Citrix NetScalerによる モバイルデリバリーの実現

Citrix NetScaler | ホワイトペーパー
Citrix NetScalerによる
モバイルデリバリーの実現
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モビリティの台頭により、基本的なビルディングブロックの 1 つである TCP
(Transmission Control Protocol)も含めたデータセンターネットワークには、かつ
てないほどの問題に直面しています。このままでは、標準の TCP で今日のモバイル
ワーカーのパフォーマンス、可⽤性、およびセキュリティ要件を満たすことはできま
せん。幸いなことに、これらの課題に対処するための特別な TCP 拡張機能が多数開
発されています。また、Citrix NetScaler は、モバイル中心の世界でのユーザーエクス
ペリエンスを最適化するために、モビリティを意識した機能を多数備えています。
これらを活⽤するために、企業の IT 部門は、モバイルを意識した、最新の TCP プロ
トコル拡張機能をサポートしている ADC(アプリケーションデリバリーコントロー
ラー)を導⼊する必要があります。Citrix NetScaler は、業界で最も先進的なクラウド
ネットワークプラットフォームで、これらの拡張機能をサポートするだけでなく、今
日のモバイルワーカーが望んでいる優れたエクスペリエンスを提供するために特別
に設計されています。NetScaler には、今日のモバイルエンタープライズに業界最⾼
レベルのパフォーマンス、可⽤性、およびセキュリティを提供する革新的な機能が追
加されています。
TCP:変化するネットワークの要求に対応
TCP が最初に規定され、
文書化されたのは約 40 年前の 1974 年 12 月です。
現在でも、
インターネット上だけでなく、企業のデータセンターネットワーク内でも、最も広く
使⽤されているプロトコルです。
当初の設計目標の一部を次に示します。
• 相互運用性:標準プロトコルを使⽤することで異なるホストおよびエンティティ間
でのデータ送信を可能にする
• 柔軟性:ホストコンピューター、ルーター、ネットワークなどによくある物理的な
違いに対処する(異なるパケットサイズにも対応)
• 信頼性:エラーやパケットの紛失を検出し、必要な場合はデータを再送信する
• 接続性:複数の独⽴したネットワークを 1 つの集合ネットワークとして連携して
機能させる
これらの目標は大筋では達成されていますが、その当時は予測できなかった技術の進
歩により、TCP は定期的な更新を余儀なくされています。ネットワークの要求の変化
とプロトコルのコアアルゴリズムの改善により、1977 年と 1978 年に TCP バージョ
ン 2 および 3 がリリースされました。さらに、1981 年までに TCP バージョン 4 がリ
リースされました。その時点で、TCP からインターネットプロトコル(IP)が分割さ
れましたが、単純に現⾏バージョンの TCP に合わせるためにバージョン 4 と呼ばれ
ました。
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アプリケーションデリバリーコントローラーで TCP を拡張
TCP/IP V4 コアプロトコルと拡張された IPv6 プロトコルは現在も使⽤されています。
ただし、これまでに多数の拡張機能や補足的な関連プロトコルが追加されています。
例えば、TCP の多重化は、複数のユーザー/アプリケーションで同じ接続先との TCP
接続を共有できるようにします。アプリケーションデリバリーコントローラー(ADC)
のような中間デバイスを使⽤することにより、TCP 接続のオーバーヘッドの大部分を
接続先サーバーから取り除くことができます。ユーザーが ADC と別途 TCP 接続して
も、ADC はサーバーとの TCP 接続の共通プールを保持します。
ADC は次の機能を使⽤して、TCP/IP ネットワークに関するパフォーマンス、
可⽤性、
セキュリティを改善します。
• 圧縮
• データキャッシング
• レイヤ 7 のコンテンツスイッチング
• レイヤ 7 のパーシステンス
• アプリケーションセキュリティ
• SSL オフロード
• WAN の最適化
その一方で、モビリティがいくつかの全く新しい需要を喚起しています。それによっ
