講評:島根富士通の事例から学ぶ

島根富士通の事例から学ぶ
事業の特性
 富士通(株)で開発されたノートPC(タブレットを含
む)の一貫生産。
 品種の組合せは最大約3億通り。顧客一人一人の
注文に応じるカスタマイズサービスを実施。
 他メーカーが生産拠点を海外に移す中、日本国内
に留まり、国内ノートPCの約8割を生産。
 顧客は企業が多く、国内が7割、海外が3割。
 1990年に設立され、従業員は約1200人
(約半数が請負業者)。
 プリント板実装は100%自動化(多品種小ロット生
産)。装置組立は人と機械の協調作業(混流生産)。
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マネジメントシステムの特徴
1. 徹底した未然防止の実践
 ヒューマンエラーによる不良のリスクを洗い出し、ポカヨケ・自
動化対策
 統計的手法を用いてばらつきを推定し、不良の発生を予測
2. 異常の顕在化による再発防止への組織的な取り組み
 報告・是正処置すべき事象の定量的な基準を部門・工程毎
に設定(基準は、過去のデータの統計的なばらつき、達成す
べき品質目標に基づいて決定)
3. 計画的な人材育成と活発な改善活動
 部門毎に必要な業務知識・技能を明確にした上で、一人一
人を評価・育成(担当業務から見て不足部分を特定)
 階層別・目的別教育体系を構築し、教育効果を把握
 QCサークル活動や改善提案の活発な実践
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成果
 社内不良は着実に減少。10年間でプリント板実装
では約1/10に、装置組立では1/2になっている。
 リードタイムも約1/5に、コストは製品付加価値向
上の分を見込むと約1/2になっている。
 社外クレームも5年間で約1/6に減少している。
これらは、未然防止活動、再発防止活動、人材育成
やそれに支えられた改善活動の成果と言える。
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