2015 年度 JSCA 建築構造士定期講習会 1.開催日時、会場 大阪会場

2015 年度 JSCA 建築構造士定期講習会
1.開催日時、会場
大阪会場:7 月 4 日(土) 13:00~17:00 於 大阪科学技術センター
東京会場:8 月 22 日(土) 13:00~17:00 於 東京大学弥生講堂一条ホール
札幌会場:8 月 22 日(土) 13:00~17:00
東京会場の模様を同時 web 配信 於 TKP 札幌ビジネスセンター
2.講習会タイトル
「自然の想定外を考える」
3.プログラム
13:00~13:05 主催者開会挨拶(JSCA 会長)
13:05~14:15 想定外の地震を考える
東日本大震災では、まさに想定外の地震に見舞われ、その反省から今後は想定
外をも念頭においた地震対策が必要になると考えられる。そのためには、現在設
計で想定している地震動のレベル感をベースに、それ以上の地震により構造体に
どのような損傷が生じるのか、また損傷を定量的にどう検知するのかが喫緊の課
題となる。
ここでは、その解明を最終目的とした文科省プロジェクト「都市機能の維持・
回復のための調査研究」で実施された、S 造高層建物崩壊実験および RC 造 6 層
建物崩壊実験と、両実験で損傷検知のために導入された健全度モニタリングシス
テムについて報告し、広く会員各位からのご意見・コメントをいただきたい。(ア
ンケート用紙配布予定)。
<想定外とは・S 造高層崩壊実験>
小鹿紀英(小堀鐸二研究所)(大阪)
中島正愛(京都大学防災研究所)
(東京)
<RC 造崩壊実験>
勝俣英雄(大林組)(東京・大阪)
<健全度モニタリング>
森井雄史(清水建設)(大阪)
白石理人(同上)(東京)
14:15~15:25 巨大津波にどう対応するか/多賀謙蔵(神戸大学大学院)
2011 年東北地方太平洋沖地震は、津波の破壊力・恐ろしさを見せつけた。しか
しながら、東北地方から関東地方にかけてのこの地には、過去にも同様の規模の
津波が押し寄せたことが推定されており、また 2004 年スマトラ沖地震による大
規模な津波被害を目の当たりにした直後の 2005 年に「津波避難ビル等に係るガ
イドライン」が内閣府から公布されていたことを考えると、これらの知見をほと
んど活かせなかったことについて我々構造技術者は謙虚に反省しなければなら
ない。
震災後、先のガイドラインを一部見直した形の技術的助言が 2011 年 11 月に、
さらには関連法令・告示が同年 12 月に出され、津波を構造設計の対象とする場
合に荷重評価等の基本的な条件設定ができるようになっている。しかしながら、
現実には荷重評価について未解明な部分が多く、建物形状によって津波波力はど
のように変わるか?漂流物の荷重効果はどのように設定すればよいか?など今
後の研究成果を待たなければならないことも多い。
ここでは、主として次の観点から話題提供を行い、会員各位の議論のきっかけ
としたい。
・荷重設定において、現時点で未解明と思われること。それに対してどう決断す
るか。
・津波荷重に対する「目標性能」と「構造体が留まるべき状態」はどのように考
えるべきか。
・(地震動も含めて)このような過大な水平荷重に対する構造設計の方向性はど
うあるべきか。
15:25~15:40 休憩
15:40~16:50 想定外の風荷重を考える/松井正宏(東京工芸大学)
全ての風荷重を母集団とすれば,想定外の風荷重は想定している風荷重の排反
事象と定義できる。それがどのような現象であるかを示すことは,それがなぜ想
定外の現象となっているかを考えれば,非常に難しいものであることが理解され
る。一方,荷重の大きさを対象にすれば,上限(音速)が存在するので,設計風
速を超える風速と定義できる。ただし,設計は風速の大きさだけで決まるもので
はなく,他のファクターの影響や,風に起因する荷重効果として最大応力度だけ
でなく,累積疲労損傷等の多次元の尺度での評価が要求される。以上,まとめれ
ば,自然現象の観点からどのような風を対象としているか,荷重効果の観点から
何を評価しようとしているか,の2点で想定/想定外を議論すべきである。さらに,
時間的な経過を考えると設計時の状態が対象建築物の供用期間にわたって継続
するかどうかが不確定である。以上の観点から,想定外の現象についての考え方
の一例を紹介したい。
16:45~16:50 閉会挨拶
大阪 支部担当者
東京 小口登史樹
司会
大阪
東京
(建築構造士制度委員会委員長)
支部担当者
仲山雅一(建築構造士制度委員会更新部会主査)