て特有の問題が発生し、対応しなければならない重要な疑問が提起されています。
• 企業データセンターのアプリケーションやデータにアクセスする過剰なモバイル
デバイスが TCP に求める新たな要求とは。
• 変化し続けるモバイルユーザーからの要求に対応するために ADC はどのように進
化すればよいか。
標準 TCP とモビリティの衝突
モバイルデバイス、ワイヤレスネットワーク、およびリモートユーザーの急増により、
TCP は経験したことのない課題に直面しています。TCP が設計されたのは、モバイ
ルデバイスが概念化されるかなり前であったため、誤った認識や扱いを受けることが
多く、結果としてネットワークを十分に活⽤できず、パフォーマンスの低下につな
がっています。
例えば、TCP のフロー制御や輻輳回避アルゴリズムは、有線ネットワークが主流の時
代に設計されたため、一部のトラフィックが多すぎたり少なすぎたりすることも珍し
くありません。ワイヤレスネットワークは、輻輳よりも妨害によってパケットを損失
する傾向があります。標準 TCP では、最小限の妨害でもパフォーマンスが大幅に低
下する可能性があります。なぜなら、損失は輻輳に原因があるという前提で積極的な
輻輳回避アルゴリズムを適⽤しているため、パフォーマンスが急激に低下するためで
す。
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モバイルワーカーに対応しきれない企業ネットワーク
原因は何であれ、モバイルユーザーの需要に追い付けない企業ネットワークが多すぎ
ます。ネットワーク上ですべてが順調のように⾒えている間も、モバイルユーザーの
エクスペリエンスは最適とは言えない状態です。モバイルデバイスおよびワイヤレス
ネットワークからのアプリケーションやデータへのアクセスは、生産性の問題の原因
となるほど遅くなることがあります。また、モバイルのパフォーマンスは予測できな
いため、モバイルユーザーの不満が益々大きくなっています。
モバイルユーザーの間では、サービスの可⽤性も大きな課題になることがあります。
例えば、外部の 3G/4G ネットワークから企業の 802.11 プライベートネットワークに
移動すると、ネットワーク間で IP アドレスが変わるために、アクティブな接続が終
了する場合があります。また、ノート PC、デスクトップ、仮想デスクトップを使⽤
しているユーザーが⾒るとクリアで理解できる Web サイト上のコンテンツが、モバ
イルデバイスを使⽤しているユーザーには不適切にフォーマットされた意味不明の
コンテンツにしか⾒えないという、別のタイプの可⽤性の問題が発生しています。
最終的には、不完全なモビリティによる損害を被るのはビジネスです。購⼊の⾒込み
のあるお客様が企業の製品情報ビデオを⾒ているときに、ネットワークのスイッチン
グで接続が失われた場合、お客様はビデオをもう一度最初から⾒ようとは思わないで
しょう。セールス担当者がレストランで、購⼊の⾒込みのあるお客様に企業の Web
サイトから製品の分かり易い資料を⾒せることができない場合、製品に対する興味が
失われる可能性があります。
モビリティの課題への対応
モビリティの台頭から生まれた難題を克服するには、TCP 自体と企業データセンター
ネットワーク内部の両方を変える必要があります。幸いに、この数十年間にわたり経
験してきたネットワークの問題には、TCP とその他のプロトコル拡張機能の結合に加
え、新しい ADC 機能も使⽤して、すでに対応済みです。これと同様の 2 方向からの
アプローチは、現在のモビリティの課題への対応にも使⽤できます。
• マルチパス TCP(MPTCP)などの TCP プロトコル拡張機能は、企業のモビリティ
の課題のいくつかを解決するために役⽴ちます。
• ETag ヘッダー(詳細は後述します)は、HTTP で使⽤すると、クライアントキャッ
シュの効率を改善します。
• 前述の TCP 多重化の例のように、ADC もモビリティの問題解決に重要な役割を果
たしています。
ただし、ほとんどの ADC は、有線ネットワークを考慮して設計されていることを忘
れてはいけません。すべての ADC が、優れたモバイルデリバリーを達成するために
必要な最新のプロトコルをサポートしているわけではありません。また、プロトコル
の変更なしで導⼊できるモバイル拡張機能などの付加的なメリットは備えていない
