情報通信審議会 情報通信技術分科会(第108回)

情報通信審議会 情報通信技術分科会(第108回)
議
1
開
事
日
時:平成27年4月28日(火)
場
14:00~
所:第1特別会議室(8階)
次
第
会
2 議 題
(1)答申事項
「小電力の無線システムの高度化に必要な技術的条件」のうち「76GHz帯
小電力ミリ波レーダーの高度化に関する技術的条件」について
【平成14年9月30日付け諮問第2009号】
(2)報告事項
国立研究開発法人情報通信研究機構への移行等について
3
閉
会
<
配
付
資
料
>
資料108-1-1 陸上無線通信委員会報告 概要
資料108-1-2 陸上無線通信委員会報告
資料108-1-3 答申書(案)
資料108-2
国立研究開発法人情報通信研究機構への移行等について
※審議中継でダウンロードできる資料は、下線のもののみとなっております。
傍聴席
高
基
橋
盤
局
総
務
課
長
総 吉
合 良
通
信
基
盤
局
長
石
戸
委
員
安
藤
委
員
相
田
委
員
相
澤
委
員
近藤委員
速記
情報通信技術分科会(第108回) 座席表
伊東
分科会長
日時: 平成27年4月28日(火) 14:00~
蒲生
管理室長
鈴木
分科会長代理
場所: 総務省第1特別会議室(8階)
知野委員
シ
ス
テ
ム
推
進
室
長
操作卓
森
下
新
世
代
移
動
通
信
技 野
術 崎
政
策
課
長
総 武
括 井
審
議
官
根
本
委
員
前
田
委
員
水
嶋
委
員
森
川
委
員
三
瓶
委
員
事務局
関
係
者
関
係
者
関
係
者
関
係
者
関
係
者
関
係
者
ッ
関
係
者
ッ
関
係
者
ッ
関
係
者
ッ
出入口
関
係
者
ッ
関
係
者
ネ
ネ
ネ
ネ
ネ
ト
業
者
ト
業
者
ト
業
者
ト
業
者
ト
業
者
資料108-1-1
情報通信審議会
情報通信技術分科会
陸上無線通信委員会報告
概 要 版
「小電力の無線システムの高度化に必要な技術的条件」のうち
「76GHz帯小電力ミリ波レーダーの高度化に関する技術的条件」について
平成27年4月28日
陸上無線通信委員会
委員会、作業班における検討状況
陸上無線通信委員会
76GHz帯小電力ミリ波レーダー高度化作業班
第12回(平成26年6月6日)
第1回(平成26年7月16日)
作業班の運営方針、検討事項及びスケジュールについて検討を
行い、委員会の下に作業班を設置することとした。
作業班の運営方針及び今後の検討の進め方について検討を
行った。
76GHz帯小電力ミリ波レーダー高度化の概要及び諸外国の状
況等について関係者から説明され、議論を行った。
第16回(平成26年12月9日)
第2回(平成26年11月20日)
委員会報告(案)について検討。
第18回(平成27年3月6日)
第16回委員会会合での議論を踏まえ、委員会
報告(案)の一部修正について検討。
他の無線システムとの共用について関係者から報告され、議
論を行った。
第3回(平成26年12月1日)
陸上無線通信委員会報告案について報告され、議論を行った。
第20回(平成27年4月23日)
報告(案)に対する意見募集の結果及び意見に対する委員会の考
え方について検討し、報告を取りまとめた。
1
目
次
検討概要
第1章 検討の背景
第2章 76GHz帯小電力ミリ波レーダーの高度化
第3章 他の無線システムとの共存に関する検討
第4章 76GHz帯ミリ波レーダーの高度化に関する技術的条件
第5章 今後の検討課題
別表
陸上無線通信委員会 構成員名簿
76GHz帯小電力ミリ波レーダー高度化作業班 構成員名簿
2
第1章
検討の背景等
76GHz帯(76-77GHz)による小電力ミリ波レーダーは、1996年以降、欧米で標準化され、車載レーダーとして国際的
