哺乳動物 IgG のシアル酸分析(NeuAc, NeuGc) GlyScope シアル酸分析キット ABEE Labeling Kit Plus S シアル酸は、ほとんどの糖タンパク質糖鎖の末端(非還元末端)に結合し、細胞間の接着、分 化や炎症、癌化などに関与する重要な糖として知られています。 今回はシアル酸 2 種(NeuAc と NeuGc)の簡便な分析をご紹介します。 ◇実験 GlyScope シアル酸分析キット ABEE Labeling Kit Plus S を用い、さまざまな哺乳動物の IgG から シアル酸のみを遊離し、ABEE 標識化後 HPLC で分析しました。 *ABEE:Aminobenzoic ethylester (4-アミノ安息香酸エチルエステル) ◇結果 NeuGc NeuAc ブタ ウサギ ウシ ヤギ ヒツジ カラム 移動相 A 移動相 B プログラム Honenpak C18 (4. 6mm×75mm ) 0.2M ホウ酸カリウム/アセトニトリル (93/7) pH8.9 0.02% トリフルオロ酢酸/アセトニトリル (50/50) 0→50min. (B Conc.0%) 50→55min. (B Conc.100%) 55→75min. (B Conc.0%) 1mL/min 30℃ Fluorescence (Ex.305nm Em.360nm) 10μL 流速 カラム温度 検出 注入量 ヒト 図 哺乳動物 IgG のシアル酸分析 溶出時間(分) 表 2 種のシアル酸(NeuAc と NeuGc)の有無と文献情報との比較 動物 ブタ ウサギ ウシ ヤギ ヒツジ ヒト 分析結果 NeuGc NeuAc ○あり ×なし ○あり ○あり ○あり ×なし ○あり ×なし ○あり ×なし ×なし ○あり 文献情報** NeuGc NeuAc N.D. N.D. ○あり ○あり ○あり ×なし ○あり ×なし ○あり ×なし ×なし ○あり ** Raju TS, Briggs JB, Borge SM, Jones AJ., Glycobiology., (2000),10, 477 N.D.:No Data 動物種ごとに検出されたシアル酸の種類は異なり、ヒトでは N-アセチルノイラミン酸(NeuAc) のみ検出されました。 簡単な操作でシアル酸の種類を分析することができます。
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