1.国公立は「狭き門」 2.多岐に渡る入試方式

少子化の進行と時代の要請による定員増により「大学全入時代」が到来したと言われてお
り、2014 年度には実に 60.8 万人もの大学生が誕生しています。しかし、誰もが希望の大学
に入れるという訳ではありません。国公立大学や一部の私立大学に人気が集中し、入りやす
い大学とそうでない大学の格差が生じ、「大学入試の二極化」と呼ばれる状態にあります。
今号では、そんな大学入試の近況を報告します。
1.国公立は「狭き門」
2014 年度入試では、66.2 万人が大学を受験し、
そのうち 60.8 万人が大学へ入学しました。大学
入試全体での倍率は 1.09 倍ですから、決して
高校卒業者
高い倍率ではありません。しかし、国公立大学に
大学受験者
限ると、入学者は 13.2 万人、平均倍率は 5.02 倍
大学入学者
となります。(志願倍率では 4.8 倍でした。)高校 国公立大学入学者
卒業者 105.1 万人に対しては、約8人に1人しか
入ることができない「狭き門」であると言えます。
105.1 万人
66.2 万人
60.8 万人
13.2 万人
2.多岐に渡る入試方式
大学入学者の 43.4%は一般入試以外の方法で大学に合格しています。大学入試においては、
一般入試は決して一般的とは言えません。
56.6
全体
34.4
8.6
0.4
84.5
国立
73.2
公立
24.1
49.6
私立
0%
12.2 2.6
0.6
20%
39.7
40%
60%
2.0
0.6
10.3
80%
0.4
100%
とくに私立大学では入学者の半数が推薦・AO入試で合格しています。さらには一般入試に
おいても日程の違いだけでなく、「独自方式」・「系統別」・「センター利用」・「センター併用」
など多様な方式が存在します。志望大学の入試方式を正確に把握することが、合格への第一
歩です。
3.「新課程」で国公立志望減
2015 年度が「新課程」数学・理科の最初の入試となりました。
センター試験において、基礎を付した科目を選択する場合は2科
目必須となり、基礎を付さない科目を選択する場合は「旧課程」
より多くの学習が必要となります。文系・理系に関わらず、国公
立大学を志望する受験生にとって、理科の負担が増えることに
なりました。
また、2016 年度のセンター試験では「旧課程」に対する経過
措置がありません。「旧課程」履修者である過年度生にとっては
絶対に合格しなければならない「後がない」入試となりました。
その結果、近年の国公立志向とは逆行し、2015 年度入試では、
大学受験者数が微増したにも関わらず、国公立大学の志願者が
減少することとなりました。
4.2016 年度変更点
2016 年度より、英語・国語・地理歴史・公民についても「新課程」入試となります。セン
ター試験の出題範囲は、英語が「コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ」および「英語表現Ⅰ」、国
語は「国語総合」です。英語はこれまで以上にコミュニケーションを重視した出題になるこ
とが予想されます。地理歴史・公民に大きな変更はありませんが、資料の活用が一層重視さ
れると考えられます。
各大学から発表されている 2016 年度入試における変更点の一部を紹介します。
その他の情報・詳しくは各大学の発表をご確認ください。
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セラー)または高等部担当者へご相談ください。