平成27年度事業計画 - 日本物流団体連合会

平成27年度
自
至
事
平成27年4月 1日
平成28年3月31日
業
計
画
一般社団法人日本物流団体連合会
平成27年度事業計画
昨年来、労働力不足という大きな課題が押し寄せる中で、物流各社は様々な工
夫を凝らし、事業を推進してきた。このような状況下、物流連はこの一年、官民
連携という体制を活用しながら、物流業界に共通する三つの重点課題に引き続
き取り組んだ。
第一の「物流を広く社会、国民から等身大で見ていただく活動」については、
初めての取組みとして、9月に「物流業界インターンシップ」を、1月には「物
流業界研究セミナー」を開催し、いずれも多くの会員企業と学生が参加し好評を
得た。
第二の「社会インフラとしての物流の機能を高める活動」としては、喫緊の課
題である労働力問題小委員会で審議を重ねる一方で、山間過疎地における輸送
の維持・確保のための調査検討を進めた。また、2020年東京オリンピック・
パラリンピックの開催を視野に、渋滞問題、大型施設へ物資の搬出入の効率化等
の課題について検討を開始し、更にモーダルシフトの取組みを推奨する「モーダ
ルシフト最優良事業者賞(大賞)」等を新たに設けた。
第三の「国際的な課題への取組み強化」については、海外戦略ワーキングチー
ムを中心に、各社が海外で直面する課題を官民で確認し、これを政府間対話など
に反映させる努力を続けるとともに、
「株式会社海外交通・都市開発事業支援機
構」の設立に関しては、会員への情報提供を積極的に進め、物流連自らも発起人
として出資を行った。
本年は、これらの活動を更に充実させるとともに、
「総合物流施策大綱201
3-2017」に基づき、政府との連携を強めながら具体的な成果に結びつけて
いく。
これらの活動を推進して行く上で、物流業界から社会への発信を強化するこ
ともまた、重要である。物流連は昨年度、ニュースリリース件数を前年の2倍近
くに伸ばしたが、さまざまな形で社会に発信していく活動を強化していく。
物流業界からの提案や発信をより充実させることで、他産業、政府、地域社会
との連携も進み、新たな日本を形作る原動力となれるよう、各種の取組みを進め
ていく。
平成27年度に計画している具体的な事業の概要は以下の通りである。
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1.業務活動の推進(委員会活動等)
(1)基本政策委員会関係
①委員会の開催
物流連の活動に関する基本的な事項を審議する。これまで取組んできた
物流連の全体の活動を精査し、今後の方針を論議する。
また、物流施策の推進に関し、行政側と積極的に意見交換を行う。
②官民連携の推進
「総合物流施策大綱 2013-2017」を踏まえ、官民連携により取組むべき
課題として整理した以下の 10 項目の進捗状況を確認し、推進する。更に
新しい官民連携の事業についても適宜推進する。
a.労働者の高齢化対策、労働者不足対策、人材育成
b.条件不利地域における輸送網の確保・維持
c.実効性のあるモーダルシフトの推進
d.我が国の物流システムを、いかに海外展開をするか
e.新市場の開拓・拡大に向け我が国の農産物などの物品をいかに
スピーディーかつ廉価にアジアに輸出するか
f.我が国の産業立地競争力強化の観点から国際戦略港湾を中核と
する物流網をいかに強化するか
g.通販需要の増大など物流をめぐる構造の変化に物流がいかに対
応していくか
h.災害時における多様な輸送手段の連携(BCP の策定等)
i.オリンピックへの対応
j.健全な物流効率化を実現するための物流総合力の見える化の推
進(物流 KPI の導入促進)
③会員サービスの充実
各委員会の開催前の時間を活用するなどして、行政、学界、業界関係
等の講師による講演会を実施する。物流連懇談会を開催し、会員相互の
情報交換や交流の場を設ける。会報による会員の紹介、ホームページの
充実、フェイスブック、メルマガ等により、情報発信を進める。
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(2)物流環境対策委員会関係
① グリーン物流パートナーシップ会議
本会議は、グリーン物流の推進に向けて荷主と物流事業者が連携を深
める場として平成 17 年に発足したもので、国土交通省、経済産業省、日
本ロジスティクスシステム協会と当連合会が会議の運営に当たっている。
11 年目を迎える本年は、会議のより一層の活性化と裾野の拡大に向け
て、広報活動の充実等を図る。
② 物流環境大賞
物流部門において、環境保全の推進や環境意識の高揚等を図り、物流の
