エリートテニス選手のスポーツ・食事・練習

エリートテニス選手のスポーツ・食事・練習
Page LoveDietician, MS, RD, LD, CSCS, USPTA
はじめに
何を食べ、それがどのように健康そしてプレイに影響するテニスの世界でもっとも必要とする値しいのひと
つである。われわれはテニスプレーヤーの栄養に充分な知識を持っているだろうか?栄養素やサプリメント
が異なると効果がどうかわるか測定できるだろうか?どの栄養素を避けたらよいだろうか(ドーピングの規
則の面からも、健康めんからも)?この発表では今日利用できるデータを明らかにし、この分野でどのよう
なことが必要かを述べる。テニス競技者のスポーツ栄養の実践、エネルギー摂取、代謝面からの需要、摂食
障害などが研究すべき重要な事項でパフォーマンスと一般的な健康にも基礎的なことである。USTAの研
究助成金によって行った研究で集積した情報と「これから必要となるデータをみなさんと共有したい。
論議
例えばLove (1993) and Sinofsky (1996)は一般的なスポーツ栄養の質問紙、食事頻度質問紙、
24時間の記憶や5日間の記録する方法などでデータを集めた。これら2人はそれぞれプロとジュ
ニアのエリートプレーヤーでエネルギー摂取が不適当で、必要量が不足し、微量栄養素いつい
ても同様であったことを見出した。Loveは測定したエネルギー必要量に摂取量が(5日間記録に
より)男子(n=19,16歳)で3000kcalの必要量に対し平均2295kcalしかとっておらず、女子
(n=16,15歳)では2200kcal必要なのに平均1612kcalしかとっていないことを見出した。
Loveは5日間記録より次の栄養素がRDAの2/3よりすくないことを報告した。カルシウム、マグネ
シウム、鉄、亜鉛、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC、ビタミンB6、ビタミンB12。そしてSinofsky
プロは適切な摂取をしており(トーナメントの日の24時間記憶法)、1-200位、200位以下でそ
れぞれ男子で4131,3123kcal(n=13),女子で2490、2288kcal(n=7)であることを見出
した。Parsonage (2000)はジュニアについて同様のことを報告した。平均11歳の46人の栄養教
育前後3日間で平均2534kcalだった(男女区別せず)。******イギリスではよいのか?
スポーツサプリメント、スポーツ食品(スポーツドリンクを含む)の研究はもっと少ない。
Eijunde (2001)テニスプレーヤーのクレアチン使用について最近研究しテニスの成績について
有効性は見つけられなかった。しかし、筋力増強のスポーツサプリメントとして今も使われて
いる。Roetert (1998)はテニスの競技者でもっともポピュラーなサプリメントはクレアチン、
マルチビタミン、ビタミンB群、抗酸化物質、プロテインであることをエピソードとともに報
告した。Sinofskyはビタミン/ミネラルサプリメントの摂取を半定量的であると有効性を確認
されている栄養摂取回数質問紙Willett Food Frequency Questionnaire (WFFQ) (Rimm, 2000, &
Willett et.
al., 1987).
で測定した。WFFQは一年以上の食物摂取を推定する低コストな方法である。Sinofsky
は女性のプロプレーヤーは男性より多く鉄のサプリメントを利用し、ビタミンCは男女ともに
最もよく利用されていることを見出した。Bergeron (1998)は活動的な若い女性についてカルシ
ウムのロスを評価し、以前の評価より運動中のカルシウムロスが多いことを発見した。若い女
性とくに10代では乳製品の摂取が不足していることが多い。女性のテニスプレーヤーのカルシ
ウム摂取に関してはもっと全体的な評価が必要である。
重要なこととして、カフェンインは2004年にITF,IOCのドーピングリストから除かれたので、お
そらくカフェインを含む製品の利用が増えるだろう。これらの製品の現在のりようについても
調べる必要がある。テニスプレーヤーのスポーツドリンクの選択についてはほとんど知られて
いない。カフェインを含むエネルギードリンクは現在のところほとんど販売されていない。
Vergauwen (1998)は13人のよくトレーニングされたベルギーのプレーヤー(平均20歳)につい
て炭水化物、カフェインのサプリメントがストロークに与える影響を研究した。
彼は炭水化物溶液が長時間のテニスプレイの最終段階でストロークの質を高めると結論した。
同様に McCarthy (1998)には持久力、テニスのシミュレーション試合後のヒッティングの成績
を炭水化物飲料が上昇させたと報告した。テニスのスポーツ飲料としてカフェインをFerrauti
(1997)は推奨している。これは女子の競技者で、テニスプレイのはじめ、および休息後のグル
コースの恒常性を高めるからであるとしている。データを集積、拡大、分析することがアスリ
ートのサプリメントの利用法をアドバイスするために重要である。
ここ2年間Loveは栄養摂取とスポーツ食品の利用について、大学、USTAのツアープロのキャンプ
中、USopenジュニアとエリクソン国際トーナメント中の14歳の少年少女について調査してきた。
これは部分的に有効性が認められているテニスに特殊化された栄誉調査法を用いている。これ
にはテニスプレイの前、中、後の食物摂取、水分摂取に関する質問が含まれている。そしてこ
れらの大きなテニスの行事において匿名で行われた。150人以上からデータを集めた結果、ほと
んどのプレーヤーがスポーツ食品をスポーツ飲料とともに用いており、高カロリーエネルギー
バーがもっともよく用いられていることを見出した。ツアープレーヤーはパッケージになった
