての有効
な対処方法の生徒指導が十分ではない。
このようなことから,問題が表面化する前の予防的,開発的な生徒指導の充実を強く感じる。
中学校における予防的,開発的な生徒指導のためには,自分を客観的に見る心のゆとりをもたせる
ことが必要である。心のゆとりを生徒にもたせることは,教師や級友との関係を穏やかなものとし,
授業の取組にも落ち着きが出てきて,問題行動を未然に防止することにつながる。つまり,ゆとりが
できることで,学習や生活の中で生起するつまずきを客観的に見つめ,ストレスや不満を生徒自身の
内面で処理していこうとする心の働きが促される。
生徒の心にゆとりを生み出すためのスキルとして,ストレスマネジメント教育の技法を生徒指導に
取り入れることは非常に有効であり,生徒が学校生活でこのことを学ぶことには,次のようなよさが
ある。
① 自分のストレスに対する気付きが促される。
② 自分のストレスに対して,周囲に迷惑をかけず適切に対処することができる。
− KS 1−
ゆとりをもってよりよい学校生活を送る生徒の育成を目指す一試み
③
④
気付きや対処を通して,問題行動を未然に防止する心を育てることができる。
気付きや対処による問題行動の未然防止を通して,生徒自身が発達段階に応じた課題を乗り越
えようとする心を育てる一助とすることができる。
⑤ 気付きや対処による問題行動の未然防止により,発達段階に応じた課題を乗り越えようとする
心が育つことを通して,心身ともに健康な生徒の育成ができ,学級や学年が落ち着いて諸活動
に取り組み,学校全体がよりよい方向に向かうことができる。
以上のことから,ストレスマネジメント教育の技法を学級活動や朝の会,帰りの会の時間などに
取り入れた指導計画を作成し,指導することが,ゆとりをもってよりよい学校生活を送る生徒が育っ
ていくと考え,本主題を設定した。
2
研究目標
ゆとりをもってよりよい学校生活を送る生徒の育成を図る生徒指導の在り方を,ストレスマネジメ
ント教育の技法を取り入れた指導計画の作成を通して明らかにする。
3
研究仮説
生徒指導において,以下のような手だてを講じれば,ゆとりをもって学校生活を送る生徒を育成で
きるであろう。
(1) 生徒にストレスとは何かを理解させ,その有効な対処法の体験を通して,生徒自らが対処法を
活用できるようにする。
(2) 生徒のストレスの実態を調査し,朝の会,帰りの会を含めた継続性のある指導計画を作成する。
(3) 個人だけでなく集団を対象とした,ストレス対処法の指導方法を工夫する。
4
研究の対象と方法
4.1 研究対象
角田市立角田中学校 第1学年 150名(男72名,女78名)
4.2 研究方法
ゆとりをもってよりよい学校生活を送る生徒の育成を図る方策を,以下の点から探る。
(1) 中学生のストレスについての調査方法,対処法について,文献研究を通して明らかにする。
(2) ストレス尺度を用いて生徒のストレスの実態を明らかにし,ストレスマネジメント教育の技法
を取り入れた対処法の指導の方法を明らかにする。
(3) 実態に基づいたストレスマネジメント教育の指導計画を作成する。
(4) 生徒のストレス対処法の習得について,生徒を対象とした実践を行い,仮説を検証する。
5
研究の概要
5.1 主題について
5.1.1 「ゆとりをもってよりよい学校生活を送る」について
「ゆとり」とは,心に空間(スペース)があることで ,「今,目の前にある物事だけでなく他の物
事が入る余裕が心にあること」ととらえた。学校生活の中では,心にゆとりの必要な場面が多くある。
例えば,友人とのかかわりでコミュニケーションが上手に取れず互いに誤解し衝突してしまったり,
また,学習の中で,苦手な教科の授業で意欲がわかず,保健室に逃避したくなった場合である。こう
した人間関係や学習でのつまずきは生徒の心に窮屈さを生じさせ,ストレスの大きな要因になると考
える。しかし,自分の心の中に空間(スペース)があれば,合理的な思考が働きよりよい方向へ自分
自身の心を向けていくことができる 。「ゆとりをもつ」ことは ,「思いどおりにならずにイライラす
− KS 2−
ゆとりをもってよりよい学校生活を送る生徒の育成を目指す一試み
る気持ち」を自分自身の内面で処理し,適切な言葉に表して周囲の人に理解を求めながら解決してい
こうとする心の働きにつながる。
「よりよい学校生活を送る」とは ,「学校生活の中で,充実感や満足感を特に友人との関係や学習
などで感じることができること」ととらえた。充実感や満足感は「心のゆとり」があって初めて感じ
