松山市における水道行政の取り組みについて

松山市における水道行政の取り組みについて
松山市公営企業局管理部企画総務課
宇 野 一 生
専任課長
目
次
1.上水道事業の概要
2.安定給水の取り組み
3.震災対策の取り組み
4.地域水道ビジョン
①「水道ビジョンまつやま2009」の策定
②「水道ビジョンまつやま2009」の中間報告
松山市における
水道行政の取り組みについて
目 次
1.
2.
3.
4.
上水道事業の概要
安定給水の取り組み
震災対策の取り組み
地域水道ビジョン
①「水道ビジョンまつやま2009」の策定
②「水道ビジョンまつやま2009」の中間報告
1.上水道事業の概要
松山市の水道事業の概要
・ 上水道
・ 簡易水道
・ 工業用水道
1事業
14事業
1事業
1
水道事業の給水区域
N
北条地区
簡易水道
(5事業)
中島地区
簡易水道
(9事業)
松山市
上水道
石手川
石手川ダム
水道事業
上水道
石手川ダム水系
地下水系
松山市
工業用水道
重信川
簡易水道
工業用水道
2
上水道事業について
松山市上水道事業の概要
(平成25年度)
給水戸数
233,719 戸
給水人口
484,900 人
普及率
96.9 %
一日平均給水量
138,454 m3
150,156 m3
一日最大給水量
96.1 %
有収率
286 ㍑
1人一日平均給水量
3
第1~4次拡張事業
第1次拡張事業
第3次拡張事業
第2次拡張事業
第4次拡張事業
4
第4次拡張事業(第1~3回変更)
北条合併 (第2回変更)
北条送水ポンプ場
紫外線処理設備
DBO (第1回変更)
第4次拡張事業
かきつばた浄水場
膜ろ過施設
第1回変更
第2回変更
第3回変更
高井神田浄水場
膜ろ過施設
5
北条クリプトスポリジウム対策
久谷簡水統合 (第3回変更)
上水道水源位置と給水地域
院内浄水場
院内浄水場・北条送水ポンプ場系
(ため池) (浅井戸7井・深井戸1井)
◎主な施設
市之井手浄水場系
(石手川ダム)
浄水場
水源地
竹原浄水場
集水管
市之井手浄水場
◎現在給水している地域
市之井手浄水場系
高井神田浄水場系
かきつばた浄水場系
垣生浄水場系
垣生浄水場系
(集水管)
垣生浄水場
かきつばた浄水場
かきつばた浄水場系
(浅井戸12井)
高井神田浄水場系
(浅井戸12井)
高井神田浄水場
久谷地区(浅井戸6井)
院内浄水場・北条送水ポンプ場系
久谷地区(久谷浄水場建設予定)
6
2.安定給水の取り組み
(1)漏水防止対策
漏水防止総合対策事業
(S56~S61)
給水圧コントロールシステム
経年管の改良
事故多発管の改良
水圧不良・たこ足の解消
横引き給水管の改良
公道面止水栓の撤去
漏水探知調査
漏水防止対策事業
(S62~)
経年管の改良
事故多発管の改良
たこ足の解消
横引き給水管の改良
漏水探知調査
7
給水圧コントロールシステム
市之井手浄水場
中央管理室
配水地
配水管
水圧調整弁
水圧監視所
お客さま
無調整地区
水圧調整弁
1段調整地区 お客さま
2段調整地区 お客さま
水圧監視所
8
有収率の推移
(%)
96.40%
100
90.14%
95
90
82.07%
有収率
85
80
75
S56
S58
S60
S62
H元
H3
H5
H7
H9
H11
H13
H15
H17
H19
H21
H23
H25
70
9
漏水防止総合対策事業
漏水防止対策事業
(2)渇水対策
平成6年(大渇水)以降の取り組み
節水の推進
つなぎ水源の確保
漏水防止対策の推進
水質管理の強化と安定取水
10
取り組みの成果
施 策
●節水広報
TVスポット、水道フェスタ、出前水道教室等
節水の推進
●節水機器等に対する助成
雨水タンク、バスポンプ、食器洗い乾燥機等
つなぎ水源の
確保
成 果
取組内容
●重信川流域に予備水源として
井戸を確保
●城北地区に深井戸を開発
●石綿セメント管等の更新
漏水防止対策の ●漏水調査の強化
推進(継続)
●給水圧コントロールシステムの
運用による適正水圧の確保
●かきつばた浄水場と
高井神田浄水場
水質管理の強化
に膜ろ過施設を設置
と安定取水
地下水位の低下に伴う濁度の発生に対しても
安定取水が可能
1人1日あたり平均給水量
358ℓ⇒286ℓ
平成6年の前年
(平成5年)
平成25年
平成6年規模の渇水時の時間給水
5時間⇒11時間
平成6年
有収率(漏水の少ない施設率)
91.8%⇒96.1%
平成6年
平成25年
地下水の最低水位(実績)
5.49m⇒6.24m
平成6年7月24日
平成21年6月8~10日
11
3.震災対策の取り組み
(1)ハード面の対策

