HDRによる最新映像技術と 12G-SDI/IPによる高速伝送 リーダー電子株式会社 技術開発部/坂本圭弘 現在BSの衛星放送において4K/8Kの試験放送が 2016 年の8月から始まり2018 年には実用放 送を予定している。今後4K/8Kを視聴できる環境が整っていくことから4K/8Kの映像における 最新の技術について弊社の4Kマルチ波形モニター LV5490とともに紹介する。 1 4K/8Kの映像技術 はその分大きくなり、より高い伝送レートに対応 した 12G-SDI や IP による伝送が必要になった。 4K/8Kの映像は、高解像度化とともに色や明る リーダー電子は、4K/8Kの映像における高解像 さの再現性、映像の滑らかさを向上し、より鮮や 度、高フレームレート、広色域、高輝度の情報を かで臨場感のあるリアルな映像表現を目指してい 測定可能にするとともに、高速伝送の 12G-SDI、 る。4K/8K の映像の主な特徴としては高解像度、 IP に 対 応 し た 製 品 を 4K マ ル チ 波 形 モ ニ タ ー 高フレームレート、広色域、高輝度の 4 つがある。 LV5490 のオプションとして開発した(図1)。 解像度はHDが縦 1,080 、横 1,920 の画素数をも LV5490 は 4Kの映像フォーマットに対応し、フ つのに対して、4KはHDの縦横 2 倍の縦 2,160 、横 ル HD の液晶や USB マウスによる操作、自由な画 3,840 の画素数、8K は HD の縦横 4 倍の縦 4,320 、 面レイアウト、CIE 色度図表示、HDR 領域の強調 横 7,680 の画素数になる。画素数が大きくなるほ 表示など用途に合わせて映像を管理するための どより細かな映像表現が可能となり立体感や臨場 様々な機能をもっている。今回はHDRの映像の測 感のある映像になる。フレームレートはHDの 60i 定や 12G-SDI の入力に対応したアイパターン測 から 60p になることでより滑らかな映像になる。 定、IP 伝送の入力対応等について紹介する。 規格上は 120pも規定されており、今後の技術開発 が望まれている。色の再現性についてはHD で使用されている ITU-R 規格の BT.709 に 対して、より広い色域をもつ BT.2020 の規 格にすることでより鮮やかな色表現された 映像が可能になる。輝度は明るさのダイナ ミックレンジを広げる (HDR) ことで白とびや、 黒つぶれを改善してより鮮明な現実感の増 した映像になる。4K/8Kの映像は高解像度、 高フレームレートになることで、データ量 eizojoho industrial 図 1 LV5490 November 2016︱61
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