ることができるものである。忙しくても,心に「ゆとり」である空間(スペース)があることで,生
徒は満足感や充実感を感じ,学習,友人関係,教師との関係,学級との関係,部活動などにおいて生
じる課題を,前向きにとらえ,意欲的に学校生活を送るようになる。ゆとりをもってよりよい学校生
活を送ることは,生徒指導のねらいである,「生徒一人一人の社会的な資質や態度を踏まえた個性の
伸長」を図る上で,大切なものである 。「心にゆとりをもちよりよい学校生活を送る」ためのきっか
けとして,心に「ゆとり」を生み出すことができるストレスマネジメント教育が有効であると考える。
5.1.2 「ストレスマネジメント教育の技法を取り入れた」について
「ストレスマネジメント教育の技法を取り入れた」とは,不快な感情を起こさせるディストレスが
体や心や行動に表れる前に,自分自身の気付きによって,ディストレスを消滅させたり緩和させるた
めに自らに働き掛ける方法を取り入れることである。
現代はストレス社会とも言われ,ストレスがない生活は考えられない。ストレスの原因となるもの
をストレッサーと言い,図1のように認知の仕方によりストレス反応を起こす。認知とはストレッサ
ーに対する個々の評価である。これによって,心地よい緊張感になるユーストレスと,不快な感情を
起こさせるディストレスに分けられる。ディストレスは「嫌だ,つらい」という評価によって生み出
される。この感情をそのままにすると不適応を起こすなど好ましくないストレス反応を起こす。そこ
で,ディストレスを消去したり緩和する方法を生徒に身に付けさせる「ストレスマネジメント教育の
技法」が有効である。これは,生徒の心に余裕を生みだし,問題行動の予防につながる。
ディストレス
不快な感情
ストレッサー
認知
ストレス反応
(原因)
ユーストレス
心地よい緊張
図1 ストレス発生メカニズム
ストレスマネジメント教育には(1)∼(4)の4段階があ (1) ストレス概念を知る
り,その段階に従って生徒を指導していく必要がある。こ (2) 自分のストレス反応について
れらの4段階を経ることで,ディストレスによる,イライ
知る
ラや,不安や,落ち込み沈む気持ちを和らげ,落ち着かせ (3) ストレス対処法を習得する
ることができる。そして,ゆとりが生まれ,自分の心を客
(4) ストレス対処法の活用をする
観的に見つめて,課題を整理認識し,解決に向けた取組ができるようになる。
「ストレスマネジメント教育」の対処の技法としてパテル(1989)は表1のように九つにその技法
を分類している。
表1
パテルによるストレスマネジメント技法の分類
方 法
具 体 例
(1) 呼吸法
腹式呼吸法(仰向け姿勢, うつ伏せ姿勢)二者一鼻吸法
(2) 身体的リラクセーション
漸進性弛緩法,自律訓練法,ヨーガのリラクセーション,
(3) 精神的リラクセーション
東洋的行法,瞑想法,アレキサンダーテクニック,イメージ法など
(4) コミュニケーションスキルの向上
自己主張訓練,怒りのコントロール法など
(5) 認知的ストレスマネジメント方略
気付き,積極的セルフトーク,問題解決スキルなど
(6) 栄養と健康的なライフスタイル確立
栄養摂取,体重コントロール,禁煙など
(7) 体力の改善
ウォーミングアップ体操, ウォーキング,ジョギング
(8) ソーシャルサポート
情動的支援,物質的支援, 情報的支援,評価的支援
(9) 対人スキル
敵意攻撃タイプの対処法, 不平不満タイプへの対処法
バイオフィードバック法など
− KS 3−
ゆとりをもってよりよい学校生活を送る生徒の育成を目指す一試み
本研究では,表1にある(1)呼吸法,(2)身体的リラクセーション,(3)精神的リラクセーション,
などの身体への働き掛ける技法と(4)コミュニケーションスキルや(5)の認知的ストレスマネジメン
ト方略(8)ソーシャルサポート(9)対人スキルの向上など心への働き掛けの技法を指導計画に取り入
れていき,ストレス反応の軽減に結び付ける。また,(6)栄養と健康的なライフスタイルと(7)の体
力の改善の技法は保健体育科での授業で行っているものであるから指導計画には取り入れない。
ストレス反応は,先に述べたように,心と身体の両面にストレス反応を起こす。つまり心と身体は
密接なつながりがある。一方への働き掛けだけでなく両面への働き掛けを行うことは,生徒のストレ
ス軽減はもちろんのこと,人間関係や学習環境の改善にもつながる。ストレスマネジメント教育の技