に利用されてきた。我が国では平成9年(1997年)の電気通信技術審議会答申を受けて制度化され、高速道路での
追従走行(ACC)や追突防止等のための自動車レーダー等に広く使われている。
電気通信技術審議会答申(技術的条件)では、占有周波数帯幅を「1GHz」としていたが、制度化に際しては同帯域
幅を「500MHz」と規定(当時のミリ波帯の発振器の周波数安定度が低かったことを考慮した模様)しており、関係メー
カーでは同規定に合わせて製品化し、自動車への搭載、実用化を推進してきた。一方、欧米では制度上は1GHz幅
まで許容されているが、用途が主にACC(100~200m先の先行車を検知)であり、あまり高い距離分解能を要しなかっ
たこともあり、これまで500MHz幅以下で製品化されてきたところである。しかし、欧米の自動車メーカーでは、76GHz
帯レーダーによる追突防止(自動ブレーキ)機能等の高度化を図るため、500MHz~1GHz幅を用いる同レーダーを
製品化する動きがあり、我が国の占有周波数帯幅の1GHzへの拡大の検討が必要となっている。
76GHz帯小電力ミリ波レーダーに係る技術基準
周波数
指定周波数帯
空中線電力
空中線電力の許容誤差
空中線利得
周波数の許容偏差
占有周波数帯幅の許容値
帯域外領域(74.5~76.0GHz及び77.0~78.5GHz)に
おけるスプリアス発射の強度の許容値※
スプリアス領域(~74.5GHz及び78.5GHz~)
における不要発射の強度の許容値※
※ 参照帯域幅は1MHz。
76.5 GHz
76.0 - 77.0 GHz
0.01W以下
上限:50%、下限:70%
40dBi以下
76.0 - 77.0 GHz
500MHz
500MHz以下
100 μW以下
50 μW以下
77GHz
76GHz
1GHz以下
76GHz
77GHz
3
各国の76GHz帯レーダーの制度化状況
諸外国においては、米国で1996年、欧州で1998年に76GHz帯レーダーが制度化され、1997年に制度化
された我が国も含めて、76GHz帯レーダーが長距離(200m超)車載レーダーの国際標準となっている。
世界の多くの国々で、1GHz幅の占有周波数帯幅の使用が認められており、より高度な先進運転支援シス
テムの実現のために76GHz帯レーダーの使用が可能な状況となっている。
Japan
500MHz OBW only
日本を除く緑色の地域では1GHz幅の占有周波数帯幅が使用可能
情報提供: 独ダイムラー社
4
第2章
76GHz帯小電力ミリ波レーダーの高度化
今回の検討対象等
本検討は、76GHz帯小電力レーダーについて、諸外国では1GHz幅の電波発射が許容されている
状況に比べて、我が国の技術基準における占有周波数帯幅の制限値が500MHzと規定されており、
我が国での同レーダーの製品開発、展開の制約となっている状況を踏まえ、当該規定を国際的に標
準となっている1GHzに変更することの可否に関する検討を行うものである。
したがって、今回は、この占有周波数帯幅の変更(500MHz幅から1GHz幅への拡張)と、同変更によ
る他の無線システムとの周波数共用・共存関係への影響について検討することとする。
検討の妥当性
本検討は76GHz帯小電力レーダーの占有周波数帯幅を500MHz幅から1GHz幅に変更することを検
討するものであるが、前述のとおり、同レーダーの導入にあたっての平成9年(1997年)の電気通信技
術審議会答申(技術的条件)ではもともと占有周波数帯幅を「1GHz」としていた。当時はミリ波帯の発
振器の周波数安定度が低かったことを考慮して制度化に際して、76GHzから77GHzの1GHz幅を当該
特定小電力無線局の指定周波数帯とする一方で、占有周波数帯幅は「500MHz」と規定していたもの
であるが、現在ではミリ波帯においても十分な周波数安定度が得られるようになっており、現時点にお
