PowerPoint プレゼンテーション

背景
•
1)
化学療法管理の発達で外来通院で化学療法を受けることが一般的となってきている
• 離島患者もその例外ではない
• 離島患者は中核病院へのアクセスが制限され緊急時は離島診療所で対応することもある
• これまで離島診療所と中核病院間で悪性腫瘍患者に関する情報提供は行われてこなかった
大原診療所
• 医療スタッフは医師1人、看護師1人のみ
• 人口890人、観光客25万人/年、1日外来平均15人
• 入院施設のある石垣島まで民間高速船で約40分
• 緊急時は海上保安庁にヘリ搬送を依頼
• 医師はプライマリケア領域を中心に研修
• 設備:エコー、レントゲン撮影装置、心電図、
簡易血液検査(iSTAT)、モニター、除細動器
化学療法患者情報シート
化学療法患者情報シート
患者名
住所
年齢
診断名
レジメン名:
性別
診療科
病期(ステージ)
主治医
• 化学療法は中核病院で実施
使用薬剤:
これまでの治療や副作用出現の有無などの簡単な経過
転移
支持療法:
告知
○ あり
告知内容
告知の捉え方
看護目標:
○ なし
再発
○ あり
副作用
○ なし
出現状況
アセスメント
計画
• がん化学療法看護認定看護師が
記載
治療経過
治療の目的
レジメン名
療法: 投 休 (day 実施し、 週間休薬する)
投与経路
○末梢 ○ポート
治療日記:○あり○なし
• 項目は化学療法の種類に関わらず
同一のシートを使用し適宜内容や
副作用の記載項目は変更している
骨髄抑制
血管アセスメント
PS(全身症状)
:
ADL
○独歩
○杖歩行
○車いす
排泄
○独歩
○車いす
○ポータブル
治療場所
○ 外来
○ 入院 ( 病棟 )
通院方法
○ 車
○自転車
○ 徒歩
○その他
悪心嘔吐
• 診療に関する情報のみならず周囲
の環境や社会支援の有無などにも
言及されている
○公共機関
同居
家族背景
来院時の
付添い
末梢神経
障害
他
アレルギー
○ なし
○ あり 既往歴
○ なし
○ あり 痛み止めの使用
○ なし
○ あり 身内のがん患者
○ なし
○ あり □父 □母 □子供 □祖父 □祖母 □兄弟 □他 身内の抗がん剤経験
○ なし
○ あり □父 □母 □子供 □祖父 □祖母 □兄弟 □他 治療日記:○あり○なし
ケモ に対するイメージ
• 情報提供に関し患者さんの許可の
もと作成
味覚障害
1番の不安
ケモ後の副作用
身体的苦痛
精神的苦痛
• 基本的には医師の情報提供書の
補足であり「患者情報シート」と「看
護サマリー」としての情報提供
口内炎
社会的苦痛
霊的苦痛
本人の希望や目標
下痢・便秘
家族の希望や目標
職業
趣味
介護保険
ケアマネージャー
○ なし ○ 手続き中 ○ あり ( □要介護: 級 □要支援: 級 )
(
) ☎:
訪問看護
○ なし ○ 手続き中 ○ あり (
訪問診療
○ なし ○ あり 限度額認定証
• 化学療法がおこなわれない症例は
記載されない
倦怠感
) ☎:
○ なし ○ 手続き中 ○ あり 爪障害
生命保険・がん保険 ○ なし ○ あり 看護サマリー例
実際の事例と対応
癌腫
事例1
81歳男性
肺癌
胸水貯留
化学療法
なし
事例2
胃癌
DTX療法
77歳女性 後腹膜浸潤
事例3
直腸癌
FOLFOX療法
52歳男性
事例4
67歳男性
直腸癌
腹膜播種
FOLFOX療法
イベント・問題点
対応・経過
食思不振で受診された際に肺癌であることが発覚したがすでに
1年前に肺癌と診断
胸水貯留著明でterminal careを行った。
診療所には連絡なし
徐々に体動困難となり離島で提供できる医療やサービスのみで
食思不振と倦怠感で受診
は対応できなくなったため搬送。1週間後に永眠された。
経過中にFNを発症
頻回に嘔気で受診
小腸破裂
癌性疼痛
独居で身寄りなし
抗緑膿菌作用のある抗生物質をあらかじめ準備しており、夜間
は抗生剤投与で経過観察し翌日搬送した。
診療所で制吐剤投与を行いながら、主治医にも報告し化学療
法時の制吐剤について再検討をお願いした。
情報提供書のやり取りだけでなくweb会議も行いながら
supportive careを行った。離島診療所には麻薬の取り扱いがな
く、中核病院で処方。離島で最期をという希望はあるが独居で
介護サービスにも限界があり状態悪化時は搬送となる予定。
まとめ
• 離島にも在宅化学療法患者が存在する
• 離島の医療資源には限界があり、特別な対応には予め準備が必要となる
• 予想される状態悪化時の対応、医療的・社会的問題点の共有など情報交換が重要となる
• 離島で提供できる医療や介護には限界があり、本人や家族の希望に反し中核病院へ搬送せ
ざるをえないこともある
• 化学療法を行わない患者についても今後情報提供の対応の仕方を議論する必要がある
参考文献
1)厚生労働省 化学療法等の外来・入院別実施状況調査
筆頭演者ならびに共同演者に、開示すべきCOIはありません。
縦180cmx横90cm