資料2: 認知度向上に関する検討について(PDF:1871KB)

資料2
認知度向上に関する検討について
平成26年1月31日
食料産業局 食品製造卸売課
・
目
次
1 介護食品の認知度向上に当たってのこれまでの意見 ・・・ 1
2 認知度向上における検討課題(案) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
(参考1) 認知度向上に向けた取組の事例 ・・・・・・・・・・・・・ 7
(参考2) 介護の日における取組について ・・・・・・・・・・・・・ 15
(参考3) 現在流通している介護食品に関する規格・基準、
表示の状況(主なもの) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16
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介護食品の認知度向上に当たってのこれまでの意見
1 介護食品の普及方法
【「これからの介護食品をめぐる論点」(抜粋)】
Ⅲ 今後の検討に当たっての具体的な論点
2 高齢者の栄養に関する理解の促進
(1) 高齢者の食をめぐる状況(特に栄養面)
在宅介護などの一部の高齢者が低栄養状態にあるとの指摘もある中、食事摂取のあり方など高齢者の食をめぐる状
況については、次のような問題点がある。
① これまでの介護食品は見た目が悪く、献立が乏しいなど食欲をそそらないものも多いために、摂取量が減り、栄
養状態の低下や予後の悪化などに繋がっていること。
② 1日3食の食事をとっていても、食事の内容、特に栄養のバランスがとれているかという点が問 題であること。
そのため、今後は栄養の基準を明確にして、身体や疾病の状況に合わせたエビデンスに基づいた栄養基準を作って
いく必要がある。
(3) 高齢者の食に関する認識
こうした中、メタボリックシンドロームについては広く国民に認知されているが、低栄養についてはまだ認知されていな
い状況にあり、高齢者が痩せていくのは当たり前といった認識を変えていく必要がある。
4 介護食品の普及
(1) 介護食品の普及方法
介護食品はその存在自体を知らない方、購入先が分からない方などが非常に多いことから、まずは官民を挙げたPR
活動と国民運動により、認知度を向上させる必要がある。そのための具体的な普及方法としては、次のことが考えられ
る。
① 介護食品専用コーナーや介護生活用品全般が揃う売り場を設けたり、肉の売場にハンバーグソースが置いてある
ように、店頭でそれぞれの売場に関係する介護食品を配置すること。
② 消費者が市販の介護食品を試食する機会を設けるため、国の「介護の日」のイベントや店頭でのキャンペーンなど
の試食など、介護食品を一度食べて頂ける機会を作っていくこと。
また、市販の介護食品を主な食事として利用するのか、補助的に利用するのかなど介護食品の利用方法がわからな
いケースも多く、具体的な利用方法なども併せた普及が必要である。
1
5 介護食品の利用に向けた社会システムの構築
(1) 高齢者の栄養に関する情報発信
在宅介護などの一部の高齢者が低栄養状態にあるとの指摘もあるが、低栄養に関しては広く国民に認知されていない
状況にあることから、国民が栄養の重要性を認識し、自分の栄養状態や嚥下機能を知ることができるようにするためには、
栄養のみならず食に関する幅広い知識を有する専門家や栄養に関する普及啓発を行っていく方の役割が重要である。特
に、高齢者は病気の治療をしている方も多く、個人の状態に応じた介護食品を選択するための専門家が必要である。
また、独居老人が周囲の方々とのつながりが薄れているというのも深刻な問題であり、都会においては食料品の買い物
などに不便を感じる住民がいるにも関わらず対策の必要性が低いと行政が判断するケースが見られることから、こういった
方を含め周囲のコミュニティーが連携して食事の機会を設け、その際に専門家が栄養の教育などを行うといった取組も必要
である。
こうした専門家や栄養に関する普及啓発を行っていく方を作っていくための具体的な方策としては、次のことが考えられる。
