報道関係各位 2015 年 5 月 28 日 参考資料 この資料は、2014 年 5 月 15 日に独・メルク本社が発表した英語版プレスリリースの翻訳(一部省略)で、参考資料と して提供するものです。英語版は http://www.merckgroup.com をご参照ください。 ASCO Abstract # avelumab*: 3023, 3044, 3055, TPS9086, TPS3101, 4042, 4047, 5509, 8034; evofosfamide: TPS9089, 8579; tepotinib: 2591; tecemotide†: 3036. メルク、米国臨床腫瘍学会(ASCO)において 難治性がんに対する取り組みを示すデータを発表 メルクのがんおよび腫瘍免疫領域のパイプラインから、avelumab、evofosfamide、 tepotinib をはじめとする重要な新薬候補に関する新データ発表 ドイツ・ダルムシュタット発、2015 年 5 月 15 日: メルクは、2015 年 5 月 29 日から 6 月 2 日に イリノイ州シカゴで開催される米国臨床腫瘍学会(ASCO)の第 51 回年次総会でデータを公表し ます。これらのデータはがん領域の研究開発に注力している当社の方針を示すもので、特に治 療が困難な疾患において、患者さんの生存期間の延長に役立つ治療をお届けすることを最終的 な目標としています。 メルクのバイオ医薬品ビジネス部門であるメルクセローノのグローバル研究開発部門ヘッドの Dr. Luciano Rossetti は次の通り述べています。「当社は軟部肉腫やメルケル細胞がん等の難治性 がんに注力しており、これらの患者さんに有意義な改善をもたらすことを目指しています。社内 の専門的知識や能力により、加えてこれらの難治性がんに対して他と差別化しうる新しい治療 法を推進する戦略的協力体制により、がん治療に革新をもたらすという当社のコミットメントを 2015 年 ASCO で発表されるデータは示しています。」 参考資料 難治性がんの治療における解明と革新 メルクは、着想力豊かで、サイエンスに基づいた患者さん中心のアプローチを通じて、卵巣がん、 転移性メルケル細胞がん、進行性肝細胞がん等のがん種に対する新しい治療法を発見および 開発することを目指しています。本年の ASCO で発表されるデータには、臨床試験中の薬剤で 完全ヒト型抗 PD-L1 モノクローナル抗体 avelumab(MSB0010718C)、c-Met 阻害剤 tepotinib (MSC2156119J)、低酸素活性化プロドラッグ evofosfamide(TH-302)に関する報告が含まれ ています。 抄録は ASCO のウェブサイトで閲覧可能です。 2015 ASCO Annual Meeting Abstracts がんに関する最も困難な問題に取り組むための協力体制 メルクとファイザーは、当初メルクが創薬および開発していた avelumab の治療の可能性に焦点 をあてた、最大 20 件におよぶ優先度の高い腫瘍免疫領域の臨床開発プログラムで提携してい ます。今回の ASCO では、両社提携後初めてデータを共同発表する予定で、卵巣がんに関する 口頭発表、胃がん、非小細胞肺がん、幅広い患者集団を対象とした複数の試験に関するポスタ ー発表が含まれます。 さらに、evofosfamide の多発性骨髄腫および黒色腫に対する第Ⅱ相試験に関するポスター発 表を予定しています。evofosfamide は、Threshold Pharmaceuticals, Inc.と共同開発しており、 現在、軟部肉腫および膵がんの治療に関する第Ⅲ相試験、ならびに非扁平上皮非小細胞肺が んの治療に関する第Ⅱ相試験が進行中です。 患者さんのケアを向上させるための精度の高い医療 メルクは、個別化医療と患者さんの治療成績の向上を目指し、バイオマーカーを取り入れた研究 を重視しており、c-Met を過剰発現する固形がん患者さんを対象とした tepotinib の活性を評価 する試験から得たデータを発表します。さらに、RAS 野生型転移性大腸がんに対する一次治療 におけるアービタックス(セツキシマブ)の価値を示す複数の異なる試験から得られた新しい解析 結果を発表します。 参考資料 * Avelumab は抗 PD-L1 モノクローナル抗体 (MSB0010718C)の提案中の国際一般名(p-INN)です。 年 9 月、メルクは、当社が主導し世界各国で実施した非小細胞肺がんに対する tecemotide に関する全ての治 験を中止しました。 †2014 ASCO での発表予定のデータ: 演題 Avelumab Phase I, open-label, multiascending dose trial of avelumab (MSB0010718C), an antiPD-L1 monoclonal antibody, in Japanese patients with advanced solid tumors Avelumab (MSB0010718C), an antiPD-L1 antibody, in patients with metastatic or locally advanced solid tumors: assessment of safety and tolerability in a Phase I, open-label expansion study