法を有効活用し,ゆとりをもって学校生活を送る生徒の育成を図っていきたい。そこで初めて,スト
レスマネジメント教育の技法は,予防的,開発的な生徒指導としての機能を果たすと考える。
5.1.3 「指導計画の作成を通して」について
ストレスマネジメント教育の技法は大きく九つにも分けられるために,年間を通して計画的に指導
する必要がある。まず,体への働き掛けである呼吸法やリラクセーショントレーニングは,気持ちを
落ち着かせ,自分自身を客観的に見つめる心のゆとりをもたせる上で有効である。ゆとりが生まれる
ことによって,生徒は課題解決に前向きに取り組むことができる。課題解決への積極的な取組と,解
決できたという経験の積み重ねにより,自信が生まれ,自尊感情が高まって,ストレス耐性が増して
いく。そうすることによって,周囲との望ましい関係が作られ,学校生活も充実したものになってい
くと考える。周囲との関係が良好で,課題に前向きに取り組めば,生徒は充実した学校生活をするこ
とができる。リラクセーショントレーニングは ,「心のゆとり」をもつのに有効な手段であるが,単
発で取り組んだのでは効果が上がらない。継続することによって初めて身に付き,活用できる力がつ
く。そこで,中学生の発達段階と学級活動のねらいや計画を考慮した上で,指導計画を作成していき
たい。次に,心への働き掛けを考えたい。コミュニケーションスキルなどの感情への働き掛けは心に
ゆとりをもつのに大変有効な技法である。これは,相手の気持ちを受け止め,自分自身の考えも的確
に相手に伝えていく方法である。これらの心と身体両面への対処ができる指導計画を作成したい。前
述のストレスマネジメント教育の4段階を踏まえ,ストレスの概念とその反応の学習には十分に時間
をかける。また,短時間で簡単にできる呼吸法や漸進性弛緩法の技法を用いたい。その際に,生徒の
負担を配慮し,朝の会や帰りの会を利用する。身体への働き掛けは,保健体育科の体ほぐし運動と共
通する部分も多いが,保健体育科では体育館や校庭など広い空間を使い,授業時間ごとに行うもので
ある。本研究では,限られた空間である教室の中でもリラックスできる方法を生徒に指導していきた
い。また,将来的には,学校全体で取り組むことができるようにしていきたい。
5.2 実態調査
5.2.1 実態調査のねらい
生徒の学校生活におけるストレスの実態を把握し,ストレスマネジメント教育指導計画作成の基盤
にする。
5.2.2 調査の対象
角田市立角田中学校 第1学年(150名)(男72名 女78名)
5.2.3 調査の方法
質問紙法,SRS一部改変(選択式),QU学校生活意欲尺度(選択式)
5.2.4 調査期日
平成16年6月28日(月)
5.2.5 SRS18について
SRS18とは心理学的な視点から観測されるストレス反応であり,つまりストレッサーを受けた後
の感情反応である。質問の数は18項目で,抑うつ・不安,不機嫌・怒り,無気力の3因子からなる。
点数が高いほどストレス度が高いということが分かる尺度である。
− KS 4−
ゆとりをもってよりよい学校生活を送る生徒の育成を目指す一試み
5.2.6 調査結果と考察
(1) 抑うつ・不安について
この項目については,全体的に「全
全く違う
く違う 」「やや違う」が60%を超え,
やや違う
や や その 通 りだ
生徒の多くは安定した気持ちで学校生
全 く その 通 り
活を送っていると考えられる 。「誰か
になぐさめて欲しい」と感じている生
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
徒はあまり多くはないが ,「気分が落
図2 抑うつ・不安
ち込む」などの不安定な様子がうかが
える。何より ,「不機嫌で怒りっぽい」と感じている生徒が30%を超えており,不機嫌さについての
改善を考えていきたい。
(2) 不機嫌・怒りについて
50%を超える生徒が ,「いらいらす
る」の項目で「ややそのとおり 」「全
くそのとおり」と答えている。フロイ
ト,エリクソンの精神分析発達理論に
よれば,思春期の混乱として「他人の
目に自分がどう映るか大きな関心事と
図3 不機嫌・怒り
なり,仲間や社会の中で自分が果たす
何 事 に も 自 信 が ない
悔しい
不 機 嫌 で怒 りっ ぽ い
誰 か に なぐ さ め て欲 し い
気 分 が 落 ち込 む
悲しい
不 愉快な気 分だ
い らい らする
全く違う
怒 りを感じ る
や や違う
や やそ の 通りだ