ものもあります。モバイルユーザーとアプリケーションにとっては、適切な ADC を
選択することが重要です。
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NetScaler でエンタープライズモビリティを極める
モバイルワークスタイルを実現するクラウドコンピューティング企業として、シト
リックスはモビリティをサポートするためのデータセンターネットワークのアップ
グレードをリードしています。Citrix NetScaler(最先端のアプリケーションデリバ
リーコントローラー)は、モバイルデバイスにとっての障害を取り除き、モバイルユー
ザーの生産性を向上させることに特化した、最新のモビリティ機能を提供します。
NetScaler は、MPTCP などのプロトコル拡張機能を活⽤するだけでなく、NetScaler
Insight Center による可視性や制御など強⼒な新機能も追加しています。
NetScaler は、モバイルユーザーのエクスペリエンスをさまざまな側面からレベル
アップします。パフォーマンス、可⽤性、セキュリティの 3 つの側面についてのシナ
リオを、次に紹介します。
パフォーマンス
モバイルユーザーが直面している最も一般的な問題の 1 つが低パフォーマンスです。
ヘルプデスクに電話で大量に寄せられる不満は、データやその他のリソースのダウン
ロードの遅さに関連しています。重要な点は、これが十分なネットワーク帯域幅を使
⽤できるときでも発生するため、ヘルプデスクは、デバイスかアプリケーションに問
題があると、誤った判断をしてしまうことです。1つには、TCP の輻輳制御アルゴリ
ズムの最初の設計方法と、モバイルワイヤレスネットワークに共通するいくつかの特
徴(⽐較的多いパケットロス、動的トラフィック負荷、送信済みでまだ受信されてい
ない大量のデータなど)が合わさって、この問題を引き起こしています。
ワイヤレスネットワーク妨害によるパケットロスは、
標準 TCP を過剰に反応させて、
TCP 輻輳ウィンドウが不必要に短縮されることになります。これにより、全体で使⽤
可能な帯域幅は実際に変更されていないにもかかわらず、いつでも送信中にしておけ
るデータは少量に抑えられることになります。有線ネットワークとワイヤレスネット
ワークが混在すると、パフォーマンスへの悪影響は特に大きくなります。この影響は、
パケットロス率が⾼いモバイルネットワークほど、より頻繁に認識されます。
NetScaler がサポートする輻輳回避アルゴリズム、TCP Westwood(TCPW)は、TCP
New-Reno のような一般的な TCP 輻輳アルゴリズム以上にパフォーマンスを向上さ
せます。モバイルネットワークは、ビットエラーやネットワーク輻輳に悩まされてい
ます。これは、従来の回避アルゴリズムではスループットを大幅に低下させる原因に
なります。TCPW はこの問題を解決するために、接続の実効データ転送レートを継続
的に計算し、輻輳時のデータ調整に使⽤することで、接続のスループットを改善しま
す。さらに、スループットに大きな変動がある場合、アルゴリズムで積極的に調査し
て、使⽤可能な最大の帯域幅まで転送を加速させます。
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スループット(bps)
標準 TCP スタック
時間(秒)
スループット(bps)
モバイル対応 TCP Westwood
時間(秒)
図 1:TCP Westwood と従来の輻輳回避アルゴリズムとのパフォーマンスの⽐較
NetScaler は、⾼度な TCP バッファリング機能も提供します。この機能は、トランザ
クション管理環境のパフォーマンスを改善します。これを実現するために、⾼速の
サーバーネットワークと低速のクライアントネットワーク間の速度整合メカニズム
を追加し、サーバーの応答をバッファリングしてから、クライアントの速度でクライ
アントに送信します。この方法により、サーバーは要求されたデータの負荷からすば
やく開放され、そのリソースを他のタスクに利⽤できるようになります。
動的ウィンドウ管理により、NetScaler は TCP のアドバタイズウィンドウサイズをシ
ステムのメモリ使⽤状況に基づいて動的に変更します。メモリが活⽤されていない場
合、NetScaler は TCP のアドバタイズウィンドウサイズを大きくして、エンドポイン
