ACAMS ニュースレター - 公認 AMLスペシャリスト協会

 ACAMS ニュースレター #001‐2015: February 2015 AML プロフェショナル各位 まだまだ余寒きびしい日が続きますが、皆様ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 日頃より格別のご厚情を賜りお礼申し上げます。 昨年来犯罪収益移転防止法の改正および国際テロリスト財産凍結法等が成立するなど、国際社会における日
本の対応・対策について注目が注がれ、また、米国において AML 法制がさらに強化される議論が始まろうとして
いる今日この頃です。 本日は、ACAMS ニュースレターを配信させていただきます。 □ACAMS Moneylaundering.com から□ 「Grassley 氏、新任議長として大掛かりな AML 法案を推進」 議会において長年厳格な金融犯罪法を支持している人物が上院司法委員会委員長に新しく就任し米
国の特定違法行為リストをさらに拡張する措置を推し進めようとしている。……………….2015 年 1 月 30 日 【ダウンロード】 □ご案内□ ▼ACAMS 主催セミナー のご案内▼ 7th Annual Asia Pacific AML/Financial Crime Conference| 4 月 27‐28 日 2015 年 | Grand Hyatt, 香港 LIVE CAMS PREP SEMINAR: 4 月 26 日, 2015 年| www.amlasia.org ACAMS 第 6 回 東京 AML/CTF セミナー | 9 月 10 日 2015 年|(アジェンダ・講演者調整中) http://www.acams.org/enhanced‐aml‐and‐financial‐crime‐tools‐and‐techniques‐tokyo/ ▼ACAMS Webinar Seminar 3 月のご案内▼ 本年 3 月は次のテーマでウェブ・セミナーを開催いたします。皆様のご参加をお待ちしております。 3 月 4 日 | 12 PM – 2 PM (米国東部標準時間) Case Study: What the Post‐ISIS World Demands of AML Professionals 1 3 月 11 日 |12 PM – 2 PM (米国東部標準時間) Compliance Officers and Personal Liability: Are You At Risk? 3 月 23 日 | 12 PM – 1 PM (英国夏時間) 無料 European Focus: AML/CTF Responses to Recent Terrorist Acts and ISIS Violence 3 月 25 日 | 12 PM – 1 PM (米国東部標準時間) 無料 Hollywood Conference Round Up 3 月 27 日 | 10 PM –1 1 PM (香港時間) 無料 APAC Financial Crime Briefing10:00 pm :参加ご希望の方は、下記東京事務所のご連絡いただくか、または参加登録リンク: http://www.acams.org/aml‐training‐and‐conferences/aml‐training‐web‐seminars/ をご利用下さい。 ▼ACAMS 無料 Webinar Library のご案内▼ 過去の ACAMS Webinar Seminar のライブラリーが無料でご利用できます。例えば、 Preview ACAMS moneylaundering.com International AML & Financial Crime Conference January 16, 2015 Canada Focus: Update on Emerging Trends in AML & Financial Crime January 9, 2015 Financial Institutions Can Shed Light on Invisible Victims of Human Trafficking and Smuggling November 24, 2014 等様々なテーマで開催したものを収録しております。 :ご希望の方は、下記東京事務所のご連絡いただくか、 または Webinar Library リンク:http://www.acams.org/free‐webinar‐library/ をご利用下さい。 以上 今後ともご指導御鞭撻のほどをお願い申し上げます。 日比野正彦 CAMS 日本代表 公認 AML スぺシャリスト協会| ACAMS (Association of Certified Anti‐Money Laundering Specialists) 〒160‐0011 東京都新宿区若葉 1‐6‐1‐202 ビジネスガーデン四ッ谷アネックス 電話:03‐5366‐4745|携帯:090‐7193‐9246|e‐mail : [email protected] ホーム・ページ :http://japan.acams.org/ □ 2 「Grassley 氏、新任議長として大掛かりな AML 法案を推進」