相互連絡管の整備
(ダム水)
市之井手浄水場
北条地区
H16~22
相互連絡管整備
竹原浄水場
垣生浄水場
かきつばた浄水場
高井神田浄水場
12
災害時バックアップ機能の強化
N
相互連絡管(ダム水⇔地下水)
高井神田浄水場系
鷹子第2配水池A
市之井手浄水場系
東野配水池B
P
東野池
山田池
北谷池
鉾田池
延長 約4km
口径 φ600mm
13
相互連絡管
山田池
鉾田池
14

主要施設の耐震化(浄水場)
市之井手浄水場
着水井
フロック形成池・沈殿池
急速ろ過池
配水池
管理棟
ポンプ室
15
市之井手浄水場(フロック形成池・沈澱池)
H鋼横サポートと控柱による耐震補強
16
かきつばた浄水場
膜ろ過処理棟
管理棟
着水井・脱炭酸棟
ポンプ室
浄水池
17
かきつばた浄水場(管理棟)
鋼材ブレースによる耐震補強
18
主要な浄水施設の耐震化計画
H21
年度
H23
H24
H25
H26
0.0% 47.9% 71.6% 87.4% 87.4% 90.2%
浄水施設耐震率
浄水場名
H22
浄水施設能力
(実績)
(実績)
(実績)
(実績)
市之井手
97,000
m3/日
かきつばた
40,200
m3/日
高井神田
32,600
m3/日
垣生
20,000
m3/日
竹原
-
北条送水ポンプ場
7,900
m3/日
耐震診断により耐震性あり
院内
1,800
m3/日
耐震診断により耐震性あり
耐震化浄水施設能力(m3/日)※1
全浄水施設能力(m3/日)※2
202,620
97,000
202,620
147,017
205,409
179,617
205,409
(実績)
(見込み)
179,617
205,409
184,440
204,510
※1※2 耐震化浄水施設能力および全浄水施設能力は認可で変更になった浄水場や他事業での新設浄水場等の施設能力を含む
19

主要施設の耐震化(配水池)
市之井手配水池
配水池
20
市之井手配水池
鋼材ブレースによる耐震補強
21
味生配水池
配水池
22
味生配水池
構造
: 鉄筋コンクリート造
規格寸法 : 26.3m(短辺)×61.02m(長辺)
×6.35m(高さ)(2池構造)
建設年度 : 昭和57年度
容量
: 6100m3
コンクリート増し打ちによる耐震補強
23
主要な配水池の耐震化計画
年度
H21
H23
H24
H25
H26
H27
H28
H29
H30
※1
配水池耐震施設率
名称
H22
容量(V)
市之井手
19,500
m3
味生
6,100
m3
鷹子第2A
5,500
m3
鷹子第1
3,200
m3
平田
4,800
m3
東野A
3,700
m3
松山総合公園
14,000
m3
29.8% 44.7% 50.2% 50.7% 50.7% 59.6% 68.3% 77.7% 87.2% 100%
(実績)
(実績)
(実績)
(実績)
(実績)
(見込み)
(見込み)
(見込み)
(見込み)
(目標)
※1 上記の配水池耐震施設率については主要な配水池以外の各浄水池の耐震化や容量の小さい配水池の数値も含む
24

