AANにおいて「ジレニア」の高い有効性について発表

ノバルティス ファーマ株式会社
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http://www.novartis.co.jp
MEDIA RELEASE • COMMUNIQUE AUX MEDIA • MEDIENMITTEILUNG
2015年4月28日
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社
この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2015年4月21日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳
(要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については英語が優先されます。
英語版はhttp://www.novartis.comをご参照ください。
AANにおいて「ジレニア」の高い有効性について発表
疾患活動性の高い治療歴のある多発性硬化症患者さんで
「疾患活動性の認められない状態」を達成
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FREEDOMS および FREEDOMS II 試験の新たなサブグループ解析から、「疾患活
動性の認められない状態(NEDA4)」が達成される可能性は「ジレニア」投与を
受けた患者さんでプラセボ投与の患者さんより 6 倍高いことが示された
NEDA4 は、再発性多発性硬化症(RMS)における臨床的再発、MRI 病変、脳萎
縮(脳容積減少)、身体的障害の進行という 4 つの主要な指標に基づく
TRANSFORMS 試験全体を対象とした別の解析結果から、NEDA4 が達成される可
能性は「ジレニア」投与を受けた RMS 患者さんでインターフェロン ベータ-1a(遺
伝子組換え)投与より 2 倍高いことが示された
2015年4月21日、スイス・バーゼル発 – ノバルティスは本日、「ジレニア®」(一般名:
フ ィ ン ゴ リ モ ド 、 以 下 「 ジ レ ニ ア 」 ) の 第 III 相 臨 床 試 験 で あ る FREEDOMS お よ び
FREEDOMS II試験の新たな解析結果が米国ワシントンDCで開催された第67回アメリカ
神経学会(AAN:American Academy of Neurology)の年次総会において報告されたと発
表しました。このデータから、「ジレニア」の投与を受けた治療歴のある疾患活動性の高
い再発性多発性硬化症(RMS:relapsing multiple sclerosis)患者さんは、2年以上にわたり
疾患活動性の4つの主要な指標において「疾患活動性の認められない状態(NEDA4:No
Evidence of Disease Activity)」を達成する可能性がプラセボ群と比較して6倍高いことが
示されました(オッズ比6.35、95% CI 3.02~13.35、p<0.0001)。この指標はNEDA4と
呼ばれ、RMS患者さんに臨床的再発がなく、新たなMRI病変がなく、脳萎縮(脳容積減少)
がみられず、身体的障害の進行がない場合に達成されるものです。
この解析では初めて、前年に注射薬治療を受けた疾患活動性の高いRMS患者さんを、脳萎
縮を含むNEDA4の定義を用いて評価しました1。脳萎縮は中枢神経系の広範囲に及ぶ炎症
性損傷(びまん性損傷)のマーカーであり、機能の喪失の蓄積と関連しています2-9。この
新しいNEDA4の定義を用いることで、医師は患者さんの疾患と治療への反応をさらに詳細
に理解することができます。これは、短期的・長期的な疾患進行を遅延させる最適な治療
を特定するうえで非常に重要なことであり、とくに、再発や将来的な機能喪失のリスクが
高く、異なる治療アプローチが必要になる可能性のある疾患活動性の高いRMS患者さんに
とっては重要な意味を持ちます。
ノバルティス ファーマのグローバル開発部門責任者であるヴァサント・ナラシンハン
(Vasant Narasimhan)は次のように述べています。「NEDA4は、RMS進行の評価におけ
る大きな進歩であり、
医師が効果的な疾患管理法や治療戦略を策定するうえで役立ちます。
今回のデータから、4つの主要な指標すべてにおけるジレニアの高い有効性が治療歴のあ
る疾患活動性の高いRMSでも示されることが裏付けられたほか、RMS患者さんの治療にお
けるジレニアの重要性も明確に示されました」
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第III相臨床試験であるTRANSFORMS試験全体を対象とした別の解析結果からは、「ジレ
ニア」投与を受けたRMS患者さんは、インターフェロン ベータ-1a注射製剤投与を受けた
患者さんに比較して、治療開始1年後にNEDA4を達成する可能性が2倍高いことが示され
ました(オッズ比 1.93、95% CI 1.36-2.73、p=0.0002)10。このデータは、RMS患者さ
んが疾患活動性の4つの主要な指標すべてにわたるNEDA4を達成するうえで「ジレニア」
がいかに有効であるかを示すさらなるエビデンスとなりました。
多発性硬化症について
多発性硬化症(MS)は炎症および組織の変性により、脳、視神経、および脊髄の機能に障
害を起こす中枢神経系(CNS)の慢性疾患です11。MSの進行は、身体的機能および認知機
能(記憶障害など)の双方に悪化をもたらします12。MSは若年成人で発症することが多い
ため、これらの身体的障害および認知機能障害は、世界中で約230万人のMS患者さんに多