2015 年 1 月 30 日
By Colby Adams
議会において長年厳格な金融犯罪法を支持している人物が上院司法委員会委員長
に新しく就任し、米国の特定違法行為リストをさらに拡張する措置を推し進めようとし
ている。
複数の情報源によると、Chuck Grassley 上院司法委員会委員長 (アイオワ州、共和
党) は、自身が委員会の有力メンバーとして 2011 年に最後に提案した、マネーロン
ダリング、テロ資金供与、偽造行為対策法案を再提出する計画だという。Grassley
氏は委員長として、立法化に向け議場での投票にはるかに大きな政治的影響力を持
つことになる。
長期間休眠状態にある法案が委員長として Grassley 氏の最優先課題の一つだと、
匿名の議会職員は述べ、また、「先の法案が再検討されており、議会への再提出前
に微調整が行われるだろう」と同職員は話している。
2011 年法案は、最初に提出された時には首尾よく「巣立つ」ことができなかったが、
可決されれば連邦検察官は犯罪収益の移転を伴うあらゆる重罪起訴に対しマネーロ
ンダリングの罪を追加できるようになる。米国の現行法では、資金が数十ある指定犯
罪の一つとつながりがある場合にのみ、検察はマネーロンダリング罪を追及すること
が可能となっている。
法が改正されれば、例えば「脱税の隠蔽に手を貸すこともマネーロンダリングの罪と
す る こ と が で き る 」 と 、 元 連 邦 検 察 官 で 司 法 省 Money Laundering and Bank
Integrity Unit の元副主任 Jonathan Lopez 氏は述べている
法案が通過した場合、米国も他のほとんどの先進国と同じように前提犯罪に対する
法が制定されることになり、米当局者もマネーロンダリング容疑について調査中の外
国捜査官から寄せられる問い合わせにより対応しやすくなると、ワシントン D.C.の権
利擁護団体、Global Financial Integrity 上級顧問、Heather Lowe 氏は話している。
こうした変化は、「我々の刑法にある重大な欠陥」を排除するだろうとも、Lowe 氏は言
う。「マネーロンダリング罪となる犯罪行為とそうでない犯罪行為をリストアップするこ
とで、犯罪者も資金の浄化ができる場合とできない場合を詳細に知る術を得るであろ
う」。
この立法化はまた、現金密輸の有罪判決のほとんどに最長の懲役判決を下す確率
を高め、外国で発生した事件が米国に影響を及ぼす場合に米国マネーロンダリング
法の域外適用を認めるようになるだろう。
2011 年の法案には、米国の国境を越える際、プリペイドアクセス手段に 1 万ドル以上
を所持している場合は申告の必要があると明記されているが、これは 6 年前にクレジ
ットカード説明義務、責任及び開示法の一部として採用されたが、いまだかつて実施
されたことのない指令に酷似している。
ホワイトハウスは、3 年以上も前に財務省の FinCEN から最終案を渡され、議会が定
めた期限を 2 年間過ぎているにもかかわらず、提出された国境での申告ルールにつ
いてなお予算審査完了待ちの状態にある。
Grassley 氏と Dianne Feinstein 上院議員 (カリフォルニア州、民主党) は 4 年前の
機制の遅れを批判する一方、国際麻薬管理上院コーカスを主宰している。
「前例のない」 影響力
上院司法委員会の元犯罪・テロ・監視チーフ顧問 Matthew Miner 氏は、上院幹部会
は Grassley 氏に懸念を表明する場を提供してはいるが、立法化の権限は付与してい
ないという。
「それに比べて Grassley 氏が提出している法案に対する委員長の権力には計り知れ
ないものがあり、彼は今自分が望む優先順に立法化を進める力を持っているのだ」と、
現在ワシントン D.C.の Morgan Lewis 弁護士事務所の弁護士の同氏は話している。
また Grassley 氏は、刑罰の調整を伴わない改正により新たな犯罪行為を構成させる
