平成16年度 尾瀬山の鼻 尾 瀬 沼 ビジターセンター運営記録 (目 次) ビジターセンター位置図 巻 末 資 料 尾瀬山の鼻ビジターセンター運営記録 ・グラフでみる 9年間 … 25 ・ビジターセンターの利用動向 … 26 … 1 コラム「尾瀬ボランティア」 … 10 ・ビジターセンター傷病者対応事例 … 27 尾瀬沼ビジターセンター運営記録 … 11 ・尾瀬のできごとをふりかえる … 28 コラム「尾瀬サブレンジャー」 … 20 コラム「尾瀬の自然解説事業」 … 30 コラム「自然解説アンケート」 … 22 今年の尾瀬のトピックス … 31 コラム「尾瀬自然解説ガイド」 … 23 尾瀬保護財団の沿革と概要 … 32 コ ラ ム 「一般の方から寄せられた声」 … 24 ビジターセンターの自然体験プログラム 財団法人 尾瀬保護財団 ビジターセンター位置図 尾瀬沼ビジターセンター 福島県南会津郡檜枝岐村字燧ヶ岳1番地 尾瀬山の鼻ビジターセンター 群馬県利根郡片品村 大字戸倉字中原山898ー9 ビジターセンターまでの交通案内 尾瀬は山ですので、登山の装備でお出でください。 尾瀬沼ビジターセンターまでは・・・ ・福島県檜枝岐村の沼山峠から徒歩で約60分。 ・沼山峠まではふもとの御池から 会津乗合自動車バスで約20分。 尾瀬山の鼻ビジターセンターまでは・・・ ・群馬県片品村の鳩待峠から徒歩で約60分。 ・鳩待峠まではふもとの戸倉から 関越交通バス、尾瀬エコトランスファーバスで 約25分。 (表紙の写真:研究見本園での自然観察会 5月29日) 平成16年度 Ⅰ 尾瀬山の鼻ビジタ−センタ−運営記録 ビジタ−センタ−管理運営 尾瀬保護財団では、群馬県が設置した尾瀬山の鼻ビジタ−センタ−の管理運営を、平 成 8年から実施しています。 1 2 運営期間 (1) 職員駐在 平成16年 5月12日 ∼ 平成16年11月 5日(178日間) (2) 開所期間 平成16年 5月15日 ∼ 平成16年10月28日(167日間) (3) 休 館 日 なし 取扱時間 (1) 開 館 8:00 ∼ 19:00(平日) 7:00 ∼ 19:00 (土日祝日) (2) 窓 口 8:00 ∼ 16:30(平日) 7:30 ∼ 17:00 (土日祝日) ※ 3 開館時間は、弾力的に運用しています。 入館者数 110,911人(平成15年度は (参考 4 人数 (2) 構成 (写真 1) 10人(5月∼11月 金子係長、9月∼11月 西嶋主任) 職 氏 名 長 笹 原 宗 利 全体総括 尾瀬専門員 鶴 渕 一 三 特殊植物保全、自然解説 係 長 金 子 正 明 管理運営、自然解説 (駐在期間 5月∼11月) 主 任 西 嶋 弘 満 管理運営、自然解説 (駐在期間 9月∼11月) 保護指導員 星 野 睦 治 巡回指導、特殊植物保全、施設管理 保護指導員 酒 井 征 哉 特殊植物保全、公衆トイレ管理、環境保全 管 理 員 若 林 和 子 衛生管理、福利厚生 管 理 員 佐 藤 舞 子 自然解説、窓口対応 管 理 員 森 脇 荘 平 特殊植物保全、公衆トイレ管理、環境保全 管 理 員 堤 翼 自然解説、窓口対応 所 (3) 87.2%) 巻末資料1「グラフで見る8年間」もあわせてご覧下さい。) 職員構成 (1) 127,131人、前年度比 主 な 分 掌 アルバイト(サブレンジャー)雇用 延べ188人(内訳:春期 36人、夏期 124人、秋期 28人) 業 務 Ⅱ 自然解説事業 尾瀬を訪れる利用者に、自然との触れあいを通じて尾瀬にふさわしい利用方法を啓発 するとともに、豊かな自然の大切さを意識してもらうことを目的としています。 そのため、ビジターセンター内の展示室及びレクチャールーム、野外掲示板等を利用 し、入山者に対する自然解説及び利用案内を実施しました。 表 区 分 平成16年度 自然観察会 参加者数(人) 872(99.4%) 実施回数(回) 88(107) 自然解説活動のまとめ スライドショー ハイビジョン 団体レクチャー 1,537(78.5%) 1,038(84.7%) 884(99.6%) 59(60) 95(89) 33(33) (表中カッコ内は、%が前年度比、数値が前年度実施回数を示しています) 1 自然観察会 (写真 2) 週末や繁忙時期(ミズバショウ期、ニッコウキスゲ期、紅葉期)を中心に、山ノ鼻研究見本園を 会場とし実施しました。 2 (1) 実施場所 山ノ鼻研究見本園 (2) 実施時間 朝:午前7時から40分間 (3) 担 当 者 山の鼻ビジターセンター職員及びサブレンジャー 昼:午後2時から40分間 スライドショー 自然観察会と同様の期間で開催しました。主に山小屋宿泊者を対象とし、山の鼻ビ ジタ−センタ−で保管するスライドを用い、季節毎に組み替えることで担当者の解説 と合わせて鑑賞してもらいました。 3 (1) 実施場所 尾瀬山の鼻ビジターセンター内のレクチャールーム (2) 実施時間 午後7時∼約40分間(秋期は、午後6時30分からに繰り上げ) (3) 担 当 者 自然観察会と同様 ハイビジョン上映 ビジターセンター所有の映像ソフト「待ち伏せ」「トンボ」「クモ」を使い、繁忙期 に1日2∼3回にわたり定時上映を行いました。その他、利用者からのリクエストによ り尾瀬関連の映像ビデオの放映も随時実施しました。 4 団体レクチャー 事前に依頼を受けた学校関係者や、尾瀬を勉強している社会人グループに対して、 スライドレクチャーや自然観察会を開催し、自然への理解度を高めていただきました。 5 館内解説 不定期で館内展示物の利用方法を含めた解説を、職員により実施しました。 6 展示 (1) 常設展示 既設の展示に加え、次のような情報提供を行いました。 ① 植物の開花や鳥などの観察ポイント、登山道の危険箇所などの情報提供 ② 気象情報(館内や正面掲示板に表示) ③ 時節ごとの観察ポイントを紹介した写真やイラスト ④ デジタルカメラ画像による代表的な植物や、各地の様子を展示 ⑤ バス・電車などの公共交通機関の情報や、相談受付 ⑥ ビジターセンター協力者から提供された写真や、絵画、図書等の展示 ⑦ 旧木道、留め金(使用済み現物)などの展示 ※9月上旬から展示室改装工事(リニューアル)のため展示室を閉鎖し、展 示物の一部をレクチャールームに移し展示しました。 (2) 企画展示 毎年テーマを選定し企画展を開催しましたが、今年度は展示室のリニューアル のためレクチャールームが狭隘となり、中止しました。 7 季刊誌の発行 季刊誌「原をわたる風だより」を発行し、館内にて利用者に配布したほか尾瀬内の 各山小屋、尾瀬沼ビジターセンターや関係する各地のビジタ−センタ−へ配付しまし た。 8 ① 発行日 6月13日(春号)、7月19日(夏号)、9月23日(秋冬合併号) ② 発行数 各号とも、500部∼1000部を発行 自然情報の収集、提供 利用者への情報提供や解説資料充実のため、職員、サブレンジャーが毎週尾瀬ヶ原、 至仏山及びアヤメ平の自然状況を調査しました。その情報は自然情報として尾瀬内の 各山小屋、関係各機関へ提供しました。 Ⅲ 群馬県所管施設等の維持管理 尾瀬保護財団では、群馬県が整備した尾瀬地区公衆トイレ等の維持管理業務を実施し ています。設置は山ノ鼻地区にある山の鼻公衆トイレ及び、竜宮地区の龍宮公衆トイレ の2施設で、管理の歴史は平成8年から尾瀬山の鼻ビジターセンター、山の鼻公衆トイレ、 龍宮公衆トイレの3箇所を管理開始し、平成 12年には尾瀬利用者数の計測を行う入山者 カウントセンサー(環境省所管)の管理が加わり、現在に至っています。 平成8∼11年度 平成12∼16年度 尾瀬山の鼻ビジターセンター 尾瀬山の鼻ビジターセンター 山の鼻公衆トイレ 山の鼻公衆トイレ 龍宮公衆トイレ 龍宮公衆トイレ 入山者カウントセンサー(環境省所管) 1 山の鼻公衆トイレ 山の鼻公衆トイレ及び、合併浄化槽の管理状況は以下のとおりです。 (1) 供用期間 平成16年 4月 28日 ∼ 平成16年11月 3日 (2) ( 190日間) 利用者数 231,020人(男子 114,450人 (参考) (3) 女子 116,570人) 平成15年度 270,131人 (男子 126,391人 女子 143,740人) 平成14年度 279,554人 (男子 134,554人 女子 145,000人) 平成13年度 303,535人 (男子 146,468人 女子 157,067人) 平成12年度 301,688人 (男子 144,750人 女子 156,938人) ① 維持管理の実際 清掃 通常期は一日一回、繁忙期には一日二回、その他、随時点検を行い、きめ細 かな清掃を行うことで快適な利用環境に配慮したほか、施設周辺の美化巡回も 含めてゴミのない公衆トイレを目指しました。 ② 点検 通常期は一日一回、繁忙期には数回のペーパー補給や巡回を行いながら快適 な環境を維持しました。 ③ 合併処理浄化槽の維持 専門業者による定期的な保守・点検作業の他、絶えず異臭や異常の有無を把 握するように努めました。 2 龍宮公衆トイレ 龍宮公衆トイレ及び、合併処理浄化槽の維持管理業務を専門業者により実施しまし た。ビジターセンター職員は、週2回にわたり清掃やその他管理状況の点検を行い、 予め決められたゴミ処理方針に基づき、公衆トイレで発生したゴミは域外搬出するた めすべて回収しました。 Ⅳ アヤメ平(横田代)植生復元事業の実施 至仏山東面登山道沿い、踏みつけなどにより荒廃した湿原植生地復元作業後の経過 観察をしました。また、今年度はアヤメ平(横田代)で土を入れたポットに播種をし、 無植地に埋め込み、整地作業を試験実施しました。 1 横田代植生復元作業 (1) 実施場所 アヤメ平(横田代)標高約1,880m付近 <所在地 (2) 作業方法 片品村大字戸倉字中原山898-10> 播種作業 方法:①現地で採取した土砂を利用し、ポット内に播種を行い、無植 地に埋め込む。 ②掘取った泥炭を穴の周囲に埋め戻し整地する。 ③土留作業:半割り竹を利用し、土砂及び種子の流失を防止する。 播種面積:88.80㎡ 播 種 類:ミタケスゲ ホロムイスゲ 2 940鉢 20鉢 計960鉢 至仏山植生復元事業の各種取り組み 今年度については、有識者・行政・土地所有者等の至仏山保全緊急対策会議によ り今後の至仏山保全対策の取り組み(植生の保護・復元方法等)を検討中のため事 業はしませんでした。 15年度の至仏山東面登山道植生回復作業跡地の状況確認を実施しました。 3 至仏山植生復元地経過観察 これまで実施してきた箇所の観察では、残雪からの流水や、雨水による流水が施工 地の苗に悪い影響を与える事が確認されています。そのため、植生復元地保護のため 人工的な排水処理を行った後にポット苗を移植した実験地については、確実に活着・ 成長していることがわかりました。 4 アヤメ平植生復元地経過観察 平成4年度施工した地区について、現在まで経過観察しています。施工後から継続 している観察結果では、湿原でも湿潤地は少しずつ流出する水のため、播種後の植物 の成長は芳しくありません。 一方、流出水がない湿原では、人工的に播種・発芽した植物が、裸地を覆い隠し、 良好な成長が観察されています。今後も環境変化による観察を継続したいと思います。 Ⅴ 巡回活動の実施 1 (写真 3) 概要 職員、サブレンジャーで以下の業務を実施しました。 ・歩道施設の点検及び簡易な補修(木道のゆるみ、立入防護柵及び転倒防止のための 応急措置) ・利用者への案内・自然解説、効率的な利用方法の指導 ・巡回中の美化清掃 ・自然情報の収集と写真撮影及びビジターセンターへの掲示 ・植生復元作業実施後の生育状況調査・経過観察 なお、巡回中に確認された危険箇所については、必要に応じて補修または改修を随 時行いました。 2 Ⅵ 巡回方面と回数 ・龍宮方面 週 2回 ・至仏山方面 月 3回程度 ・見晴方面 週 1回 ・アヤメ平方面 月 3回程度 ・赤田代方面 週 1回程度 ・長沢、見晴方面 月 2回程度 ・三条の滝方面 月 2回程度 その他 1 収入金の管理 協力金、募金、公衆トイレチップ、物品販売等による収入金を集計・管理しました。 2 開所式の実施 (写真 4) 本年度の尾瀬山の鼻ビジターセンター開所式は、平成16年 5月15日に財団関係者や 山小屋関係者、登山者の参加により開催されました。この行事後から展示室等を開放 しての業務を開始しました。 3 尾瀬ボランティアの活動支援 入山口啓発活動や、お話ボランティア(定点解説等)のコーディネートなど現地窓口 としてボランティア活動を支援しました。その他、至仏山登山道の防護柵設置及び撤 去作業等についても参加してもらいました。 4 サブレンジャーの配置 サブレンジャーは、5月から10月までの、繁忙期(春・夏・秋の利用集中期間)に雇 用している大学生等のアルバイトです。特に、登山者が集中する夏にはサブレンジャ ーの基礎知識向上のため、就業前の研修(救急法・自然公園法・自然解説等)を行って から山の鼻、尾瀬沼各ビジタ−センタ−へ配置(巻末コラム・尾瀬サブレンジャ−参 照)しました。 5 傷病事故の対応 本年度、尾瀬山の鼻ビジターセンターで扱った傷病事故件数は27件(15年度は 17件)ありました。ビジタ−センタ−窓口での軽微な手当や、山ノ鼻地区としての 担架搬送への協力要請に対する職員の派遣を含みます。(詳細は27ペ−ジ参照) 6 ツキノワグマ情報収集及び捕獲・放獣について(写真 5) 春先(5∼6月)と8月頃にクマが、尾瀬ヶ原に出没し多数の目撃情報が山の鼻ビ ジタ−センタ−に寄せられました。尾瀬沼ビジタ−センタ−へ寄せられた情報と合 計すると90件(15年度 51件)です。 特に山ノ鼻地区の山小屋周辺に頻繁に出没し、轟音玉等による追い払いを実施し ましたが効果が少なく、登山者等の安全確保のため研究見本園、キャンプ場等一時 閉鎖をしました。その後もクマは居座り続けたため、環境省・地方自治体・山小屋 等関係者(尾瀬山ノ鼻地区ツキノワグマ対策会議)により、山の鼻地区で初めて罠 を設置、捕獲し地区外へ放獣しました。 7 ゴミの計量及び域外搬出について 群馬県のゴミ処理方針に基づき、県有施設から発生するゴミは尾瀬地域内で一切燃 やさず、域外搬出して処理することを徹底しました。なお、平成16年度の総搬出量は 682㎏で、昨年度排出量(562㎏)を少し上回りました。 8 池塘・河川の清掃 本年度も片品村婦人会(20人)のご協力をいただき清掃作業を実施しました。池塘 や河川内に投棄された空き缶・カスガイ等不燃物を回収(13.7㎏)し地域外に搬出処 理しました。 9 定時気象観測 5月下旬∼11月初旬までの毎日、9:00と15:00に行いました。 10 植生回復作業等 (写真 6) ボランティアの皆さんに各種作業のご協力をいただきました。 (1) 片品村婦人会 村内各地区会員が3回・延べ57人で横田代の植生回復 作業(土留め用資材運搬、ポット用土砂採集)及び来年 度用のポット苗作成作業などに協力していただきまた。 (2) 尾瀬ボランティア 尾瀬ボランティア13人の協力により、横田代の荒廃地 (88.80㎡)にミタケスゲ等播種したポットを埋め込み 整地作業をしていただきました。(ミタケスゲ他960 鉢) ( 3) 尾瀬高校生 尾瀬高校生25人の協力により、上記作業をしていただ きました。 (写真 1) ビジターセンター職員 半年間、皆元気に楽し く過ごしました。 (写真 2) 自然観察会 昼間の自然観察会で山 ノ鼻植物研究見本園へ案 内し、植物などを紹介し ました。 (写真 3) 木道補修 7月の集中豪雨により 下の大堀橋付近の木道が 浮き出し、補修作業を実 施しました。 (写真 4) ビジターセンター開所式 5月15日ビジターセン ター前で財団関係者、山 小屋関係者・登山者の参 加等により開所式を行い ました。 (写真 5) ツキノワグマ捕獲 山ノ鼻の山小屋周辺に ツキノワグマが居座り轟 音玉等で追い払いをしま したが、効果が少なくわ なにより捕獲、他地区へ 学習放獣しました。 (写真 6) 片品村婦人会活動 アヤメ平(横田代)植生 回復作業などに協力して いただきました。 尾瀬ボランティア コラム ∼ ビジターセンター運営充実を目指すパートナー 1 ∼ 全国から集まるボランティア 尾瀬ボランティアは主に利用者に対する自然保護思想の普及啓発、美化清掃を行うために (財)尾瀬保護財団が募集を行い、平成8年6月から組織されています。呼びかけの結果、北は 北海道から南は宮崎と全国から384人が登録され活動しています。 多くの活動形態 尾瀬ボランティア活動には大きく分けてプロテクター的な活動と、インタープリター的な活 動があります。それぞれの主な活動メニューは次のとおりです。 (インタープリター的活動) (プロテクター的活動) 入山口(鳩待峠、沼山峠、大清水)での啓発活動 お話しボランティア活動(定点解説) 入山口周辺や尾瀬ヶ原、尾瀬沼周辺での美化巡回 山の鼻ビジターセンターにおける館内解説 横田代地区荒廃地の植生復元作業 自然解説パンフレットや情報紙等の作成補助 その他 各種調査、資料収集、その他 現在の登録状況 384人(平成17年1月21日現在、仮登録者5名を含む) 内訳:22都道府県(群馬県103人、埼玉県69人、東京都57人、神奈川県44人、千葉県35人他) 平均年齢 59.8歳(最年長78歳、最年少23歳) 各年度ごとの取り組み 8年度 (括弧内は参加のべ人数) 9年度 10年度 11年度 12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 558人 574人 500人 511人 514人 373人 384人 (13.2.1) (14.1.11) (15.1.21) (16.1.21) (17.1.20) 登録者数 582人 508人 (内容現在日) (9.2.23) (10.2.16) (11.2.26) (11.12.31) 入山口啓発活動 44日(524) 30日(625) 36日(635) 36日(538) 32日(508) 34日(371) 33日(312) 29日(311) 33日(294) スポット解説 3日(24) 10日(83) 15日(112) 15日(99) 16日(85) 15日(88) 移入植物除去 2日(31) 2日(29) 2日(29) 2日(14) 2日(9) 2日(11) 22人 11人 16人 9人 13人 *5、6 *7、8 *9 至仏山植生復元*11 その他 *1 *2 *3 *4 *5 *6 *7 *8 *9 *10 *11 ∼ *1 *2 *3、4 19日(75) 13人 *10,11 尾瀬クリーン大作戦 (以後「ありがとう尾瀬清掃活動」として継続) 鳩待峠路上駐車防止 至仏山登山道整備(以後、継続) 沼山峠に「尾瀬ボランティア活動詰め所」設置 啓発活動従事者講習会 ボランティア帽子配付(以後、継続) 県道沼田・檜枝岐線の植生回復作業(以後、継続) お話しボランティア用の旗作成 鳩待峠に「ボランティアハウス」設置 各入山口ボランティアハウスに活動用の腕章を配備 16年度は植生復元作業を横田代地区で実施 尾瀬ボランティアのみなさま、これからも充実した運営のためにご協力をお願いします ∼ 平成16年度 尾瀬沼ビジターセンター運営記録 Ⅰ ビジターセンター管理運営 平成 8年度から環境省が設置した尾瀬沼ビジターセンターの管理運営を、実施してい ます。 1 2 3 4 運営期間 (1) 職員駐在 (2) 開所期間 (3) 休館日 取扱時間 (1) 施設開館 (2) 窓口案内 8:00 ∼ 8:30 ∼ ∼ ∼ 平成16年11月 5日 平成16年10月28日 19:00(平日) 16:30(平日) 7:00 ∼ 7:30 ∼ ( 176日間) ( 167日間) 19:00(土日祝日) 17:00(土日祝日) 入館者数 83,622人(平成15年度 96,890人、前年度比 86.3%) (参考 巻末資料1「グラフでみる 9年間」もあわせてご覧ください。) 職員構成(写真 1) (1) 人数 7人 (2) (3) Ⅱ 平成16年 5月14日 平成16年 5月15日 なし 構成 職 所 技 管 理 管 理 管 理 管 理 管 理 長 師 員 員 員 員 員 氏 名 丸山 明 桜澤 仁 塚田 晴朗 山下さゆり 水野 梓 藤田 旭美 池田 茜 主 な 分 掌 業 務 全体総括 管理運営、自然解説 自然解説、機関誌発行 窓口応対、自然解説 自然解説、HP作成 窓口応対、自然解説 窓口応対、自然解説 アルバイト(サブレンジャー)雇用 延べ 188人(内訳:春期 36人、夏期124人、秋期 28人) 自然解説事業 利用者に尾瀬のふさわしい利用方法を啓発するとともに、豊かな自然の一端に触れ、 自然の大切さを認識してもらうことを目的としています。ビジターセンターでは展示室 及びレクチャールーム、掲示板等を利用し、入山者に対する自然解説及び利用案内を実 施しました。 表 平成16年度 尾瀬沼ビジターセンター自然解説活動のまとめ 区 分 自然観察会 スライドショー マルチスライド 団体レクチャー 参加者数(人) 1,227(80%) 2,814(92%) 10,903(90%) 746(74%) 実施回数(回) 161(194) 98(95) 160 14(13) (表中カッコ内は、%が前年度比、数値が前年度実施回数を示しています) 1 自然観察会 週末や繁忙期を中心に、朝夕の 2回、ビジターセンター周辺を案内する自然観察会 を実施しました。 (1) 実施場所 大江湿原周辺 (2) 実施時間 朝:7:00∼7:40 夕:16:00∼16:40 (3) 担 当 者 職員、サブレンジャー、尾瀬パークボランティア 2 スライドショー(写真 2) 自然観察会と同様の日程で、主に山小屋宿泊者を対象に、その日の担当者が自然や 尾瀬に関するテーマでプログラムを提供しました。 (1) 実施場所 尾瀬沼ビジターセンター・レクチャールーム (2) 実施時間 19:00∼19:40 (3) 担 当 者 自然観察会と同様 3 マルチスライド「尾瀬沼の四季」上映 四季の様子を12分間で紹介するビデオを、 1日 8回、毎定時上映した他、依頼によ る臨時上映も行いました。 4 団体レクチャー(写真 3) 事前に依頼を受けた学校団体や社会教育グループに対して、自然観察会やスライド レクチャーを実施しました。今年度は12団体について対応しました。また、昨年度か ら旅行業者や企業などからも事前予約があった場合に限りレクチャーを実施してお り、今年度は 2件について対応しました。 5 展 示 既存の展示に加え、次のような情報の掲示を行いました。 ① 植物の開花地点や鳥の観察ポイントなどの自然情報 (各方面週 1回程度更新) ② 登山道の危険箇所、自然災害の発生状況 (各方面週 1回程度更新、台風等悪天時は随時更新) ③ ツキノワグマの目撃情報 (情報が入り次第、随時追加・更新) ④ 気象情報(毎日更新) ⑤ バス・電車などの交通機関の時刻表など(季節による変更等あれば随時更新) ⑥ その他:オコジョの出現地点(情報が入り次第、随時追加) ) 季節の話題(アカシボ、凍裂、ワタスゲ、ニッコウキスゲ、水鳥等) 6 機関誌「尾瀬沼だより」の発行 毎月1回機関誌「尾瀬沼だより」を発行し、尾瀬山小屋、尾瀬パークボランティア、 登山者などへ直接配布しました。また、財団事務局を経由し、全国のビジターセンタ ーや関係機関への送付も行いました。 (1) 発行日 毎月10日発行(第1号[7月号]∼4号[10・11月合併号]発行) (2) 発行部数 各号 現地配布20∼30部[カラー版]、発送分150部∼190部[白黒版] 7 定点撮影 尾瀬沼周辺の景観の移り変わりをとらえ解説資料とするため、平成 9年度から毎週 火曜日に定点撮影を行っています。 (1) 撮影場所 燧ヶ岳、大江湿原全体、燧ヶ岳と大江湿原、ミズバショウ群落、 ニッコウキスゲ群落(ミズバショウ、ニッコウキスゲについて は開花期間中) (2) 撮影枚数 198枚 8 自然情報の収集・提供 利用者への情報提供や解説資料の充実のため、職員やサブレンジャーが必要に応じ て周辺各方面の自然情報収集を行いました。