いて同レーダーの占有周波数帯幅の変更(500MHz幅から1GHz幅への拡張)について検討すること
は十分な妥当性があるものと考えられる。
5
第3章 他の無線システムとの共存に関する検討
現時点で、76GHz帯小電力レーダーと同一周波数帯及び隣接周波数帯における導入済みの
他の無線システムとしては、能動業務として固定業務である80GHz帯高速無線伝送システムが
存在しており、また、受動業務では同一周波数帯を含む帯域に電波天文業務が一次業務として
割り当てられている状況である。
6
検討の前提条件
76GHz帯小電力レーダーと、その後に同一周波数帯を含む帯域に一次業務として割
り当てられた電波天文業務、また、隣接周波数帯に導入された80GHz帯高速無線伝
送システムは、それぞれの制度整備の際に、必要に応じて技術検討を行った上で、実
運用上、周波数の共用・共存が可能との整理がなされて、それぞれ導入されてきたも
のであり、それを前提に各システムの導入、普及展開の取組が進められてきたところ
である。(76GHz帯小電力レーダーは、高速道路での追従走行や追突防止等の運転
支援機能における主要技術として普及が進んでいる。)
このような経緯等を踏まえ、本検討では、76GHz帯小電力レーダーの技術基準におい
て今回変更される要素、つまり占有周波数帯幅の拡張が、他の無線システム(電波天
文業務及び80GHz帯高速無線伝送システム)との共用・共存関係にどのように影響す
るかについて検討を行うものとする。
7
高度化による帯域内の与干渉
電波天文業務との共用検討(与干渉)
帯域内においては、占有周波数帯幅が500MHzから1GHzに拡大してもレーダーから発射される総電力(空中線電力
0.01W 以下)は変わらない為、レーダーからの1MHz当りの与干渉電力は半分になる。つまり、干渉の影響を軽減す
る方向に作用する。レーダーから発射される総電力の最大値(空中線電力 0.01W)の99%(9.9mW)が500MHzの占有
周波数帯幅に一様に分散していると仮定すると、1MHz当りの与干渉電力(平均電力密度)は3dB低減する。
国立天文台から提示された観測周波数76.3057269GHzの電波天文観測への影響についても、現行の技術基準であ
る500MHz の占有周波数帯幅の許容値においても指定周波数帯(76.0 ~ 77.0 GHz)の1GHz の範囲で500MHz幅を
自由に設定することができることから、干渉の影響が増加することはないと言える。
500MHz幅の場合
の与干渉電力
76.0GHz
76.5GHz
76.3057269GHz
1GHz幅の場合の与干渉電力
77.0GHz
76.0GHz
76.5GHz
76.3057269GHz
77.0GHz
8
高度化による帯域外の与干渉
80GHz帯高速無線伝送システムとの共用検討(与干渉)
76GHz帯レーダーの現行の技術基準において帯域外の不要発射の強度の許容値は、無線設備規則(昭和二十五年
十一月三十日電波監理委員会規則第十八号)別表第三号(第7条関係)に定められており、これらの値は960MHzを
超える10W以下の無線設備に適用されている。
帯域外領域における
スプリアス発射の強度の許容値
100 μW以下
スプリアス領域における
不要発射の強度の許容値
50 μW以下
※ 参照帯域幅は1MHz。
帯域外領域は、指定周波数帯(76.0-77.0GHz)により決まるものであり、 76GHz帯レーダーの場合以下のとおりである。
74.5 GHz以上76.0 GHz未満 および 77.0 GHz超 78.5 GHz以下
ここで、本検討で対象としている占有周波数帯幅の変更(500MHz幅から1GHz幅への拡張)を行ったとしても、指定
周波数帯は変わらないため帯域外領域に変更はなく、また帯域外の不要発射の強度の許容値も変更しないことから、