トの積極的なフロー制御を可能にし、クライアントまたはサーバーから負荷を減らし
ます。
システムでメモリの圧迫を検知した場合、動的に少しずつ TCP アドバタイズウィン
ドウを小さくして、負荷とスループットを調整します。これによって、システムリソー
スの使⽤を最適化し、キャパシティが活⽤されていないことによるトラフィックのボ
トルネックを回避します。
可用性
標準の TCP 接続は、モバイルデバイスがあるネットワークから別のネットワークに
切り替えると、存続できなくなります。その結果、遮断された TCP 接続を使⽤して
いるアプリケーションの状態情報が失われる可能性があります。例えば、ユーザーが
3G/4G ネットワーク上で携帯電話を使⽤してビデオをストリーミングしている場合、
802.11 の企業ネットワークに接続すると、ストリーミングは中断されます。TCP 接
続が失われて、再確⽴が必要になるため、ユーザーはビデオをもう一度最初から⾒る
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ことになります。
今日のホストとクライアントの間には、3G/4G や 802.11 アクセスネットワークを含
め、複数のネットワークパスがあります。これらのパスを活⽤するために、NetScaler
は TCP/IP プロトコルの拡張機能である MPTCP をサポートしています。MPTCP は、
TCP セッションを保持するために、MPTCP 対応のホストとクライアント間で使⽤可
能な複数のパスを識別して使⽤します。MPTCP を有効化することで、ネットワーク
パスの 1 つが使⽤できなくなったとしても、トランザクションを継続できます。1 つ
のリンクが機能しなくなっても、アプリケーションセッションは失敗しないため、
MPTCP は標準の TCP より優れた耐障害性と可⽤性を提供します。
3G を介したアプリケー
ションの使⽤は良好。アプ
リケーションアクセスには
標準の TCP 接続を使⽤。
アクセスポイントの変更で
状況が変化。TCP 接続のリ
セットが必要になり、
アクセスの遅延が発生。
マルチパス TCP は 2 つの
TCP を使⽤することで、
この問題を解決。その後
NetScaler がデータを結合。
図 2:Multipath-TCP(MPTCP)ゲートウェイの役割を果たす NetScaler の例
コンテンツをデバイスタイプごとに個別にフォーマットする必要がある場合、別の可
⽤性の問題が発生します。NetScaler は、デバイスタイプに基づいたコンテンツスイッ
チングもサポートしています。クライアント要求内のユーザーエージェントまたはカ
スタム HTTP ヘッダーで、要求を作成したデバイスのタイプを調べます。デバイスタ
イプに基づいて、特定の Web サーバーに要求を送ります。例えば、要求が携帯電話
から送られて来た場合、その要求は、ユーザーが携帯電話で表示できるコンテンツを
提供できるサーバーに送られます。
セキュリティ
TCP には、セキュリティの最も基本的なメカニズムもありません。暗号化、認証、お
よびアクセス制御は、すべて TCP プロトコル外部で対処する必要があります。携帯
電話を攻撃、データ盗難、不正アクセスから保護するには、ADC 内の追加機能とテ
クノロジーが必要になります。
NetScaler は、モバイルリソースを保護し、既存のネットワーク層のセキュリティ保
護を強化するセキュリティ機能を統合することで、さまざまな脅威を防ぎます。例え
ば、NetScaler AppFirewall は、アプリケーション層の既知の攻撃やゼロデイ攻撃だ
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けでなく、通常のアプリケーションの使⽤を逸脱した Web アプリケーションの動作
もブロックして、最終的には、これらのアプリケーションにアクセスするモバイルデ
バイスも保護します。さらに、ユーザーがどこでも仕事ができるようにする、実績の
ある SSL VPN ソリューション、Citrix NetScaler Gateway により、モバイルユーザー
はセキュアなリモートアクセスが可能になります。NetScaler は、モバイルユーザー
のために特別に設計されており、Citrix XenApp®および Citrix XenDesktop®のアプリ
ケーションやデータへの最もセキュアなアクセスを実現します。