巡回で得た自然情報は整理の上、尾瀬沼 ・見晴・温泉小屋地区の各山小屋へ直接配付したほか、財団事務局を経由し、関係機 関や全国の登山用品店へも発信しました。また、財団のホームページにも掲載されま した(主な巡回地域はⅣ-2参照) 。 Ⅲ 環境省所管施設の維持管理 平成 8年度から、環境省が整備した尾瀬沼地区の各施設の維持管理を、実施していま す。維持管理を行っている施設は、次のとおりです。 平成8・9年度 尾瀬沼ビジターセンター 尾瀬沼第1公衆トイレ(清掃のみ) 1 平成10・11年度 尾瀬沼ビジターセンター 尾瀬沼第1公衆トイレ(清掃のみ) 尾瀬沼第2公衆トイレ(清掃のみ) 尾瀬沼排水施設及び流量計 平成12年度 尾瀬沼ビジターセンター 尾瀬沼第1.2公衆トイレ(浄化槽含む) 尾瀬沼排水施設及び流量計 尾瀬沼給水施設 入山者数カウントセンサー 平成13∼16年度 尾瀬沼ビジターセンター 尾瀬沼第1・2公衆トイレ(浄化槽含む) 尾瀬沼排水施設及び流量計 尾瀬沼給水施設 尾瀬沼汚泥処理施設 入山者数カウントセンサー 見晴地区公衆トイレ(浄化槽含む) 尾瀬沼第1・第2公衆トイレ (1) 概要 環境省が尾瀬沼地区に設置した尾瀬沼第 1及び第 2公衆トイレの管理を行いま した。浄化槽が良好な状態で機能するように維持管理を行うと共に、日常的な清 掃を実施しました。 (2) 業務内容 ① 各機器の点検・清掃 ② 開所・閉所作業 ③ 浄化槽維持管理(平成12年度から) 2 尾瀬沼排水施設及び流量計記録 (1) 概要 平成 9年度に環境省が整備した尾瀬沼排水施設の維持管理を、平成10年度から 実施しています。 (2) 業務内容 ① 日常点検 ② 記録用紙の補充 ③ 開所・閉所作業 3 尾瀬沼給水施設 (1) 概要 平成11年度に環境省が整備した尾瀬沼給水施設の維持管理を、平成12年度から 実施しています。 (2) 業務内容 ① 濾過装置の逆洗浄 ② 滅菌剤の交換及び滴下量の調整 ③ 水質の管理 ④ 日常点検の実施 4 尾瀬沼汚泥処理施設 (1) 概要 平成12年度に環境省が整備した汚泥処理施設の維持管理と点検を、平成13年度 から実施しています。 (2) 業務内容 ① 尾瀬沼第 1・第 2公衆トイレ及びその他の環境省所管施設で発生した汚泥の 適切な処理 ② 見晴公衆トイレで発生した汚泥の適切な処理 ③ 日常点検の実施 5 入山者数カウントセンサー (1) 概要 平成元年度に環境省が設置した尾瀬各地の入山者数カウントセンサーの管理 を、平成12年度から実施しています。 (2) 業務内容 ① 入山者数カウントセンサーの設置・撤去 大江湿原( 1セット)、御池( 1セット)、三平下( 1セット)、鳩待峠( 3 セット)、山の鼻( 2セット)の設置および撤去を行いました。 ② 入山者数の記録・集計 Ⅳ 巡回の実施 1 2 概要(写真6) 木道や登山道の安全確保、自然情報収集、利用者への案内・解説・指導、美化清掃 等を目的に、職員・サブレンジャーで分担し実施しました。 巡回の方面と頻度 ① 大江湿原∼沼山峠 :通常週 1から 2回実施、繁忙期は概ね毎日実施 ② 尾瀬沼一周 :通常週 1から 2回実施、繁忙期は概ね週 3回実施 ③ 小淵沢田代 :通常週 1回実施、繁忙期は週 2回程度実施 ④ 一ノ瀬∼大清水 :通常週 1回実施 ⑤ 大清水平 :通常週 1回実施 ⑥ 燧ヶ岳登山道 :通常週 1回実施、繁忙期は週 2回程度実施 ( 長英新道往復,長英新道∼御池新道,長英新道∼見晴新道, 長英新道∼ナデッ窪,長英新道∼温泉小屋新道 ) ⑦ 見晴∼温泉小屋 :通常週 1回実施 ⑧ 燧裏林道∼段吉新道 :通常週 1回実施 ⑨ その他 :必要と判断した地域について、随時実施 ( 皿伏山∼富士見方面,燧裏林道∼三条の滝,沼山峠∼七入, 小淵沢田代∼大清水 など ) Ⅴ その他 1 植生保護柵の設置(写真 4) (1) 概要 湿原への立入りを防止する目的で、要所にロープ柵を設置してい ます。 (2) 実施場所 大江湿原・沼尻・白砂湿原の休憩場所の周囲及び木道の要所、尾 瀬沼北岸の湿原部分 (3) 実施方法 既設の杭の間にロープを張りました。 2 尾瀬ボランティア活動支援 入山口啓発活動やお話ボランティア等のコーディネート及び現地での窓口としてボ ランティア活動を支援しました。 (コラム 「尾瀬ボランティア」もあわせてご覧ください。) 3 サブレンジャーの配置 尾瀬沼の業務に就くサブレンジャーに対して事前研修を行い、自然解説の手法を指 導するとともに、救命救急法講習会(夏期のみ)を設定し受講させました。 (コラム 「尾瀬サブレンジャー」もあわせてご覧ください。) 4 傷病事故の対応 尾瀬沼ビジターセンターで扱った傷病事故の件数は次のとおりです。 傷病対応 計21件 内訳/軽∼中程度の事例……13件 担架要請、ヘリ搬送などを要した事例…… 8件 (巻末資料3 「傷病者対応事例」もあわせてご覧ください。 ) 5 自然災害の復旧活動(写真 5) 16年度は台風や大雨がたびたび尾瀬に来襲し、登山道への樹木の倒伏、大木の根返 りによる木道破損、増水による小橋の流出などが発生しました。ビジターセンターで は、巡回で確認した災害情報の掲示および各機関への発信、小・中径倒木の撤去、大 径倒木や木道破損状況の管理者への通報、流出した小橋の回収と仮復旧作業などを行 いました。 6 ツキノワグマの情報収集 平成12年度から尾瀬地区内で目撃されたツキノワグマの目撃情報を収集し、目撃マ ップを作成するなどして関係機関や利用者への情報提供を行っています。 今年度は、山の鼻ビジターセンターからの情報をあわせ90件の目撃情報を収集し、 適宜、センター及び必要箇所に注意を呼びかける掲示を行うとともに、目撃情報をマ ップ化し、センターに掲示しました。 ツキノワグマ目撃マップ 7 尾瀬パークボランティアの活動支援 環境省所管の尾瀬パークボランティアの食事依頼表の作成と活動支援を行いまし た。 8 生活ゴミの計量及び域外搬出 センターで排出したゴミの分別を徹底し、計量後毎週月曜日に人力で域外搬出しま した。 ゴミは、可燃物(生ゴミは乾燥処理)、不燃物、アルミ缶、スチール缶、ビン、そ の他の色付きビン、ペットボトル、段ボール、新聞紙などに分別しました。 (総搬出量683㎏ ,昨年は607㎏) (写真1) 職員構成 所長、技師、管理員の 7人体制で運営を行いま した。 (写真2) スライドショー 夜7時から山小屋の宿 泊者を対象に、毎回40分 程度のスライド解説を行 いました。 (写真3) 団体レクチャー 予約制で観察会やスラ イドなど、参加者の要望 に応じた特別プログラム を実施しました。 (写真4) 保護柵の設置 利用者が湿原に入らな いように、杭とロープを 使って、要所に柵を設置 しました。 (写真5) 自然災害の復旧活動 荒天時には巡回を強化 し、大雨で流出した小橋 の回収と仮復旧、倒木の 処理や管理者への通報な どを行いました。 (写真6) 木道の安全確保 木道の危険箇所で除雪 を行ったほか、障害物の 除去などを行いました。 また、登山道の目印の付 け直しなども実施しまし た。 コラム ∼ 尾瀬サブレンジャー ビジターセンター運営のサポーター 2 ∼ はっきりとしない発足年代 サブレンジャー制度の始まりははっきりしませんが、昭和40年代には各国立公園で厚生省(当 時。現・環境省)に雇用されていたようです。その後も尾瀬サブレンジャーは、尾瀬沼ビジタ ーセンター運営協議会雇用のもと、パークレンジャー(現・環境省自然保護官)の指導監督を 受けて活動してきましたが、平成 8年 5月に当財団が引き継ぐことになりました。 ビジターセンター職員の補助員として 発足当時はパークレンジャーを補助する役割だったためこの名前が付いたようです。