いかなる法案も見直すことのできる権限を下院司法委員会に付与する、という最近の
規則変更後に委員長に就任した。
共和党主導の下院と上院の委員会は緊密に協力すると予想され、Grassley 氏が前
任者よりも法案を具現化するより大きな力を得ることは間違いないだろう。
Miner 氏は、その力は「前例のないほど大きい」といっている。
立法化は時間の問題
金融犯罪に対する Grassley 氏の取り組みが、マネーロンダリング対策法案でとどま
ることはまずないだろう。Grassley 氏は、自分の指揮の下、司法委員会は公共の契
約への監視も強化し、議論の的となることの多い米国市民財産の没収規定の改革も
推進していくと議員は 12 月 16 日の声明の中で述べている。
「米国内国歳入庁)と他の連邦機関によるこれら法律の適用が今後恒久的に且つ確
実に改善されていく方法を模索している」と同氏は言う。
Grassley 氏と現在は引退している Carl Levin 上院議員 (ミシガン州、民主党) は昨
年、州当局者が管轄区域にある企業に真の受益者情報の提出を要請できる措置を
導入した。
上院司法委員会は現在、特定種類のアフリカ野生生物の密猟と販売をマネーロンダ
リングの前提犯罪として、または「特定違法行為」として分類する超党派提案である
Wildlife Trafficking and Enforcement Act の検討を予定している。
Grassley 氏はこれまでにも折に触れて、法執行機関や規制当局が銀行に与える「警
告」について痛烈に批判している。
2 月にも同氏は他の議員と同様、州の免許で行われた大麻関連取引に対し米国司法
省と FinCEN はこれを積極的に罰しないとの示唆を行うという越権行為をしたとしてい
る。連邦 AML 法の下では、州の認可を受けたマリファナの販売収益も違法だと
Grassley 氏は指摘する。
4 月に ACAMS moneylaundering.com が最初に報告した FinCEN の疑惑の雇用ス
キャンダルも、同氏の注意を引いた。12 月 2 日の声明の中で同氏は、戦闘退役軍人
の優先的雇用基準を義務付けている連邦規則を当局は回避しているとの自身の懸
念を表明した。
ワシントン D.C.の業界団体、米国銀行協会の Rob Rowe 上級顧問は、Grassley 氏
は自身の立法議案を推し進める大きな力を得ただろうが、必ずしも同氏の勝利が保
証されたわけではないと話している。
「何をしようとするにも、結局のところ共和党内のリーダーシップの調整が必要となる
だろう」(Rowe 氏談)。
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(mh_feb.e‐mail_03.01.2015) ACAMS ニュースレター #002‐2014: November 2014 AML プロフェショナル各位 各地からは雪の便りも聞こえてくる季節となりましたが、皆様ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
日頃より格別のご厚情を賜りお礼申し上げます。 FATF ステートメントに対応した国際テロリスト財産凍結法の動き、金融モニタリングレポート及び平成 26 事
務年度金融モニタリング方針における AML 対応の位置づけ、さらに犯収法の改正とその対応等国際社会
における日本の対策について注目が注がれている今日この頃です。 本日は、ACAMS ニュースレター#2 を配信させていただきます。 □ACAMS Moneylaundering.com から□ 「オランダの捜査官、ゲートキーパーからの報告書の増加が“非常に役立つ”ことを証明 」 オランダでは、マネーロンダリング防止規制に違反した自国の金融ゲートキーパーに対する取り締
まりが、第一線の捜査官が有益な活動を行う上で大きな助けとなっている。……. 2014 年 11 月 5 日 【全文後掲】 □お知らせ□ ▼ACAMS 無料 Webinar Seminar のご案内▼ 本年 12 月末までに次のテーマでウェブ・セミナーを開催いたします。皆様のご参加をお待ちしております。 11 月 24 日 | 12 PM – 1 PM (米国東部標準時間) Financial Institutions Can Shed Light on "Invisible" Victims of Human Trafficking and Smuggling 12 月 10 日 | Noon – 1:00 PM (米国東部標準時間) Free Live Chat: Closing out 2014: ACAMS Year End Review 参加ご希望の方は、下記東京事務所のご連絡いただくか、または参加登録リンク: http://www.acams.org/aml‐training‐and‐conferences/aml‐training‐web‐seminars/ をご利用下さい。 ▼CAMS 資格更新について▼ 本年度の更新期限は 12 月 15 日です。CAMS 資格は、3 年毎の更新が必要です。更新手続がお済でない