モバイルセキュリティは、ネットワークだけでなく、モバイルデバイス、アプリケー
ション、およびデータまで拡張する必要があります。例えば、デバイスが管理されて
いない、あるいはジェイルブレークまたはルート化されたか、IT ポリシーへのコンプ
ライアンスに違反していないかなどです。同様に、未承認のユーザーが機密アプリ
ケーションおよびデータへのアクセスを試みる可能性もあります。完全なモバイルセ
キュリティソリューションには、エンタープライズモバイルデバイス管理のための
XenMobile MDM も組み込まれています。XenMobile MDM は、IT 部門がデバイスの
セキュリティとコンプライアンスを保持し、モバイルアプリケーション、ネットワー
ク、およびデータを保護できるようにします。これと NetScaler および XenMobile
MDM が連携して、IT 部門が企業内で拡大するセキュリティに対するモバイルユー
ザーのニーズに対応できるようにする最善の総合ソリューションを提供します。
モバイルデバイスを攻撃から守るには、可視性も必要になります。NetScaler Insight
Center は、業務上の重要なアプリケーションとモバイルサービスに対し、パブリッ
クおよびプライベートクラウド環境全体で強⼒な可視性を提供します。革新的なオー
プン標準の AppFlow™を基盤とした NetScaler Insight Center は、アプリケーション
パスの中心に特別に位置付けられた既存のネットワーキング資産を活⽤して、モバイ
ル、Web、仮想デスクトップのすべてのトラフィックに関する 360 度の視界を提供し
ます。この結果、データセンターのトラフィックに対し、今までにない可視性とリア
ルタイムでの洞察を実現する、ネットワークのビッグデータ分析プラットフォームが
誕生します。
NetScaler のその他のモビリティサポート
NetScaler には、他にもモバイルユーザーに必要なエクスペリエンスを提供するため
の強⼒なモビリティ機能が多数備わっています。
SPDY
SPDY(スピーディーと発音)は、Web コンテンツを送信するためのオープンネット
ワーキングプロトコルのフルネームで、頭字語ではありません。SPDY の目標は、ド
メインごとに 1 つの TCP 接続を使⽤することにより、Web ページの読み込み時間を
短縮することです。SPDY は、リソース要求を交互配置できるようにして、リソース
へのアクセスに優先順位付けすることでこれを実現します。また、圧縮により待ち時
間を短縮します。
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ページ読み込み時間(ms)
ページ読み込み時間への SPDY の影響
パケットロス率(インターネットの平均は 1%)
アクション分析のダイナミックキャッシング
Web サイトやアプリケーションのパフォーマンスは、最も頻繁に要求されるコンテン
ツのデリバリーをどこまで最適化できるかによって決まります。しかし、手動で最適
化を⾏いたくない場合、または Web サイトやアプリケーションが本質的に動的であ
る場合、統計データの収集だけでなく、その統計に基づいてリソースのデリバリーを
自動的に最適化するインフラストラクチャーが必要です。NetScaler は、この機能を
アクション分析機能として提供しています。
AppQoE(Application-Level Quality of Experience)
ADC は、これまでバックエンドリソースごとに独⽴したキューを保持していました
が、この方法では、これらのリソース間でのグローバルな優先順位付きキューイング
は不可能です。NetScaler の AppQoE 機能は、個々のサービス⽤のキューを保持する
だけでなく、仮想サーバー(vserver)レベルでグローバルな優先順位付きキューを追
加することで、優先度の⾼いトラフィックをすでにキュー登録されていたトラフィッ
クより先に処理できるようにします。これにより、同じバックエンドサービスに複数
のリソースが使⽤可能になっているときのユーザーエクスペリエンスが改善されま
す。
ETag ヘッダー
ETag(エンティティタグ)は、World Wide Web ⽤プロトコル、HTTP の一部です。
Web キャッシュの妥当性検査のために HTTP が提供するメカニズムの 1 つで、これ
によってクライアントは条件付き要求を⾏えるようになります。Etag により、コン