健全な発展に貢献した団体・企業または個人を表彰する。
平成12年の第1回から昨年に至るまで、延べ130社、88件の表彰
を行った。本年度は、第16回目として募集した案件について、次の通り
表彰関係業務を進める。
・5月中
審査
・6月下旬
表彰式典開催(通常総会と同日)
また、制度の活性化に向けて表彰事例発表の場を設けることを検討す
る。
③モーダルシフト優良事業者公表・表彰制度
モーダルシフトの促進に関し、物流事業者の自主的な取り組みの奨励
及び取り組み意識の高揚を図るため、モーダルシフトを積極的に推進し
た優良な事業者を公表・表彰する。
平成27年度の活動は以下の通り進める。
・7月~9月 案件応募受付
・10月
表彰案件選定委員会開催
・11月
表彰(理事会後)
・表彰案件発表会の開催を検討
④オリンピック・パラリンピックに伴う大規模施設対策等小委員会
2020年に開催予定である東京オリンピック・パラリンピックを念
頭に置き、今後多数建造される大規模施設において、円滑な物流を実現
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するための対策を審議する。
平成26年度に審議を開始したが、本年度も引き続き建物における問
題点解決に向けて、次の事項などについて検討を進めるほか、建設工事
によって生じる道路渋滞への対策等も論議する。
・大規模施設を建築する際には、物流関係者との協議を経て設計段階
より物流に配慮した作りを実現すること
・物流に配慮した作りとなっている建築物に愛称を付け、取り組みを
広く社会へ知らしめること
・建設資材の輸送等による渋滞や物流の滞りを最小限に留めるととも
に、新たな街作りに向けた提言を行う
(3)人材育成・広報委員会関係
① 「第2回物流業界インターンシップ/5days」の開催
我が国物流事業の魅力を伝える施策として、昨年度に引き続き、以下の
通り、大学生等を対象として、会員企業と物流連が協力して5日間完結型
のインターンシップを実施する。
・開催日:9月第1週目もしくは第2週目の月~金曜日の5日間
(予定)
・会場:合同イベント会場未定(初日と5日目)、各参加企業が指定す
る事業拠点等(間の3日間)
・参加者数:150~200名(目途)(平成26年度 130名)
・参加企業:20~30社(目途)(平成26年度 20社)
・プログラム(案)
:1日目…オリエンテーション&業界研究セミナー
2日目~4日目…企業訪問
5日目…グループ活動/発表会&座談会
② 「第2回物流業界研究セミナー」の開催
昨年度に引き続き1月開催を目途に、就職活動の開始を前にした学生
等を対象に物流業を広く理解してもらう目的で、陸海空に亘る会員企業
と協力して、以下の通り、物流業界研究の機会を与えるセミナーを開催す
る。
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・開催日:1月第2週もしくは第3週の土曜日(予定)
・開催時間:10:30~17:00
・会場:東京都内の会場
・参加者数:600~800名(事前登録者約800~1000名)
(目途)(平成26年度参加者数 520名 事前登録者 650名)
・出展企業:25社~35社(目途)(平成26年度 24社)
・協賛企業:数社
・特別プログラム:講演会/若手社員によるパネルディスカッション
/若手社員が対応する座談会 など
③ 物流業のイメージアップ・発展に向けた取組み
25年度に、若手社員のプロジェクトチーム「ロジスティクスPRグル
ープ2013~物流いいとこみつけ隊~」が提案した下記の活動につい
て、逐次、具体的な検討を進める。
a. イベントの企画
物流業の社会的認知度向上を図るため、新たに荷主企業等と連携した
「共同施設見学会」の企画や、業界内の活性化を目指す会員企業・団体を
対象とした情報交換等を目指したイベント(若手社員を対象とするもの
/女性社員を対象とするものなど)の企画を検討する。
また、物流に関する理解を深め、物流の振興を図るために「物流の日」
の設定についても検討する。
b. 英文表記の法人名(ロゴ)刷新
物流連の名称の英文表記の改善、ロゴ、キャラクター等の制作に取組み、
物流連のイメージアップを図る。同時に、今後若い世代に物流業に親しん
でもらえるよう、これらのツールを活用した活動を進める。
④ 物流見学ネットワーク
小・中・高・大学生を対象として、全国各地の物流施設の見学会を斡
旋・紹介する。本年度も外部機関のサイトと連携しながら、当見学会へ
の申込みまでの導線づくりと新たな物流施設の登録を増やすなど受け入
れ体制の強化を図る。