大な悪影響を及ぼしています14。
MS患者さんは、再発寛解型MS(RRMS:relapsing remitting multiple sclerosis)と二次性
進行型MS(SPMS:secondary progressive multiple sclerosis)を含む再発性多発性硬化症
(RMS)15、または一次性進行型多発性硬化症(PPMS:primary progressive multiple sclerosis)
と診断される場合があります。
RMSにおける身体的機能および認知機能の低下は、ニューロンや脳組織の変性をもたらす
2つのタイプの損傷によって引き起こされます。1つは限局した脳の炎症性病変(局所性損
傷と呼ばれます)、もう1つはより広範囲に及ぶ炎症を伴う神経変性病変(びまん性損傷
と呼ばれます)です。局所性損傷は脳組織の変性をもたらし、臨床的に再発として現れる
ことがあります。びまん性損傷は疾患の早期に発現し、
認識されずに進行することが多く、
脳組織の変性および機能の喪失の蓄積と関連しています16-18。
「ジレニア」について
「ジレニア」は、4つの主要な指標、すなわち臨床的再発率、MRI病変数、脳萎縮(脳容
積減少)、および身体的障害の進行の全てにおいて高い有効性を示すことで再発性多発性
硬化症(RMS)の経過に影響を及ぼす唯一の疾患修飾性治療薬(DMT)の経口剤です19-23。
「ジレニア」は米国では成人の再発性MSの第一選択薬として承認されています24。EUに
おける適応は、少なくとも1種類の疾患修飾性治療薬(DMT)による治療にも関わらず疾
患活動性が高いか、急速に進行する重症の再発寛解型MS(RRMS)で定義される成人の活
動性の高いRRMSです25。
「ジレニア」は、中枢神経系(CNS)の局所性損傷、びまん性損傷の双方を標的としてい
ます。局所性の炎症を引き起こす細胞が脳内に達することを防ぐだけでなく(「末梢作用」
と呼ばれます)、CNSに侵入してCNS内の損傷をもたらす細胞の活性化を防ぐことにより、
びまん性損傷を抑制します(「中枢作用」と呼ばれます)26-28。RMSの疾患活動性に効果
に作用し、患者さんの身体的機能および認知機能を維持するためには、局所性損傷とびま
ん性損傷の双方に対処することが重要となります12。
「ジレニア」はRMSにおいて、3つの大規模臨床試験や市販後の診療で11万9,000名を超え
る患者さんの治療に用いられており、安全性プロファイルは十分に理解されています。現
在までの使用経験は218,500患者年です28。
フィンゴリモドは、ノバルティス社が田辺三菱製薬株式会社から技術導入した薬剤で、海
外ではノバルティス社が単独で、
国内ではノバルティス ファーマ株式会社と田辺三菱製薬
株式会社が共同で開発をし、2011年11月より多発性硬化症治療薬として販売しています。
効能・効果は「多発性硬化症の再発予防及び身体的障害の進行抑制」です。日本において
は現在、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎の患者さんを対象としたフィンゴリモドの第III相
臨床試験を実施中です。
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多発性硬化症に対するノバルティスの取り組み
ノバルティスは、革新的な標的薬剤であらゆる病期の患者さんのニーズに応えるため、適
切なときに、適切な患者さんに、適切な治療を提供するべく、新しい治療選択肢の研究開
発に尽力しています。
小児MSおよび慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP:chronic inflammatory demyelinating
polyneuropathy)を対象とした「ジレニア」の進行中の開発プログラムに加え、ノバルテ
ィスのMSのポートフォリオには、Extavia®(皮下注射用インターフェロンベータ-1b/日
本では未承認)などがあります。開発中の薬剤には、現在、第III相臨床試験段階にある、
二次性進行型MS(SPMS:secondary progressive MS)を対象とした経口治療薬である
BAF312などがあります。さらに、MSを対象にIL-17経路を標的とした薬剤についても研究
を進めています。
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28. Data on file. Novartis Pharmaceuticals.sabon
9pt)
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より、現在の予想と異なる場合があることをご了解ください。なお、詳細につきましては、
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ノバルティスについて
ノバルティスは、ヘルスケアにおける世界的リーダーです。革新的な新薬、アイケア(眼
科用医療機器、コンタクトレンズなど)、高品質かつ安価なジェネリック医薬品など、幅
広い分野の製品を提供しています。ノバルティス グループ全体の2014年の売上高は580
億米ドル、研究開発費は99億米ドル(減損・償却費用を除くと96億米ドル)でした。スイ
ス・バーゼル市に本拠を置くノバルティスは、約120,000人の社員を擁しており、世界150
カ国以上で製品が使われています。詳細はホームページをご覧ください。
http://www.novartis.com/
以上
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