株式会社アヴァンティスタッフ ニュースレター

月刊 HRタイムズ
Monthly Human Resource Times
株式会社アヴァンティスタッフ ニュースレター
27号 / 2015年4月 (毎月第2水曜日発行)
HRタイムズでは、人材活用や人事労務に関する旬な情報を毎月お届けします。
人事労務ニュース
◆厚労省、マタハラ判断基準を強化 育休終了から1年以内直ちに違法
妊娠や出産を理由に退職を迫られたりするマタニティーハラスメントをめぐり、厚生労働省は30日、育児休業の終了などから
原則1年以内に女性が不利益な取り扱いを受けた場合には、直ちに違法と判断することを決めた。企業が業務上必要だったと
主張した場合には、説明責任を課す。(2015/3/31 共同通信)
厚生労働省は、昨年10月の最高裁判決をうけて、1月に妊娠・出産、育児休業等を理由とする不利益取扱いに関する解釈通
達を出しました。まずは、その通達のポイントを確認します。
【通達のポイント】
妊娠・出産、育児休業等を「契機として」行った不利益な取扱いは、均等法や育休法等に違反!
「契機として」は、時間的に近接しているか否かで判断する。
◆事由の例:妊娠、出産、産前産後休業や育児休業の取得、 残業をしない、短時間勤務 など
◆不利益取扱いの例:解雇、雇止め、降格、減給、不利益な賞与の算定や昇進・昇格の人事考課、仕事をさせない など
上記通達を補完する内容として、3月30日にQ&Aが公表されました。Q&Aのポイントを確認します。
Q:通達では、「契機として」いるか否かは、妊娠・出産・育休等の事由と時間的に近接しているかで判断するとされているが、具体
的にはどのように判断するのか?
A:原則として、妊娠・出産・育休等の事由の終了から「1年以内」に不利益な取扱いがなされた場合は、「契機として」いると判断
する。ただし、事由の終了から1年を超えている場合であっても、実施時期が事前に決まっている不利益な人事考課などについ
ては、事由の終了後の最初のタイミングまでの間に不利益な取扱いがなされた場合は「契機として」いると判断する。
Q:どのようなケースであれば、原則の例外として違法ではないと言えるのか?
A:例外は、①「業務上の必要性が不利益取扱いの影響を上回る特段の事情がある場合」と②「本人が同意し、一般的労働者
が同意する合理的理由が客観的に存在する場合」の2つ。
それぞれの具体例は次のとおりです。
例外①◆経営状況の悪化が理由である場合:不利益取扱いをしなければ業務運営に支
障が生じる状況であった上で、不利益取扱いを回避する合理的な努力がなされ人
員選定が妥当 など
◆本人の能力不足等が理由である場合:妊娠等の事由の発生前から能力不足
等が問題とされており、不利益取扱いの内容・程度が能力不足等の状況と比較し
て妥当で、改善の機会を相当程度与えたが改善の見込みがない など
例外②◆契機となった事由や取扱いによる有利な影響(労働者の求めに応じて業務量が
軽減されるなど)があって、それが不利な影響を上回り、不利益取扱いによる影響
について事業主から適切な説明があり、労働者が十分理解した上で応じるかどうか
を決められた など
1
目次
•
人事労務ニュース
•
「正社員の労働負荷と職
場の現状に関する調査」よ
り
•
特集 – 改正障害者法、
指針公表
•
特集② – ストレスチェック
制度の省令案、「妥当」と
答申
•
労働基準法改正案、国会
提出!