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⑤ 中学生等の職場体験
昨年度に引き続き、東京都の職場体験推進協議会に委員として参画し、
職場体験の受入企業として、会員企業等を東京都に登録する。
また、若い世代のキャリア教育に関する議論を行う「キャリア教育推進
協議会(CP21)」に参加し、職場体験の充実に努める。
学校教育において、物流に対する理解を広げるために、従来から取り組
んできた中学生に加え、高校生の職場体験(インターンシップ)について
も受入れを検討する。
⑥ 教科書・教材出版会社への写真提供
昨年度に引き続き、初等中等教育に於いて「物流」の扱いを充実させる
べく、教科書・教材出版会社の社会科教科書制作に協力する。
具体的には、物流連が斡旋して、登録会員企業(現時点で44社)の写
真を物流連と連携のとれた出版会社8社に提供する。
そのほか、新規会員企業をはじめ、未登録会員企業・団体に対しても新
たな登録を促すなど、写真提供体制の強化を図る。
⑦ 物流連会員への大学寄附講座の開放
大学の寄附講座では、物流各界を代表するトップマネジメントが講義
を行うことにかんがみ、昨年度に引き続き、会員の若手社員(30歳以下)
が寄附講座を受講できるような対応を進める。また、この取組みを会員に
周知する。
⑧ 物流連ホームページの拡充
施設見学会・職場体験・インターンシップ・研究セミナー等の様子がわ
かる写真や、会員から提供される陸海空の写真を集めて公表し、定期的に
更新する。また、業界で働く若手社員にスポットを当てたページを設ける。
(4)経営効率化委員会関係
①一貫パレチゼーションへの取組み
平成26年度に行った労働力不足問題小委員会での論議を通じ、様々
な角度から検証を進めた結果、輸送の結節点における荷役の効率化と、作
業時における労働負荷の軽減が今後の重大な課題とされた。
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これを踏まえ、一貫パレチゼーションの取組みに向けた検討のため、
ワーキングループを設置する。
②山間過疎地における輸送の維持・確保に関する取組み
26年度にまとめた報告書を踏まえ、更に検討を進める。国土交通省
が進めようとしている「地域の持続可能な物流ネットワークの構築」の検
討に参画し、モデル事業が行われる場合には、これに協力することを通じ、
報告書に示した方策の検証や新たな課題等について研究を継続する。
③新型インフルエンザ対策等、物流事業者の事業継続対応
経済・産業のグローバル化の進展に伴い、ウィルス感染症に対するリス
ク管理の課題が浮上していることから、引き続き「新型インフルエンザ等
対策特別措置法」に基づく特定接種に関連した業務等に取組む。
その他、サイバーセキュリティへの備えなど、BCP(事業継続計画)に
関してより現状に即したテーマを取り上げて取り組む。
④その他
労働力不足問題への対応については、多面的な対策が必要であること
から、①に記載したもののほか、適宜新たな取組みを実施する。
また会員企業等の抱えるその他の問題で、物流業界共通の課題と考え
られる案件については、臨機応変に小委員会を設けるなどの対応をして
いく。
(5)国際業務委員会関係
①海外戦略ワーキングチームの活動
海外において物流事業者がどのような問題を抱えているか、どのよう
な要望を持っているかを把握し、一企業を超える横断的課題については、
政府と連携しつつ、その解決に取り組む。このため、引き続き、会員と国
交省を交えた海外戦略ワーキングチームの会合を定期的に開催する。
政府レベルの物流政策対話に合わせて議題を設定するとともに、加えて物
流連独自の取り組みとして、現地海外物流事業者が抱える物流インフラ・制度
の問題を取り上げ、検討を進める。
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②海外現地物流調査
本年度も引き続き、東アジアまたは ASEAN の中から調査対象国を選
手し、現地で活動する物流業者が抱える課題や要望について、現地調査を
行う。
(参考:24年度はタイ、25年度はミャンマー、26年度はベト
ナムで現地調査)
③株式会社海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)との連携強化
我が国の企業が、海外で行うインフラ・物流事業などに対し、出資な
どの手段で支援する機構が設立され、物流連は発起人となった。このよう
な立場から、アドバイザリー会議に参加するなど、引き続きJOINと連
