講義シ ラ バ ス 【 テ ー マ 別講座 B2B マ ー ケ テ ィ ン グ いまむら 【 講 全6 回】 ひであき 師】: 今村 英明 株式会社ボストン コンサルティング グループ ヴァイス・プレジデント、ディレクタ ー、オフィス・アドミニストレーター 東京大学経済学部卒。スタンフォード大学経営学修士(MBA)。台湾国立師範大学及び台湾大学に て中国文化研究。三菱商事株式会社、及び世界銀行を経て現在に至る。 素材、エネルギー、ハイ テク、情報通信等幅広い業界を担当している。 <講座の 目的> B2B(Business to Business)マーケティングとは、消費者(個人)を対象にする B2C(Business to Customer)マーケティングの対語であり、 “企業や政府機関、団体などの組織を顧客とするマ ーケティング”をいう。顧客が“組織”であるということは、多数・多様な人間が意思決定に関 わることから DMU(意思決定単位)が複雑になると同時に、そのプロセスもわかりにくい。加 えて、組織を相手にする製品/サービスは取引が反復することが一般的であるので、リレーショ ン(組織間関係性)を維持・発展することが重要になる。 本講座では、こうした B2B マーケティングにおける基本的な考え方について、「マーケティン グ・ロジック」というキーワードをもとに、「医薬品」 「コモディティ」 「高機能部材」 「法人」と いう4分野を採り上げ、ボストン・コンサルティング・グループで各分野を担当するコンサルタ ントをゲストに招き、実際の現場で生じる問題への解決手法を聞きながら、「B2B マーケティン グ」を成功に導く具体的な手法を学んでいく。 【 参考図書】 ■「法人営業「力」を鍛える」今村英明著(東洋経済新報社) ■「銀行経営戦略論―日本の銀行を甦らせる逆転の経営思想」本島康史著(日本経済新聞社) 【 カ リ キュ ラ ム】 【 第 1 回】 B2B マ ー ケ テ ィ ン グ 01 [講 [ テ ー マ ] B2B マ ー ケ テ ィ ン グ 概論 師]:今村英明 第 1 回では、本講座全体を理解する際に共通して必要な視点を学んでいただきます。 はじめに、できる法人営業マンとできない法人営業マンとの違いを生み出すこととして、 「マー ケティング・ロジック」を実践しているか否かに着目します。講師は、自らの経験にもとづき、 “ 「マーケティング・ロジック」とはマーケットを科学的に観察した結果見出される自社にとって の勝ち方である”と解説しています。そして、マーケティング・ロジックを理解したうえで、こ れが確立されていない状態(「マーケティング・ロジック欠乏症」)が引き起こす具体的な問題を -1本資料の 無断複製・ 転載を 禁じ ま す 。 Copyright(C) 2002 Business Breakthrough, Inc. All rights reserved. 講義シ ラ バ ス 解説します。 特殊性だけが強調されがちな B2B マーケティングですが、その要諦は市場を科学的に分析し、 顧客を深く理解した上で、適切なマーケティング・ミックスを実行することであり、B2C にも共 通する基本的なロジックであるという面を再認識することが必要なのです。 【 第2 回】 B2B マ ー ケ テ ィ ン グ 02 [ テ ー マ ] 医薬品マ ー ケ テ ィ ン グ [ゲスト]矢吹博隆 [講 師]:今村英明 第 2 回では、DMU(意思決定単位)が複雑な B2B マーケティングの中でも、特筆する複雑さ を持つ「医薬品マーケティング」を採り上げます。 医療用医薬品業界の DMU は、医薬品を選択する医師の周辺に、患者、政府、支払者(健康保 険組合)といった影響者が存在する極めて複雑な構造を持っています。ここでは、直接的な意思 決定者である医師に働きかける MR(営業担当者)の生産性を高めるためのマネジメント手法を 学びます。MR1 人当たりの売上高を決定する要素である「MR1 人当たりディテール数」、 「ディ テール認知率」 、 「認知ディテール当たり売上高」の 3 つをいかにマネジメントするかを考えるこ とは、医薬品業界以外の業界におけるマネジメントを考える際にも大いに参考となりますので、 そのポイントを理解してください。 