① 嚥下などに問題がある方に対して小売店やクリニックなどで介護食品について相談できるシステム作り
② 高齢者の栄養改善とコミュニティー作りに、元気な高齢者やコンビニエンスストア店員などが栄養に関する普及啓発を
行っていく仕組み
③ 市町村単位で栄養指導が行えるよう管理栄養士や栄養士の配置を進めるとともに、在宅の方に管理栄養士が訪問し、
栄養面でのサポートを行うという制度(居宅療養管理指導)の普及
④ 高齢者の食・栄養について、管理栄養士により充実した指導を行う仕組み
さらに、介護食品を通じて「食力(しょくりき)」(食べるという行為にとどまらず、栄養や食事環境などを含めて身体機能や
生活の質の向上につながるような食べる力のことをいう。)を維持・向上させるような環境や教育体制も加味したディスカッ
ションの実施などが必要である。
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2 介護食品の認知度向上に当たっての課題への対応
(1)名称
【「これからの介護食品をめぐる論点」(抜粋)】
Ⅲ 今後の検討に当たっての具体的な論点
4 介護食品の普及
(2) ネーミング
介護食品の利用者は、高齢者のみではなく、障がいのある子供から高齢者まで幅広いこと、また、高齢者や介護
の用語が敬遠されており介護食品というネーミングに抵抗感や拒否感があることなどから、利用者に受け入れやす
い良いイメージのネーミングを考える必要がある。
【定義に関するワーキングチーム いわゆる介護食品の定義に関する考え方(案)抜粋】
1 介護食品の定義についての基本的な考え方
(3) 介護食品の範囲からイメージされる名称
利用者側の視点に立ち、利用者にどのようなニーズがあり、そのニーズに対してはこれと分かるような、利用者に
親しみやすく、定着しやすいネーミングにしていくことが必要である。
また、栄養に関して何か問題があるという方々に、使ってみようと思わせるようなネーミングがよいと考えられる。
更に、この食品の利用者は食機能の未発達の者や、成人の者も想定されるため、高齢の方を必ずしも指さないよ
うなネーミングがよいと考えられる。
この場合、そのネーミングからイメージされる介護食品の範囲が想定できるようにするためにも、ネーミングと実際
の食品との乖離がないように留意する必要がある。
すなわち、ここでいうネーミングとは単にその名称を言うのではなく、新たに分類された食品が利用者に対して送る
メッセージであることや、利用者はそのメッセージを正しく受け取れるのか等も含めて検討することが重要である。
こうしたことを踏まえると、正式な名称を例えば「健康支援食」のようなものとして、これとは別に 親しみやすい名称
を愛称のような形で公募を行っていくことも考えられる。
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(2)規格・基準、表示
【「これからの介護食品をめぐる論点」(抜粋)】
Ⅲ 今後の検討に当たっての具体的な論点
1 介護食品の定義の明確化
(2) 介護食品の基準
現在、介護食品は統一的な規格・基準がなく、企業などによって様々な規格・基準を設けるなど共通性がないことが、
介護食品が広く利用されていない要因にもなっている。
そのため、今後は物性の測定法を統一して産学官が共同で物性基準を明確にするなどにより、分かりやすい統一的
な規格・基準を設けることが必要である。
(3) 介護食品の表示等
介護食品の定義を明確にした上で、いわゆる健康食品のようにいろいろな機能表示や宣伝文句が乱立する前に、介
護食品について実態調査を行い、利用者に表示を含めて分かりやすく情報を提供していく方法(硬さなどの物性、開け
やすさ、栄養面の強調表示、使用方法など)を整理する必要がある。
例えば、咀嚼機能などが低下した方に対応する商品なのか、栄養を調整した商品なのか、食感、見た目などに配慮
した食品なのかといった事項について、何らかの表示(色、〇□☆など)で整理するなど、分かりやすい表示・規格を設
けることが必要である。
【定義に関するワーキングチーム いわゆる介護食品の定義に関する考え方(案)抜粋】