CAMS 保有者の方は手続をお願いいたします。 手続等は http://japan.acams.org/ をご覧下さい。更新所要ポイントの確認、手続等ご不明な点がございま
したら、ご連絡のほどお願いいたします。 ▼ACAMS 協力セミナー▼ 名称:「AML コンファレンス 2015」~国際社会におけるマネー・ローンダリング規制動向と課題対策(仮題) 日時: 2015 年 1 月 23 日(金) 9:00~19:30) 場所: 大手町サンケイプラザ 4F ホール〒100‐0004 東京都千代田区大手町 1‐7‐2 主催: グッドウェイ、リッキービジネスソリューション セミナー公式サイト:http://goodway.co.jp/fip/htdocs/event/aml2015/ 次回は、12 月下旬の発行予定です。 今後ともご指導御鞭撻のほどをお願い申し上げます。 日比野正彦 CAMS 日本代表 公認 AML スぺシャリスト協会| ACAMS (Association of Certified Anti‐Money Laundering Specialists) 〒160‐0011 東京都新宿区若葉 1‐6‐1‐202 ビジネスガーデン四ッ谷アネックス 電話:03‐5366‐4745|携帯:090‐7193‐9246|e‐mail : [email protected] ホーム・ページ :http://japan.acams.org/ □ オランダの捜査官、ゲートキーパーからの報告書の増加が "非常に役立つ"
ことを証明
2014 年 11 月 5 日
By Kira Zalan
更新情報: 英国 U.K. ゲートキーパー監督の詳細追加
オランダでは、マネーロンダリング防止規制に違反した自国の金融ゲートキーパーに対する取り締まりが、第一
線の捜査官が有益な活動を行う上で大きな助けとなっている。
過去 2 年半にわたりオランダの検察官は、自国の金融情報機関 (FIU) が定める顧客の疑わしい取引を適切に
報告していない会計士、税理士、弁護士、不動産業者、公証人、その他職業専門家に対し約 60 件の案件を起
訴している。
マネーロンダリングやテロ資金供与事件を取り扱う検察官、Anita Van Dis-Setz 氏によると、未報告の違反に対
し裁判所により課された罰金の平均金額は、個人違反者の場合 1 件当たり約 40,000 ユーロ、法人が違反の場
合 80,000 ユーロとなっている。
こうした強制措置は、オランダのゲートキーパーがより頻繁に報告することと同時により多くの情報を提供するよ
う促すものであり、捜査当局者にとってこの流れは「非常に役立っている」と、また、この 2 年間で当該セクターの
さまざまな職業専門家から提出された報告書は、年間 100 パーセントから 200 パーセント以上の割合で増加し
ている、と Van Dis-Setz 氏は語る。
オランダ法の下、銀行でない職業専門家は不動産、税務アドバイス、会社設立や移転に関連する通常でない取
引について、FIU に報告書を提出する義務がある。それ故、当局が法執行機関での利用が可能な、疑わしい取
引に関する報告書の提出数を増やすことができる仕組になっていると、Van Dis-Setz 氏は語る。
パリに本拠を置く金融活動作業部会 (FATF) は、疑わしい取引報告を指定非金融業者及び職業専門家
(DNFBP) に要請するよう長らく加盟国に提唱しているが、関連セクターを取り締まるこうしたオランダ国内の動き
は、規制を遵守する業界から生まれたものであると言えるだろう。
オランダ弁護士会は 2013 年、現金支払い状況を開示しなかったことを理由に、弁護士 Bram Moszkowicz 氏か
らその資格を剥奪した。 また Van Dis-Setz 氏によると、公証人協会は公平性を保つ努力の一環として、規制を
遵守していない会員を訴追するよう、規制当局に圧力をかけたという。
FATF は先月、事業体の真の受益者報告勧告を含む DNFBP の顧客デューデリジェンスに関する更新ガイダン
