防災減災ソリューションの新しい技術 (1)地層ズレに耐える 給水パイプライン 2015. 03. 17 (Tue.) 積水化学工業株式会社 中島 古史郎 ー 発表内容 ー 阪神淡路⼤震災からライフラインが変わった! 建物給水用ポリエチレン管とは 建物基礎貫通部の給水管耐震性確保 1 阪神淡路⼤震災から ライフラインが変わった! 2 阪神淡路⼤震災 被災直後復旧状況 復旧に時間を 要する『ガス・水』 3 低圧ガス導管へポリエチレン管採用 ガスは P E管化推進 4 ガス配管の耐震性向上策 〈例〉 大阪ガス(株)様 15年度:低圧導管のポリエチレン(PE)管化完了⾒込み 5 水道システムの概念図 6 サンフランシスコ(1906)の教訓 AWSS(1913) 予備給水システム: 水道本管を消火栓のみ と連結させ、常時高圧を 保ち、総延⻑116k mにわたり、市内の斜面 市街地をほぼカバーした、 斜⾯地に独⽴した消⽕ 専用の給水システム. 7 神⼾市水道の⼤容量送水管 8 水道配水用PE管の地震被害状況 発生年月 地震名 規模 布設 距離 被害 ① 1995年 1月 兵庫県南部地震 M7.2 ② 2000年10月 鳥取県西部地震 M7.3 ③ 2001年 3月 芸予地震 M6.4 ④ 2003年 5月 宮城県沖地震 M7.0 ⑤ 2003年 7月 宮城県北部地震 M6.2 10km なし ⑥ 2003年 9月 十勝沖地震 M8.0 3km なし ⑦ 2004年10月 新潟県中越地震 M6.8 22km なし ⑧ 2005年 3月 福岡県西方地震 M7.0 ⑨ 2007年 3月 能登半島地震 M6.9 1km なし ⑩ 2007年 7月 新潟県中越沖地震 M6.8 30km なし ⑪ 2008年 6月 岩手宮城内陸地震 M7.2 47km なし ⑫ 2011年 3月 東日本大震災 M9.0 58km※ なし 被害 ゼロ! :ポリエチレン管の 布設があったもの ※ 登⽶市、栗原市、⼤崎市敷設距離 9 東日本⼤震災の被害状況 配水用ポリエチレンパイプシステム協会 ⽔道管路被害調査報告(抜粋) 表中のWPEは 水道配水用ポリエチレン管を示す 一次調査 ⼤崎市・栗原・登⽶の三市のまとめ 被害件数 ACP CIP DIP PE二層管 WPE 鋼管 VP 他 合計 延⻑(km) 被害率(件/km) 88 28 63 15 123 60 868 477 0.717 0.466 0.073 0.031 0 59 0.000 35 268 12 509 54 2,156 6 3,803 0.653 0.124 1.941 0.134 10 建物給水用ポリエチレン管とは 11 建物給水の幅広い用途でPE管化 給水立て管 冷却水管 ピット/天井配管 冷水管 埋設給水管 免震継手 埋設消火配管 12 改修時などの互換性 建築設備用配管の標準外径体系と同様 管種 呼び径 20 25 30 40 50 75 100 JIS外径 塩ビライニング鋼管 ⾼密度PE管 管外径 近似内径 27.0 34.0 42.0 48.0 60.0 89.0 114.0 19.6 26.6 33.6 38.5 48.2 71.7 91.9 管厚 3.4 3.4 3.9 4.4 5.5 8.1 10.4 管外径 近似内径 27.2 18.6 34.0 24.6 42.7 32.7 48.6 38.6 60.5 49.9 89.1 76.7 114.3 101.3 管厚 4.3 4.7 5.0 5.0 5.3 6.2 6.5 塩ビ管 管外径 近似内径 26.0 20.0 32.0 25.0 38.0 31.0 48.0 40.0 60.0 51.0 89.0 77.0 114.0 100.0 管厚 2.7 3.1 3.1 3.6 4.1 5.5 6.6 13 最⼤の特⻑は耐震性 EF接合とは 管路が⼀体化 変位や曲げにも 万全の管路を形成 14 実⼤RC造4階建物での耐震実験 実大3次元振動破壊実験施設 Eディフェンス(⽂科省) <50A> RF 高性能ポリエチレン管φ50 高性能ポリエチレン管φ20 アングル+Uバンド 4F 高性能ポリエチレン管φ50 高性能ポリエチレン管φ20 3F アングル+Uバンド 高性能ポリエチレン管φ50 高性能ポリエチレン管φ20 阪神淡路⼤震災の地震波加震 ⇒⽴て管(呼び径50,100) 枝管(20)とも異常無し 2F JMA-Kobe 25%地震波終了後の試験体状況 (試験体に異常なし) 15 優れた耐食・耐久性 ・優れた耐食性 ・内圧1.0MPaで で ・内圧 50年の耐久性 年の耐久性 円周応力 高いクリープ特性 ・赤水の心配なし ・腐食土壌や海岸付近の 塩害地域でも腐食発生なし ・電気絶縁性にも優れ、鉄道 付近でも電食の心配なし 50年 50年 結晶密度・結晶同士の結合力を高めた 『 高性能ポリエチレンPE100 高性能ポリエチレンPE100 』を使用 16 建物基礎貫通部の給水管耐震性確保 17 建物給水配管を耐震化するには A 支持固定 表1の長さ以上確保 表1の長さ以上確保 ①水槽廻り配管 ⇒支持固定法で対応可 ②エキスパンション部 ⇒ベンド継手 ③ピット内 ⇒免震継手 ④基礎貫通部 ⇒耐震化の課題が未解決! 18 従来の地震による地層ズレ対策 従来配管の例 東⽇本⼤震災時の地盤沈下 ※建築設備耐震設計・ 施工指針(国交省監修) 150mm沈下 フレキシブルジョイント、 トレンチなどの耐震措置を 講じること SUS, VLP AW HIの破損事例 ゴム製フレキシブルジョイント等 管種変更場所になる可能性あり 19 地層ズレに耐える耐震配管キット開発 地震発生 UR都市機構様と の共同研究 20 耐震配管キットの評価 (独)土木研究所/土工実験設備 設置状況 サヤ管なし 貫通部で、 大きな変形 発生歪み15% >許容歪み10% 実 験 地盤を300mm沈下 沈下槽 NG サヤ管あり サヤ管内部 変位わずか 耐震キットの有効性を実証 OK 発生歪み8% <許容歪み10% 21 耐震配管キットを実用化 建物基礎貫通部耐震キット <構造> <特⻑> 耐震性・耐久性 ●許容地盤変動量300mm ●オール樹脂⼀体管路を構築 22 ご清聴有難うございました
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