•
編集後記
「正社員の労働負荷
と職場の現状に関す
る調査」より
今月号は、労働政策研究・研修
機構が3月に公表した「正社員の
労働負荷と職場の現状に関する
調査」よりお伝えします。
・調査の目的:正規雇用の若者
の早期離職につながりかねない
雇用管理の実態、若年雇用
者の意識、離職傾向などに関
する調査
・調査対象:全国の15歳以上
35歳未満の正社員
・調査時期:平成25年3月
・回収数:n=10,417
仕事の難易度
・指示を受けて行う定型的な仕
事
10.8%
・おおむね指示を仰ぎながら、本
人の判断もある程度必要な仕
事
40.9%
・たまに指示を受ける程度で、お
おむね本人の判断による仕事
38.5%
・ほぼ指示を受けずに本人の判
断で行う仕事
9.8%
特集-改正障害者法、指針公表
厚生労働省は3月25日、来年施行される改正障害者雇用促進法に基づく2つの指針
「差別禁止指針」と「合理的配慮指針」を公表しました。
具体的な事例が示されており、来年4月の施行に向け準備を行うに当たっては、見逃せな
い内容となっています。それぞれについて、ポイントをご紹介します。
まずは改正障害者雇用促進法(以下、改正法)についておさらいをしたいと思います。
改正法では、(1)障害者に対する差別の禁止(2)障害者が職場で働くに当たっての
支障を改善するための措置(合理的配慮の提供義務)を定めるとともに、(3)精神障
害者を法定雇用率の算定基礎に加える、などが盛り込まれています。(3)については
2018年4月、その他は2016年4月に施行されます。説明する2つの指針は、
(1)と(2)の具体例を示すものとして策定されました。なお、差別禁止や配慮提供義
務の違反に対しては、厚生労働大臣からの助言・指導や勧告の対象となります。
続いて、指針の中身を確認します。
まずは、「差別禁止指針」です。すべての事業主が対象となり、障害者であることを理由とす
る差別が禁止されます。車いすの利用等を理由とする不利益な取扱いも禁止差別に含ま
れます。次の13の項目について差別に該当する具体例が示されています。
①募集・採用
②賃金
④昇進
⑤降格
⑦福利厚生
⑧職種の変更
⑩退職の勧奨
⑪定年
⑬労働契約の更新
③配置(業務の配分及び権限の付与を含む)
⑥教育訓練
⑨雇用形態の変更
⑫解雇
具体的には、募集・採用については、「障害者であることを理由として障害者を募集採用の
対象から排除すること」 、「採用の基準を満たす者の中から障害者でない者を優先して採
用すること」などを掲げています。また賃金に関しては、「障害者であることを理由として、障害
者に対して一定の手当等の賃金の支払をしないこと」などが掲げられています。
教育訓練 (複数回答)
・計画的なOJT
29.6%
・入社入職時の研修 49.5%
・職種・職務別の研修 29.0%
・役職別研修
20.1%
・資格取得のための研修
19.1%
・今後のキャリア形成に関する研
修
17.3%
・法令順守研修
20.2%
職場の目標管理 (複数回答)
・利益目標がある
25.6%
・売上目標がある
32.1%
・成果物の数の目標がある
19.2%
・チャレンジングな活動目標がある
23.3%
・プロセスに関する目標がある
19.4%
・特に目標管理はされていない
36.5%
次に、「合理的配慮指針」です。こちらの指針も、対象はすべての事業主で、①合理的配
慮の手続き ②合理的配慮の内容 ③過重な負担(改正法では、事業主に対して「過
重な負担」を及ぼすこととなる場合は、合理的な配慮の提供義務が除かれます) ④相談
体制の整備-などが示されています。
(1)合理的配慮の手続き
・募集採用時:障害者から事業主に対し、支障となっている事情などを申し出る。
・採用後:事業主から障害者に対し、職場で支障となっている事情の有無を確認する。
(2)合理的配慮の内容
区分
場面
事例
全区分
共通
採用後
・業務指導や相談に関し、担当者を定める。
・出退勤時刻、休暇、休憩に関し、通院・体調に配慮す
る。
募集・
採用時
・面接の際に、できるだけ移動が少なくて済むようにする。
採用後
・移動の支障となる物を通路に置かない、机の配置や打