何も か も 嫌だ
全 く そ の通 り
不 安だ
泣きた い
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
べき役割が分からず,情緒的混乱を引き起こすことがある」と述べられている。中学生はこの項目の
値が大きくなる発達段階と考える。彼らの抱える心の課題がここにあると考え ,「怒り」のコントロ
ールを行う対処法を指導計画の中に入れたい。
(3) 無気力について
全体的に ,「全く違う 」「やや違う」
が40%に満たず,それほど高くはない。
しかし ,「勉強が手につかない 」「根気
が続かない」の項目で,「全くその通り
だ 」「ややその通りだ」と答えている生
徒が30%ほどいる。校内研究を通して
意欲が高まるような指導を考えたい。
図4 無気力
(4) 学校生活意欲尺度の結果から
1∼6の質問項目は以下のとおりである。
人 と 話さ ず 殻に 閉じ こ も る
取 り越し 苦 労をす る
全く 違う
勉 強が 手に つ か ない
やや 違う
やや そ の 通りだ
話 や行 動に まと まりがない
全く そ の 通り
根 気が続 かない
感 情の 上下 が激 し い
0%
1
学級内には気軽に話せる友人がいる
2
人と仲良くしたり,友人関係をよく
する方法を知っている
3
授業の内容は理解できる
4
学習内容をより理解するための,自
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
とて も 当 て は ま る
質問2
少 し当 て は ま る
質問3
ど ち ら とも いえ な い
質問4
質問5
質問6
0%
2 0%
40 %
60 %
80%
100%
あま りあて は ま ら
ない
ま っ たく当 て は ま ら
ない
学校内に悩みを相談できる先生がい
図5
る
6
20%
質問1
分なりの学習の仕方がある
5
10%
学校意欲尺度一部抜粋
クラスの中にいるとほっとしたり,
明るい気分になったりする
この結果から,生徒にストレスを起こさせる原因になっていることについて考えたい。生徒の友人
関係では,気軽に話せる友人はクラスの中にいるものの ,「人と仲良くする方法を知っている」とい
う生徒は多くはなく ,「人間関係をよくする方法がよく分からない」という生徒が50%以上いる。し
− KS 5−
ゆとりをもってよりよい学校生活を送る生徒の育成を目指す一試み
たがって,友人関係を円滑にする自己主張訓練なども指導計画に入れて,友人関係でのストレスを低
くしたい。また ,「授業内容が全く分からない」や ,「学習方法が分からない」などと感じている生
徒がおり,学習や学習方法でのつまずきもストレスの要因と考える。これについては,認知の仕方を
変える対処方法によってストレスの軽減を図りたい。また,
「学校内に悩みを相談できる先生がいる」
という質問に対しては多くの生徒が「いない」と感じていることも分かったので,身近な大人である
教師が積極的に生徒とかかわることや,生徒の悩みを聞くことができるゆとりをもつように,教職員
の共通理解の在り方も考えたい。
5.3 指導対策
アンケートの結果を踏まえて,次の方法を用いて指導計画を作成する。
5.3.1 ストレス発生段階に即した対処(コーピング)の導入
「コーピング」とは,ストレスを生じさせる刺激(ストレッサー)に対して,何とかしようとする
心身の反応行動をいう。ストレスに対処するコーピングは大野太郎氏により表2のように分類されて
いる。ストレス発生の初期の段階であれば「自己主張 」,ディストレスになってしまった場合には,
「論理的思考」や「フォーカシング 」,ストレスが身体反応として表出した場合には ,「リラクセー
ション」や「腹式呼吸」を用いて,感情と身体の両面からのコーピングをすることが有効である。ス
トレスの発生の段階も考えたコーピングを指導計画に取り入れる。
表2 ストレス発生段階に対するコーピング
ストレスの段階
コーピングの内容
ストレス発生
・取り除く
(出来事)
・我慢する
方法
自己主張訓練
・発生初期のストレッサーに対しての働き掛
けとして自己主張が有効な手段の一つであ
・回避する
る。上手に自己主張することで,除去が期
・逃げる
待できる。
ディストレスへの ・認知を変える
論理的思考
とらえ
ポジティブ思考
( 負の感情の生起)
方法の効果
・自己評価の維持と
その向上
フォーカシング
・ユージン・ジェンドリンが開発した「自分