携し、海外に展開する会員企業の事業支援に取り組む。
④日本の物流の強みを確認し、その普及を図るための調査
25年度には、学識経験者へのヒアリングを行い、昨年度は、実際に海
外展開している企業へアンケート調査を実施した。本年度は、国土交通省
国土政策研究所が検討している外資系荷主企業への意向調査に協力する
ことなどにより、本件調査の充実を図る。
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2.情報提供・出版事業等の活動
(1)寄附講座の開講
広報活動、教育支援の一環として行っている大学寄附講座について、本
年度は、以下の4大学で実施する。
①首都大学東京
②青山学院大学
③横浜国立大学
④一橋大学
毎週火曜日( 4月7日~ 7月14日)
毎週月曜日( 4月13日~ 7月23日)
毎週木曜日(10月 1日~ 1月21日)
毎週金曜日(10月 2日~ 1月27日)
(2)会員への情報提供等
①物流連「会報(Grow)」の発行
一昨年度の冬号以降、全面カラー化し、編集方式を変更したが、本年度
も同様、年4回(5月、8月、11月、2月)発行する。
②「物流連懇談会」の開催
会員への情報提供や会員相互の情報交換が定期的に行える場として、
物流連幹部等による講演会を開催しているが、本年度は、5月、11月の
開催を予定する。
③「講演会」の開催
各委員会開催前の時間を活用するなどして、外部講師(政府等)による
講演や説明会を実施している。今年度もその時々の課題に関連した行政
庁、関連団体などから講師を招き、より多くの会員に、最新の情報提供な
どを行う。
④ホームページからの情報発信
物流連の TOP ページには会員企業から提供された写真を掲載し、定期
的に交換を行っている。また、
『目でみる物流』のコーナーを設け、会員
企業の活動を四つのカテゴリーに分けて(緊急支援物輸送、物流の活躍、
環境にやさしい物流、安全対策)
「写真」による紹介をしている。本年度
はこのコーナーに更に新たなカテゴリーとして『物流の歴史』を掲載する。
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⑤「物流連のご案内」
物流連の組織や活動を紹介する「物流連のご案内」をより分かりやす
く編集し、外に向けたアピールを強化するとともに、会員の拡大などに
活用する。
⑥メールマガジンからの情報発信
物流連のメールマガジンには、1,000人を超える購読者が登録さ
れているが、今後もその増加を図る。メールマガジンには、物流に関わ
る業界・行政等のニュースや各種統計情報、研修の案内等を掲載し、概
ね20日間隔で配信する。
(3)出版事業
① 「数字でみる物流」の発行
我が国の物流動向(国内物流、国際物流、輸送機関別輸送、貨物流通施
設、フォワーダー、消費者物流、情報化等の動向)をわかりやすく詳細に
解説した、物流担当者必携のポケットブック、27年度版の「数字で見
る物流」を発行する(9月末目途)。
会員サービス向上のため、
「数字でみる物流」をPDFファイル、表に
ついてはエクセル化し提供する。
(4)研修事業
①2015:欧州ロジスティクス視察団による調査
欧州を代表する物流機関や優良企業の最新物流センターを訪問し、高
度化、個性化、インテリジェント化が著しい最新物流技術の動向を調査す
るとともに、今後の高度ロジスティクスシステム構築の指針を得ること
を目的として、視察団による調査を企画し、実施する。
・期間 :平成27年7月1日~10日、10日間
・訪問国:イギリス、フランス、オランダ、ベルギー、ドイツ
5ヵ国
②物流実務研修講座の開催
下記テーマなどによる実務研修シリーズを開催する。
a.「ロジスティクス入門講座」
b.「物流センター長のための現場力活性化の実務」
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(5)物流施設見学会
会員の最新物流施設などを対象として、前年度に引き続き、今年度も物
流施設の見学会を企画し、実施する。
(6)物流EDI事業
①物流EDI標準「JTRN」および「物流XML/EDI標準」の改良、
維持管理および普及活動を行う。
②サプライチェーン情報基盤研究会等のEDI標準化団体との連携を図
り物流EDI標準「JTRN」
「物流XML/EDI標準」等における荷
主業界・業際間での整合を図る。
③RFID等EDI関連技術の情報収集と物流情報化への適用事例の検
討を行う。
以上
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