ス を公表した。 FATF は 10 年前に初めて DNFBP 関連のガイダンスを発表したが、欧州諸国は FATF の基準
に適合させるため、つぎはぎだらけの法律を採用してこれに間に合わせてきた。
グローバルな採択における限界
オランダでは捜査官がゲートキーパーに対する取締りから成果を得ることに成功しているが、一方他国政府では
成果は得られていない。
たとえば、ロンドンを拠点とする Transparency International 社、エグゼクティブ・ディレクター、Robert
Barrington 氏によると、英国では FATF 基準が EU 第 3 マネーロンダリング指令下で導入・実施されており、ま
ったく異なる展開を見せているという。
報告義務は 10 年前から実施されているものの、疑わしい取引報告書を提出しない理由として弁護士・依頼者間
の秘匿特権の有効性が認められる判決が下された 2005 年以降は、英国内法律事務所による報告書提出が継
続的に減少していると、Barrington 氏は指摘する。
ロンドンの Skadden Arps のパートナー弁護士であり、マネーロンダリングとそのレポーティングの責任者を務め
る Douglas Nordlinger 氏は、英国事務弁護士は法律上の特権によって保護されていない情報に遭遇した場合
は、疑わしい取引について報告する義務があると話す。
2012 年に起きた HSBC 顧客の同銀行に対する訴訟が、疑しい情報を当局に提出することをさらに思いとどまら
せることになった可能性があったとも、Nordlinger 氏は話す。 この訴訟で原告は、問題視されている疑わしい取
引報告書を捜査官が調査している間、銀行に電信送金取引を凍結され、損害を被ったと主張した。
「報告書を書かないと刑務所へ行かなければならないのなら、どんなことについても報告書を提出するようになる
だろう」と Nordlinger 氏話す。 「Shah 対 HSBC 裁判の後、ほとんどの関係者は SAR の提出にはダウンサイド
があると考えたはずだ」。
英国国家犯罪対策庁 (NCA) はここ数年で SAR の提出が減少していることを「不満」としており、事務弁護士規
制委員会は、事務弁護士が適所で適切なコンプライアンス管理を確実に実施するよう、国内法律事務所への監
査を実施することを計画していると Nordlinger 氏は話す。
英国 FIU によると、2012 年から 2013 年にかけて国内弁護士による SAR の提出は、国内合計 316,527 件の
1.24 パーセントであり、また同期間中、会計士による提出は全体の 1.71 パーセントであった。。
ゲートキーパーの監督に苦労しているのは、なにも英国だけではない。
「そうした国々の金融関係機関、特に捜査官と話をすれば、おそらくいずれからも同じような返事が返ってくるだろ
う。つまり、実際に見られるケースの多くは、ごく一部の反抗的な弁護士や会計士、信託会社によるものだが、そ
れらの者を違法取引を可能にさせた 罪に問うことは非常に難しいことだ」と、最近ワシントンで開かれたイベント
で、世界銀行 Stolen Asset recovery Initiative 法律顧問、Emile van der Does de Willebois 氏は語った。
法律的対立
先月、国際法曹協会 (IBA)、アメリカ法曹協会 (ABA) 及び 欧州弁護士会評議会は、法律セクターが報告規則遵
守を自主規制することを政府が強力に後押しするマネーロンダリング検知のための業界ガイダンスを発表した。
「"EU"型の強制的な規制が弁護士・依頼者間の秘匿特権、顧客秘守義務、弁護士と顧客の関係全体に悪影響
を及ぼすことを懸念している」と Venable LLP の不動産専門弁護士兼 ABA のゲートキーパー規制特別委員会
議長、Kevin Shepherd 氏は語る。
ABA は 2012 年、弁護士に強制的な義務を課す顧客デューデリジェンス規則の制定に反対する旨の意見書を米
国財務省に提出し、議会でもゲートキーパー法制定に反対するロビー活動を展開している。 米国の弁護士は、
現行法の下では疑わしい取引について報告する義務はない。
一方、他国政府は比較的容易に FATF の勧告を受け入れられる状況にあると言える。
シンガポールは先週、会計士や会計事務所向けに、強化された KYC 及び報告書提出義務を採択した。 これを
遵守しない事務所は、規制当局による調査の対象となる可能性があると、当局者はガイダンスの中で述べている。
「有力者の後ろ盾や某国の腐敗当局の "庇護" の下にあったとしても、それらに付き従っていけば結局は自身の