のこころのメッセージを聴く方法」で体を
使って,感情の気付きを促し,心を癒し,
前向きな心を促す。
感情・気分の興奮 ・感情や気分を静める
リラクセーション, ・身体の興奮は感情・気分興奮と一対のもの
(感情の表出)
・イメージ・瞑想
腹式呼吸
なので,身体に働き掛けるリラクセーショ
・社会的支援
アロマテラピー
ンや呼吸法は,不安,怒り,興奮を解消す
・身体の興奮を静める
身体活動(体ほぐ
イメージ瞑想法
身体の興奮
(感情の表出)
し運動など)
る。
・身体活動によって身体の興奮を低減させる
ことができ,抑うつ,不安を低下させる。
(1) 自己主張訓練を用いた指導
表3 ストレスを原因とする行動
実態調査から,生徒のストレスの原因として最も大き
種類
具体的な行動
いのが「友人関係」であることが分かった。そこで,友
①攻撃的な行動
自分のことだけ考え,
相手を無視して自分を
人関係をよくする方法の一つとして,自己主張訓練を取
押し通す行動
り入れ,友人とのかかわりで生起する「イライラ」した
②非主張的な行動 いつも自分を抑えて相
手を優先し,泣き寝入
気持ちを軽減し,生徒の心にゆとりを生むことにつなげ
りする行動
たい。これは,自分の言い分を一方的に押しつけるもの
③アサーティブな 自分を大切にするとと
ではなく,他の主張や欲求も受け止めながら,自分の主
行動
もに相手のことにも配
慮する行動
張や欲求も当然の権利として表現していく行動である。
自分も相手も大切にすることにより,互いを認め合う態度や心が育っていくと考える。人間のストレ
スを原因とする行動は表3のように三つのパターンがある。生徒の現状から,
「 自分の言うべきこと,
言いたいことを,感情のままにまくしたてるのではなく,相手に伝わる仕方で伝えること」つまり,
アサーティブな行動を学んでいくことができるように指導計画を立てここでは,テストが近いので勉
− KS 6−
ゆとりをもってよりよい学校生活を送る生徒の育成を目指す一試み
強したいが,友人に遊びに誘われたという状況設定で行う。上手な断り方をすれば,友人関係を損な
わないことに気付かせ,上手な断り方を使っていこうとする意識を高めたい。
(2) フォーカシング
フォーカシングとはロジャース派のカウンセリング面接
の研究の中から生まれた方法で,ユージン・ジェンドリン
出来事
が開発した。
「 自分の心のメッセージを聴く方法」であり,
自分の気持ちとの上手な付き合い方をいう。ユージン・ジ
怒りなどの
出来事に対
ェンドリンはカウンセリングがうまくいく人と回数を重ね
感情の表出
応する考え
てもうまくいかない人がいるということに気付きそれを基
衝動的行動
に,カウンセリングを分析した。その結果,カウンセリン
グがうまくいく人の場合は,その人の内面で自分自身の体
負の感情
験過程に触れていく内的な体験プロセスが生じていること
身体反応
を発見した。そして,自分の体験過程に触れさせる方法を
教えようと考え,開発されたのがこの「フォーカシング」
図6 負の感情の連鎖
である。アン・ワイザー・コーネルの「フォーカシング」は,自分がどんなふうに感じているかを,
自己に問い掛け,身体で感じている漠然とした感じを言葉にして,抑えきれない感情に対処する。ス
トレスについて知り,対処法を知っていても,生徒はストレスの発生をいつでも未然に防げるわけで
はない。特に,中学生は「イライラ」感が強く,学校生活でのつまずきを「怒り」として表出しやす
い。それは,思春期が,自分の感情で生きようとする「自我が確立」し始め,自分はどのように生き
ていくのかを模索する時期だからである。つまり,中学生はその成長の発達段階において,自分の内
にある不安や怒り,憎しみ,悲しみなどの負の感情がそれまでよりも大きくなっていく時期である。
しかし,負の感情に気付きその感情と上手に向き合ったり,対処したりする方法を知らないままにし
ている。だから,図6のように負の感情の連鎖に入り込んでしまう。負の感情の連鎖に入り込んでし
まうと抜け出すことが極めて困難になる。そして,ある出来事がきっかけで暴発してしまう。負の感
情の連鎖に,ストレス対処法を用いることで,負の感情の連鎖を断ち切り,心にゆとりをもたせるこ
とができる。ゆとりをもって出来事に対応することができれば,課題を客観的にとらえることができ,
よりよい学校生活を送ることにつながると考えた。心に対する働き掛けとして,フォーカシングの「 ク
リアリング・スペース」を使い,感情を言葉にできるように指導計画を作成した 。「クリアリング・
