US Topics October 26, 2006 ■ 目次 付与日を遡及修正したオプションを非適格繰延報酬契約に関するIRSの移行時措置の延長対象からはずす PwC、特定の複合金融商品に関する会計処理についての適用指針を更新する FASB、株式報酬規則の技術的な修正を行う FASB、コンジット負債証券の債務者を公開企業の定義に含める修正を行う 4つのFASB職員意見書草案が公表される その他のFASB関連記事 11月の予定 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------ ■ 付与日を遡及修正したオプションを非適格繰延報酬契約に関するIRSの移行時措置の延長対象からはずす 米国国税庁(Internal Revenue Service(IRS))は、通達2006-79 (Notice 2006-79)を発行し、国税庁規約(Internal Revenue Code)第 409A項における非適格繰延報酬契約について、特定の条件を満たせば移行時の救済措置を1年間延長する措置をとって います。この通達では、第409A項規定の従業員への課税を避けるため、企業が割引ストック・オプション(discounted stock option) および株式評価益権(stock appreciation right)を修正することを認める移行時の措置の有効期限を、原則として2007年12月31日ま で延長することを規定しています。しかしながら通達では、米国で一般に公正妥当と認められる会計原則(US GAAP)に従い適時に 報告されていなかった割引オプションの関連報酬費用があることを報告している公開企業、あるいは今後そうしたオプションを報告す ることが合理的に予想される公開企業については、当該企業が付与している特定のオプションをこの1年間の延長措置の対象から除 外することを明確にしています。例えば、ストック・オプションを実際よりも前の日付に遡って発行させる(backdating)問題等に関連し て、付与日の属する過去の会計期間においては適切に会計処理されなかった「イン・ザ・マネー・オプション」(“in-the-money” option)が存在することによって、財務諸表を修正再表示しなければならなかったり、過年度修正を記録しなければならない企業が、 このケースに該当します。 これらの企業には1年間の延長措置が適用されないため、オプションが過去の会計期間において「イン・ザ・マネー」の状態で付与され たと判断して(1)財務諸表を修正再表示した、あるいは修正再表示することが予想される公開企業、あるいは(2)過年度修正を記録し た、あるいは記録することが予想される公開企業は、従業員の課税を避けるためには、本来の移行措置期限である2006年12月31日 までに割引ストック・オプションを修正する必要があります。 ▼ プライスウォーターハウスクーパース(PwC)のデータライン 2006-29では、この問題に関する詳細な考察を提供しています。この データラインは、CFOdirect Networkのメンバーには以下のウェブサイトで利用可能です。 http://www.cfodirect.pwc.com/CFODirectWeb/Controller.jpf?ContentCode=AALN-6UXVP5&SecNavCode=TMCB4L9HAT&ContentType=Content ■ PwC、特定の複合金融商品に関する会計処理についての適用指針を更新する データライン 2006-27で、PwCは、米国財務会計基準審議会(FASB)財務会計基準書第155号 「特定の複合金融商品に関する会計 処理」の規定の様々な面を明確にし、企業が当該新基準を採用する際に直面することが予想される適用上の問題点を扱っています。 このデータラインでは、そうした問題点とPwCの解釈が提供されていますが、一方、複合金融商品とは別個に金融商品の定義を満た す原契約とそれに組み込まれたデリバティブの結合であるとするFASB職員によるガイダンスの明確化を織り込む内容の更新が行わ れています。 ▼ このデータラインは、CFOdirect Networkのメンバーには以下のウェブサイトで利用可能です。 http://www.cfodirect.pwc.com/CFODirectWeb/Controller.jpf?ContentCode=AALN-6UJ2L4&SecNavCode=TMCB4L9HAT&ContentType=Content&ContentType=Content PricewaterhouseCoopers 1/4 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------ ■ FASB、株式報酬規則の技術的な修正を行う FASBは、FASB職員意見書(FSP) FAS 123(R)-6を公表し、以下のような財務会計基準書第123号(2004年改定)「株式報酬」(FAS 123(R)号)の技術的な修正を行っています。 完全に確定(vest)した未行使(outstanding)のストック・オプション(あるいは株式単位)および確定予定のストック・オプショ ンの本源的価値(intrinsic value)の合計を開示する対象からの非公開企業の除外 認識すべき最低報酬費用の計算を修正するための設例4(b)のガイダンスの改定 例として示されている制度のように、付与が確定する見込みがなくなった日において、過去に認識した報酬費用を戻さなけ ればならなかったことを示すための設例13(e)の改定 付与を精算する(settle)申し出を短期的勧誘(short-term inducement)の定義から除外するための修正 ▼ このFSPは、以下のFASBのウェブサイトでご覧いただけます。 http://www.fasb.org/fasb_staff_positions/fsp_fas123r-6.pdf ■ FASB、コンジット負債証券の債務者を公開企業の定義に含める修正を行う FASBは、FSP FAS 126-1 「コンジット負債証券の債務者を含めるための公開企業の定義の修正」を公表し、FASB基準書における 公開企業の定義を明確にしました。この新しい規則のもとでは、公開企業の定義には、負債証券が公開市場で取引されるコンジット 地方債(conduit municipal bond)の債務者である事業体も含まれることになります。