Pharmacokinetic profile and receptor occupancy of avelumab (MSB0010718C), an antiPD-L1 monoclonal antibody, in a Phase I, open-label, dose escalation trial in patients with advanced solid tumors A Phase II, open-label, multicenter trial to investigate the clinical activity and safety of avelumab (MSB0010718C) in patients with metastatic Merkel cell carcinoma 筆頭発表者 K Shitara K Kelly C Heery H Kaufman 演題番号 3023 3044 3055 TPS9086 発表日時(米国 中部夏時間) セッション 発表会場 May 30, 08:00–11:30 Poster Session: Developmental Therapeutics— Immunotherapy S Hall A Poster session: Developmental Therapeutics— Immunotherapy S Hall A Poster Session: Developmental Therapeutics— Immunotherapy S Hall A May 30, 08:00–11:30 May 30, 08:00–11:30 May 30, 08:00–11:30 Poster Session: Melanoma/Skin Cancers (Poster Board: 349) (Poster Board: 370) (Poster Board: 381) S Hall A (Poster Board: 417a) 参考資料 演題 筆頭発表者 演題番号 発表日時(米国 中部夏時間) セッション 発表会場 Phase I expansion cohort trial to investigate the safety and clinical activity of avelumab (MSB0010718C) in patients with metastatic or locally advanced solid tumors C Heery TPS3101 May 30, 08:00–11:30 Poster Session: Developmental Therapeutics— Immunotherapy S Hall A Prognostic significance of tumor infiltrating immune cells and PD-L1 expression in gastric carcinoma in Chinese patients A Phase I dose expansion trial of avelumab (MSB0010718C), an antiPD-L1 antibody, in Japanese patients with advanced gastric cancer Avelumab (MSB0010718C), an antiPD-L1 antibody, in patients with previously treated, recurrent or refractory ovarian cancer: a Phase Ib, open-label expansion trial Avelumab (MSB0010718C), an antiPD-L1 antibody, in advanced NSCLC patients: a Phase 1b, open-label expansion trial in patients progressing after platinumbased chemotherapy R Geng Poster Session: Gastrointestinal (Noncolorectal) Cancer S Hall A Y Yamada 4042 4047 June 1, 08:00–11:30 June 1, 08:00–11:30 Poster Session: Gastrointestinal (Noncolorectal) Cancer (Poster Board: 420a) (Poster Board: 151) S Hall A (Poster Board: 156) M Disis 5509 June 1, 15:00–15:12 Oral presentation: Clinical Science Symposium E354b J Gulley 8034 June 1, 08:00–11:30 Poster Session: Lung Cancer— Non-Small Cell Metastatic S Hall A (Poster Board: 356) 参考資料 演題 Evofosfamide A Phase 2 biomarkerenriched study of evofosfamide (EVO, TH302) in patients with advanced melanoma Preliminary safety and efficacy of