救急診療科・救命救急センター短期研修募集案内

東京ER・墨東
救急診療科・救命救急センター
短期研修募集について
東京都立墨東病院は、都心東部にある区東部医療圏
(墨田区、江東区、葛飾区、江戸川区)に位置し、およ
そ半径5kmの中に、約180万人の人口を数える人口
過密地帯に位置する地域基幹病院です。
その過密地帯に東京ER・墨東は、石原都知事の打ち
出した「365日24時間の安心」「患者中心の医療」を目
指して初期・2次救急の診療専門の診療ユニットとして
2001年11月に設立され8年が経過しました。
三次救急は既存の救命救急センターで対応し、合わ
せて東京消防庁の救急患者搬送とあらゆる症状、状
態のwalk in 患者の診療に365日24時間体制で対応
しています。
東京ER・墨東は初期・二次対応のER(救急診療科)と
3次対応の救命救急センターで構成されており、この
救急部門での臨床研修2年次以降の医師の短期研修
を募集します。
年間のER受診患者数 約48000人 で、2次救急搬送
件数は約8000件、1日平均受診者総数(ER疾病、外
傷、小児系) 平日約120人 休日約250人となってお
り、ER受診後入院する患者数は、年間約5000人と
なっており、受診者数、救急搬送件数ともに都内でも
屈指のERとなっております。
ER診療は、すべての受診患者をER疾病系(成人内科疾患)、
ER外傷系(外傷疾患)、ER小児系(小児科疾患)の3系列に振
り分けて診療を行っています。
診療体制は
平日昼間体制
コーディネーター医師1名
救急診療科常勤アテンディング医師1-2名
救急診療科研修医師(3-4名)
各科外来救急当番医師
休日・夜間体制
コーディネーター医師1名
ER疾病系診療医2名
ER外傷系診療医2名
小児科専門診療医2名
ER疾病系、外傷系診療医は主として当院レジデント2年目から
5年目で構成されています。(小児の疾病は小児科で対応)
ERコーディネーターは、救命部門の救急科専門医が、ER受診
患者トリアージ、ER診療医の診療に対するアドバイスや教育な
どの診療監督、東京消防庁からの救急患者の搬送依頼の対
応、他院からの転院や診療依頼の対応、ERで発生するトラブ
ルの対処などの業務を専任で行っています。
ER疾病系受診後の入院患者の疾患別件数(主要疾患)2009年
消化管出血 180例 胆のう炎・総胆管結石 95例
急性虫垂炎 141例 急性膵炎 63例 腸閉塞 147例
髄膜炎・脳炎 60例 クモ膜下出血 50例
脳梗塞 221例 脳出血 52例 うっ血性心不全 134例
急性心筋梗塞・急性冠症候群 187例
肺炎239例 自然気胸169例 急性薬物中毒102例
ER外傷系は、年間約14000件の受診者で、頭部外傷や四肢の骨折、切
創、内臓損傷や鼻出血、熱傷などの主として外傷による受診患者の診療
を行います。
(整形外科、脳神経外科や多発外傷の場合の救命センターによる速やか
なバックアップのもとで診療を行っています。)
ERでの救急研修は、
救急外来診療を専門に行います。(入院患者管理は各科の当直
医が行い、ER診療医は外来診療のみに専念できる環境になって
います。)
日中は、ER疾病系、ER外傷系の診療医として夜間は、月4-5回
程度の当直業務を行います。(当直明けはduty freeの休日となっ
ています)
ERでの診療に関しては、ERの監督であるコーディネーター医師
と専門各科の内科1名、循環器科1名、小児科2名、外科1名、脳
神経外科1名、整形外科1名、神経科1名、産婦人科2名、新生児
科1名、麻酔科2名、救命救急センター3名、混合科(耳鼻科、皮
膚科、眼科、胸部心臓血管外科のいずれか)1名の総勢16名の
当直医師が、ER診療医からコンサルテーションを受けER診療医
の検査・治療手技や診断が安全、確実に行えるようにサポートし
バックアップのできる体制をとっています。
・ER受診患者数が非常に多く、かつ重症度も比較的高いため
救急疾患の鑑別診断、初期治療に習熟することができます。
また、急性薬物中毒などの特殊な疾患に対しての初期治療と
対応が可能になります。
・基本的な治療、検査スキルが身につきます(腹部超音波、心
臓超音波、レントゲン・CT読影、腰椎穿刺、気胸のトロッカー挿
入、創傷処置や縫合、骨折の小外傷のマネージメント、JATEC
による外傷診療など)
・専門医のサポートとバックアップの下での診療とフィードバック
で診療スキルを強化する事ができます。
・救急科専門医によるOn /Off the Job trainingも充実しており、
毎日、日勤終了後にその日診療した患者のカルテレビューを行
い、診療の組み立て方からカルテの書き方に至るまでの指導
を行い、週1回のモーニングレクチャーやERカンファレンスなど
を実施してEBMに基づく知識の習得や定着を目指しています。
救命救急センターは東京消防庁の区分する第7方面(墨田区、江東
区、江戸川区及び、葛飾区)をカバ-する三次救急医療施設として、
昭和60年11月に設置されました。対象とする病態は、全ての重症救
急患者であり、多発外傷、熱傷、中毒をはじめとする外因性疾患か