スペース」は,すっきりした空間をつくるフォーカシングの技法の一つである。自分が今気になって
いることを思い浮かべながら,それを空間的なイメージの中で,自分が安心できるところに置いてい
くという方法である。これを教室で一斉授業で使えるようにしたものが ,「箱イメージ法」である。
生徒理解を進めるために,この方法を試みたいと考えた。生徒たちに自分の感情に気付き整理する方
法の一つとして取り入れることによって,心に空間ができ,問題を見つめていく力やゆとりが生まれ
てくるはずである。また,11月の三者面談で,より有意義な相談活動の展開ができると考えた。
(3) リラクセーショントレーニング(呼吸法,漸進性筋弛緩法)について
1年生の実態調査では「不機嫌・怒り」の項目が高かった。感情や身体の興奮を静めるコーピング
の方法は,表4にある,漸進性弛緩法,腹式呼吸が効果的である。そこで,教室でできる漸進性弛緩
法と腹式呼吸を中心にした指導計画を作成した。リラクセーショントレーニングを行う予定の5月は,
中学1年生にとって,初めての実力テストや部活動など緊張する場面も多い。そこで,感情や体の興
奮を静めるとともに,緊張を和らげるリラクセーショントレーニングを早い段階で習得させていこう
と考えた。10月にはストレス概念の理解と簡単なリラクセーショントレーングを行いたい。中間考査
や合唱コンクールなどの行事が多く,緊張や疲れなどから,授業への集中力が低下しがちだからであ
る。そこで,学級活動の時間と朝の会を用いてリラクセーションを行い,生徒の心に「ゆとり」を
もたせて集中力を高めたい。
− KS 7−
ゆとりをもってよりよい学校生活を送る生徒の育成を目指す一試み
表4
感情,身体の興奮を静めるコーピング方法
名 称
漸進性弛緩法
腹式呼吸法
方法について
ジェイコブソンによって開発された訓練法。身体各部の筋弛緩によって大脳の興奮を低下さ
せる。身体側面から,リラクセーションを目指す方法である。
以下は成瀬(1998)氏の自己コントロール法に基づくリラクセーションである。
身体各部に力を入れる(緊張 ),その状態を保持する,そして力を抜く(弛緩)を繰り返しな
がら,その部位を広げていき,最終的に全身をリラックスさせる。
山中寛氏によると,身体組織の機能を高め,血圧の上昇も抑えることができる方法。呼吸法
により,心身がリラックスした状態になると,余裕をもって自己をコントロールできるよう
10秒呼吸法
になる。
1,2,3で鼻から息を吸いお腹をふくらませ,4で息を止め,5∼10で息を吐き出しなが
ら,お腹をへこませる。
5.3.2 ストレスマネジメント教育年間指導計画(特別活動)
回 月
活動名
ねらい
活動内容
1 4 ・ストレス概念 ・ストレスの概念につい ・ストレス反応についてオリンピック選手
の理解・実態
て知る。
の話からとらえる。
調査
・ストレス反応を理解す ・ストレス尺度から自分のストレス反応に
る。
気付く。
2 5 ・身体へのコー ・リラクセーションの体 ・リラクセーションの習得をする。
ピング「リラ
験をし,ストレス耐性 (腹式呼吸法,漸進性弛緩法の習得)
クセーション
の向上を図る。
の習得」
朝の会 ・リラクセーシ ・短時間でのストレス耐 ・朝の会で腹式呼吸法の練習を10日間行
ョンの活用
性の向上を図る。
う。その後の10日は弛緩を含めて,2
分間行い脈拍を測り効果について考え感
想を書く。
3 6 ・感情のコーピ ・自己主張を通し周囲と ・上手な自己主張の方法があることを知
ング「自己主
上手にコミュニケーシ
り,ロールプレイを通して体験的に学ぶ。
張訓練」
ョンする力を育てる。
4 7 ・感情のコーピ ・心の整理箱を用いた悩 ・1学期を振り返り,箱に自分が今気にな
ング「心の整
みの整理をすることで
っていることを書き入れる。自分と問題
理箱」
問題が整理し解放感や
とを整理する。
ゆとりを促す。
5 8 ・感情のコーピ ・目標の設定を通して, ・長期目標,短期目標を記入し,目標達成
・
ング「ゴール
夏季休業から学校生活
の方法を考え,ワークシートに記入する。
9
セッティング
への適応を図る。
また,隣の席の生徒と交換し合い,励ま
」
( 目標設定)
しの言葉を書く。
朝の会 ・身体へのコー ・学校生活の適応に向け ・腹式呼吸法,漸進性弛緩法を2週間ごと
ピング「リラ
たストレスの軽減とス
に交互に行い,リラックス感を味わう。
クセーショ
トレス耐性の向上を図
