平成 27 年 4 月 13 日 No.495 ふるさと納税について 平成 27 年度税制改正にて、ふるさと納税についての改正がありました。個人住民税における控除限度額が 1 割から 2 割へ と引き上げられ、また、一定の方は確定申告が不要となる「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が新たに創設されましたの で、その制度についてお知らせいたします。 ふるさと納税制度とは、都道府県・市区町村に対してふるさと納税(寄附)をすると、ふるさと納税額のうち 2,000 円を 超える部分について、一定の上限まで、原則として所得税・個人住民税から控除される制度です。 1.ふるさと納税に係る控除の概要 ふるさと納税のうち 2,000 円を超える部分については、一定の上限まで、原則として所得税・個人住民税から控除されます。 ①所得税・・・ (ふるさと納税額―2,000 円)を所得控除(所得控除額×所得税率 ※1 が軽減)※2 ②個人住民税(基本分) ・・・ (ふるさと納税―2,000 円)×10%を税額控除 ※3 ③個人住民税(特例分) ・・・ (ふるさと納税―2,000 円)×(100%―10%―所得税率 ※1) ⇒①、②により控除できなかった額を、③により全額控除(所得割額の 2 割を限度) 改正により、平成 27 年分のふるさと納税について 1 割から 2 割が限度となりました。 (平成 28 年度分以後の個人住民税について適用) ※1 復興特別所得税を加算した率となります。 ※3 個人住民税(基本分)は総所得金額等の 30%が限度となります。 ※2 所得税は総所得金額等の 40%が限度となります。 【控除イメージ】 寄附金 5 万円 適用下限額 【所得税】 【住民税】 【住民税】 2,000 円 所得控除による軽減 税額控除(基本分) 税額控除(特例分) (5 万円-2 千円)×40%※ (5 万円-2 千円)× (5 万円-2 千円)×(100%-10%-40%※) =19,200 円 10%=4,800 円 =24,000 円 ※課税総所得金額により 0%~45%の間で変動します。 控除額 48,000 円 2.控除額の上限モデルケース 特例分の限度額が所得割額の 2 割となったことにより、ふるさと納税で税額が全額控除となる寄附金はいくらになるでし ょうか。 例えば、給与収入 600 万円(給与所得 426 万円) 、配偶者(扶養親族) 、子(18 歳以下の控除対象扶養親族) 、社会保険 料 85 万円を支払っている方の場合を基に試算すると以下のとおりです。 ・所得税の総所得金額等 227 万円 住民税の総所得金額等 242 万円 【控除額の上限】 242 万円×10%=242,000 円(所得割額) 242,000 円×20%=48,400 円 ⇒ 全額控除(平成 26 年分までは 24,200 円でした。 ) ※一例であり、寄附者の所得によって限度額は変わります。 3.ふるさと納税ワンストップ特例制度 …平成 27 年 4 月 1 日以後に行われる寄附について適用 確定申告が不要な給与所得者等について、ふるさと納税をする際にふるさと納税先団体に申請することによって(特例申請 書の提出が必要) 、ふるさと納税に係る所得税及び個人住民税の寄附金控除額の合計額の 5 分の 2 を道府県民税から、5 分の 3 を市町村民税からそれぞれ控除します。ただし、寄附者が確定申告を行った場合又は 5 団体を超えるふるさと納税を行った 場合には、この特例は適用されません。マイナンバー、マイ・ポータルを活用した簡素化までの間の特例的な仕組みとして導 入されました。 ふるさと納税に係る謝礼として受ける特産品に係る経済的利益については、一時所得に該当します。例えば、ふるさと納税 を行った年に生命保険の満期返戻金を受け取ったなど、他の一時所得がある場合は、それらと合算して総収入金額を計算する 必要がありますので注意が必要です。 (担当:西村 文香)
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