2015 年 5 月 13 日 (水) No.1 [email protected] 線形代数学・同演習 A 講義資料 4 お知らせ • 重要 6/10(水)および 7/22(水)の試験は 講義と異なる教室 で行います.場所は 2202 となる予定ですが,詳細は 5/27(水)の中間試験予告の際に説明します. • 4/30(木)までに履修登録を行った方の名簿が届きました.1 年生(52 名)全員+再履修 3 名と なっています.提出物から察すると,全員正しく履修登録されているようです.安心しました. • 然るべき事由により公欠をとられた場合は,大学が定める公欠届を横山まで提出してください. その際,欠席した回の演習問題の代わりとしてレポート課題を出し,これを 3 点満点で評価し ます.但し,問題の難易度は少し難しめに出題します. 演習問題 3 へのコメント • 1 ∼ 3 各 1 点. • A2 + A + E は直接計算しなければいけませんが,A3 と A100 は具体的な行列を扱わなくても 解けます.A3 − E = (A − E)(A2 + A + E) と A100 = (A3 )33 A に気付けば簡単です. 前回の講義(5/7)の補足 • 転置行列の性質: t(AB) = tB tA は講義でやった.同様に t(ABC) = tC tB tA となる. • 巾零行列の定義を「Am = O(m ∈ Z≥0 )となる m が存在するような行列 A」と板書しまし た.これも正しいのですが,m ∈ Z≥0 は m ∈ N として構いません.m = 0 のときは A0 = E とみなすので,これは零行列にはなりえないからです. • 「巾零行列は何に使うの?」という良いご質問を頂きました.講義の中でその有難みを理解するのは難し いのですが,少し進んだ数学ではよく使われます.例えば a, b, c ∈ R に対して 0 a c A= 0 0 b 0 0 0 は巾零行列となりますが,ここに交換子積 commutator という演算を入れることで,一つの数学の体系 (代数系)が出来上がります.これは Lie 代数と呼ばれており,様々な数学研究のための欠かせない道具 の一つです.最近では,コンピュータグラフィックス(CG)の研究でも Lie 代数は活躍しています.例え ばヘリコプターのホバリングを 3DCG で表現する際に Lie 代数を使っている論文も出版されています1 . 今日の内容 • 教科書 p.15∼p.16,p.19∼p.22. 1 M. Kobilarov, K. Crane and M. Desbrun, “Lie Group Integrators for Animation and Control of Vehicles” (2009) http://www.geometry.caltech.edu/pubs/KCD09.pdf(動画も YouTube で公開されています) 1
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