ら、脳血管障害、心筋梗塞、呼吸不全、腎不全などの内因性疾患に
まで及びます。
年間の取扱件数は、三次救急患者として、約2200件(内因性1200
件、外傷600件、中毒200件、熱傷40件など)にのぼり、都内の救
命救急センターの中でも最多件数となっています。
当院の救命救急センターの特徴は、他の科から独立しており、常
勤スタッフとして総勢20名(内科、一般外科、整形外科、脳神経外科
の専門医)と、常時7ないし8名のレジデントが、救命救急センターの
専従医として常駐しており、24時間365日診療にあたっています
救命センターでの研修は
救命センター常勤医の指導監督の下で、三次外来での初期治療と
センター収容後の集中治療を常勤医とペアで受け持ち医となり行っ
ています。
当直帯はセンター常勤医3名、研修医3名の体制で行っており当直
業務は月8回程度行います。
救命センター研修で、心肺蘇生法(ICLS, ACLS, BLS)やJATEC
対応の外傷初期診療や気管内挿管、胸腔ドレーン挿入、中心静脈
カテーテル挿入、観血的動脈圧モニター留置などといった重症患者
の急性期管理に必要なスキルを習得し、重症患者管理(人工呼吸
器、血液透析など)について習熟することができます。
墨東ER研修について
私は、他病院で後期臨床研修中に3ヶ月間、墨東ERで研修させていた
だきました。墨東ERで一番勉強になったことは、多くの患者さんを短時間
で診療していかなくてはいけない中で、いかにすばやく、確実にその患者
さんの重症度を見極めるかという点です。初療の段階で、まずどこに注目
するのか、検査はどこまで必要か、考えられる鑑別診断は何か、一つ一つ
考え、判断する。墨東病院では症例の数、内容ともに豊富で、困った時に
コンサルトできる体制が整っており、また救急外来のシステムが効率化さ
れており、ERレジデントが診療に専念できる環境が整っており、貴重な経
験を積むことができる場だと思います。 Dr N
墨東病院ER研修の感想
墨東病院ER内科を研修して最も感じたのは、墨東病院では救命セン
ターを初め、循環器科も精神科も常に稼働しているため、どんな主訴の患
者さんでも来院するわけですが、どんな病気であってもそれぞれの専門家
に指示を仰ぐことが可能であり、ここにいれば全ての二次疾患を見ること
ができるのだなという事です。オーベンもいつも近くに待機していてすぐに
コンサルトに応じてくれましたし、気さくな先生が多く、楽しい環境でした。
脳出血もあればメニエール病もあり、心筋梗塞もあれば癌性腹膜炎もあり、
原因不明の薬物摂取による意識障害など多彩な状態の患者さんの診療
をすることもできました。ここにいれば、どんな患者にも対応できる能力が
身につくと思います。私個人としては、内科の総復習ができ、同時に自分
の弱点つぶしもできたと感じており、非常に勉強になりました。 Dr A
救命センターローテーションのすすめ
多くの病院で、救急外来の研修を行っていますが、救命センターの研修
が出来るところは少ないと思います。墨東病院の救命センターは、多くの
病院では診療する機会が少ない交通外傷や災害における外傷患者と全
身状態が悪い内因性疾患と幅広い疾患を対象としており、まずはその疾
患の多様性に驚くと思います。ただ、それは珍しい疾患を見るということで
はなく、多発外傷の初期治療から管理、ACLSの実践といった、基本的な
知識や技術の実践の場でもあります。また、バイタルが崩れている全身状
態に、まずどのように、どのような優先順位で行うかという具体的な判断ま
で経験でき、経験の豊富な先生方から学べることは非常に膨大です。救
命センターで経験することは、集中治療管理といった点でも将来的に貴重
な機会となりますので、将来の選択科を問わず、いずれ役に立つ期間に
なると思います。 Dr N
ER・救命救急センターのいずれも研修が楽な場所ではありませんが、
自分がこれまでできなかったこと、苦手なことがここでの研修によって
知識とスキルが向上して、救急外来での日々の診療や突然の重症患
者の受診や急変の対応に自信がつき医師としてのスタンスが広がる
ものと思います。
研修の指導は、心優しく指導上手で熱い!と定評のあるスタッフが常
駐しており診断の鑑別、手技などでのバックアップと指導を心がけてお
り、メリハリをつけて和気あい合いと日々の業務に励んでいます。
あなたも墨東病院救急部門での救急研修で自分の可能性を伸ばして
みませんか?
ERと救命救急センターの研修選択は研修者の希望に沿う形にコー
ディネート可能です。
また研修期間については短期から長期まで相談に応じます。
ER・センターの見学は随時大歓迎です!
メールでの問い合わせも受け付けています。
見学希望や処遇等の詳細を知りたい方は下記まで遠慮なくご連絡くだ
さい。
奮ってのご参加お待ちしております。
研修・見学希望の連絡先
〒130-8575 東京都 墨田区 江東橋4-23-15
東京都立墨東病院 救急診療科・救命救急センター
医長 岡田 昌彦
℡ 03-3633-6151 (PHS5066)
e-mail : [email protected]