evofosfamide (TH-302), an investigational hypoxia activated prodrug combined with bortezomib and dexamethasone in patients with relapsed/refractory multiple myeloma (RRMM) 演題 Tepotinib Efficacy, safety, biomarkers and Phase II dose modeling in a Phase I trial of the oral selective c-Met inhibitor tepotinib (MSC2156119J) 演題 Other Pipeline Phase I/II study of tecemotide cancer immunotherapy for Japanese patients with unresectable stage III non-small cell lung cancer (NSCLC) 筆頭発表者 演題番号 発表日時(米国 中部夏時間) セッション 発表会場 E McWhirter TPS9089 June 1, 13:15–16:45 Poster Session: Melanoma/Skin Cancers S Hall A JP Laubach 8579 May 31, 8:00–11:30 Poster Session: Lymphoma and Plasma Cell Disorders (Poster Board: 327a) S Hall A (Poster Board: 397) 筆頭発表者 演題番号 発表日時(米国 中部夏時間) セッション 発表会場 GS Falchook 2591 May 30, 8:00–11:30 Poster Session: Developmental Therapeutics— Clinical Pharmacology and Experimental Therapeutics S Hall A (Poster Board: 307) 筆頭発表者 演題番号 発表日時(米国 中部夏時間) セッション 発表会場 H Nokihara 3036 May 30, 8:00–11:30 Poster Session: Developmental Therapeutics— Immunotherapy S Hall A (Poster Board: 362) avelumab、evofosfamide、tecemotide、tepotinib および初期開発段階にある全ての候補品は現在臨床試験中であ り、米国、欧州、カナダ、その他いかなる地域においても使用が認可されているものではありません。いずれの治験薬 も安全性や有効性が証明されておらず、安全性および有効性については、規制当局によるデータ審査および添付文 書の承認後に示されます。 参考資料 セツキシマブ (アービタックス)について セツキシマブは上皮成長因子受容体(EGFR)を標的とする IgG1 モノクローナル抗体です。セツキシマブの作用機序は、 モノクローナル抗体として、EGFR に対して特異的に結合するという点で従来の標準的な化学療法とは明確に異なりま す。EGFR に結合することによって受容体の活性化と下流のシグナル伝達が阻害され、正常組織への腫瘍細胞の増 殖、浸潤と転移が抑制されます。また、化学療法や放射線療法によって引き起こされた損傷を修復する腫瘍細胞の活 性を抑制し、腫瘍内血管新生を抑制するとも考えられており、それによって腫瘍の増殖を全体的に抑えるとされていま す。 セツキシマブに最も多い副作用はざ瘡様皮疹であり、皮疹の程度(グレード)と治療効果は相関があると報告されてい ます。また、結腸・直腸がんの患者さんを対象とした使用成績調査において、約 5%に過敏反応(インフュージョン・リア クション)が発生し、このうちの約 2 分の 1 が重度な症状を示しました。 セツキシマブ は結腸・直腸がんおよび頭頸部扁平上皮がんの治療薬として、90 カ国以上で市販承認を受けています。 メルクは 1998 年、イーライリリーの 100%子会社であるイムクロン社から米国、カナダ以外でのセツキシマブの販売権 をライセンス供与されました。メルクはグローバルでがん治療の進展に継続的にコミットしており、対象領域における新 規治療法の研究に取り組んでいます。 Evofosfamide について evofosfamide(TH-302)は臨床試験中の薬剤で低酸素活性化プロドラッグであり、多くの固形がんで顕著に認められ る重度の低酸素状態下で活性化すると考えられています。固形がんの内部では血管形成が不十分なため、低酸素状 態となっています。同様に、造血器腫瘍患者の骨髄においても高度の低酸素状態を認める場合があります。 evofosfamideは現在、次の2つの第III相試験において評価中です:1つは、局所進行切除不能または転移性軟部肉腫 (STS)患者を対象にドキソルビシンとの併用投与とドキソルビシン単剤投与を比較する試験(TH-CR-406試験)であり、 もう一つは、局所進行切除不能または転移性の膵がん患者を対象にevofosfamide+ゲムシタビンとプラセボ+ゲムシ タビンを比較する試験(MAESTRO試験)です。いずれの第III相試験も、FDAとの臨床試験計画評価(Special Protocol Assessment (SPA))合意に基づいて実施されています。