基幹管路の耐震化(基幹管路の耐震化基本構想)
基幹管路の定義
・松山市の基幹管路
「導水管、送水管、配水本管(φ300㎜以上の配水管)」
《
水道施設のイメージ図》
25
想定地震
マグニ
チュード
備 考
想定地震Ⅰ 川上・小松断層セグメントが活動して発生する地震
7.6
被害最大
想定地震Ⅱ 伊予断層が活動して発生する地震
7.1
想定地震Ⅲ 安政南海地震(1854)(相田、1981)
8.4
名 称
内
容
26
優先順位付け
・導水管、送水管、配水本管の順番で耐震化
・導水管、送水管、配水本管ごとの優先順位は『物理的評価』と
『重要度評価』の点数づけによる定量的評価により決定
評価指標項目
指 標
物理的 ①地震の被害率
評価 ②経過年数
備 考
点数が高いほ
ど安全
①最大流量
点数が高いほ
重要度
②重要施設への給水件数
ど重要
評価
(配水本管のみ)
優先順位付けのイメージ
27
事業概要
・事業期間
平成25年度~62年度(38年間)
・総事業費
約545億円
・耐震化総延長 約211km
・耐震適合率の推移
(H25~)
1期
2期
3期
4期
28

給水ルートの確保
給水ルートの定義
・松山市の給水ルート
基幹管路(配水本管)から医療救護施設等(病院・救護所等)
までの配水支管
《
水道施設のイメージ図》
29
給水ルートの確保(第1次計画)
14
10
5
№
4
① 愛媛県立中央病院
7
2
② 松山市民病院
③ 南松山病院
12
11
13
医療機関名
6
1
3
9
8
事業期間:平成24年度~30年度
総事業費:約6億円
総延長:5,920m
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
⑪
⑫
⑬
⑭
奥島病院
済生会松山病院
松山城東病院
野本記念病院
愛媛生協病院
平成脳神経外科病院
浦屋病院
松山笠置記念
心臓血管病院
梶浦病院
渡辺病院
松山赤十字病院
30
(2)ソフト面の対策

