第2号(平成26年4月4日) 【発行】 北秋田地域振興局農林部農業振興普及課 (電話0186-62-1835) 健苗育成で活着・初期生育を確保!! 1 育苗期間の管理 出芽後の温度管理は、その後の苗の生育や田植え時の苗質の善し悪しに大きく影響しま す。また、急激な温度変化は病害や生育障害の発生を助長するので、葉齢に合った適正な 温度管理に努めましょう。 【管理のポイント】※中苗の場合 32℃ 30℃ 育 苗 温 度 の 目 安 追肥1回目 (2葉期) 2 5℃ 2 0℃ 25℃ 1 0℃ 播種 温 度 か ん 水 上限 20℃ 適 温 5日 時 期 別 の 管 理 方 法 追肥2回目 (3葉期) 出芽揃 出芽まで30℃ 32℃以上に しない 播種時:床土 に十分にかん 水する 追 肥 10日 1葉期 7~8 ℃ 15日 20日 1.5葉 期 2葉期 25日 2.5葉 期 30日 3葉 期 下限 35日 3.5葉期 日中は20~25℃ 日中でも20℃以下 夜間もハウスを開放 天気の良い日はハウス ただし、低温に注意! 徐々に外気に慣らしていく を開放 1回の量は多く、かん水の回数は少なく! 床土が白乾したり、葉が巻い ・かん水は朝または午前中に行う てきたら夕方でもかん水する ・ある程度床土が乾いてからかん水する ・窒素成分で1箱当たり1g施用(1回目:2葉期、2回目:3葉期) ※育苗用ロング肥料を使用している場合や、葉色が濃い場合は省略します ○出芽長は、0.5cm程度を目標とします。伸ばしすぎると、その 後の葉数展開が遅れ、徒長気味の苗になるので注意しましょう。 ○出芽揃い後は、速やかに被覆資材を除去します。出芽後の再被 覆は、もみ枯細菌病等の発生を助長するため、行いません。 ○通気管理は通常1葉期頃から行い、1.5葉期以降は徐々に外気へ 慣らします。移植前1週間頃からは、低温日でない限り夜間もハウ スを開放して外気に当て、硬い苗に育てます。 ○かん水はなるべく早朝に行い、1回のかん水量を多く、回数を少なく します。後半は苗が大きくなり、乾きやすくなるので、床土が白く乾 いたり、葉が巻き始めた場合にはかん水します。 ○追肥は、窒素成分で箱当たり1g(2葉期と3葉期頃)施用し ます。追肥した後は、かん水して苗に付着した肥料を洗い流し ます。 - 1 - 2 いもち病の防除対策 いもち病の発生は、育苗施設からの発病・感染苗の本田への持ち込みが主要因です。 育苗施設内の稲わら・籾殻を撤去し、必ず育苗期防除を行うことで、いもち病の被害を未 然に防ぐことができます。 ○苗いもち防除(育苗期防除剤) 薬 剤 名 ベンレート水和剤 ビームゾル 嵐プリンス箱粒剤6 Dr.オリゼプリンスエース粒剤 処 理 時 期 希釈倍数・散布量 播種時~播種7日後頃 500倍 500ml/箱 (かん注) 1,000倍 1,000ml/箱 緑化始期 500倍 500ml/箱 (かん注) 床土混和または播種時(覆 10~15g/箱 土前)~1葉展開前 出芽後~1葉展開前 備考 葉いもち防除 を兼ねる 25~50g/箱 ※耐性菌対策のため、嵐剤の50g/箱処理は、採種ほのある地域や隣接する地域では使用しない。 ※タフブロックやエコホープDJ(生物農薬)を使用した場合は、種子消毒の効果が低下するため、嵐剤の床土混和・播 種時処理、ベンレート水和剤の播種時処理は行わない。 3 苗立枯病の防除対策 苗立枯病菌は数種あり、薬剤によって防除できる種類が違うので注意してください。 リゾープス菌 フザリウム菌 ピシウム菌 トリコデルマ菌 リゾクトニア菌 種籾層に 白い綿毛 のような カビ 根は短く、先端 は膨らんでいる 籾を中心 に白色~ 淡紅色の カビ 地際部にカビは 認められない 根も褐変 処理時期 播種前 ル 1000 水 和 ト 剤 500~ 400~ 4000倍 1000倍 希釈倍数・ 1000ml 1000倍 600倍 散布量(箱) 6~8g 4000倍 500ml 500ml 500ml 500ml 病原菌 リ ゾープス 菌 ○ フザリウム菌 ○ ピ シ ウ ム 菌 ○ トリコデルマ 菌 ○ ○ ベ ン レ 水 和 ト 剤 タ チ ガ レ エ ー M 液 剤 ダ コ レ ー ス ダ コ ニ ー 和 剤 タ チ ガ レ エ ー ス M 粉 剤 播種時 オ ラ 顆 ク 粒 ル 水 ー ー タ チ ガ 殺菌剤 レ エ 地際部が 褐色で水 浸状となっ ている ス かさぶた 状のカビ 500倍 500ml 500倍 1000倍 1000倍 1000ml 500ml 発生時期と発生要因 播 種 時 緑 一 化 時 週 二 週 三 週 四 週 五 週 500ml ○ 傷籾、厚播き、出芽時の高温、過湿、窒素の多用 ○ ○ ○ 高pH床土、低温、過湿と過乾燥の繰り返し ○ ○ 白色~淡褐色 の小さい菌核 根は短く数も 少ない 発芽後 バ リ 五 ダ M 液 日 シ 液 剤 前 ン 剤 5 クモの巣 状の菌糸 傷籾、高pH床土、低温、過湿 ○ 過乾燥、高温、汚染された育苗施設・資材の使用 リ ゾク ト ニア菌 ○ 白 絹 病 菌 ○ 厚播き、過繁茂、高温、過湿 畑作物関連土壌、高温、多湿 ○床土にタチガレエースM粉剤、および播種時にタチガレエースM液剤を使用しな かった時は、発芽後、発病前にタチガレエースM液剤をかん注します。 ○リゾープス菌に対しては、発芽後の効果的な薬剤がないので、ハウス内の高温や長 期間のべた張りに注意してください。 問い合わせはJA、または農業振興普及課まで ~次回発行は5月中旬予定~ - 2 -
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