FDAと欧州委員会(European Commision)は、evofosfamide をSTSおよび膵がん治療のオーファンドラッグに指定しました。evofosfamideについては、非扁平上皮・非小細胞肺が んの治療に関する第II相試験ならびにその他の固形がんと造血器腫瘍を対象とした初期の臨床試験が進行中です。 2012年2月、メルクはThreshold Pharmaceuticals, Inc.と、evofosfamideの米国での共同販売オプションを有するグロー バルな共同開発および販売に関する契約を締結しました。 Tepotinibについて tepotinib(MSC2156119J)は臨床試験中の薬剤でc-Met受容体チロシンキナーゼの低分子阻害剤であり、前臨床試験 において肝細胞増殖因子依存性と非依存性腫瘍の増殖を阻害し退縮させることが示されました。C-Metシグナル伝 達経路の変更はさまざまなタイプのがんで見られ、腫瘍の増殖・悪性化や臨床予後の不良と相関しています。 tepotinibは現在、第I/II相試験の評価中です。 Avelumab について avelumab は抗 PD-L1 モノクローナル抗体 (MSB0010718C)の提案中の国際一般名(p-INN)です。 avelumab は、臨床 試験中の薬剤で完全ヒト型抗 PD-L1 IgG1 モノクローナル抗体(fully human anti-PD-L1 IgG1 monoclonal antibody)で す。avelumab は PD-L1 の作用を抑制することにより、T 細胞と適応免疫系を活性化すると考えられています。Fc 領 域を維持することにより、avelumab は自然免疫系に働きかけ、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC) を誘発する と考えられます。2014 年 11 月、メルクとファイザーは avelumab の共同開発および共同販売をする戦略的提携の締結 を発表しました 参考資料 メルクとファイザーの提携について 腫瘍免疫は両社にとって最重要領域です。グローバル戦略提携によって、両社は強みと能力を互いに享受しあい、抗 PD-L1 抗体薬 avelumab の潜在力を開拓することが可能になります。同薬は当初メルクが見出し、開発してきました。 本腫瘍免疫領域における提携の一部として、両社は avelumab を開発し、販売し、ファイザーの抗 PD-1 抗体薬の開 発を進めます。さらに、本提携に基づき米国および主要な市場でザーコリのコ・プロモーションを実施します。また、両 社は優先順位の高い最大 20 件の腫瘍免疫領域の臨床開発プログラムを連携して進めます。同プログラムは併用試 験を含み、その多くは 2015 年内の開始が期待されています。 Merck Serono(メルクセローノ)について メルクセローノはMerck(メルク)のバイオ医薬品ビジネス部門です。ドイツ・ダルムシュタットに本拠を置き、世界150カ 国において、がん、多発性硬化症、内分泌・代謝疾患および循環器疾患の治療に用いられる先進的な医薬品を提供 しています。合衆国およびカナダにおいては、EMD Seronoが独立した法人として設立されたメルクセローノ子会社とし て事業を展開しています。 メルクセローノは、化学および生物由来のスペシャリティ領域における医療用医薬品の研究開発、製造および販売を 行っています。重点領域である腫瘍領域、免疫腫瘍領域、免疫領域および神経領域における最新の治療法の提供に 注力しています。 メルクセローノの詳細については、www.merckserono.com.をご覧ください。 Merck(メルク)は、医薬・化学品分野において、最高水準の品質と高度な技術に基づく革新的な製品を提供するリー ディングカンパニーです。メルクセローノ、コンシューマヘルス、アレルゴファーマ、バイオシミラー、パフォーマンスマテ リアルズ、メルクミリポアの 6 事業部を有し、2014 年の総売上高は約 113 億ユーロとなっています。世界 66 カ国にお けるグループ従業員約 39,000 名が、患者さんのクオリティ・オブ・ライフの向上や顧客企業の支援、グローバルな課題 の解決に向け取り組んでいます。 メルクは世界で最も歴史の古い医薬・化学品会社です。1668年以来、革新性、事業の成功および責任ある企業家精 神を標榜しています。メルクの創業家は全体の約70%の株式を保有し、今日にいたるまで株式の過半数を所有し続け ております。EMD Serono, EMD Millipore, EMD Performance Materials として事業を行っているカナダおよび合衆国を 除き、ドイツ・ダルムシュタットのメルクはMerckの名称およびブランドのグローバルな権利を有しています。 ここまでが、2015 年 5 月 15 日(現地時間)に独・メルク本社が発表した英語版プレスリリースを翻 訳(一部省略)した参考資料です。 メルクセローノについて メルクセローノ株式会社は、ドイツ・ダルムシュタットに本社を置くメルクのバイオ医薬品部門の日本法人で、2007 年 10 月 1 日に発足し、がんおよび不妊治療領域を重点領域としています。 メルクセローノ株式会社の詳細については www.merckserono.co.jp をご覧ください。 ***
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