2 今後の議論におけるポイント
(1) 表示・規格に関する事項
介護食品に関して、できるだけ多くの事業者の方がそれに基づいて対応していくことができるような基準を作っていく
ことが重要である。また、その基準については、1(2)の③で分けられた食(品)(注)によってそれぞれに求められる基準
(噛みやすさ、飲み込みやすさの基準など)が異なるものと考えられることから、それぞれに応じて必要な基準を検討し
ていくことが必要である。
また、表示に当たっては、たんぱく質などの量やエネルギー表示に加え、摂取する人はどういう栄養状態の場合であ
るのか、また、噛みやすさはどうか、飲み込みやすさはどうか、ということまで表示することとすればわかりやすいもの
になると考えられる。
(注) 1(2)の③の食(品)とは、「咀嚼支援食(品)」「摂食嚥下支援食(品)」「食事回復支援食(品)」「栄養改善支援食(品)」である。
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認知度向上における検討課題(案)
1 介護食品の普及方法
(1)普及内容
① 高齢者にとって「栄養」がどのような意義があるのかについて理解・認知してもらい、低栄養に関す
る認知度の向上を図るため、高齢者、介護を行っている家族、介護関係者、一般国民それぞれに対
し、どのような内容を普及していくのか
② 介護食品の利用方法を普及するため、誰(高齢者、介護を行っている家族、介護関係者など)に対
してどのような内容を普及していくのか
(2)普及方法(発信方法)
① 低栄養に関する情報発信を誰がどのように行っていくのか
・低栄養の防止策・チェック方法等わかりやすいコンテンツの作成
・高齢者などに対する指導を行う機会の確保の方法
・専門家や栄養に関する普及啓発を行う者の養成・確保の具体的な方法
② 介護食品を知る機会をどのように確保していくのか
・各種のイベント(例えば「介護の日」)や店頭でのキャンペーンなどの活用方法
・店頭において介護食品の利用方法を説明できる者の確保、店頭での介護食品の配置方法など
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2 介護食品の認知度向上に当たっての課題への対応
(1)名称
① 利用者に受け入れやすい名称とはどのようなものか
② 定義に関するワーキングチームでの検討を踏まえた留意事項をどのように考えるのか
・栄養に関して問題がある方々に使ってみようと思わせるようなものとすること
・高齢者のみを対象とするようなイメージをさせないものとすること
・ネーミングと実際の食品との乖離がないようにすること
・正式な名称とは別に親しみやすい愛称をつけていくこと
(2)規格・基準、表示
① 分かりやすく統一的な規格・基準を設けることについてどのように考えるのか
・物性の測定法を統一し、産学官で共同で物性基準を明確にすること
・栄養の基準を明確にし、身体や疾病の状況に合わせたエビデンスに基づいた栄養基準を作ってい
くこと
② 定義に関するワーキングチームでの検討を踏まえた留意事項をどのように考えるのか
・介護食品をいずれも仮称で、咀嚼支援食(品)、摂食嚥下支援食(品)、食事回復支援食(品)、栄
養改善食(品)と分けた場合、それぞれに求められる基準(噛みやすさ、飲み込みやすさの基準な
ど)が異なるものと考えられることから、それぞれに応じて必要な基準を検討していくこと
・介護食品を摂取する人の栄養状態、介護食品の噛みやすさ、飲み込みやすさの基準を
表示すること
③ 表示方法についてどのように考えるのか
・色や形で整理するなど分かりやすい表示方法とすること
3 その他検討すべき事項
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(参考1)認知度向上に向けた取組の事例
(1)キユーピー㈱
ユニバーサルデザインへの取組
-ユニバーサルフード-
かむ力や飲む力といった食べる機能が低下した方向けに以下の考え方に基づいて開発されたもの。
〇 塩分を控えながらも、だしを使ってしっかりとした味付け