帯域外の与干渉に関する条件は変わらず、したがって干渉の影響が増加することはないと言える。
なお、占有周波数帯幅が500MHzから1GHzに拡大してもレーダーから発射される総電力(空中線電力 0.01W 以下)
は変わらない為、99%の電力範囲の定義から算出される不要発射の電力の最大値(片側0.5%=0.05mW)も変化しない。
99%
99%
0.5%
500MHz
0.5%
0.5%
平均電力密度の比較(概念図)
1000MHz
0.5%
9
高度化による帯域外からの被干渉
80GHz帯高速無線伝送システムとの共用検討(被干渉)
80GHz帯高速無線伝送システム作業班においては、80GHz帯高速無線伝送システムから
76GHz帯レーダーへの干渉は特段問題にならないとの結論が出ている。
その80GHz 帯高速無 線伝送シス テム作業班における 検討では、76.25~76.75GHzの
500MHzの占有周波数帯幅の76GHz帯レーダーを想定して検討された。ここで、76.00~
77.00GHzの1GHzの占有周波数帯幅で計算すると干渉量は2dB程度増加するが、80GHz帯
高速無線伝送システム側の3dB程度の製造マージンによる干渉低減があることから、占有
周波数帯幅の1GHz化を行っても76GHz帯レーダーへの干渉は特段問題にならないと考えら
れる。
10
第4章
76GHz帯ミリ波レーダーの高度化に関する技術的条件
現行の技術基準のうち、占有周波数帯幅を下記の通り修正する。
• 占有周波数帯幅の許容値
1GHzであること。
11
第5章
今後の課題
検討の過程において、作業班構成員より、帯域外領域におけるスプリアス発射の強度の許容
値及びスプリアス領域における不要発射の強度の許容値においても、国際標準(ITU-R
M.2057 Table1 RadarA)に合わせる見直しをすべきであり、類似の検討を陸上無線通信委員会
80GHz帯高速無線伝送システム作業班で実施した検討が参考になる、との指摘があった。
この点については、現状より規制強化につながる方向での変更となること、経過措置の必要性
等の検討も含め、既に出荷されている無線機への影響について慎重に検討した上で対応する
必要があることなどから、必要に応じて関係企業・利用者のニーズ等を踏まえた上で、今後、
必要な検討を実施する必要がある。
12
陸上無線通信委員会 構成員一覧
氏
名
【主査】安藤
現
真
【主査代理】矢野
東京工業大学
博之
職
備
理事・副学長(研究担当)産学連携推進本部長
国立研究開発法人
情報通信研究機構 ワイヤレスネットワーク研究所 所長
飯塚
留美
(一財)マルチメディア振興センター 電波利用調査部 研究主幹
伊藤
数子
特定非営利活動法人STAND
大寺
廣幸
(一社)日本民間放送連盟 常勤顧問
小笠原
守
考
代表理事
日本電信電話(株) 技術企画部門 電波室長
加治佐 俊一
日本マイクロソフト(株) 兼マイクロソフトディベロップメント(株)技術顧問
唐沢
好男
電気通信大学大学院
川嶋
弘尚
慶應義塾大学 名誉教授
菊井
勉
(一社)全国陸上無線協会 常務理事・事務局長
河野
隆二
横浜国立大学大学院 工学研究院 教授 兼 同大学未来情報通信医療社会基盤センター長
小林
久美子
日本無線(株) 研究所 ネットワークフロンティア チームリーダ
斉藤
知弘
日本放送協会
玉眞
博義
(一社)日本アマチュア無線連盟 専務理事
第17回から
藤原
功三
(一社)日本アマチュア無線連盟 参与
第16回まで
本多
美雄
欧州ビジネス協会 電気通信機器委員会 委員長
松尾
綾子
(株)東芝 研究開発センター 研究主務
三谷
政昭
東京電機大学
森川
博之
東京大学 先端科学技術研究センター 教授
矢野
由紀子
日本電気(株) クラウドシステム研究所 シニアエキスパート
若尾