楽な姿勢,目を閉じ,深呼吸をし,心地
ン」の活用
る。
よいイメージを浮かべる。
6 11 ・感情のコーピ ・フォーカシングを用い ・気になっていることを思い浮かべなが
・
ング「心の整
て感情の整理をし,原
ら,空間的イメージの中に置いていくこ
12
理箱」とその
因を考え,対処法を考
とを生徒自身にさせる。
対処
え実践する力を育成す
る。
帰りの ・身体へのコー ・身体の筋肉を緩めるこ ・学期末考査の前後2週間の帰りの会で,
会
ピング「漸進
とで緊張とストレス反
漸進性弛緩法を中心としたクイックマネ
性弛緩法」
応の緩和を図る。
ジメントを行う。
7 1 ・感情へのコー ・温かい言葉があること ・人間は言葉によって励まされたり悲しい
・
ピング「温か
を知り人間関係を意欲
気持ちになったりすることがあることを
2
い言葉かけ」
的に結ぶことを知る。
ロールプレイの体験を通して学ぶ。
帰りの ・感情と身体へ ・ペアリラクセーション ・温かい言葉かけを体験したことを生かし
会
のコーピング
を通し,ストレス耐性
帰りの会で2人組みになり,肩のリラク
「ペアリラクセ
の向上を図る。
セーションを行う。
ーション」
8
・私のベスト
・ストレスマネジメント ・コーピングの整理をし,自分のベストな
コーピング
のまとめをし,意欲の
対処方法を発表し,心の在り方への関心
向上を図る。
を高める。
− KS 8−
ゆとりをもってよりよい学校生活を送る生徒の育成を目指す一試み
5.4 実践の概要
5.4.1 ストレスマネジメント教育の実践例
(1) 題材名「フォーカシング」(クリアリングスペース「箱イメージ法」)
(2) 題材の目標「自分の感情の整理をし,『ゆとり』をもって問題に対処する力を育てる」
(3) 題材について
自分の感情への気付きを促し,落ち込みや,イライラなどの感情を整理するために ,「箱イメージ
法」を実施した。このことで,問題の原因について考えたり,対処の仕方を考えていくことで,「ゆ
とりをもってよりよい学校生活を送ろう」という意識を高めさせたいと考えた。
段階
学習活動
導入 1 課題の把握
5分
展開 2 課題についての
意見発表
学習内容
教師の働き掛け
配慮事項
1 今の自分の心の状態について考える。 ・ 思春期 の心 の特徴などにつ いて話
気になっていることや,悩んだり困っ
す。悩 みや 気になっている ことが
たりしていることについて考えること
あるの は, 特別なことでは ないこ
を知らせる。
とを伝える。
2 悩みや気になっていることがある時 ・ 心と体 につ いて,注意を向 けるよ
には,心や体はどんなふうになるかを
う促し ,級 友の前で話すこ とがで
発表する。
きる生徒に発表させる。
3 リラクセーショ
ン
3 楽な姿勢をとり,呼吸法を行う。
・ 椅子に 座っ たままで楽な姿 勢をと
り,1∼3で息を吸い,4で止め,
5∼10で息を吐き出させる。
4 記入の仕方の説
明
4 プリントへの記入の仕方の説明を行
う。
・ 緊張さ せな いように,テス トや試
験ではないことを伝える。
5 プリントに記入
5 プリントの「箱」の中に気になるこ
とを記入する。
① 楽な姿勢で座ったまま,自分の心の
感じに注意を向ける。
② 最近の自分を振り返り,何か気にな
っていることはないか,困っているこ
とはないか。
言葉以外の記号や絵で書いてもよい。
・ 急がせ たり せずに教師がゆ ったり
した気持ちで行う。
・静かな音楽を聴きながら書かせる。
モーツァルトを使用。
・ 自分自 身と の付き合い方な ので,
すぐに はで きない生徒もい るであ
ろう。無理をさせないようにする。
・ 箱の中 に何 も書けないこと も認め
る。
6 感想の記入
6
43分 7 楽な姿勢
終結 8 用紙の回収
書き終わった今,どんな感じがして ・ 無記名 でよ いが,教師と面 談を希
いるかを書く。
望する生徒には名前を書かせる。
箱に書けなかった場合はその感じ
について書く。
7
記入した後は,楽な姿勢で静かに過 ・ 記入し た後 は,静かに自分 の楽な
ごす。漸進性弛緩法の活用
姿 勢をとって待たせる。
8 用紙の回収を行う。
・ 教師と 話し たいと考えた生 徒は後
で, 面談を行うことを知らせる。
2分
5.5 実践授業の結果と考察
今回は,自分の体や心に注意を向けて欲しいとい
う願いから ,「箱イメージ法」を実践した。
まず,思春期の心について話し,
「 イライラ」や「 不
安」という気持ちは,この時期は誰にでもあること