〇 不足しがちな栄養素に配慮。エネルギー、たんぱく質、カルシウム、
食物繊維を強化
〇 美味しさへのこだわり、物性(かたさ)へのこだわり、栄養へのこだわりを研究
-ユニバーサルデザイン-
できるだけ多くの人が使いやすいデザインに向けた取組。
〇 持ちやすい、開封しやすい、中身が見えるといった容器・包装への配慮
〇 表示についても文字の色や大きさをできるだけ見やすくするだけでなく、
栄養成分の表示を工夫
介護食に関するアンケート調査結果 (キユーピー㈱実施)
(対象: 年齢20代から90代までの男女、回答者の約80%が女性、平均年齢58歳)
● 要介護者の食事能力についてはある程度、要介護者の食事能力が衰えてきた段階で、サンプルを応募してきている
方が多く、一番多い回答は、やや食べづらいが普通に飲み込める方が28.9%、細かく、またはやわらかければ
食べられる方が25.2%
● 介護食に期待することは食としてのおいしさ、価格が手頃、食事の用意が簡単、メニューが豊富である、の順。
● やさしい献立購入方法は最も多いのがスーパーや百貨店などの店頭で62.9%
● 介護関連の参考情報源は新聞、ケアマネジャー、医師・看護師、テレビ、クチコミの順。
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認知度向上に向けた現在の取組
● 高齢者の食事について詳しく取り上げたものをホームページに掲載
・ 高齢者の食事に関して管理栄養士からの話を掲載。
●
販売店案内チラシの配布
・ 医療機関、老人施設、ヘルパーセンターなどに「やさしい献立」がどこで販売しているのか分かるチラシを配布
● やさしい献立利用者の声をホームページに掲載
・ 利用者の声は高齢者の使用目的で購入した方だけではなく、障がいをもった子供の親などからも意見がある。
●
施設や学校などで「やさしい献立」の試食会、セミナーを開催
・ 介護経験者向けのセミナーでは同社の担当者が「やさしい献立」を使いながら講義を実施し、
セミナー終了後、アンケートの協力者に「やさしい献立」ゼリー飲料をプレゼント。
同じ主催者にて複数回開催し、初回開催に比べ参加希望者が増加。
・
●
一般の方向けに商品の便利さやおいしさを伝える為、わかりやすい売場づくりや店頭での試食会を行い
販売店向けには試食勉強会を開催。
HELPMAN JAPANに100歳までおいしい「食事」としてのユニバーサルデザインフード掲載
・ やさし献立の紹介やこれまでの経緯などを掲載。敬老の日に新聞広告を投入した際には10倍近い問い合わせ。
(HELPMANJAPANとは㈱リクルートキャリアと㈱講談社が共同で立ち上げた日本の介護ビジネスを応援するプロジェクトでそのWEB版に掲載)
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(2)イーエヌ大塚製薬㈱
摂食回復支援食「あいーと」
●
あいーとは普通の食事ができない方に対し、食べる機能と栄養状態回復の支援をするために生まれた
冷凍食品。食材本来の形や色、味はもちろん、栄養素を保った上で、舌でもくずせる柔らかさに仕上げた食品。
●
敬老の日や行事食にも使われており平成24年に続き平成25年もお正月限定の「あいーと正月二段重セット」を
限定1000セット発売し平成24年、25年ともに完売。
高齢者の食事や低栄養に関する調査結果(イーエヌ大塚製薬㈱実施)
・ 在宅介護者1000名を対象に実施した調査では、要介護者自身が楽しいと思う時として、食べる時が62.2%、
要介護者が介護者に笑顔を見せる時として、話し相手をした時が50.7%、何かを食べる時が41.2%の順であ
り、介護において食事の時間を充実させることは、介護する人と介護される人の双方にとって癒される時間
が増えるということであると分析。
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認知度向上に向けた現在の取組
● マスメディアへの情報発信
・ 新聞広告(6回/年、全国紙(読売・朝日))
・ メディア取材対応(NHK「さきどり」「おはよう日本」「NEWSLINE」 日本テレビ「1分間の深イイ話」「ナイナイアン