資源の浪費をもたらすだけに終わるだろう。大局の中では、所詮彼らもちっぽけな存在にしか過ぎないからだ」と
世界銀行の van der Does de Willebois 氏は述べる。 「しかし実際、大局の中にそうした小さな問題が多々存在
している。 それらに焦点を当てて対処していく必要があるだろう」。
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(MH_E-Mail_11.21.2014)
ACAMS ニュースレター #001‐2014: August 2014 AML プロフェショナル各位 立秋とは名ばかり、暑さがつづく毎日ですが、皆様ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。日頃より
格別のご厚情を賜りお礼申し上げます。 さて、今月より当協会東京より、AML/CTF や金融犯罪対策に関するグローバルな情報をタイムリーに皆様
にお知らせすることを目的に、「ACAMS ニュースレター」を配信させていただきます。記事、情報は、協会が
グローバルに提供しております ACAMS Moneylaundering.com, ACAMS Today や様々な白書等からご案内
させていただきます。 □ACAMS Moneylaundering.com から□ 「その時がついに到来、FATCA は期限切れにどう対応? 」 米国の金融機関は火曜日、富裕な米国人口座保有者の情報提供に同意していない外国銀行への
支払い送金に対し、最高 30% の源泉徴収を開始した。…………………………………… 2014 年 7 月 1 日 【全文:末尾掲載】 □お知らせ□ ▼ACAMS 主催「第5回東京AML/CTFセミナー: 継続的なマネー・ローンダリング/テロ資金供与/金融犯罪対策 ‐ 現状と課題」を開催いたします。▼ 本セミナーでは改正犯収法施行後約1年6ヶ月時点での評価・問題点・継続的課題について当局・実務担
当者・有識者各々の立場からの知見・ベストプラクティス・要望等を議論し、また日本への影響が予測される
世界における課題を議論し、参加者皆様と情報の共有を計る図る事ができればと存じます。 日時: 2014年9月10日(水)12時45分から18時 会場: ホテルオークラ東京 別館2階 メイプルルームI & II 対象: ACAMS 会員、金融機関、官公庁等の AML ご担当者 (ACAMS 会員には継続的履修ポイント3ポ イントが付与されます) セミナー・申込詳細 : http://japan.acams.org/ ▼CAMS 資格更新について▼ CAMS 資格は、3 年毎の更新が必要です。現在、本年度(12 月 15 日まで)に更新期限が到来する CAMS 保
有者の更新手続を受付ております。手続等は http://japan.acams.org/ をご覧下さい。更新所要ポイントの
確認、手続等ご不明な点がございましたら、ご連絡のほどお願いいたします。 今後、本ニュースレターの内容の充実に努めてまいります。これからもご指導御鞭撻のほどをお願い申し上
げます。 日比野正彦 CAMS 日本代表 公認 AML スぺシャリスト協会| ACAMS (Association of Certified Anti‐Money Laundering Specialists) 〒160‐0011 東京都新宿区若葉 1‐6‐1‐202 ビジネスガーデン四ッ谷アネックス 電話:03‐5366‐4745|携帯:090‐7193‐9246|e‐mail : [email protected] ホーム・ページ: http://japan.acams.org/
□
「その時がついに到来、FATCA は期限切れにどう対応? 」
2014 年 7 月 1 日
Colby Adams, Kira Zalan
米国の金融機関は火曜日、富裕な米国人口座保有者の情報提供に同意していない外国銀行への
支払い送金に対し、最高 30% の源泉徴収を開始した。
その日は外国口座税務コンプライアンス法 (FATCA) に基づく最初の規制開始期限とされていた。
FATCA は、5 万ドル以上の資産のある米国人口座保有者の名前、住所、納税者番号、残高を毎年
報告するよう参加外国金融機関 (参加 FFI) に要求している。
法律では明確な期間は定めはないが、それにもかかわらず FATCA は数百ページにもおよぶ複雑な
規則を定め、「徴収すべき税は世界中から残らず吸い取ろう」としていると、また「これは非常に巨大
なプロジェクトだ」と国際法律事務所 K&L Gates のパートナー、Roger Wise 弁護士は話す。
