Page 1 of 6 観測的宇宙論ゼミ on 22/Jan/2010 担当:中島 ( 2009, A&A, 498, 13 ) Abstract • z=2.25のLAEの候補を探し、その性質を調べた。 • z~3からz~2にかけてLAEの性質に有意な進化が見られた。 (より様々なSED、AGNの割合、ダストの量など) • z~2のLAEにはより高赤方偏移のLAEには見られない、赤いLAEが多く見つかった。 Introduction • Lyman Alpha Emitter (LAE) → narrow band-broad bandのカラーで選択 • z~3、z~4.5、z~5.7、z~6.5のLAEについては 詳細に調べられている。 (夜光輝線、CCDの感度などによって制限) →2<z<3のLAE探査は難しく、ほとんどされていない。 • 非常に遠方で見つかっているLAEを使ってサイエンス をする以上、LAEという銀河をもっとしっかり理解する 必要がある。 →光度距離の短い、z<3でLAEを調べることが大事。 • z>3のLAEは、(小数の例外を除き)若く、青く、 コンパクトでダストがない、と考えられている。 →z<3のLAEはどのような性質を持っているのだろうか? Observations • • • • • field : COSMOS (35 x 34 arcmin2) telescope/instrument : MPG 2.2m telescope/Wide-Field Imager(WFI) filter : N396(lambda_c=3963Å、FWHM=129Å ↔ z=2.206-2.312 ) EXPTIME : 27.7h (29 dithered images) LIMITMAG : 25.3 AB (5sigma, 3” diameter aperture) Dot : 5sigma detection Selection of candidates • NBで5sigmaの天体のみカタログに含めた (21275objects、area~1014arcmin2) • u*とBの等級からNBの波長でのcontinuumを 推定、NBのfluxと合わせてEWを求めた。 • EWrest>20Å、EWが2.3Σの信頼性で正しい という条件下でLAEを選択。 →386 LAE candidates →(likely,unlikely,rejected)=(187,61,138) with error bar : LAE candidate Green : GALEX-detected 65(=20x(1+2.25))Å Page 2 of 6 観測的宇宙論ゼミ on 22/Jan/2010 担当:中島 • [OII]@z=0.06とCIV@z=1.56が偽物で混じっている可能性がある。 [OII] : flatなスペクトルを仮定すると、[OII] emitterはGALEX(<~25.5) で受かるはず。 →17天体が受かった。(LAEも含まれているはず) CIV : AGN光度関数から推定 → 2個くらい(i.e. 十分少ない) → 170個を含む”きれいな”LAEサンプルと、187個を含む”完全な”LAEサンプル Red SED Basic characteristics of LAEs Photometry • u*,Bj,Vj,r+,i+,z+,Ksがavailable • βの計算(cf. fλ(UV)∝λβ) – βB-V = 4.456x(B-V)-2 – βΒ-r+ = 2.673x(B-r)-2 • -2<β<0がexpected range → 分散が大きく、赤いLAEもある Vのfaint end Black : LAE Red : AGN Blue SED • 実際、V-i+のカラーで判断すると、 170個中118個のLAEがV-i+ > 0 • ほとんどがage=106-108yr • ダストの量がさまざま • 中にはSSPでは説明できないよう な天体も 500Myrの意 Older More dusty (1.0) (0.0) 1Myr • GALEXで受かっている、もしくは すぐ隣に天体がいるようなLAEを 除いて、stacking • total sampleはz~3より赤いSED (全体の~2/3) • blue sampleがz~3のSEDとconsistent • V-Kのslopeがblue sampleは-0.37、 red sampleが1.24と、両者の性質は まったく異なることが示唆 →「LAEは青い」という“classical”な考え と反する、とても赤いLAEもz~2には 存在 →Spitzerのデータと組み合わせて、 より詳細に調べる(2本目の論文) Tracks of SSP (B&C model 2003) Black* : Total sample (stacked with all ; 144) Red * : Red sample (stacked with V-i+ > 0 ; 96) Blue* : Blue sample (stacked with V-i+ < 0 ; 48) Red ◇ : (stacked with K-detected ; 12) Black line : best-fit SED of z~3 LAE (Gawiser+07) Green line : best-fit SED of z~3 LAE (Nilsson+07) Page 3 of 6 観測的宇宙論ゼミ on 22/Jan/2010 担当:中島 AGN contribution • 少なくとも~5% Surface density • completeな値を得るため、GALEX-detected も含める • S/Nが良く、明るい星の影響もない優れた領域のみを用いる → ~288arcmin2 (28%)に54candidatesが存在。 → surface density = 0.19arcmin-2Δz-1 (1.91arcmin-2z-1) → volume density = 0.00062Mpc-3 → z=2.4,2.7,3の結果より若干小さい値だが、consistentだと言える Sizes • SExtractor/FLUX_RADIUSでFWHMを測定 • Lyα blobs(LAB; radius>~15kpc)の候補が2個 → broad bandでも広がっており、ただの広がっ たLAEの可能性。