サー」など)
・ 自社発行ニュースリリース(介護実態調査情報、低栄養の課題などを掲載)
● イベント関連での情報発信
・ 栄養関連学会の企業展示出展
・ 流通関連展示会への出展
・ 地域産業イベント参加(花巻産業大博覧会2012)
・ 高齢者の食に関するメディアセミナーを実施。同社社員による講演と医師の講師を招き高齢者の食について
講演を実施。
・ 11月29日を「いい肉の日」とし咀嚼機能が低下した方でも食べられる、たんぱく質を始めとした栄養素もしっかり
摂取できるお肉を使った、見た目も華やかで行事食にも合う肉メニューを紹介。
● 病院、介護施設への普及活動
・ 病院の中で患者向けに、消化の良いものを食べたいとの声を反映し、食堂の一角に「あいーと」使用の食事
コーナーを設置。
・ 介護付有料老人ホーム主催の勉強会では同社の学術・販促担当者が、看護師、歯科医、歯科衛生士、
ケアマネジャー、介護福祉士などに対し、摂食・嚥下障害に関する動向や予防法の説明、あいーとの紹介、
試食を実施。(参加者より、見た目やおいしさ、機能面で高い評価)
● WEB/通信販売での情報発信
・ あいーと公式ホームページの設置、ダイレクトメールによる情報提供
・ コールセンターによる顧客対応・情報提供
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(3)㈱クリニコ
クリニコの介護食シリーズ
● 医療用、一般用と多彩なラインナップを揃える。森永乳業グループとして介護食を販売
・ やわらか亭・・・高齢者、医療・介護従事者の試食調査を基に、「おいしさ」「やわらかさ」「使いやすさ」
「栄養」にこだわって開発したごはんとソースのセット製品。
・ エンジョイclimeal・・・補食に適した少量で栄養補給できるハイカロリー飲料。
・ つるりんこシリーズ・・・お年寄りには飲み込みにくい食品や水分に簡単にとろみがつけられる調整食品。
・ まとめるこeasy・・・食品と一緒にミキサーにかけるだけで、食品の味を変えずにやわらかく食べやすい
形状にまとめることができる固形化補助粉末。
認知度向上に向けた現在の取組
● 一般の方向けの周知活動
・ 「やわらか亭」の一般チャネル販売開始記念試食会を開催。
対象は巣鴨地蔵通り商店街を訪れる高齢者、一般の方。「やわらか亭」の説明と試食会を実施。
「ごはんがやわらかく、おいしい」「介護食のイメージが変わった」などの声が寄せられた。
本試食会はマスコミに取り上げられている。
・ 高齢者が集まるイベントへの協賛、試食会の実施。
・ 新聞、情報誌等へのサンプル提供、介護食が必要な方へのプレゼント企画の実施。
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● ホームページでの情報発信
・ 介護に不安を抱える介護者への情報提供、介護食品の選び方等を、ホームページの情報提供ページ「はじめて の
介護」で紹介。介護をされている方の連載コラム、訪問介護士の食事指導レポートなどで読み物として情報を得られ
る。
・ 介護食のレシピでは、商品を用いた家庭でも手軽に楽しめるアレンジレシピのほか、施設向けに「まとめるこeasy」
を用いたレシピコンテストの入賞作品など、本格的なレシピを掲載。
・ 通信販売サイトでは商品利用者の声も掲載し、「介護する方も助かる」、「簡単で美味しいのが良い」、「リハビリに
も使える」、「とてもやわらかくて味も本格的」など好評を得ている。一方で、「購入場所として、現在は通信販売で
購入しているが、スーパーやコンビニでも手軽に購入できたら便利である」という声もある。
(2013年4月より一般チャネル向け販売を強化)
● 冊子での情報発信
・ 医療・介護従事者向けの栄養ケアに関する旬な情報を発信する「BEQ NEWS」を発行。
・ 高齢者・介護者向けの季節に合わせた栄養情報(水分管理、低栄養、咀嚼機能等)紹介リーフレットを作成。
訪問看護師や調剤薬局薬剤師から高齢者への栄養情報提供ツールとして使用。
● 製品情報の提供、試食会
