1画像フレーム内高速高機能処理対応 ワイドダイナミックレンジ・カメラ 「Cheetahシリーズ」 デルフトハイテック株式会社/加藤寛治 航空宇宙・防衛対応の高信頼高性能カメラの製造を手掛けるImperx社 (米国フロリダ州)は、従 来、複数画像フレーム合成等の処理時間を要していた画像処理を1画像フレーム内で高速処理す る高機能カメラ 「Cheetahシリーズ」 を開発、 販売開始した。 白ツブレや黒ツブレを防ぐダイナミック レンジ拡張機能(ワイドダイナミックレンジと呼ぶ)、2×2/3×3画像ピクセル領域内平均化処理 (高感度・低ノイズ化)を1画像フレーム内で高速処理するほか、独立した2フレーム画像を同時取 得するデュアルビデオ機能などを有し、産業カメラの機能範囲を拡張するカメラである。 1 開発経緯 従来から航空宇宙・防衛等の過酷環境での使用 に耐える高信頼カメラを製造してきたImperx社は、 撮影対象についての過酷条件、撮影画角内に高輝 度と低輝度が混在する場合でも画像細部を白ツブ レや黒ツブレを極力抑え、かつ、高フレームレート で逃さず捉える最新鋭カメラ Cheetah シリーズを 開発してきた (図1) 。 2 ワイドダイナミックレンジ機能 画像の 1 フレーム内に高輝度領域と暗黒極低輝 図 1 ダイナミックレンジ・カメラ 「Cheetah シリーズ」 度領域とが混在する撮影対象について撮像のダイ ナミックレンジ拡張方法は、露光時間を様々に変 じるなどの画質劣化を招いていた。 えた複数画像合成による「ハイダイナミックレン 一方、Cheetah シリーズのカメラでは、高輝度 ジ」と呼ばれる手法が従来、一般的であった。し と低輝度が混在する撮影対象を 1 枚の画像フレー かし、この方法では、撮像対象物やカメラの動き ム内で画像のピクセル単位で露光時間調整して撮 が大きい場面で、合成用の複数画像撮影中に、撮 像するため、従来の複数画像合成による方法にお 影対象や画面の動きにより、輝度の異なる画像領 ける画質劣化がなく、そのため、視野内領域の明 域間でその境界付近に二重写しや空間的隙間が生 るさがごく短時間のうちに大きく変化する高速移 eizojoho industrial May 2015︱39
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