合せ場所を工夫する等により職場内での移動の負担を
軽減する。
・机の高さを調整する等作業を可能にする工夫をする。
肢体
不自由
(3)過重な負担
過重な負担に該当するか否かについては、事業活動への影響の程度、実現困難度、
費用・負担の程度、企業の規模、企業の財務状況、公的支援の有無を総合的に勘案
しながら、個別に判断する。
2
特集②-ストレスチェック制度の省令案、「妥当」と答申
労働政策審議会(厚生労働大臣の諮問機関)の分科会は3月24日、 労働安全衛生法の省令案要綱について【妥当】と答
申をしました。これにより、今年12月に施行を控えたストレスチェック制度の詳細(省令)の作成作業が進められます。ここでは、同
省令案の概要のうち、ストレスチェック制度に関わる部分をご紹介します。なお、同制度については、間もなくガイドラインが公表される
予定です。(3月中旬にパブリックコメント締切り後、3月中に公表される予定でしたが、4/6時点で未公表です。)
1.ストレスチェック制度の概要
ストレスチェック制度は、昨年公布された改正労働安全衛生法によって、従業員50人以上の事業者に実施が義務付けられるも
のです。施行日は、2015年12月1日。従業員50人未満の事業場は、当分の間努力義務となります。ストレスチェックの
結果、一定の要件に該当する労働者から申し出があった場合、医師による面接指導を実施することが事業者の義務となります。
2.省令(労働安全衛生規則)案の概要
①実施時期と検査の内容
事業者は、常時使用する労働者について、1年以内ごとに1回、定期的に次の項目の検査を行う。
・ 職場におけるストレスの原因に関する項目
・ ストレスによる心身の自覚症状に関する項目
・ 職場における他の労働者による支援に関する項目
②検査の実施者
医師又は保健師のほか、一定の要件を満たした看護師又は精神保健福祉士とする。
ただし、解雇等の直接的な人事権を持つ監督者は、検査の実施の事務に従事してはならない。
③結果の保存
事業者は、労働者の同意を得て、検査の結果を把握した場合には、当該結果の記録を作成し、5年間保存しなければなら
ない。
④結果の通知
検査結果は、検査の実施者から、遅滞なく、労働者に通知されるようにしなければならない。
⑤同意の取得
検査の結果を事業者に提供することについての労働者の同意の取得は、書面又は電磁的記録によらなければならない。
<ストレスチェック制度の流れ>
用語の解説
事業者による方針の表明
「ストレスチェック」
労働安全衛生法に規定されてい
る「心理的な負担の程度を把握す
るための検査」
実
施
前
衛生委員会で調査審議
○目的 ○実施方法
○情報の取扱い
○実施体制(実施者の明示) ○ストレスチェック結果の保存
○結果の提供に関する同意取得方法
労働者に説明・情報提供
○情報の取扱いに関する苦情処理
ス
ト
レ
ス
チ
ェ
ッ
ク
医師・保健師等によるストレスチェックを実施
○一般定期健診と同時に実施が可能
○産業医が実施者となることが望ましい
(実施者)ストレスチェックの
結果を労働者に直接通知
(労働者)
セルフケア
と相談窓
口の利用
(実施者)ストレスチェックの
結果を職場ごとに集団分析
(実施者)事
業主への結
果の通知に
同意を確認
(実施者)高ストレス
者へ面接指導の申
出勧奨
同意ありの場合
(実施者)
事業者に
結果通知
(実施者)集団的分析結果
を事業者に提供
職場環境の改善の
ために活用
集
団
分
析
「実施者」
医師・保健師等で、実際にストレ
スチェックを実施する者
「実施事務従事者」
実施者のほか、実施者の指示に
より実務(個人調査票のデータ入
力、結果の出力、個人の結果の
保存、面接指導の申出の勧奨等)
に携わる者
「個人のストレスプロフィール」
ストレスチェックの結果、出力され
る個人の結果。仕事のストレス要
因、心身のストレス反応、周囲の
サポートなどの程度について、個
人ごとにその特徴や傾向をレー
ダーチャート等で示したもの
「結果評価」
個人のストレスの度合いの高低を
示したもの
「事業者」
安衛法上の義務主体事業を行う
者。法人の場合は当該法人及び
その立場を代表する者
以下、面接指導の流れ
3
労働基準法改正案、国会提出!