テンツが変わっていない場合、Web サーバーはすべての応答を送信する必要がなくな
るため、より効率的にキャッシュできるようになり、帯域幅を節約できます。ただし、
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ロードバランサーの背後にあるサーバーでは、妥当性検査要求が別のサーバーに送ら
れるため、Etag は効果を発揮できません。NetScaler は、正しいバックエンドサーバー
を識別するために ETag ヘッダーを書き換えることで、この問題を克服します。
クライアントのキープアライブ
接続の開閉には時間が掛かり、複数の HTTP/HTTPS 要求を送信する、エンドユーザー
の全体的なパフォーマンスが低下します。パフォーマンスを向上させるために、
NetScaler ではクライアントのキープアライブを利⽤します。クライアントデバイス
からの最初のトラフィックを NetScaler がインターセプトし、自身とクライアントデ
バイス間に 1 つと、自身とサーバー間にもう 1 つの接続をセットアップします。それ
以降、クライアントからの要求は NetScaler によってインターセプトされ、サーバー
に送信されます。サーバーが応答を送信すると、サーバーと NetScaler 間の接続を閉
じます。しかし、NetScaler サービスがクライアントキープアライブを使⽤して構成
されているときは、クライアントに応答を送信した後も自身とクライアント間の接続
を開いた状態に保持し、次に要求が出されたときにクライアントの接続のオーバー
ヘッドを最小限に抑えます。
エンタープライズモビリティの問題とそのソリューション
モビリティの問題は、企業内にさまざまな形で存在しています。それぞれのシナリオ
には固有の特徴があるため、それらを解決するために使⽤できるプロトコル拡張機能
や ADC 機能を判断するのは容易ではありません。トラブルシューティングや問題解
決を容易にするために、次の表にモビリティの問題とソリューションを対応付けてい
ます。最初の列で該当する問題のシナリオを探し、その⾏を横に⾒て、残りの列に示
された機能の中から解決するために使⽤できるものを確認してください。
ユーザーのユースケース
SPDY
MPTCP
企業の Web サーバーの
Web 閲覧時の速度低下を
認識している
3G/4G から 802.11 へネッ
トワークを移動する際に
オーディオ/ビデオのスト
リーミングが中断され、最
初から再起動する必要があ
る
特定のオーディオおよびビ
デオファイルのダウンロー
ドに時間が掛かる
複数のモバイルユーザーが
同じ全社的な月間ニュース
レターをダウンロードする
と、ネットワークの輻輳が
発生する
エンドユーザーが企業アプ
リケーションやその他のリ
ソースへのダウンロードに
時間が掛かることを訴える
電話がヘルプデスクに大量
に寄せられる
企業の幹部はサーバーが負
荷分散対象かどうかに関わ
らず特定のアプリケーショ
ンに対する優先順位付き
キューイングを要求してい
る
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アクション
分析の
NetScaler
TCP
ダイナミック Insight
Westwood キャッシング Center
デバイスタ
イプに基づ
いたコンテ
クライアン
動的ウィン
ンツスイッ
Etag
トキープ TCP バッ ドウバッ
AppQoE
チング
ヘッダー アライブ ファリング ファリング HTTP 圧縮
HTTP
キャッシ
ング
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ユーザーのユースケース
SPDY
MPTCP
アクション
分析の
NetScaler
TCP
ダイナミック Insight
Westwood キャッシング Center
11
デバイスタ
イプに基づ
いたコンテ
クライアン
動的ウィン
ンツスイッ
Etag
トキープ TCP バッ ドウバッ
AppQoE
チング
ヘッダー アライブ ファリング ファリング HTTP 圧縮
PC に表示されるのと同じ
コンテンツがモバイルデバ
イスでは正しく表示されな
い
旧式の低速クライアントを
使⽤しているためダウン
ロードのパフォーマンスが
低下する
ワイヤレスネットワーク間
を移動するとアクティブな
接続が終了する