・ 医療・介護従事者向けのほか、病院・施設等からの依頼により、介護者、高齢者向けの情報提供、調理実習を実施。
● 医療・介護従事者向けセミナー・研究会の開催・共催、展示会への出展
・ 栄養管理や摂食嚥下機能回復、在宅での栄養ケア等をテーマとしたセミナーを開催。
● 日本介護食品協議会会員として共同での周知活動
・ イベント、展示会、広報活動、一般へのプレゼントキャンペーン、読売新聞の購読者向けサイト「yorimo」での
ユニバーサルデザインフードプレゼントキャンペーン(2013年6月~2014年1月)等、介護食品を販売する企業が協
力しての介護食品普及活動の実施。
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(4)㈱明治
明治の介護食シリーズ
●
体に大切な栄養を手軽においしく食べられる栄養食品と、何らかの理由で食事が摂りにくい方への
商品を開発し、多くの医療機関及び一般の方に提供。
・ 経口栄養食品 明治メイバランス
食事量が減った、食事が摂りにくいなど栄養が不足しがちな方々に、
病院・高齢者施設・在宅で手軽に利用できる製品。ドリンクタイプ、ムースタイプ、
ゼリータイプなど形態も様々。
・ レトルト食品 明治やわらか食
ユニバーサルデザインフード(UDF) 区分1~4商品
・ 物性調整食品トロメイク
飲み物や食べ物に加え混ぜるだけで、とろみをつける粉末食品。
低栄養に関する調査結果(㈱明治実施)
・ 実際に介護している、あるいは介護に関係している一般の方対象に実施した調査では、介護関係者です
ら低栄養という言葉を知らない、聞いたことがない人が約半数という結果。「低栄養」に関して内容や症状
など本当に分かっている人は8%のみという結果。
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認知度向上に向けた現在の取組
-低栄養に関する情報発信を主体として行っている-
● ホームページ・ツールでの情報発信
・ 「低栄養予防のお助けブック」・・・各在宅関連団体の協力を得て、無料で提供。一般の方から介護関係
者まで、低栄養を知ってもらうため、具体的アドバイスまでわかりやす
く幅広く紹介。様々な勉強会で利用されている。
・ 「ナイスディ通信」の提供・・・同社通販の利用者に対し、介護情報、レシピ情報など、介護に役立つ情報
を年4回発行。
・ 「栄養ケア倶楽部」・・・ホームページでの情報発信。栄養・商品情報など紹介。
等が閲覧。
● マスメディアへの情報発信
・ 新聞広告(全国紙、地方紙、業界紙等)、TV(BS)、 メディア取材対応により、情報を発信。
● 店頭での情報発信
・ 全国のドラッグストアに「明治メイバランスMini」等を導入。店頭ではリーフレットやUDFのボード等も作成し設置。
● イベントでの情報発信
・ 明治栄養フォーラムの開催(年1回(広く一般の方を対象)、年2回(医療関係者及び介護関係者を対象))
・ (一社)日本静脈経腸栄養学会、(一社)日本摂食・嚥下リハビリテーション学会など関連学会に企業展示、セミナー開催
・ 小売・一般消費者向けの展示会への出展(低栄養やUDFの紹介、試食会の実施)、 地域産業イベントなどへの参加
● 病院・高齢者施設への普及活動
栄養フォーラムの様子
・ 担当者が全国の病院・施設を訪問し、情報提供及び試食会を開催
・ 病院の自動販売機に「明治メイバランスMini」設置(限定病院)
● 全国の食育チームにおける食育活動
・ キッズ対応・・・キッズクッキングと出前授業。
・ シニア対応・・・シニアクッキング(乳製品や栄養食品を使用したメニューを紹介する料理教室)と
「高齢者の食事と栄養」をテーマに勉強会を実施。
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(参考2)介護の日における取組について
介護の日とは
○ 厚生労働省により平成20年に設けられた日。( 「いい日、いい日、毎日、あったか介護ありがとう」を念
頭に、「いい日、いい日」にかけた、覚えやすく、親しみやすい語呂合わせとした)
○ 介護について理解と認識を深め、介護従事者、介護サービス利用者及び介護家族を支援するとともに、