本紙でもたびたび取り上げている「労働基準法改正案」。4月3日に閣議決定され、
通常国会に提出されましたので、あらためて改正案のポイントを確認します。
なお、今通常国会へ厚生労働省から提出された法案は計9本。一部報道によると、労
基法改正案は6日時点で審議入りの日程の見通しは立っておらず、派遣法改正案に
ついては、5月までの審議入りを目指しているとのこと。
1.長時間労働の抑制策・有給休暇の取得促進
(1)中小企業の月60時間超の時間外割増率
2010年労基法改正において、中小企業は当分の間適用が猶予されることと
なった月60時間を超える時間外労働に対する50%以上の割増賃金について、
今回の改正で中小企業にも適用する。(本項目のみ2019年4月施行)
(2)年間5日間の有給休暇は使用者による時季指定を義務化
年間10日以上の有給休暇が付与される労働者に対して、5日分については毎
年、使用者が時季を指定して与えなければならない。
2.多様で柔軟な働き方の実現
(1)フレックスタイム制の見直し
フレックスタイム制の「精算期間」の上限を、現行の1か月から3か月に延長する。
精算期間が1か月を超える場合には、行政官庁(労働基準監督署)への届出を
必要とする。
(2)企画業務型裁量労働制の見直し
対象業務に2つの類型が追加される。「課題解決型提案営業」と「裁量的に
PDCAを回す業務」。併せて、対象者の健康確保措置が充実され、と手続きが簡
素化される。
(3)高度プロフェッショナル制度の創設(ホワイトカラーエグゼンプション)
時間ではなく成果で評価される働き方を希望する労働者のニーズに応え、労働時
間、休憩、休日、深夜の割増賃金等の規定を適用除外とする制度を新たに設ける。
職務の範囲が明確で一定の年収(少なくとも1,000万円以上)を有する労働者
が、高度の専門的知識を必要とする等の業務に従事する場合(本人の同意や委
員会の決議等が必要)
※具体的には、金融商品の開発業務、金融商品のディーリング業務、アナリスト
業務、コンサルタント業務、研究開発業務等を念頭に、省令で規定される予定。
◆施行期日:2016年4月1日施行(1の(1)以外)
株式会社アヴァンティスタッフ
本社
東京都中央区日本橋兜町6-7
ヒューリック兜町ビル
編集後記
今月もお読みいただきありがとうございます。
人材派遣と人材紹介、2つの分野で優良会社を認定する厚生労働省の制度において、
第1回目の優良会社が3月12日に公表されました。人材派遣は85社、人材紹
介は27社が認定されました。それぞれ優良な事業者の育成を通じて、派遣労働の処
遇改善やマッチング機能の向上が目的とされており、認定会社が増えていくことで、業界
全体のサービスの質向上が期待されています。
一般紙で報じられることはほとんどありませんが、近年の厚生労働省の、人材業界に対
する処分件数は高水準で推移しています。その内容は、多重派遣、本来は許可が必
要な登録型派遣を届け出のみで実施、虚偽求人などさまざまです。
優良会社認定制度が、業界全体のサービスレベル底上げにつながることを期待します。
なお弊社は、人材派遣・人材紹介の両部門で認定を受けた全国10社のうちの1社
です!(N)
4
本社代表
03-6703-8337
横浜支店
045-325-0211
大宮支店
048-645-6464
名古屋支店 052-229-1521
大阪営業部 06-6131-0602
九州支店
092-711-2181
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