正義
元
情報理工学研究科
放送技術研究所
教授
第16回まで
伝送システム研究部長
工学部情報通信工学科
教授
第17回から
(一社)電波産業会 専務理事
(敬称略、主査以外は五十音順。平成27年4月1日現在)
13
76GHz帯小電力ミリ波レーダー高度化作業班
氏
名
現
構成員一覧
職
【主任】矢野 博之
(独)情報通信研究機構 ワイヤレスネットワーク研究所長
【主任代理】高田 潤一
東京工業大学 大学院理工学研究科 教授
青木
豊
(株)デンソー 研究開発3部 センシングシステム開発室
開発3課 担当課長
青栁
靖
古河電気工業(株)研究開発本部 コア技術融合研究所 高周波エレクトロニクス技術センター
明山
哲
(一社)日本アマチュア無線連盟 マイクロ波委員会 委員長
太田
貴志
日本自動車輸入組合
大橋
洋二
(株)富士通研究所 ネットワークシステム研究所
小竹
信幸
(一財)テレコムエンジニアリングセンター 企画・技術部門 技術グループ 担当部長
柿原
正樹
(一社)日本自動車工業会
河野
隆宏
(独)宇宙航空研究開発機構
齋藤
正雄
国立天文台 野辺山宇宙電波観測所長
先端ワイヤレス研究部
ITS技術部会 委員
周波数管理室 室長
新行内 誠仁
(株)本田技術研究所 四輪R&Dセンター 第12技術開発室 第2ブロック
瀬川
(一社)電波産業会 研究開発本部ITSグループ
倉三
主管研究員
主任研究員
担当部長
高田 仁
(一社)日本民間放送連盟
企画部 主幹
中澤 進
日本放送協会 伝送システム研究部 専研
廣瀬
敏之
コンティネンタルオートモーティブ(株) ビジネスユニットADAS
藤本
浩
日産自動車(株) 第一電子技術開発本部
藤本
芳宣
日本電気(株)モバイルワイヤレスソリューション事業部 テクニカルアドバイザ
細川
均
ボッシュ(株) テクニカルセンター長 ゼネラルマネージャー
RFマスタースペシャリスト
IT&ITS開発部 ITS開発グループ
南 義明
トヨタ自動車(株)制御システム先行開発部 第2制御システム先行開発室 主任
山田
雅也
住友電気工業(株)
吉富
貞幸
(株)東芝 セミコンダクター&ストレージ社
インフォコミュニケーション・社会システム研究開発センター
(敬称略、主任以外は五十音順。平成26年12月時点) 14
資料 108-2
国立研究開発法人情報通信研究機構への
移行等について
平成27年4月28日
情報通信国際戦略局
技 術 政 策 課
独立行政法人制度の見直し(4月1日~)
独立行政法人について、国民に対する説明責任を果たしつつ、政策実施機能を最大限発揮できるよ
うにするため、平成26年6月、独立行政法人通則法の一部を改正する法律が成立し、平成27年4月1日
から施行された。
制 度 改 正 の概 要
(1)業務の特性を踏まえた法人の分類
○ 全法人に対して一律に同じ規定を適用している現行制度を見直し、業務の特性に対応
した法人のマネジメントを行うため、三つに分類(中期目標管理法人、
国立研究開発法人、 行政執行法人)
(2)PDCAサイクルが機能する仕組みの構築
○ 主務大臣の下での政策のPDCA(注)サイクルを強化し、目標・評価の一貫性・実効性
を向上
注:PDCA:P(Plan:目標、計画)→D(Do:実施)→C(Check:評価)→A(Action:改善)
(3)法人の内外から業務運営を改善する仕組みの導入
○ 法人の内外から業務運営を改善し得るよう、法人内部のガバナンスを強化するほか、
主務大臣による是正措置を整備
1
総務省所管の研究開発を行う独立行政法人の見直し
総 務 省 所 管 の国立研 究開発 法人
■ 総務省所管の「独立行政法人情報通信研究機構」(NICT)及び「独立行政法人宇宙航空研
究開発機構」(JAXA)については、公益に資する研究開発を主要な業務とし、研究開発の最