現在の サブレンジャーは尾瀬保護財団が雇用し、繁忙期(ミズバショウ期、夏休み期、紅葉期)に尾 瀬山の鼻・尾瀬沼ビジターセンターを拠点とし、案内・説明、観察会やスライドショー、公衆ト イレ清掃、美化巡回などのビジターセンター業務を補助することで、利用者への働きかけを充実 させることにあります。 雇用期間と仕事環境 サブレンジャーの雇用期間は春と秋の金∼月曜日の4日間。夏休み期間には前期20日間、 後期17日間の長期雇用となります(休暇あり)。財団負担で交通費(各大学から各ビジターセ ンターまで:上限あり)支給、傷害保険加入を行います。現地では、相部屋で山小屋などに宿泊 し、食費は自己負担になります。 尾瀬山の鼻・尾瀬沼ビジターセンターに配属されたサブレンジャーは研修(春・秋は半日、 夏は2日間)を受け、スタッフの一員としてローテーションにより、職員と共に美化巡回、自然 解説、利用者指導などの業務を行います。 参加大学 サブレンジャーは、学生時代に自然保護活動へ参加するきっかけの一つです。当財団ではサ ブレンジャー経験実績のある大学や専門学校のほか、地元3県の大学などへも働きかけを行って います。 (これまでの参加大学等:順不同) 千葉大学、東京農工大学、群馬大学、日本女子大学、東京環境工科専門学校、東京農業大学、 福島大学、新潟大学、江戸川大学、安田女子大学、宇都宮大学、東京学芸大学、日本大学、 岐阜大学 雇用人数 表 尾瀬保護財団が雇用した尾瀬サブレンジャー人数(延べ人数) 平成 8年度 平成 9年度 平成10年度 平成11年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度 尾瀬山の鼻 春 48 36 48 48 48 48 48 48 36 ビジター 夏 120 126 160 138 136 144 88 109 124 センター 秋 54 48 36 36 36 32 20 27 28 計 222 210 244 222 220 224 156 184 188 尾瀬沼 春 112 87 60 52 52 58 48 48 36 ビジター 夏 176 217 141 158 159 117.5 110 119.5 124 センター 秋 85 85 55 34 26 28 27 28 計 373 389 256 244 245 201.5 186 194.5 188 見晴休憩所 夏 160 126 160 152 128 52 37 39 − * 秋 72 30 32 16 32 8 6 1 − 計 232 156 192 168 160 60 43 40 − 池** 37 40 24 19 21 35 17 11 − 計 864 795 716 653 646 520.5 402 429.5 376 御 総 * 34 平成13年度から15年度までの見晴での活動は、活動拠点の見晴休憩所が建て替えになったため、 両ビジターセンターからの日帰り巡回(美化清掃、利用者指導)を行った人数を記した。 ** 平成13年度から15年度までの御池活動では、従来(平成12年度まで)の交通規制誘導業務でなく、 檜枝岐村からの要請により、村営御池ロッジに併設された尾瀬ブナの森ミュージアムの管理業務 を行った。 研修風景 大清水湿原でのインタープリテーション研修 ∼ 尾瀬サブレンジャーのみなさま、これからも充実した運営へのサポートをお願いします ∼ コラム ∼ 自然解説アンケート ビジターセンター自然解説活動の充実を目指して ∼ (1)アンケート実施の趣旨 尾瀬の自然を守るうえで何よりも重要なのが利用者一人一人の自然を守ろうという意 識です。このため、山の鼻ビジターセンターでは、自然保護への意識を高めてもらうた め自然観察会やスライドショーなどの自然解説活動を実施しています。今回、解説活動 をより充実させるために、今までの解説活動をふり返ると共に、利用者の声を今後の活 動に役立てるためにアンケート調査を実施しました。 (2)アンケート手法 アンケート用紙及び回答用ハガキを絵はがきセット(3枚組)に同封したものを、 参加者に配布しました。配布時に、後日自宅にて記載の上返信を依頼しました。アンケ ートの実施は、平成16年9月18日∼10月11日で、アンケート用紙を100件配 布し、45件(回収率45.0%)回答がありました。 20代 20歳未満 無回答 (3)アンケート結果の概要 4.4% 30代 2.2% 0.0% 60代以上 8.9% 31.1% 男女比では、女性が53.3%と若干多い結果とな 40代 15.6% りました。年齢では、 「50代」 「60代以上」の 50代 37.8% 高齢者層が非常に多く、両者で68.9%を占めてい ます。そして、東京、埼玉など南関東の大都市圏 福島 その他 東京 4.4% 15.6% からの人が55.5%と過半数を占めています。 22.2% 兵庫 観察会等への参加回数について質問したとこ 4.4% 岐阜 ろ、初めて参加した人が48.9%、何回か参加した 4.4% 埼玉 13.3% ことのある人は、44.3%とリピーターが半分近く 石川 神奈川 愛知 群馬 千葉 4.4% 6.7% 11.1% 4.4% 8.9% いました。 ただ、観察会等の開催について、事前に知って 10回以上 無回答 5∼10回 2.2% 6.7% いた人は24.4%とわずかで、ほとんどは当日尾瀬 4.4% はじめて 2∼4回 に来てから開催を知り、参加しています。このP 48.9% 13.3% R不足解消も今後の課題のひとつです。 1回 参加者の動機も質問しましたが 、「尾瀬を知り 24 4% たいため」と答えた人が68.9%と非常に多く、自 無回答 知っていた 0.0% 由意見の中でも「尾瀬についてもっと詳しく掘り 24.4% 下げた解説をして欲しい」という人もいました。 アンケートの実施時期が秋ということもあったか 直前の放送等 57.8% 当日VCで と思いますが、「花のことを知りたくて」という 17.8% 動機が非常に少なかったことには少し驚きまし その他 無回答 たまたま た。これ以外に参加費の問題や活動時間、実際の 0.0% 6.7% 13.3% 解説活動の内容、分かりやすさなども質問してい 時間があった から 8.9% ます。 このアンケート結果を参考にしながら、来年度 花を知りたい 尾瀬を知りたい 2.2% 68.9% の自然解説活動の充実を図っていく予定です。 コラム ∼ 尾瀬自然解説ガイド ビジターセンター運営のサポーター 尾瀬自然解説ガイドとは 3 ∼ ∼自然に親しむお手伝い∼ 主に滞在時間の短い入山者を対象にした自然解説のためのガイドです。自然に親しむとともに、 マナーの向上を図り、尾瀬の適正な利用を推進することが目的です。参加料はひとりあたり50 0円∼1,500円で、保険料や資料代、緊急時の無線設備などの事務費に充てています。ガイ ド本人には、鳩待峠・御池∼現地までのバス代など、一部を補う程度で、給与や報酬は支給しま せん。 発足の経緯 ∼理事長の命を受けて∼ 「21世紀の尾瀬を考える」をテーマに行われた尾瀬サミット2002では、至仏山保全対策 や地元山岳ガイドからの活動報告があり、ガイドの役割とガイド資格の課題について認識されま した。さらにその後、財団理事長(=小寺弘之群馬県知事)から、群馬県議会で次のような発言 があり、財団がガイド事業に本格的に取り組むきっかけとなりました。( 「 前略)何よりも尾瀬を 知っていただくということが尾瀬保護の一番肝心なことでありますので、ガイドの導入というの は大事なことであると積極的に考えております。(中略)今後、財団を中心に新しいガイド制度の 創設と民間団体のガイドとの相互ネットワーク化などについて積極的に検討し、具体化してまい りたいと思います。(後略)」(平成14年9月25日群馬県議会の議事録から引用) いよいよ本格始動 ∼平成16年度の実施結果∼ 平成16年度の尾瀬自然解説ガイドの活動内容は次のとおりです。 ◎実施日:5月22日(土)∼10月7日(木) 計27日間 ◎時間 :午前7時30分∼13時 ◎参加者のべ人数 162人 ◎ガイドコース ◎所要時間 研究見本園一周・大江湿原一周 尾瀬ヶ原(山ノ鼻∼牛首) 片道 尾瀬沼(沼VC∼沼尻) 片道 尾瀬ヶ原(山ノ鼻∼牛首) 往復 尾瀬沼(沼VC∼沼尻) 往復 尾瀬ヶ原(山ノ鼻∼竜宮∼ヨッピ橋)片道 尾瀬ヶ原(山ノ鼻∼竜宮∼ヨッピ橋)往復 1時間 1時間30分 〃 3時間 1200円 〃 〃 信頼される自然解説ガイドを目指して 2時間 4時間 ◎参加料金 500円 800円 〃 ◎備考 最少催行人員2人 1グループ最大10 人 1000円 1500円 ∼質の高いガイドの人材を確保∼ ガイド事業の成否を決めるのは、ガイドの質そのもの、すなわち「人材」です。尾瀬自然解説 ガイドでは、質の高い人材を確保するため、尾瀬ボランティアでIP(インタープリテーション) 研修を受講済みの方を対象に、導入研修を実施し、レポートの提出を経て現地研修を修了した方 14人を15年度にガイド登録しました。平成16年度は、尾瀬沼地区を会場に2回目の現地研 修を実施し、新たに9人のガイドを登録したことにより、現在23名のガイドが登録されていま す。尾瀬自然解説ガイドは、将来、ガイド団体として財団から独立し、自主運営に移行する計画で す。 ∼ 尾瀬自然解説ガイドのみなさま、これからも職員とともに切磋琢磨してゆきましょう ∼ 一般の方から寄せられた声 コラム ∼ 両ビジターセンターに寄せられた声から ∼ 見たいです。 体験学習ではじめてきました。オコジョに会えなかったので、また来たときにオコジョ を見てみたいです。(学生) 今咲いている花をボードに書いたり、写真などがあって良かったです。私は「オコジョ」 を見られなかったので 、「オコジョ」の写真が見られて良かったです。でも今度は自分の 目で見たいです。(学生) わかりました。 見えたものカード及び展示でクマなどいろいろなものを見たことがわかりました。 (学生) 感激しました。 天候は雨でしたが(鳩待峠から入山)木道沿いにはいろいろと注意看板が標示してあり 大変安心して散策できました。また、休憩所なども清潔で大変楽しい思いをさせていただ きありがとうございました。担当者の方に感激しております。(埼玉県 男性) 驚きました。 歩いてきました。とっても美しく整備されており驚きました。木の名前、花の名前の標 示があるといいですね。 疑問です。 クマ対策の鈴について。クマ対策の鈴は必要だとは思うが、一人一人持つ必要性がある かは疑問です。小鳥のさえずりや小川のせせらぎの音が聞こえない。10人も集まると騒音 である(この日は久々の混雑日であった)。 ∼ ビジターセンター利用者のみなさま、これからも充実した運営のためにご意見をお願いします ∼ 巻末資料1 グラフでみる9年間 1 ビジターセンター入館者数の推移 700 648 614 600 (単位:千人) 尾瀬の総入 山者 尾瀬山の鼻 ビジターセ ンター 尾 瀬 沼 ビジターセ ンター 500 455 400 426 428 448 410 384 342 300 200 217 100 103 - 平成 8 年 194 146 153 128 133 114 142 102 144 102 124 101 127 97 111 84 平成 9 平成10 平成11 平成12 平成13 平成14 平成15 平成16 *尾瀬沼ビジターセンターの平成8年度データは参考値(センサー未設置のため) 2 自然観察会への参加者数の推移 3,500 3,297 3,195 3,000 3,066 2,819 (単位:人) 2,500 2,344 2,243 2,000 2,053 1,726 1,500 1,022 1,000 1,199 1,333 1,338 1,210 1,161 1,527 1,227 877 872 500 0 平成 8 年 平成 9 平成10 平成11 平成12 平成13 平成14 平成15 平成16 3 スライド上映会(スライドショー)への参加者数の推移 8,000 7,000 7,092 (単位:人) 6,000 5,678 6,152 5,517 5,000 4,773 4,582 4,022 4,000 3,000 2,552 2,000 2,528 1,851 2,938 2,471 3,077 2,814 2,791 2,079 1,956 1,537 1,000 0 平成 8 年 平成 9 平成10 平成11 平成12 平成13 平成14 平成15 平成16 - 25 - 巻末資料2 ビジターセンターの利用動向 1 尾瀬の総入山者数とビジターセンター入館者数との比較 700 648 614 600 尾瀬の総入 山者 尾瀬山の鼻 ビジターセ ンター (単位:千人) 500 455 426 400 448 410 384 342 300 217 200 194 153 128 146 103 100 尾 瀬 沼 ビジターセ ンター 428 133 114 142 102 144 102 124 101 127 111 97 84 平成 8 年 平成 9 平成10 平成11 平成12 平成13 平成14 平成15 平成16 2 尾瀬の総入山者に占めるビジターセンター入館者の割合(平成16年) 43% 両ビジターセンター 合計 57% 3 尾瀬の総入山者に占めるビジターセンター入館者の割合(平成8年∼平成16年) 平成8年 平成 9 平成10 平成11 平成12 平成13 平成14 尾瀬の総入山者数 平成15 平成16 647,523 614,317 455,409 425,807 428,446 448,041 409,942 384,251 341,558 両ビジターセンター 合計 49% 55% 62% 58% 57% 55% 55% 58% 57% (内訳)尾瀬山の鼻ビジターセンター 34% 32% 33% 31% 33% 32% 30% 33% 32% (内訳)尾 瀬 沼ビジターセンター 16% 24% 28% 27% 24% 23% 25% 25% 24% *「尾瀬の総入山者数」は環境省発表データを引用しました。 - 26 - 巻末資料3 平成16年度 ビジターセンター傷病者対応事例 尾瀬沼ビジターセンター対応事例(担架搬送、ヘリ搬送したものを抜粋) 死亡事故 6月11日(金) 11時40頃 ビジターセンター周辺にて、 胸が苦しく歩行困難 沼山峠まで担架搬送 その後死亡。 転倒事故 7月18日(日) 9時40頃 尾瀬沼南岸木道で滑り転倒。右足首骨折 応急処置をして、沼尻まで背負って搬送。その後防災ヘリで搬送する。 転倒事故 7月18日(日) 8時40頃 沼山峠∼大江湿原に向かって湿原へ出る直前の木道 にて、右足脱臼、添え木・布を用いて脱臼部分固定。防災ヘリにて搬送。 転倒事故 9月 4日(土) 13時半頃 大清水平分岐付近にて、右足骨折の疑い。三平下ま で担架搬送、尾瀬沼までボート、翌日、沼山峠まで担架搬送。 転倒事故 10月 2日(土) 9時頃 大清水平分岐付近にて、左足捻挫。添え木と布を用い て脱臼部分を固定。その後ヘリにて搬送。 転倒事故 10月 3日(日) 11時半頃 尾瀬沼南岸小沼付近にて、右足骨折の疑い。小沼 ∼沼尻まで担架搬送、尾瀬沼までボート、沼山峠までは担架搬送。 転倒事故 10月 5日(火) 7時半頃 左膝を捻る。沼山峠まで担架搬送。 転倒事故 10月16日(土) 10時頃 尾瀬沼北岸の木道で滑り転倒。手首の捻挫もしくは 脱臼、嘔吐あり歩行困難。ヘリにて搬送。 尾瀬山の鼻ビジターセンター対応事例(担架搬送、ヘリ搬送したものを抜粋) 転倒事故 転倒事故 転倒事故 転倒事故 転倒事故 転倒事故 6月 8日(火) 12時頃 牛首付近にて、右足首捻挫。職員付き添う。 その日は山ノ鼻で宿泊 翌日担架にて鳩待峠へ搬送。 6月10日(木) 8時頃 テンマ湿原にて、転倒、胸部打撲・顔面裂傷。 研究見本園まで担架搬送、その後防災ヘリで病院へ。 6月19日(土) 9時頃 鳩待峠∼山ノ鼻の中間地点にて、転倒により、左足 ふくらはぎ打撲。歩行できず担架搬送。 7月14日(水) 14時頃 川上川橋付近にて、転倒、左肩脱臼。 