「平成26年度市立幼稚園における研究実践園研究・研修事業」実施報告書

「平成26年度市立幼稚園における研究実践園研究・研修事業」実施報告書
幼稚園名
札幌市立かっこう幼稚園
園長氏名
研究協力園
研究協力校
札幌ゆたか幼稚園・美晴幼稚園
札幌市立月寒東小学校
研究主題
副主題
『ものと豊かにかかわる子』を育む
研究の成果
研修の成果
瀬戸 富美子
<“砂遊び”
“製作遊び”に焦点化した事例研究を通して>
1. ものと豊かにかかわる経験(失敗しても諦めず取り組む・試したり工夫したりする・
思いを実現する・本物らしさを追究する等)の積み重ねで、興味関心・意欲・愛着
を土台として、考える力・粘り強さ・ものに関する技術や知識・人とかかわる力等
が育まれることが分かってきた。
2. 1を引き出すための効果的な援助や環境の構成について探究
・発達段階に合わせた素材や道具等の吟味と環境の再構成
・自分で実現できる方法を見つけるヒントとなる環境構成や言葉掛け
・その子なりの発想や工夫を丁寧に認める
・友達の発想や工夫に気付かせる
等
3.事例をもとに、1 年次の研究で作成した“ものとのかかわりにおける学びの過程と手
だて”の検証。
<協力園との共同研究>
・ 自園での事例研究を進めると共に、協力園とも事例を持ち寄って話し合い、成果を
共有したり、地域公開保育の研究発表の中で協力園からの事例発表を行ったりした
ことで、いろいろな環境や保育形態における“ものとのかかわり”について学び合
うことができた。
・ 研究協力者の羊丘小学校の東教頭先生に、事例やその話合いで分かったことに対し
て、小学校教育での学びとのつながりで意見をもらった。
『自分で選択して遊ぶ経験
の積み重ねが、小学校の学習での自分でイメージを実現する思考力の土台となる』
『
「これをしたい!知りたい!」という強い思い入れをもつことが学習意欲につなが
る。幼児期に自分なりに試行錯誤しながら思いが実現できたという経験を重ねるこ
とが大切』など“幼児期のものとのかかわり”での育ちが就学後の学習にどのよう
につながっているかを知ることができた。
・ 共に学んだ事例をエピソード集としてまとめ、地域の幼保小へ発信することができ
た。
・ 事例研究で焦点化した“砂遊び”について教師自身がより深く学ぶため、区内の幼
保の先生方とサンドアートの研修(下記参照)を行った。保育に活かされただけで
なく、協力園の先生方と共通の学びを土台として、共同研究をすることにつなげて
いくことができた。
・ 第一回「砂遊びの魅力に触れる」~サンドアートを通して~では、幼保 13 か所から
36 名の参加者があった。
「砂の性質や新しい遊び方を知り、保育に生かしたい」と
の声が多く、保育者の質を高める研修となった。
・ 第二回「発達障がいのある子どもの保護者を支える・保護者から学ぶ」というテー
マで、久保山茂樹先生から講演をいただいた。幼保小などから67名の参加があっ
た。毎年ニーズの高い、特別支援に関する内容だったため参加も多く、
「また、聞き
たい。
」という声が多かった。来年度も要望に応え、豊平区・清田区の合同研修会と
共同開催という方向で企画していく予定。