この火曜日の期限は次の 4 ヶ年に向けての最初の期限だが、プロジェクトの範囲を巡ってこれまで
に 3 度延期されている。同プロジェクトには未定のところを含め 8 万を超える金融機関が対象になる
とみられる。5 月に米財務省は、この規則の施行に鑑み 2014 年と 2015 年を移行期間とすると発表
していた。
「今のところは良いが、そのうち問題が起こるのではないかと思う」と不参加 FFI と繋がりがあるニュ
ーヨークを拠点とするグローバル銀行のあるコンプライアンス担当役員は話す。また、米国内国歳入
庁(IRS) が「規則を完璧に仕上げていない」ために、どのように遵守するかが理解しにくくなっている
と、この匿名の人物は続ける。
また、外国金融機関に開設され、米国への投資やその他間接的な源泉から収益を受け取っている
様々な口座について言及しながら、「私が最も知りたいのは、我々が受動的外国口座に対して何を
しなければならないかということなのだが、その疑問に当局は本当に答えてくれていない」とも話す。
7 月 1 日の期限は、保険会社や投資会社、外国為替、市場金融商品、有価証券、コモディティなどを
扱う会社だけでなく、米国人に代わって資金を投資したり管理している個人を含む幅広い分野に適
用される。
少なくとも 80 カ国は FATCA の代わりに、銀行が IRS か自国政府のどちらかへの報告を義務付ける
2 つの政府間協定モデルの1つに基づき、米国人顧客の詳細を開示することに同意している。無論、
自国政府に報告する場合も同様に、米国との間で情報が共有されることになる。
ロシア、中国、ケイマン諸島などいくつかの法域では、FATCA に準拠するための法律を通過させた
り制限時間ぎりぎりの協定を締結した。
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最初の期限が今到来したことで、金融のプロたちは「何かよくわからないがもうすぐやってくる“大災
害”モードから、履行のための行動を伴う実務モードへとシフトしている」と、KPMG ロシアのコンプラ
イアンス担当ディレクターDmitry Chistov は、電子メールの中で述べている。
今後、コンプライアンスはより厳しい状況となる可能性がある。銀行は 12 月 31 日までに、100 万ド
ル以上の残高を有する既存口座のデュー・デリジェンスを完了する必要があり、また 2017 年以降、
米国の銀行は不参加外国銀行に対する総支払金額の一部を源泉徴収しなければならなくなる。
「今お金が米国を離れて外国の金融機関に入った途端、米国人-米国の源泉徴収義務者-は巡回中
の警官のようになっている」とニューヨークを拠点とする Dechert LLP の Michael Hirschfeld 弁護士
は、6 月 25 日にワシントン D.C.に本部のある米国銀行協会 (ABA) 主催のウェビナーで話した。
ABA の Fran Mordi 上級税務顧問によると、国外拠点のない米国の銀行も FATCA を遵守するため
の措置を講ずる必要があるという。
「残念ながら、最近の法規は“眼球テスト”を省いているので、比較的小規模の銀行ですら法規に基
づいてチェックし、外国金融機関から源泉徴収する必要があるかどうかを確認しなければならないの
だ」と、また「外国支店や外国企業口座を持たない銀行に FATCA について心配するなと口で説くの
は容易いことだが、心配しなくてよいと云うのは 100% 正しいとは言えない」と Mordi 顧問は話す。
この件に関する IRS の指導にもかかわらず、多くの米国銀行のコンプライアンス担当役員は、いった
いどの外国企業体や外国金融機関に対して源泉徴収をすべきなのかという疑問を依然として抱い
ていると、Mordi 顧問は続ける。また、「“空が落ちる”ような大惨事は決して起きないだろうが、なんら
かの問題が必ず生じるに違いない」と話す。
一方、GE キャピタル·インターナショナルのチーフ・コンプライアンス・オフィサー兼 ACAMS 諮問委員
会メンバー、Markus Schulz 氏によると、世界最大規模の金融機関からは FATCA についてほとんど
質問が出されていないという。
「何を誰に報告するかは必ずしもはっきりしていないかもしれないが、何をすべきかという原則は何
年も前から非常に明確になっている」と、Schulz 氏は話す。「もし混乱して良くわからないというなら、
いったいそういう人たちはこの 3 年間何をしていたのかと逆に聞きたい」。
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