特定サービスへの継続的な
接続が低速であるという苦
情がある
モバイルデリバリーの実現
モバイルワークスタイルを実現するクラウドコンピューティング企業として、シト
リックスはモビリティをサポートするためにデータセンターネットワークのアップ
グレードをリードしています。Citrix NetScaler は、業界で最も先進的なクラウドネッ
トワークプラットフォームで、モビリティに必要な最新の TCP 拡張機能をサポート
するだけでなく、今日のモバイルワーカーが望んでいる優れたエクスペリエンスを提
供するために特別に設計されています。NetScaler は、モバイルデバイスへの障害を
取り除き、エンタープライズモビリティを採⽤する際の重要な課題を克服する、最先
端のモビリティ機能を提供します。
NetScaler は、次のようなモビリティの課題に対応します。
• パフォーマンス – TCPW、TCP バッファリング、動的ウィンドウ管理などをサポー
トすることにより、NetScaler は標準 TCP だけでは実現できない⾼パフォーマン
スを提供します。
• 可用性 – MPTCP、コンテンツスイッチング、その他の革新的な機能をサポートす
ることにより、NetScaler はユーザーが場所を変えても生産的に作業を続けられる
ようにします。
• セキュリティ – NetScaler Insight Center、NetScaler AppFirewall、NetScaler
Gateway、XenMobile MDM は、最も完璧なエンタープライズモバイルソリューショ
ンとして、攻撃、データ盗難、不正アクセスからモバイルデバイスを保護します。
Citrix NetScaler は単なるロードバランサーではありません。モバイルの世界の ADC
として、企業データセンターネットワークの重大なモビリティの課題を克服し、ユー
ザーにより大きな満足感を与え、生産性を向上させます。
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HTTP
キャッシ
ング
Citrix NetScaler | 設計ガイド
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Citrix について
Citrix Systems, Inc.(NASDAQ:CTXS)は、モバイルワークスタイルを可能にするクラウド ソリューション カンパニーです。モバイル
ワークスタイルによって人々は、どこにいても、オフィスにいるときと同じように、簡単に最新のデバイスからデータとアプリケーショ
ンにアクセスし、コラボレーションすることが可能です。Citrix のクラウドソリューションは、IT 部門やサービスプロバイダーが、パブ
リッククラウドとプライベートクラウドを容易に構築することを可能にします。また、モバイルワークスタイルを実現するために、仮想
化技術とネットワーキング技術を活⽤し、優れたパフォーマンス、弾⼒性、そしてコストパフォーマンスを兼ね揃えたサービスを提供し
ます。モバイル化によって多様化が進む中、あらゆるお客様の成功のため、Citrix は、モバイル、デスクトップ仮想化、ネットワーキン
グ、クラウド プラットフォーム、コラボレーション、データ共有の各分野における業界最先端のクラウドソリューションを提供し、お
客様のビジネスの俊敏性を向上します。現在、Citrix の製品は、世界中の 33 万以上の企業や組織において 1 億人以上の人々に利⽤されて
います。2012 年度の年間売上⾼は 25 億 9,000 万ドルでした。詳細については www.citrix.co.jp をご覧ください。
©2014 Citrix Systems, Inc. All rights reserved. Citrix、NetScaler、NetScaler Insight Center、NetScaler Gateway、XenApp、XenDesktop、
XenMobile MDM および NetScaler AppFirewall は、Citrix Systems, Inc.またはその子会社の登録商標であり、米国の特許商標局およびそ
の他の国に登録されています。その他の商標や登録商標はそれぞれの各社が所有権を有するものです。
E0512/PDF
J1214/PDF
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