や,その対処の仕方があることを伝えた。次に,静
かな音楽を聴かせてよりリラックスできる雰囲気づ
くりを行った。そして ,「箱イメージ法」の記入の仕
方を説明した。特に,無記名でよいことや,記号や
絵で書いてよいことを話すと,生徒はほっとしたよ
− KS 9−
写真1
シートへの書き込み
ゆとりをもってよりよい学校生活を送る生徒の育成を目指す一試み
うだ った。また, 記入後もゆったり
6月
過ご させたところ ,足を投げ出して
無気力
0∼5
6∼10
後ろ に反る姿勢を する生徒や机に伏 不 機 嫌 ・ 怒 り
11∼15
16∼18
せる 生徒などが見 られた。生徒を教 抑 う つ ・ 不 安
0%
20%
40%
60%
80%
100%
室の 中でリラック スさせるよい機会
とな った。記入後 の生徒の感想を見
11月
ると ,「何でも書いてよいのがよかっ
無気力
0∼5
6∼10
た。 くだらないこ とから,まじめな 不 機 嫌 ・ 怒 り
11∼15
16∼18
こと など気持ちの 整理をつけられて 抑 う つ ・ 不 安
0%
20%
40%
60%
80%
100%
よかったです 」「こう書いてみると,
図7 無気力,不機嫌・怒り,抑うつの結果
くだらないことが気になっているん
だなということが分った」
「悩んでいたことが克服できてよかったです。気持ちの整理ができました」
「誰かに,気になることを話したり,書いて分かってもらうことは,少し楽になると思った」など,
生徒自身が自分の心を客観的に見つめ,感情の整理をしたり,悩みの解決に向けて前向きな気持ちを
もつことができたと思われる感想があった。また,
「いつも不安だらけで,気の休まる場がないので,
ストレスがたまる一方です 」「イライラして,頭がぐちゃぐちゃで分かりません」など,教師の助け
がすぐに必要な生徒がいることも分かり,生徒と面談をするなどの対処をすることができた。
図7の「SRS18」の実態調査結果からも分かるように,6月の時点よりも11月の時点の方が「0
∼5」とストレスを感じていない生徒が増えている。また,不機嫌・怒りの項目が低くなっているな
どストレス対処法が有効と思われる結果であった。今回の実践は,年間指導計画の一部に過ぎないの
で,ストレスマネジメント教育を計画的,継続的に行うことが,生徒のストレスを緩和し ,「ゆとり
をもってよりよい学校生活を送る生徒の育成」につながるという考えを強くした。来年度から,年間
指導計画どおり実践して,生徒の変容を見ていきたい。
6
研究のまとめと今後の課題
本研究は,ストレスマネジメント教育を通して「よりよい学校生活を送る生徒の育成」を目指そう
としたものである。特別活動と朝の会,帰りの会を利用した指導計画の作成を通して,具体的な方策
である呼吸法,身体的リラクセーション,精神的リラクセーション,コミュニケーションスキルの向
上,認知的ストレスマネジメント方略,ソーシャルサポート,対人スキルの7技法の有効性を明らか
にすることができた。 今後の課題として,「ストレス対処」についての保護者や教師の理解を深め
ることが大切だと考える。特に ,「ストレス」はすべて悪いものではなく,個人の認知によるという
ことをもっと広く知ってもらう必要がある。また,継続的に行うことができるようさらに指導計画の
精選を図りたい。
主な参考文献
[1]文部科学省:中学校学習指導要領 第1章総則 教育課程の一般方針
1998
[2]広島県立教育センター:生徒指導の理論
2003
[3]山中寛・富永良喜:「 動作とイメージによるストレスマネジメント教育」基礎編 北大路書房
2000
[4]山中寛・富永良喜:「 動作とイメージによるストレスマネジメント教育」応用編 北大路書房
2000
[5]竹中晃二:「 子どものためのストレスマネジメント教育」
北大路書房
1997
[6]ストレスマネジメント教育実践研究会:「 ストレスマネジメント・テキスト」
東山書房
2002
[7]坂本昇一:「 生徒指導と学級活動・体験活動」
文教書院
1990
[8]諸富祥彦:「 学校現場で使えるカウンセリングテクニック上・下」
誠信書房
1999
[9]本田恵子:「 キレやすい子の理解と対応」
ほんの森出版
2001
[10]鈴木伸一・嶋田洋徳・右馬杢力也・三浦正江・片柳弘司・坂野雄二:「 新しいストレス尺度(SRS18)の
妥当性と検討」行動医学研究(日本行動医学会誌)4巻1号
− KS 10−
日本行動医学会
1997