利用者、家族、介護従事者、それらを取り巻く地域社会における支え合いや交流を促進する観点から、
高齢者や障害者等に対する介護に関し、国民への啓発を重点的に実施するための日として11月11日を
介護の日とした。
-介護の日における活動内容-(主なもの)
○ 各自治体・関係団体によりイベントを実施。
・ 東京都福祉保健局
「介護のコト体験フェア~あなたの優しさで人がつながり社会を支える!~」と題し介護技術の実演やシン
ポジウム、公開座談会、福祉の仕事や介護の悩みなどに関する相談
・ 日本介護食品協議会
協議会ホームページを活用し、「11月11日の「介護の日」プレゼントキャンペーン」を実施。介護食品利用
者やその家族等を応募対象者に見込み、ユニバーサルデザインフードサンプルや小冊子「食べる力のサ
ポートブック」をプレゼント。また、会員企業の協力により、常温・冷凍ユニバーサルデザインフード商品をサ
ンプルセットとして抽選で100名分プレゼント(平成24年の応募総数:4,231名)。
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(参考3)現在流通している介護食品に関する規格・基準及び表示の状況(主なもの)


現在市場に流通している介護食品の主なものとして、日本介護食品協議会が自主規格として策定したユニバーサルデザインフード(UDF)、
イーエヌ大塚製薬㈱が「摂食回復支援食」として提供する「あいーと」、健康増進法第26条に基づく特別用途食品に属する「えん下困難者用食
品」があるが、各々の規格・基準(物性)に基づき製造され、表示がなされている状況。
「いわゆる介護食品」に関しての統一した基準はなく、自主規格等はあるものの、各社によって呼称や基準などが異なる状況。
ユニバーサルデザインフード
(UDF)
規格・基準
・「かたさ」(区分に応じ上限値を設定)
・「粘度」(区分に応じ下限値を設定)
区分数値及び区分形状を表示
(1)規格・基
(例:区分3「舌でつぶせる」)
準に関する
⇒具体的な規格・基準は、日本介護食品協
表示
議会のHP・パンフレット等で公開
摂食回復支援食 あいーと
・「硬さ」(上限値を設定)
・「付着性」(区分に応じ上限値を設定)
特別用途食品
・「硬さ」(区分に応じ適用範囲を設定)
・「付着性」(区分に応じ上限値を設定)
・「凝集性」(区分に応じ範囲を設定)
例)「許可基準区分 許可基準Ⅰ」
⇒具体的な規格・基準は、消費者庁HPに公開。(通知「特別用
「舌でくずせる軟らかさ」と表示
途食品の表示許可等について」(平成23年6月23日消食表第
⇒具体的な規格・基準は、イーエヌ大塚製薬 ㈱の
277号))
HP・パンフレット等で公開
⇒例)ニュートリー㈱プロッカZnピーチ
「許可表示:本品は、えん下困難者に適したゼリー食品です。」
表
特別用途食品は、健康増進法の規定に基づき、栄養成分量及
び熱量等を表示する義務がある。
(参照:健康増進法(平成14年法律第103号)第26条、健康増進法に規定する特
別用途表示の許可等に関する内閣府令(平成21年内閣府令第57号)第8条)
各企業の判断で表示
例)㈱明治 やわらか食ミネストローネ
(2)栄養に ・1袋(g)当たりの栄養成分表示
関する表示 ・「亜鉛2.2mg配合」(裏面で亜鉛の働き等を
説明)
必要的記載事項(通知)
・1製品(1皿(g))当たりの栄養成分表示
(HP上でも同様に公表)
示
(1)「えん下困難者用食品」の文字
(2)許可基準区分
(3)喫食の目安となる温度
(4)1包装当たりの重量
(5)1包装分が含む熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物及びナトリウム量の表示
(6)医師、歯科医師、管理栄養士等の相談指導を得て使用することが適当で
ある旨の表示
例)ニュートリー㈱ プロッカZnピーチ 1個当たりのエネルギー・
たんぱく質・脂質・炭水化物・ナトリウム・カルシウム・亜鉛等の
含有量を表示 (HP上でも同様に公表)
(3)安全性
・アレルギー表示
に関する表
(HP上でも同様に公表)