三角巾で固定後、担架搬送。 7月23日(木)14時頃 ヨッピ橋∼牛首にて、転倒、右肩脱臼。発生場所か ら研究見本園まで担架搬送。 9月27日(月) 12時頃 鳩待峠∼山ノ鼻の中間点にて、転倒、足捻る。 歩行困難なため、鳩待峠まで担架搬送。 他に3件ありました。 巻末資料4 −2004年 尾瀬のできごとをふりかえる− 今シ ーズン尾 瀬での熊 の目撃 情報が例 年に増し て多かっ た。特に 山ノ鼻地 区では山小屋 の周囲 に居座り 続け、轟 音玉等 での追い 払いも効 果がなく 、環境省 ・地方自 治体・各関係 者等の 話し合い により、 罠での 捕獲、他 地域への 放獣(追 跡調査) を初めて 試みました。 (下線のできごとは、場所を定めて毎年経過観察をしているものです )。 尾瀬ヶ原周辺のできごと 尾瀬沼周辺のできごと (尾瀬山の鼻ビジターセンター報告) 5月 12 (尾瀬沼ビジターセンター報告) 5月 職員上山 14 イワツバメ早くも飛来 15 ビジターセンター開所式 20 尾瀬山開き・・・・・・大清水 職員上山、沼山峠から入山 積雪少ない 15 ビジターセンター開館 最低気温 −3℃ ミズバショウの見頃・・上田代 23 白砂湿原付近保護柵設置 (5月中∼下旬) 24 沼尻付近保護柵設置 25 ミズバショウ見ごろ・・・大江湿原 (昨年と変わらない) 31 6月 5 6月 東電小屋付近で熊に襲われ二人ケガ 14∼16 4 ミズバショウの見頃過ぎる 連日の大霜により、ニッコウキ 5 ゴミ持ち帰り運動実施 スゲ、ツツジ類の蕾に影響あり 8 ワタスゲの果穂が白くなり始める 15 ワタスゲ見頃 25 ニッコウキスゲ咲き始め 26 至仏山柵立て作業実施 7月 14 降霜 最低気温 −1℃ 7月 1 第一回至仏山山開き(戸倉区主催) 8 山ノ鼻地区熊対策会議実施(山の鼻 地区、環境省、尾瀬保護財団) 17∼18 連日の豪雨により木道流失 下の大堀橋付近 ※ 大江湿原付近保護柵設置 3 (昨年より1週間ほど遅い) 4 燧ヶ岳山開き 7 登山家 野口健来訪 16 ニッコウキスゲの花は、6月遅霜の 影響により、群落がみられない。 ニッコウキスゲ開花確認・大江湿原 大雨の影響で一部木道や橋などが流 失(尾瀬沼北岸 押出し沢付近) 27 尾瀬子供サミット開催(福島県側) (∼30) ※ ニ ッ コ ウ キ ス ゲ の 花 少 な い 。( 6 月 遅霜の影響) 8月 11 8月 山ノ鼻キャンプ場一時閉鎖 (クマ出没のため) 18 山ノ鼻地区に熊捕獲罠2ヶ所設置 21 熊 1 頭 捕 獲 ( 8/24ヘ リ で 鳩 待 へ 6 燧ヶ岳 ナデッ窪笹刈り 9 尾瀬サミット開催(湯之谷村) (∼10) 18 尾瀬保護調査会 調査実施( ∼22 ) 空輸し他地区へ放獣) 9月 9月 1 山ノ鼻キャンプ場閉鎖解除 4 尾瀬パークボランティア交流会開催 5 リニューアル工事のため展示室閉鎖 15 初霜(昨年より1週間早い) 12 山ノ鼻十二山神祭り開催 26 ありがとう尾瀬清掃実施 15 尾瀬ヶ原初霜(ー0.1℃) 29 写真撮影会実施(沼尻にて) 20 台風23号 下の大堀橋付近他 木道 の一部が冠水 30 今シーズン初めてストーブを使用 (昨シーズン8/14) 10月 15 23 10月 尾瀬ヶ原初雪(至仏山 15㎝) 1 降霜 最低気温 1.9℃ 尾瀬ヶ原周辺紅葉終わり 7 降霜 最低気温 夕方 新潟県中越地震発生、池塘の −2℃ 初氷 14 夜、初雪 底が一部剥離 23 燧ヶ岳霧氷 28 山の鼻ビジターセンター閉館 24 降霜 29 管理員6名下山 28 最低気温 −8.2℃ 燧ヶ岳冠雪 新潟県中越地震 最低気温 −6℃ ビジターセンター閉館 29 11月 3 11月 竜宮公衆トイレ閉鎖、竜宮沼尻橋板 を外す 4 山の鼻公衆トイレ閉鎖 尾瀬ヶ原の3つの橋板( 原の川上橋 、 上ノ大堀橋、下ノ大堀橋)を外す 鳩待峠・山ノ鼻地区設置の人数カウ ントセンサーを外す 5 管理員4名下山 職員4名下山 1 所長、管理員1名下山 3 公衆トイレ閉鎖 5 沼山峠ボランティアハウス撤去 職員1名下山 コラム ∼ 尾瀬の自然解説事業 ビジターセンター職員の解説活動雑感 ∼ 【尾瀬山の鼻ビジターセンターでの解説業務】 尾瀬の保全をはじめとした環境保護への共感を得られるような活動を目指して、自然観 察会やスライドショー等の自然解説事業を行っています。自然解説活動は自然とふれあう よい機会となるものです。自然の営みを見、聴き、嗅ぎなど人の感覚に訴えながら、自然 を感じ取るのですが、尾瀬は貴重な自然ということで色々な制約があります。採取できま せんから、味わったりはもってのほか。葉っぱをちぎってもいけません。湿原保護のため、 木道から外れることも御法度。ただ、自然度は一級品です。登山道や木道のまわりには、 素晴らしい自然があります。ミズバショウやニッコウキスゲといった一般によく知られた 花に目がいきがちですが、もっと違った面に光を当てていきたいと思っています。開催の あり方についても、近年登山客の減少により鳩待峠への混雑が緩和されたので、帰りの人 を対象としたガイドウォークを試験的に実施してみました。まだまだ、問題も多いですが、 解説活動を充実させていきたいと思っています。 また、解説活動に参加した人の声を聞きたくて、アンケートを実施しました。やはり一 方通行ではなく、参加者の声を聞くことは勉強になります。別頁に概要を掲載しています。 なお、今年、ビジターセンターは展示施設を見直すこととし、リニューアル工事を行い ました。工事中は、展示をレクチャールームに移すなどしておりましたが、来館者にはご 不便をかけたことと思います。リニューアルでは、来館者とのふれあいを増やし明るい展 示施設にするべく、カウンターの設置や展示物を見直しましたので、多くの方に御来館頂 きたいと思っています。(文責:金子) 【尾瀬沼ビジターセンターでの解説業務】 近年、尾瀬への入山者は減少していますが、観察会・スライドショー・団体レクチャー についても同様に、参加者が減少しています。特に今年は夏に咲くニッコウキスゲが約1 割∼2割程度と過去にない少なさで、その時期だけを見ても、ハイカーの人数が少なく、 (これだけが原因とは言えませんが、 )観察会等の参加者が減少した要因かもしれません。 今シーズンの解説業務については、従来どおりで、観察会は朝夕2回実施、スライドショ ーは宿泊者向けに夜7時に実施、団体レクチャーは事前に予約があった場合について実施 しました。入山者は減少しても、観察会等の参加者が増えるよう努力して行きたいと思っ ております。職員個々の解説業務のスキルアップはもちろんのこと、訪れたハイカーが気 軽に参加でき、なおかつ終了後、楽しかった、非常に勉強になったと言われるようこれか らも日々精進して参ります。(文責:桜澤) ※観察会、スライドショーについては、毎日実施しているわけではありませんので、詳細 はお問い合わせください。両ビジターセンターとも今後も充実した自然解説になるよう努 力してまいりますので、尾瀬にお越しの際は、是非ご参加ください。 ∼ ◆ 平成16年シーズンの尾瀬トピックス ∼ 尾瀬の雪解けが昨年に比べ早い。遅霜によりミズバショウが茶色に変色 し、ニッコウキスゲの花芽も被害を受ける。 ◆ JATA(日本旅行業協会)社会貢献委員会による混雑期の尾瀬視察が 行 わ れ る 。( 6 月 4 ∼ 5 日 ) ◆ ヨシッポリ田代の木道で、都内に住む男性ハイカー2人がツキノワグマ に襲われ、腕などに1か月のケガ。尾瀬では5年ぶりの事故となる。 (6月5日) ◆ 至 仏 山 山 開 き が 鳩 待 峠 登 山 口 で 初 め て 行 わ れ る 。( 7 月 1 日 ) ◆ 戸倉ダム中止に伴う整備事業で、尾瀬博遊館(仮称)構想が盛り込まれ る 。( 7 月 2 7 日 ) ◆ 山ノ鼻地区で、クマの目撃情報が頻繁になり、クマ対策会議開催(7月 3 0 日 )。 研 究 見 本 園 の 一 部 立 ち 入 り 禁 止 ( 8 月 1 1 ∼ 3 1 日 )、 山 ノ 鼻 キャンプ場使用禁止(8月10∼31日)される。 ◆ 山 ノ 鼻 地 区 で 、 初 め て ク マ の 学 習 放 獣 が 実 施 さ れ る 。( 8 月 2 4 日 ) ◆ 全国各地で、例年以上に、ツキノワグマの目撃や被害が続出。 ◆ 見 晴 地 区 の 山 小 屋 で ご み 焼 却 が 発 覚 ( 8 月 4 日 )。 書 類 送 検 。 ◆ 湯之谷村で尾瀬サミットが開催され、小池環境大臣が来賓として参加。 (8月9∼10日) ◆ 日 光 国 立 公 園 指 定 7 0 周 年 を 迎 え る ( 1 2 月 4 日 )。 各 地 で 記 念 行 事 開 催。 ◆ 尾瀬の入山者が、平成元年計測開始以来最低の、34万1千人となる。 尾瀬保護財団の沿革と概要 財団の沿革 平成 4年 8月 4日 福島・群馬・新潟三県知事による「尾瀬サミット」(尾瀬沼山荘) 平成 7年 6月13日 財団設立発起人会(東京都内) 8月 3日 財団設立発会式、第1回理事会(尾瀬沼ヒュッテ) 事務局:群馬県大友庁舎(前橋市大友町) 平成 8年 5月15日 尾瀬沼ビジターセンター開所(財団による運営開始:環境庁から受託) 5月18日 尾瀬山の鼻ビジターセンター開所(財団による運営開始:群馬県から受託) 8月2∼3日 尾瀬サミット1996[第1回サミット](尾瀬ロッジ) 平成 9年 4月 1日 事務局、群馬県公社総合ビル(前橋市大渡町)に移転 平成11年 7月13日 特定公益増進法人に認定(財団への寄附につき税制上の優遇措置が受けら れる制度) 9月 3日 事務局、群馬県庁19階(前橋市大手町)に移転 財団の概要 ・設立日 平成 7年 8月 3日 ・基本財産 約15億円(平成15年度末現在) ・主な事業 入山者指導、自然解説、植生復元、施設管理、調査研究、顕彰事業など ・組織体制 評議員会 理 事 会 評議員(30人) 監 理事長 事 (2人) 副理事長(3人) 常務理事 理事(15人) 事務局長 次 長 総 務 課(3人) 企 画 課(3人) 尾瀬山の鼻ビジターセンター(8人) ※VC人数はシーズン中のもの 尾瀬沼ビジターセンター(7人) ボランティア(384人) 友の会(1,615人) ※人数は16年末現在 施設概要 ・尾瀬山の鼻ビジターセンター 設置者:群馬県 鉄骨木造2階建 展示室 69㎡ ・尾瀬沼ビジターセンター 延床面積344㎡ レクチャールーム 80㎡ 平成5年築 事務室 17㎡ 設置者:環境省 鉄骨木造2階建 展示室 132㎡ 延床面積493㎡ レクチャールーム 99㎡ 昭和60年築 事務・会議室 32㎡ この冊子について この冊子は、財団法人尾瀬保護財団が受託運営する尾瀬山の鼻と尾瀬沼の両ビジターセン ターの平成16年度実績報告をまとめたものです。活動の概要を関係者へ報告するとともに、 今後の運営資料として活用するために作成しています。 ☆集計方法について ビジターセンター入館者数 公衆トイレ利用者数 ・施設に設置されているセンサーで自動計測した結果をそのまま集計しています。 停電等により計測に不具合があった場合は、適宜補正しました。また自動計測のため、例 えば行列や感知器の前に障害物がある場合には実際との誤差が発生しますが、これについて は特に補正していません。公衆トイレについては山の鼻のみセンサーが設置されています。 アルバイト(サブレンジャー)雇用人数 ・勤務地ごとの賃金支払実績から活動日数を計算しています。 自然観察会 ・平日の野外活動として実施した「平日朝の自然観察会」の実績を含んでいます。 その他 ・比率(%)で示した数値は、すべて小数点以下第2位を四捨五入しています。 ・本文中に「VC」とある場合は、「ビジターセンター」と読み替えてください。 *この冊子をご希望の方には実費で頒布しています。 平成16年度 尾瀬山の鼻 尾 瀬 沼 ビジターセンター運営記録 平成17年 3月 1日 〒371-8570 群馬県前橋市大手町一丁目1番1号 財団法人 TEL 尾瀬保護財団 (027)220-4431 FAX (027)220-4421 ホームページアドレス http://www.oze-fnd.or.jp/ E-mail アドレス [email protected] ─── お問い合せは ─── 財団法人 尾瀬保護財団 〒371-8570 群馬県前橋市大手町1-1-1 群馬県庁19階 TEL 027−220−4431 FAX 027−220−4421 mail → [email protected] ビジターセンターでは利用者に尾瀬の自然の大切さを知ってもらい、マナーを守りなが ら利用してもらうための様々なイベントを催しています。 ビジターセンターは山ノ鼻(尾瀬ヶ原の入口)と、尾瀬沼の東畔にあります(表紙裏の 地図参照)。散策前に是非立ち寄ってみてください。 ※ 天候等により実施しない日もありますので、事前に財団へお問い合せください。 いつでも 窓 口 いつでも 展 示 スタッフが尾瀬のことにお答えします 尾瀬のことがわかりやすくまとまっています 窓口時間 8:30∼16:30(平日) 7:30∼17:00(土日祝) 開館時間 8:00∼19:00(平日) 7:00∼19:00(土日祝) いつでも いつでも 自 然 情 報 ビデオ上映 花の見頃や登山道の様子が毎週更新されています Check! Check! Check! 尾瀬のビデオが上映されています 急な申込みでも大丈夫! 自然情報は尾瀬保護財団ホームページでも掲示しています URL → http://www.oze-fnd.or.jp/ 両ビジターセンターで上映 「尾瀬の自然とふれあうために」(18分) 「尾瀬その成り立ちとしくみ」(16分) 「尾瀬はふるさと−空を渡る生き物たち−」(10分) いつでも セルフガイド 一人でも自然観察ができるガイドマップです 「尾瀬ヶ原」 「研究見本園」 「大清水∼尾瀬沼」 「アヤメ平」 「燧裏林道」 「尾瀬沼」が揃っています 山の鼻ビジターセンターで上映 Hi-Vision「驚異の食虫植物モウセンゴケ」(20分) Hi-Vision「トンボ」(18分) Hi-Vision「クモ」(18分) 尾瀬沼ビジターセンターで上映 マルチスライド「尾瀬沼の四季」(12分) 期間限定 期間限定 自 然 観 察 会 スライドショー 一緒に湿原へ出てみましょう! スライドのはなしを聞きながら尾瀬の不思議を知る 周辺の湿原で動植物の観察をしながら散策をします 朝 7:00∼7:40 夕 16:00∼16:40 ※ 山の鼻VCのみ夕方は14:00∼14:40です ※ 開催時期についてはお問い合せください 「今日のショーはあるの?」と利用者から尋ねられる程 の定番企画です。まずは参加してみてください 夜 19:00∼19:40 ※ 開催時期についてはお問い合せください 期間限定 要予約 企 画 展 示 団体レクチャー 尾瀬を深く知るための特別展示です グループで尾瀬を学びたいので、案内して欲しい ※ 開催時期・内容についてはお問い合せください 事前に申込みのあった団体には、観察会やスライドショー などのプログラムを実施しています(要予約) 期間限定 期間限定 尾瀬自然解説ガイド お話しボランティア 実施日を限定して、自然解説ガイドが短時間の ガイドをします(コース限定、有料、要予約)。 ※ 開催日についてはお問い合せください 平日の休憩ベンチには個性豊かな 解説ボランティアさんがいます ※ 開催時期・内容についてはお問い合せください この他、ビジターセンターに関する色々な情報は、各ビジターセンターのホームページをご覧ください。 尾瀬山の鼻ビジターセンター http://www.oze-fnd.or.jp/yamanohanavckara/ 尾瀬沼ビジターセンター http://www.oze-fnd.or.jp/numavckara/ この冊子の印刷費は1部あたり約133円です。
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