大限の成果の確保を目的とする「国立研究開発法人」に分類。
本年4月1日より、「国立研究開発法人情報通信研究機構」及び「国立研究開発法人宇宙
航空研究開発機構」に移行。
■ 国立研究開発法人については、長期性、不確実性、予見不可能性、専門性が高いという研
究開発業務の特性を踏まえつつ、研究開発の最大限の成果を確保するため、下記の目標管
理の規律を適用
 目標期間は5年~7年の範囲内とし、名称を「中長期目標」とする
 これまで独立行政法人評価委員会が行っていた法人の業績評価を、総務大臣が自ら評
価することとなるが、高い専門性を必要とする国立研究開発法人については、科学的知見
等に基づく専門的な意見を聴取するため、研究開発に関する審議会(総務省国立研究開発
法人審議会)を設置。
■ なお、NICTの次期中長期目標期間は平成28年度からであり、中長期目標を平成27年度
中に総務大臣が策定し、指示する必要(JAXAの次期中長期目標期間は、平成30年度か
ら。)
2
国立研究開発法人の評価の見直し
今後の評価
現行の評価
(平成27年4月1日~)
政策評価・独立行政
法人評価委員会
独立行政法人
評価制度委員会
点検
二次評価
各省独法評価委員会
自己評価等
(各事業年度業績、
中期目標期間業績)
独立行政法人
主務大臣
一次評価
主務大臣
の下での
PDCAを
強化
意見
研究開発を行う独法を所
管する省に専門の 審議
会を新設
国立研究開発法人
審議会
自己評価等
(各事業年度業績、
中長期目標期間見込業績(※)、
中長期目標期間業績)
評価
独立行政法人
(国立研究開発法人)
(※) 通則法改正により新たに開始。中長期目標期間が5年の場合は4年目の年度終了後に実施。
3
総務省国立研究開発法人審議会 概要
業務:研究開発の事業について、①各事業年度等の業績評価、②中長期目標の策定、③中長期目標期間終了
時の当該法人の業務及び組織の全般に係る検討等に関して、主務大臣に対して意見を述べること。
会長:酒井善則 放送大学特任教授、会長代理:梅比良正弘 茨城大学工学部教授
情報通信研究機構部会
委員
黒田道子
専門委員
東京工科大学名誉教授
宇宙航空研究開発機構部会
◎梅比良正弘
◎酒井善則
放送大学特任教授
○三谷政昭
東京電機大学工学部教授
○水野秀樹
大場みち子
公立はこだて未来大学
システム情報科学部教授
入澤雄太
監査法人アヴァンティア
パートナー
大森隆司
玉川大学工学部教授
生越由美
東京理科大学専門職大学院教授
尾辻泰一
東北大学電気通信研究所教授
小林英雄
三重大学大学院工学研究科教授
小野武美
東京経済大学経営学部教授
末松憲治
東北大学電気通信研究所教授
藤井良一
名古屋大学太陽地球環境研究所
教授
中須賀真一
東京大学大学院工学系研究科
教授
村瀬淳
日本電信電話(株)
先端技術総合研究所所長
藤野義之
東洋大学理工学部教授
山崎克之
長岡技術科学大学工学部教授
藤本正代
富士ゼロックス(株)パートナー
若林和子
みなと公認会計士事務所代表
矢入郁子
上智大学理工学部准教授
◎:部会長、○:部会長代理
知野恵子
茨城大学工学部教授
読売新聞東京本社編集委員
東海大学工学部教授
4
現在の中期目標・計画におけるNICTの研究開発領域
参考1
●国立研究開発法人 情報通信研究機構 (NICT) はICT分野を専門とする我が国唯一の公的研究機関
●役職員数:理事長 坂内正夫 (前国立情報学研究所所長)、理事5名、監事2名、常勤職員404名
●平成27年度予算:274億円 所在地:小金井市 (本部)、横須賀市、神戸市、京都府精華町 (けいはんな) 等
Ⅱ.ユニバーサルコミュニケーション基盤技術
Ⅰ.ネットワーク基盤技術
情報量の増大、消費電力の低減等の要請に応える
安心・安全なネットワークを実現する
様々な壁を超えて人に優しい
コミュニケーションを実現する
早晨好!
