精密工学会中国四国支部技術賞受賞講演 高発光効率 分散型無機ELシートの開発 ○和迩浩一 神田達哉 橋本恵美 タツモ株式会社 開発部 2015.3.30 目次 タツモ株式会社の紹介 分散型無機ELとは 分散型無機ELの課題と技術開発の取組み 発光効率向上 ワイヤレス駆動 まとめ 2 タツモの概要 会社名 タツモ株式会社 設立 1972年(昭和47年)2月26日 資本金 13億9524万円 本社所在地 〒715-8603 岡山県井原市木之子町6186 TEL(0866)62-0923 FAX(0866)62-0948 従業員数 289名(2013年12月31日現在) 関係子会社 アプリシアテクノロジー株式会社、 プレテック株式会社、TAZMO INC.、 上海龍雲精密機械有限公司、大連龍雲電子部件有 限公司、TAZMO VIETNAM CO.,LTD.、TAZMO INC.、 クォークテクノロジー株式会社 TAZMO KOREA CO.,LTD. 営業内容 液晶製造装置 半導体製造装置 各種搬送ロボット 精密金型・樹脂成型品 などの開発・製造・販売 液晶製造装置 (G2~G10サイズ量産機) 半導体製造装置 スリットノズル エキシマ紫外線照射装置 ウエハ搬送ロボット 3 分散型無機ELとその構造 分散型無機ELとは: 硫化亜鉛蛍光体のエレクトロルミネッセンス(EL) を応用した、全塗布型シート状発光デバイス 発光 PETフィルム 透明電極 蛍光体層 厚さ約 0.3 mm (保護フィルム除く) 誘電体層 電源 背面電極 保護フィルム 4 ELの分類 エレクトロルミネッセンス(EL) 有機EL (薄膜型) ディスプレイ、照明 無機EL 薄膜型 分散型 ディスプレイ 照明、 イルミネーション 5 分散型無機ELの特徴 フレキシブル(曲げられる) 大面積 薄く、軽い 低コスト 無機ELの中では高発光効率 6 プロセス、設備の概要 ITOフィルム受入、洗浄 蛍光体層 誘電体層 背面電極 (繰り返し) 除電ブロワー、検査台 ペースト塗布 印刷機、コーター ベーク(乾燥) 温風循環炉 検査 検査台 周辺電極塗布 印刷機、ディスペンサ ベーク(乾燥) 温風循環炉 カット カッター治具 端子接続 検査 ラミネート 完成検査、特性測定 梱包、出荷 治具 検査台 ラミネータ 特性検査装置 7 他の固体照明デバイスとの比較 LED 無機EL 有機EL (分散型) 商品の名称 LED電球、 LEDランプなど 有機EL照明、 OLED照明など ELシート、 ELライトなど 発光体の素材 GaNなど 有機ポリマー 硫化亜鉛 デバイス形状 点発光、スポット ライト、電球型 面発光、平板、 シート状 面発光、シート状、 フレキシブル サイズ チップ状 ~10 cmX10 cm ~1m角以上も可能 現状の性能 一般照明用 電球型 蛍光ランプレベル 蛍光ランプレベル 商品化状況 商品化は古く、照明 用としても、蛍光ラ ンプに置換わる勢い 市場規模 一般照明用 として普及期 開発中。 本年度中の商品化 が計画されている 市場参入期 白熱電球レベル 面発光デバイスとして は古くから商品化され るも、性能改善に遅れ 目指す方向 ニッチ 8 応用製品の開発・試作例-1 カラーバリエーション 吊り下げ型天井照明 案内表示 ウエルカムボード 定型サイズシート 9 応用製品の開発・試作例-2 和紙発光タイプ 両面発光タイプ マジックミラータイプ 透明背景サイン ランプのない照明シェード 薄型案内表示 10 分散型ELの課題 低い発光効率(他のデバイスと比較して) 発光効率 (lm/W) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 蛍光ランプ LED OLED 分散型EL 白熱電球 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 全光束 (lm) 11 構造と発光効率向上のポイント 断面図 発光 誘電体ナノ粒子 εr:比誘電率 PETフィルム ITO 蛍光体層のバインダεr~10 蛍光体粒子 バインダー樹脂 εr>10 誘電体層 背面電極 誘電体層εr=50~100 12 透過率 at 500 nm 蛍光体層の透過率 1.0 0.8 0.6 0.4 (a) 0.2 0.0 ナノ誘電体 0% 10% 透過率 at 500 nm (粉末) 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 ナノ誘電体 20% 30% TiO2 vol% 分散液 40% (b) 0% 10% 20% ZrO2 vol% 30% 40% 13 バインダー樹脂の比誘電率 比誘電率(測定周波数:1 kHz) Nano-particle ZrO2 0% 10 15vol% 14 25vol% 12 TiO2 10 18 16 ITO バインダー樹脂 + ナノ誘電体 Ag電極 14 ナノ誘電体を添加した蛍光体層 発光効率 (lm/W) Luminous Efficacy (lm/W) 蛍光体粉末 : GTP GG45, 2 kHz (青緑色発光) ZrO2 30 25 ZrO2 vol% 20 19% 15 0% 10 5 0 0 200 400 600 800 2 Luminance (cd/m2) 輝度 (cd/m ) 1000 15 色変換した場合の発光効率 f=2 kHz, 500 cd/m2, ナノ誘電体添加なし 0.42 0.40 Relative Intensity 0.44 14.9 lm/W 17.6 15.5 lm/W 0.38 1 .2 % 4000K GG45 0.36 3 .0 % 15.7 14.5 lm/W 6000K 0.34 BBL 0.32 0.30 0.10 3 2 蛍光顔料 SINLOIHI SEL-101 550 750 Red-orange Wavelength (nm) 1 0 350 8000K 5 4 蛍光顔料 SINLOIHI SEL-107 Cerise (ピンク) 3 2 1 0 350 0.20 蛍光顔料 の発光 (+SEL-107 0.012%) 1 .2 % Relative Intensity CIE-y 3 .5 % 5 4 EL蛍光体 の発光 0.30 0.40 0.50 550 750 Wavelength (nm) CIE-x Pigment density : weight ratio to phosphor powder 16 ワイヤレス駆動 発光 分散型ELシート 2次コイル d 天板 Ci 1次コイル 17 2次コイル(ELシート側) 18 ワイヤレス駆動の例(1) 19 ワイヤレス駆動の例(2) 20 まとめ 1.発光性能を従来品の約2倍に向上(=同じ消費電力 なら輝度2倍)を達成 輝度向上分を、色再現性の改善、両面発光、電源の小型化 (電力削減)などに振り向けることでも応用可能性が拡大。 2.フィルム状、フレキシブル発光体の特性を活かした 各種応用製品を開発 定型サイズ品を光源素材として販売する一方で、 形状の自由度を活かして各種カスタム要望に応え拡販。 21
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