製品やマルチビタミン、マルチミネラルはあまり取りたがらないと報告されている。なぜなら
ば規制物質が混ざっている恐れがあるからである。調査した女性のツアープロのうち35%が
マルチビタミンをつかっていた。男子はだれもマルチビタミンをつかっていなかった。調査し
た全員のうち高カフェインドリンク(Red Bull)以外はハーブのサプリメントを使っ
ていなかった。調査対象の多く(n=55)は国内地域の団体戦に参加したジュニアであった。90%
はゲータレードスポーツ飲料をつかい、55%はプレイの前、中、後にスポーツバーを使って
いた。このカテゴリーのプレーヤーが使っていたほかの製品はリカバリー飲料、食事の補助飲
料、ジェル、プロテインだった。オンコートの食物摂取についてもおなじ方法で調査された。
スポーツ飲料以外でもっとも利用されていたのはフルーツ、特にバナナだった。その他の全調
査対象に関して目についた発見は食事回数で4回であった。また95%が毎日動物性タンパクを
摂取していた。
水分摂取がもうひとつの重要な分野である。USTAの少年の大会で6年間行ったけがの調査で1995
年に報告されたことは、テニスプレーヤーの命にかかわる重大な事項は暑熱による以上であっ
た。Silva (2003)はmuscle contractures and muscle pain and fatigueがブラジルのジュニア
テニスプレーヤーで医学的な処置が必要な傷害のうちの大部分を占めた。もっとも適切な栄養
と水分摂取は予防的な見地から推奨された。Bergeron (1995,1996 & 1998)はこの件に関して実
際に実験室でエリートジュニアテニスプレーヤーの汗と電解質の喪失量を測定して何人かのジ
ュニアはexorbitant 水分とナトリウム量を失っており、17歳の男子のケースでは1時間当たり
2.5Lの水分、89.8mmol/hrにたっしていた。1時間当たり2.0Lの汗をかくとチェン
ジコートのたびに最低8.5オンスの飲料の摂取が必要である。最近のスポーツ栄養のガイド
ラインでは4−8オンスの飲料を15−20分ごとに摂取するのは不充分で、喪失量のわずか5
0%
しか補充していないことになる。Parsonageはジュニアの半分以上は水分摂取が1日平均4カップ
以下だと報告した。さらに、25%のプレーヤーがチェンジコートのとき水分摂取をせず、4
0%は飲む量が少なすぎるか、水分補充に不適当なドリンクを摂っていた。Loveは最近の調査
法によって、プレーヤーはコート外での水分摂取が平均1日5カップ以下で慢性的に水分不足で
あることを見出した。これからも多くのテニスプレーヤーのグループでこの2つの成分の摂取
を正確に観察し続ける必要がある。
アスリートばかりでなく、摂食障害の患者についてもextensivelyに研究を続けてきたLoveにと
ってとても興味深い分野は食事と運動におけるobsessive behaviourである。Sinofskyは研究対
象とした女子のプロプレーヤーのうち94%が自分の体重について不満であり、88%が体重
を減らしたいと考え、50%が1週間に1度以上体重を測定していると報告した。Harris (2000)
はvalidateされた摂食障害診断ツール(スポーツに特別に作ったものではない)を用いて、女
性のプレーヤーとコーチは体重をpivotalな問題と考え、ほとんどが体重を減らしたいと考えて
おり、38%のコーチが過去に危険なダイエットを試みたことがあったと報告した。Loveは
valideted であるがスポーツ向けに作られたわけではない25項目摂食障害危険度調査法であ
る食事態度テストEating Attitudes Test (EAT),を用いてエリートジュニアプレーヤーについ
て調べたが、治療してもらうほどの摂食障害は見つからなかった。これまでスポーツ用のツー
ルを用いてこのようなタイプのデータを集めたことはテニスについてはない。ACSMの女性アス
リートに対するvalidation研究の早期に、Love(2003)はこのスポーツ用ツールを用いて45人
の女子ジュニアアスリートについて調査した。1/3は体重を減らそうとし、週に1度以上体重を
計っていた。Funding was not secure to complete the validation study of this tool, so
the current tool
remains invalidated. その後、新しいvalidatedツール「女子アスリートスクリーニングツー
ル」“The Female Athlete Screening Tool” (FAST) が正確にアスリートがatypical 運動、
食事行動になるかを計測するためMcNulty(2001) によって作られた。大学生と大学生以外の女
性にvalidating this survey and comparisons
were made for validity against other validated but not sport-specific diagnostic tools:
the Eating Disorders Examination-Questionnaire, Eating Disorders Inventory -2 (EDI-2)
and the Bulimia Test Revised (BULIT ‐ R).FASTがatypical eating behavioursで手助けが必
要なアスリートを素早く見つけるために使われている。.
結論
アスリートとコーチに選択の幅が広がっており、ドーピング規則と一般の食事に関するガイド
ラインが複雑になっているのでデータを集め有効にかつようすることがスポーツのWelfareに
とって大事である。
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