災害時対応能力の向上(震災対策)
水道管路管理センター
備蓄資機材(給水タンク)
31

災害時対応能力の向上(震災対策)
(給水車への補給作業)
(小学校での応急給水作業)
平成25年度日本水道協会愛媛県支部合同防災訓練
32
4.地域水道ビジョン
①「水道ビジョンまつやま2009」の策定(H21.3)
将来像
21世紀半ば
安らぎと潤い、豊かな暮らしを支える水道
目標 安全で安心できる水の安定供給を目指します
施策
安定給水の確保
安全・安心の向上
目標 地震などの災害に強い水道を構築します
施策
災害に強い施設の構築(震災対策)
災害時対応能力の向上(震災対策)
目標 健全な運営基盤を維持・強化します
施策
健全財政の維持
ニューパブリックマネジメントの推進
活力ある組織と人材づくり
目標 お客さまとの対話を大切にする水道づくりに努めます
施策
広報・広聴活動の充実とお客さまサービスの向上
目標 環境にやさしい水道を目指します
施策
節水の継続とCO2排出削減策などの実施
33
②「水道ビジョンまつやま2009」
の中間報告(H26.3)
策定後5年目の節目を迎えるにあたり、ビジョン
の「目標」 達成度を管理指標により評価し、これ
までの成果を公表
国が公表した「新水道ビジョン」との整合を図る
ための見直し
34
目標1 安全で安心できる水の安定供給を目指します
施策1
安定給水の確保
取組
施策2
 老朽施設の計画的な更新
 漏水防止対策の継続【拡充】
 北条地区の給水圧コントロール施設整備
 管路網の整備
 久谷地区の水道施設整備
 中島地区簡易水道の整備
 新規水源の確保
 周辺簡易水道等の統合及び未給水地区への給水
 将来の人口減少を踏まえた施設の再構築の検討【新規】
安全・安心の向上
取組
 水安全計画、水質検査計画に基づく水道水質の管理【拡充】
 北条地区のクリプトスポリジウム対策
 貯水槽及び給水装置の安全性の向上
 直結給水の検討
35
【目標1】進捗状況(管理指標の推移)
有収率
クリプトスポリジウム
予防対策浄水施設整備率
管路の更新率
100
2.0
100
99
1.8
90
98
1.6
97
1.4
96
1.2
95
96.2
95.8
96.0
95.5
94.8
94
96.0
95.0
1.70
80
0.82
1.00
0.89
0.4
20
91
0.2
10
0.73
実績値
H24
H25
目標値
~
H30
H21
H22
H23
H24
30
0
0.0
H23
H20
40
0.76
0.6
H22
87.0
50
1.0
92
H21
87.0
60
93
H20
87.0
93.5
70
1.44
0.8
90
100
93.5
H20
H21
H22
H23
実績値
H24
H25
目標値
~
H30
実績値
~
H30
目標値
36
目標2 地震などの災害に強い水道を構築します
施策1
災害に強い施設の構築(震災対策)
取組
施策2
 主要施設、基幹管路の耐震化
 重要施設への給水ルートの確保
 応急給水拠点の整備
 災害時バックアップ機能の強化
災害時対応能力の向上(震災対策)
取組
 震災対策拠点の整備
 危機管理体制の整備【拡充】
 災害時対応訓練の実施【拡充】
 事業継続計画(BCP)の策定【新規】
37
【目標2】進捗状況(管理指標の推移)
配水池耐震施設率
危機管理マニュアル
(震災対策版)策定状況
基幹管路の耐震適合率
50
100
45
90
80
40
80
70
35
100
100
90
60
40
45.4
50.8
50.0
20
20
19.2
15
30
28.0
30.0
10
14.7
19.1
H20
H21
H22
H23
実績値
H24
H25
目標値
~
H30
100
100
60
30
15.8
33
20
10
0
0
0
100
40
21.3
5
10
100
50
25
50.4
100
70
35.0
30
50
100
H20
H21
H22
H23
実績値
H24
目標値
~
H30
H20 H21 H22 H23 H24 H25
実績値
~
H30
目標値
38
目標3 健全な運営基盤を維持・強化します
施策1
健全財政の維持
取組
施策2
ニューパブリックマネジメント推進
取組
施策3
 ㊤料金に資産維持率方式の資産維持費を算入
することによる所要資金の確保
 ㊤建設改良基金への積立
 水道料金制度の適正化の検討【新規】
 民間事業者とのパートナーシップの継続・拡充
 アセットマネジメントの導入
活力ある組織と人材づくり
取組
 組織力の向上
 技術の継承と人材育成
39
【目標3】進捗状況(管理指標の推移)
内部研修期間
(職員1人当たり年間研修時間)
資産維持率
20
3.0
18
2.5
2.5
2.0
2.2
2.3
2.3
2.3
2.3
16
16.0
14
13.0
12
10
1.5
8
1.0
9.1
9.0
9.3
8.3
6
7.6
4
0.5
2
0
0.0
H20
H21
H22
実績値
H23
H24
目標値
~
H30
H20
H21
H22
H23
実績値
H24
H25
~
H30
目標値
40
目標4 お客さまとの対話を大切にする水道づくりに努めます
施策
広報・広聴活動の充実とお客さまサービスの向上
取組
 広報・広聴活動の充実【拡充】
 お客さまサービスの向上【拡充】
目標5 環境にやさしい水道を目指します
施策
節水の継続とCO2排出削減策などの実施
取組
 節水の継続
 CO2排出削減策などの実施
 ㊤環境会計の導入
41
【目標4,5】進捗状況(管理指標の推移)
水道施設見学者割合
(千人当り)
(節水目標)
1人1日当たり給水量
300
12
300
300
295
10.6
10
10.4
290
294
293
293
291
290
285
9.1
8
8.0
8.0
7.5
280
275
6
5.9
270
4
265
260
2
255
250
0
H20
H21
H22
H23
実績値
H24
H25
目標値
~
H30
H20
H21
H22
H23
実績値
H24
H25
~
H30
目標値
42