オール光
ネットワーク
좋은 아침!
多言語
翻訳
サイバー攻撃
の解析
超臨場感
通信
おはよう
Selamat pagi!
光通信、ワイヤレス通信、ネットワークセキュリティなどの技術の研究開発を
進めることにより、環境負荷を低減し、大容量で高度な信頼性・安全性を備え
た新世代ネットワークの実現を目指す。
Ⅲ .未来ICT基盤技術
Ⅳ .電磁波センシング基盤技術
未来の情報通信にパラダイムシフトをもたらす
脳情報
通信
多言語翻訳、超臨場感通信などの技術の研究開発を進めることにより、
言葉の壁を越えたコミュニケーションや高度な臨場感を伴う遠隔医療など、
人と社会にやさしいシステムの実現を目指す。
量子通信
のための
光子検出器
脳・バイオICT、ナノICT、量子ICT、超高周波ICTなどの技術の研究開発を進める
ことにより、未来の情報通信にパラダイムシフトをもたらす新たな情報通信概念
と技術の創出を目指す。
高精度な環境情報や時刻情報を
容易に安全に利用できるようにする
航空機搭載
合成開口
レーダーに
よる火口の
観測
フェーズドアレイ
気象レーダーに
よるゲリラ豪雨の
観測
時空標準、電磁環境、電磁波センシングなどの技術の研究開発を進めること
により、災害や気候変動要因等を高精度にセンシングする技術、電磁波を安
全に利用するための計測技術等の利用促進を目指す。
5
現在の中期目標・計画におけるJAXAの研究開発領域(総務省関連)
参考2
●国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は我が国宇宙開発利用に関する研究開発の中核機関
●役職員数:理事長 奥村直樹(元総合科学技術会議議員)、副理事長1名、理事7名、監事2名
職員数1,524名
●平成27年度予算額:1,541億円
●所在地:調布(本社)、神田駿河台(東京事務所)、筑波、相模原、種子島他
Ⅰ.通信・放送衛星
Ⅱ.リモートセンシング衛星
災害時や孤立地域における通信手段の確保
気候変動の監視や大規模災害への対策
きずな
(WINDS)
きく8号
(ETS-Ⅷ)
大型展開アンテナを搭載し、超
小型携帯端末を用いた移動体衛
星通信を実現。
デバイド解消や衛星高度化等に必要な
超高速インターネット通信技術を確立。
東日本大震災で有効性を確認。
Ⅲ.測位衛星
GPM/DPR
気候変動・水循環変動の解明のた
め、雨雪等の高精度・高頻度観測
を実施。
EarthCARE/CPR
大気中のエアロゾル等の観測によ
る気候変動予測等に貢献。
Ⅳ.データ中継衛星
高精度測位を実現す
るための時刻管理技
術
リアルタイム超大容量通信の実現
みちびき
次世代衛星測位システムの基盤技術の確立に向けた
軌道上実験のため、NICTの標準時技術を基にした高
精度時刻管理技術を提供。
光
DRTS
観測衛星
数ギガビット級の観測衛星等とのリアルタイ
ム通信を実現するための衛星間光通信技術
を確立。
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