このFSPにより、会計原則委員会(Accounting Principles Board)第28号「期中財務報告」、FASB基準書第69号 「石油・ガス産出活動に関する開示」、FASB基準書第109号 「法人 所得税に関する会計処理」、FASB基準書第126号 「特定の非公開企業に対する金融商品に関する特定の要求される開示の免除」、 FASB基準書第131号 「企業のセグメント及び関連情報に関する開示」、およびFASB基準書第141号「企業結合」における公開企業 の定義が修正されます。 このFSP規則は、2006年12月15日より後に始まる会計期間より将来にわたり適用されますが、表示する全ての過去の会計期間にこ の規則を遡及適用することも可能です。 ▼ このFSPは、以下のFASBのウェブサイトでご覧いただけます。 http://www.fasb.org/fasb_staff_positions/fsp_fas126-1.pdf ■ 4つのFASB職員意見書草案が公表される 2006年10月23日の週に、FASBは以下のFSP草案を公表し、コメントを募集しました。 FSP EITF 00-19-b 「登録費用の支払に関する会計処理」- このFSPは、(1)登録費用支払取引に関する会計処理、およ び(2)他の該当するGAAPにおいて、登録費用支払取引が対象となる金融商品の区分に与える影響(もしあれば)に関して、 ガイダンスを提供しています。 http://www.fasb.org/fasb_staff_positions/prop_fsp_eitf00-19-b.pdf FSP EITF 03-6-a 「株式報酬取引において付与された商品が参加型証券であるか否かの判断」- このFSPは、株式報酬 取引で付与された商品が権利が確定する前に参加型証券となり、それゆえ二段階法(two-class method)に従った基本1 株当たり利益を計算する際の利益配分に含めなければならないか否かを扱っています。 http://www.fasb.org/fasb_staff_positions/prop_fsp_eitf03-6-a.pdf FSP FAS 141-b、142-eおよび144-b 「企業結合および減損テストにおける公正価値による測定」- このFSPは、財務会 計基準書第141号 「企業結合」、第142号 「のれん及び他の無形資産」および第144号 「長期性資産の減損又は処分の会 計処理」の規定を適用する際、資産および負債の公正価値をどのように見積もるかについての、実務における多様性に対 処することを目的としています。 http://www.fasb.org/fasb_staff_positions/prop_fsp_fvm.pdf PricewaterhouseCoopers 2/4 FSP FAS 144-c 「持分法を適用する投資を取得した際の売却目的償却性資産に関する区分および会計処理」- この FSPは、事業体が長期性資産に対する直接的あるいは間接的投資を当該長期性資産売却後に持分法で会計処理する計 画がある場合、当該長期性資産の区分と償却に関しての、実務における多様性に対処することを目的としています。 http://www.fasb.org/fasb_staff_positions/prop_fsp_fas144-c.pdf ■ その他のFASB関連記事 FASBプロジェクト更新 FASBは、以下のプロジェクトに関する要約を更新しました。 概念フレームワーク http://www.fasb.org/project/conceptual_framework.shtml 財務保証保険 http://www.fasb.org/project/financial_guarantee_insurance.shtml 基本相殺契約(Master Netting Arrangements)における現金担保の支払時あるいは受取時に認識された債権あるいは 債務の相殺 http://www.fasb.org/project/offsetting_collateral.shtml FSP草案 FAS 144-b 「持分法を適用する投資を取得した際の売却目的償却性資産に関する区分および会計処理」 http://www.fasb.org/project/depreciable_assets.shtml FASB Action Alert Action Alert No. 06-43は以下のFASBのウェブサイトでご覧いただけます。 http://www.fasb.org/action/aa102606.shtml ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------ ■ 11 月の予定 FASB会議 FASB公開教育セッション 発生問題専門委員会(EITF) 国際会計基準審議会(IASB)会議 国際財務報告解釈委員会(IFRIC)会議 米国公認会計士協会(AICPA)と証券業者協会 (Securities Industry Association)の財務管理部 による証券業界に関する国内会議 PricewaterhouseCoopers 11月1、8、15、21および29日 11月1、8、15、21および29日 11月16日 11月3日および13-17日 11月29日-12月1日 11月28、29日 3/4 お問合せ: あらた監査法人(広報) 〒108-0014 東京都港区芝浦4丁目2-8 住友不動産三田ツインビル東館13階 電話:03-6858-0179(直通) メールアドレス:[email protected] あらた監査法人は、世界 148 ヶ国 771 の都市に 13 万人以上のスタッフを擁するプライスウォーターハウスクーパース(PwC)のメンバーファーム です。PwC のメンバーファームとして、会計及び監査において PwC の手法に完全に準拠した国際的なベストプラクティスを採用し、PwC のグロ ーバル·ネットワークで培われた経験、専門知識、リソースを最大限に活用し、日本において国内企業および国際企業に対して、国際水準の高品 質の監査を提供していきます。 © 2006 PricewaterhouseCoopers Aarata. All rights reserved. ‘PricewaterhouseCoopers’ refers to the Japanese firm of PricewaterhouseCoopers Aarata or, as the context requires, the other member firm of PricewaterhouseCoopers International Limited, each of which is a separate and independent legal entity. PricewaterhouseCoopers 4/4
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