(LABは見つからなかった) → number densityが比較的小さかったこと、 LABは込みあった領域に多く見つかることか ら、COSMOS@z=2.25はunder-dense SFR • FWHM from r+ FWHM from NB → • 右図から、この比のメディアンが1.8と大きめ → UVのSFRのconversion factorの不定性かも Equivalent width distribution • z>4ではEW>240Åを超すようなLAEが 予想され、実際に観測されている (Pop .III starsのしるし?) → 6個のLAEがEW>240Å (~4%) • の関数形でヒストグラムをfit (w0がEW分布の典型的な指標) →赤いLAEの方がEWの分布が狭い (よりdustyな証拠か) • z=3.1ではw0=76Å(Gronwall+07) → これはz=2-3の時間による進化では 説明できない。 → z~2の方がz~3に比べてよりdusty Black line : Total sample (144) Red line : Red sample (96) Blue line : Blue sample (48) Page 4 of 6 観測的宇宙論ゼミ on 22/Jan/2010 担当:中島 ( 2009, A&A, 508, L21 ) Abstract • LAEとして選択された天体のうち、どれくらいの割合がULIRGに相当するのか調べた • z=0.3と2.3のLAEのサンプルのSpitzerのデータを用い、ULIRGの割合を調べたところ、 z>3ではわずかであったULIRGの割合が、z~2.5から有意に増えることがわかった Introduction • Lyα輝線はダストによって簡単に散乱・吸収されてしまう → dustyな銀河からLyα輝線が観測されることは通常は考えられない。 → 特別なgeometry(Neufeld 1991)や ダストとガスの比が局所的に強い(Hansen & Oh 06) → 特別な存在かどうか、その割合を調べてみる必要がある。 Data • z=2.3 sample (z23; Nilsson+09; 1本目の論文) • z=0.3 sample (z03; Deharveng+08) – ECDF-SとELAIS-S (~5x105 Mpc3) – GALEXの分光サーベイモードで探査 • Spitzerの8um、24umがz03、z23の静止系 ~7umに相当 → IRの光度やSFRを推定 unclassifiedの意 (by Cowie+09) Number of All [AGN+?] Detected at 8/24um [AGN+?] z03 31[1+11] 24 [1+6] z23 187[27] 25 [16] Infrared properties of Lyα emitters • を用いて赤外光度を推定 (Chary & Elbaz 2001) Number of Normal LAEs [AGN] LIRGs [AGN] ULIRGS [AGN] z03 8[2] 7[1] 2[4] z23 0[0] 0[0] 9[16] • • z23の24umの検出限界がlogLIR=12.4Lsun なので、24umで受かれば自動的にULIRGs Hatched area : LAE galaxies Open area : AGN or unclassified objects 観測的宇宙論ゼミ on 22/Jan/2010 担当:中島 • 横軸にLIR、縦軸にLLyα • z23は両者の光度に一定の比が見られる (best fitが~0.02%)] • z03はLLyαがLIRによらず一定値をとる → LIR and/or LLyαが低いところでは、それらを 支配する仕組みが異なることを示唆? • 未分類の天体(右図の青い星)も銀河 (黒い星)と同じ領域に存在 → 以下ではこれらも銀河として扱う Page 5 of 6 star : z03 sources circle : z23 sources triangle : shallow MIPS data Black : galaxies Blue : unclassified LAEs • 0.05% 0.02% 0.005% などを使ってSFRを求める。 • Lyαの光度からもSFRを求める(前述) • SFRLyα/SFRbolがLyαのescape fractionに相当 (右図参照) – z23のescape fraction ~0.4% – z03はescape fraction ~1-100% と幅広い • z23のnon-AGN9天体のうち、5天体はSFR が十分大きく、chandaのX線image (logLX>43.3erg/s)で受かるはず → ダストによってX線が吸収されている ULIRG fraction and redshift evolution EW0=20Å 100Å cf. SFRX = 2x10-40L0.5-2keV ( by Ranalii+03 ) • z~3.1 – Vega+08のULIRG template SEDsより、 R-ch4[8.0]>2.5 ch1[3.6]-ch4>2 を満たせばULIRGsとみなす。 – Nilsson+07 : 1/24 – Lai+08 : 0/162 → fraction=1/186(~0.5%) • z~2.3 – Colbert+06 : 3/22 (~14%) – Nilsson+09(z23) : 7/50 (~14%) • z=0.3 – Deharveng+08(z03) : 6/30(~20%) unclassifiedも含めた Lower limit. MIPSのデータがULIRGsを全て網羅 するほど深くなかった 400Å 観測的宇宙論ゼミ on 22/Jan/2010 担当:中島 Page 6 of 6 • データ数が少ないので何とも言えないが、 という関数形でうまくfitできることがわかる。 – UF0 :present-day UF(0.20) – θ : steepness of the transition(2.28) – ztr : transition redshift(2.52) → z~2.5を境にULIRGsの割合が急に高くなる Conclusion • z<~3では、LAEの中にULIRGsが存在することがわかった – dustの重要性を考慮する必要 • z>3から現在にかけ、ULIRGsの割合は急激に進化している – selectionを変えても割合は大きく変わらず、求められた結果はrobust – z~3ではLAEはblue/young/dust-free ↔ z<~2ではred/dustyも有意に存在 •特に、2<z<3の間に大きく進化している可能性がある – クェーサー個数密度が進化する時代と一致、何らかの関連があるかも • おまけ:z=2.3のULIRGsの色々な値を載せた表
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