示
・アレルギー表示
(HP上でも同様に公表)
・アレルギー表示
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特別用途食品「えん下困難者用食品」
ユニバーサルデザインフード(UDF)
<日本介護食品協議会>
○ UDFは、日常の食事から介護食品として幅広く利用できる食べやすさに
配慮した食品で、協議会が制定した「かたさ」、「粘度」の規格に適合する
商品。
○ 商品のパッケージには、ロゴマークとともに区分数値、区分形状を表示。
○ 健康増進法第26条に基づく特別用途
食品に属する「えん下困難者用食品」は、
「えん下を容易ならしめ、かつ、誤えん及
び窒息を防ぐことを目的とするもの」と定
義される。
○ 規格基準として許可基準がⅠからⅢま
で示され、それぞれ「硬さ」、「付着性」、
「凝集性」を備える。
あいーと
<イーエヌ大塚製薬株式会社>
○ 独自技術の酵素均浸法(酵素均質浸透法)により、通常
の食事と見た目(形・色)、味、栄養素が変わらない食事を
実現。舌でくずせる軟らかさに仕上げた食品。
○ 通常の食事と比べるとおよそ1/100~1/1000の硬さに
調整。
硬さ応力
(N⁄㎡)
付着性
(J⁄㎥)
あいーとごはん
5分粥
全粥
常食ごはん
10,400
2,000
12,200
31,900
620
310
2,320
1,580
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介護食品の物性などに着目した「(一社)日本摂食・嚥下リハビリテーション学会」での取組(抜粋)

当学会において、①混乱している嚥下調整食について学会として統一名称を提案すること、②患者紹介時の情報伝達の混乱を可能な限り
少なくすること、③将来保険請求において嚥下調整食加算を目指すこと、を目的とし、「嚥下調整食学会分類2013」を発表。この分類は、「日
本摂食リハビリテーション学会嚥下調整食分類2013」の本文(概要・説明・Q&A)、「学会分類2013(食事)早見表」及び「学会分類2013(とろ
み)早見表」の3点からなる。
○ 「日本摂食リハビリテーション学会嚥下調整食分類2013」
の本文(概要・説明・Q&A) (省略)
○ 「学会分類2013(食事)早見表」
○ 「学会分類2013(とろみ)早見表」
段階1
薄いとろみ
段階2
中間のとろみ
段階3
濃いとろみ
英語表記
Mildly thick
Moderately thick
Extremely thick
性状の説明
(飲んだとき)
「drink」するという表現が
適切
口に入れると口腔内に広
がる
液体の種類・味や温度に
よっては,とろみがついて
いることがあまり気になら
ない場合もある
飲み込む際に大きな力を
要しない
ストローで容易に吸える
明らかにとろみがつい
明らかにとろみがある
ている
「drink」するという表現が
まとまりが良い
適切
送り込むのに力が必要
口腔内での動態はゆっくり
スプーンで「eat」すると
ですぐには広がらない
いう表現が適切なとろ
舌の上でまとめやすい
みの程度
ストローで吸うのは抵抗が
ストローで吸うことは困
ある
難
性状の説明
(見たとき)
スプーンを傾けるとすっと
流れおちる
フォークの歯の間から素
早く流れ落ちる
カップを傾け、流れ出た後
には、うっすらと跡が残る
程度の付着
スプーンを傾けても,形
スプーンを傾けるととろと
状がある程度保たれ,
ろと流れる
流れにくい
フォークの歯の間からゆっ
フォークの歯の間から
くりと流れ落ちる
流れでない
カップを傾け,流れ出た後
カップを傾けても流れ出
には,全体にコーテイング
ない(ゆっくりと塊となっ
したように付着
て落ちる)
粘度(mPa・s)
50-150
150-300
300-500
LST値(mm)
36-43
32-36
30-32
資料:(一社)日本摂食・嚥下リハビリテーション学会HPより。上記文については、学会HPからダウンロード可能。
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