【 第3 回】 B2B マ ー ケ テ ィ ン グ 03 [ テーマ ] コ モ ディ ティ ・ マ ーケティ ン グ [ゲスト]重竹尚基 [講 師]:今村英明 第 3 回では、製品の差別化が難しく、付加価値を生み出しにくい「コモディティ・マーケティ ング」を採り上げます。 価格競争を宿命づけられているコモディティの世界で高収益を実現するためにはどうすればよ いのでしょうか。一見すると矛盾した課題に映るテーマも、 「徹底的に“コモディティ”を追求す る」 、あるいは「コモディティビジネスを再定義する」ことで、コモディティの宿命から抜け出す ことができます。前者の戦略については、世界的なセメント業界の雄 Cemex 社をベンチマーク し、後者の戦略については、スイッチングコストの存在を知り、スピードなどの“違い”を生み 出すためのヒントを学んでいただきます。 【 第4 回】 B2B マ ー ケ テ ィ ン グ 04 [ テ ー マ ] 高機能部材マ ー ケ テ ィ ン グ [ゲスト]椿 進 [講 師]:今村英明 第 4 回では、技術進化のスピードやプロダクトライフサイクルが速く、優位性の構築に幅広い 方向性を選択し得る「高機能部材マーケティング」を採り上げます。 ここでは、携帯電話用ディスプレーの開発・販売で成功を収めた東芝松下ディスプレイテクノ ロジー株式会社をベンチマークし、高機能部材マーケティングの成功の鍵となる①プロダクトラ イフサイクルの見極め、②開発テーマの絞込み、③“真のニーズ”の探求、④ロードマップの提 示、⑤コスト目標の設定と実現、⑥勝ち組とのアライアンス、⑦資源投入戦を勝ち抜く、⑧マネ ジメントインフラ/ケイパビリティで勝ち抜く、の 8 つのポイントを学んでいただきます。 【 第5 回】 B2B マ ー ケ テ ィ ン グ 05 -2本資料の 無断複製・ 転載を 禁じ ま す 。 Copyright(C) 2002 Business Breakthrough, Inc. All rights reserved. 講義シ ラ バ ス [ テ ー マ ] 法人サ ー ビ ス ・ マ ー ケ テ ィ ン グ [ゲスト]本島康史 [講 師]:今村 英明 第 5 回では、金融サービスという差異化の難しい無形の商品を販売する銀行を事例として、 「法 人サービス・マーケティング」を採り上げます。 ここでは、法人サービス・マーケティングの成功の鍵となる①顧客と共感する、②提供価値を 磨く、③適材適所、の 3 つのポイントを学んでいただきます。 ①顧客と共感するためには、顧客のステークホルダー全体との関係まで視野を広げること、② 提供価値を磨くためには、顧客が期待するものを見極めること、③適材適所のためには、バラン スのとれた模範的銀行員にこだわらず、顧客との相性なども加味すること、を理解していただき ます。 【 第6 回】 B2B マ ー ケ テ ィ ン グ 06 [ テ ー マ ] B2B マ ー ケ テ ィ ン グ [講 まと め 師]:今村英明 第 6 回では、講義全体の総括を行います。 第 2 回∼第 5 回で採り上げた 4 つの分野におけるマーケティングの要諦を再確認していただき、 改めて第 1 回に提起した「できる法人営業マンとできない法人営業マンは何が違うか」という問 題を考えてみてください。 そして、最後に講師が解説する 7 つのコツ(①仮説をもって分析、②現場でリアルな情報収集、 ③フォーカスの効いた検討、④顧客の行動は合理的、⑤データによる客観的な判断、⑥100%の 精度は不要、⑦生態学者のように市場を観察−鳥の眼・虫の眼)の意味するところを理解し、具 体的なアクションにつなげてください。 -3本資料の 無断複製・ 転載を 禁じ ま す 。 Copyright(C) 2002 Business Breakthrough, Inc. All rights reserved.
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